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賃貸住宅を楽しい暮らしの舞台に! 「大家の学校」で伝えたいこと【後編】

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当記事はSUUMOジャーナルの提供記事です

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賃貸住宅を楽しい暮らしの舞台に! 「大家の学校」で伝えたいこと【後編】

日本の賃貸住宅にもっと多彩な選択肢を。そのために必要なのは、個性豊かな大家さんを育てること。そんな思いから始まった「大家の学校」は、どんなことが学べる場なのだろうか? 前編に続き、「大家の学校」の校長である青木純さんに聞いた。
大家の仕事の面白さを多角的に学べるカリキュラム

2016年11月に開校式を迎えた大家の学校・第一期。カリキュラムのテーマを挙げると「愛ある賃貸住宅を求めて」を皮切りに、「エリアで考える魅力づくり」、「地域とつながる大家論Ⅰ・Ⅱ」「シェアする暮らしの作法」「リノベーションのプランニング論」「育つ賃貸住宅のプロセスデザイン論」と続く。3月6日に閉校式を迎えたが、2017年5月〜8月には第二期が開校される。

講師陣はマーケットリサーチャー、建築家、不動産業者、工務店、シェアハウスやカフェの経営者など、その職能は多岐にわたる。どの講師も人が集まる「場」づくりやまちづくり、地域コミュニティといった領域で道を切り開いてきたパイオニア。苦労や失敗を重ねてきたからこそ、個性的なスタイルを確立している人たちだ。

大家はラーメン業界を目指せ!

「これまで大家さんや不動産管理にかかわる人たちは、クレームを恐れるあまりに、個性を出さないことが多かった。誰にでも選ばれる(無難な)部屋を手間ヒマかけず、効率よくつくって回転率を上げる。そんな考え方はまだまだ根強い。その結果、無個性な賃貸住宅が増えてしまう」(青木さん)

これに対して「大家の学校」が見ているのは、個性的な大家さんが増えることで日本の賃貸住宅が豊かになる未来。第一期講師の茨田禎之さん(東京都蒲田・大森地区で代々大家業を営む)は「大家さんはこれからラーメン業界を目指そう」と語った。それぞれの大家さんが自分のこだわりや”味”を打ち出すことで、賃貸住宅に多様性が生まれ、住む人の選択肢が広がる。

「建物よりも大家さんの顔が見えて、大家さんにファンがつくくらいになると面白い」(青木さん)。賃貸はスペックだけでなく「どんな大家さんか」で選ばれる。これからの家探しには、そんな選択肢があってもいいのかもしれない。

【画像1】講義の様子。青木さんが聞き手になることで、思いもよらぬ本音が飛び出す(画像提供/株式会社まめくらし)

【画像1】講義の様子。青木さんが聞き手になることで、思いもよらぬ本音が飛び出す(画像提供/株式会社まめくらし)

正解なんてない。大家は自分の個性を出そう

大家が個性を出すこと。それは決して「変わったことをする」という意味ではない。

「大家さんって、暮らしに寄り添う人。だから、なるべく自然体であるほうがいい。普通の人が普通の個性を発揮してやることが、実は一番、個性のあることだと思います」

第一期には26歳~58歳まで多様な受講生が集まった。20代の二代目オーナーからシニア世代の大家さん、他職種をもつ兼業大家、大手デベロッパーでエリアマネジメントに従事する若者、不動産管理会社の社員、地方自治体の公務員、建築家もいる。

なかには岩手、宮城、熊本、北海道など遠方から飛行機で通う人もいるが、「朝練」と称して講義開始前から自主的に集まるなど、受講生たちの熱意は高い。「ゆくゆくは卒業生のなかから、講師や、自分の代わりに「校長」をつとめるような人が出てきてほしい」という思いとともに、青木さんたち講師からは「次はあなたたちがこちら(登壇)側に来る番ですよ」と伝えているという。

【画像2】開校にあたっての青木さんからのメッセージ

【画像2】開校にあたっての青木さんからのメッセージ

ハコ探しではなく、家探しを

大家が大切にしたいことに共感し、共に育んでくれる住人たち。こうした人たちと一緒に月日を重ねることで、住宅にオンリーワンの価値が生まれる。それは青木さんが「集合住宅」ではなく「共同住宅」という言葉にこだわる理由でもある。

「投資回収をバランスよくやっていくことはすごく大事。でも収益性を追い求めるだけではなくて、その場所そのものの価値を住む人や地域の人たちと一緒に積み重ねることで、ほかとは比較されない住まいに育てることができる」(青木さん)

オーナーでなくとも、長く住む住人が住人同士の交流を促すなど「雇われ大家」のような人が出てきても面白い、と青木さんは話す。これからの「大家」とはそんな責任感と愛情をもって、賃貸住宅という「共に暮らす住まい」を育てる人のことなのかもしれない。

「みんな本当はハコ探しじゃなくて、家探しをしているはず。家は、自然体でいられる居場所。だからこそ、そこにどんな人がいて、どんな暮らしが積み重ねられてきたのかが大事なんです」(青木さん)

筆者が住むマンションにも、長く暮らす高齢の女性がいる。共用部で会うといつも「何かあったらいつでも来なさいよ」と声をかけてくれる。以前、郵便ポスト脇のボックスに住人たちが捨てたチラシを、彼女が処分しているのを見かけた。(管理会社の仕事では?)と思いつつ「ありがとうございます」と声をかけると、彼女はニコニコと「あら、いいのよ。ここは私の家なんだから」と答えた。

彼女もまたマンション全体を自分の“家”と捉え、住まいとして育てることのできる、青木さんのいう「大家さん」の一人なのかもしれない。不動産オーナーであれ住人であれ、私たちには自分の住まいを、暮らしをもっと楽しくするチャンスが与えられている。だからこそ「大家の学校」は、誰にでも開かれているのだ。

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・賃貸住宅を楽しい暮らしの舞台に! 「大家の学校」で伝えたいこと【後編】●取材協力
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