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【医師監修】 妊娠超初期はおりものも変わる? 妊娠時に気をつけたいおりものの症状

目次

妊妊娠がわかると、体に起き始めたさまざまな変化に意識が向きます。特に妊娠初期(~13週)の頃は、体調や生活の大きな変化を感じる人も多いでしょう。また、妊娠初期の中でも生理予定日前などのごく早期を、俗に「妊娠超初期」と呼ぶこともあるようですが、この時期は体の些細な変化でも「これは妊娠の兆候?」と気になるものです。

この記事の監修ドクター 矢追正幸先生 矢追医院(東京都足立区)院長、 獨協大学さいたま医療センター産婦人科講師 土日も平日と同じ診療が受けられるクリニック(婦人科・皮膚科・美容皮膚科・女性性感染症内科・女性泌尿器科)で、仕事や子育てなどで多忙な女性の美容と健康づくりをサポートしている。 http://www.yaoi.org

妊娠初期のおりものの変化

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腟や子宮、子宮頸管などから出る分泌物である「おりもの」は、「帯下(たいげ)」ともいい、腟のうるおいを保っています。

腟の中では、常在菌である「乳酸桿菌(にゅうさんかんきん)」が、病原菌などが嫌う「酸性の環境」を整え、病原菌などが繁殖しやすい温かくて湿った状態でも健やかなうるおいを保っています。

おりものの量や質(分泌液の粘度など)は、おおよその分泌量は月経周期にともなって変化しますが、妊娠が成立すると女性ホルモンの分泌量が変化するため、おりものに変化が見られることがあります。

妊娠超初期はおりものも変わる?

妊娠が成立すると、妊娠しなければ減少する女性ホルモンの分泌が維持されるので、普段なら排卵期を過ぎて減るおりものが「減らない」または「増えた」と感じる場合があります。

ただし、妊娠の成立とおりものに直接的な関係はないので、妊娠によって必ずおりものが変化するなどとはいえず、普段と同様に変化は個人差が大きいと考えましょう。

気をつけたいおりものの変化とは

普段、生理的に分泌されるおりものの量や質に個人差があるので、人により「普段とは違う」というのが異常な状態といえ、それに気づくことが大切です。異変に気づくには、日頃からすこし意識をしておく必要があるでしょう。

とはいえ、多くの女性が「おりものの異変」に気がつくのは、おおむね次のような点からです。

・下着がぬれる量などからして、普段より非常に量が多い ・普段より濃く、粘り気が強い ・膿のような状態 ・カッテージチーズのように白いかたまりの状態 ・血液が混じった色、または黄色・緑色を帯びた色をしている ・においが生臭い、酸っぱいなどと感じる ・かゆみやほてり、発しん、ヒリヒリする痛みをともなう ・腹痛や排尿痛、発熱をともなう

婦人科の外来では、おりものの異変(増量、悪臭、色や質の変化など)とそれにともなう不快感はよく訴えのある症状のひとつで、その原因として「細菌性腟症」「外陰腟カンジダ症」「腟トリコモナス症」の3つが90%以上を占めるとされます。

妊娠期間中、特に注意したい病気や症状

おりものの変化が見られる病気の中には、妊娠中の女性の場合、妊娠経過などに影響があるものもあります。特に気をつけておきたい、おもな病気や症状は次のとおりです。

不正性器出血

妊娠期間中の出血の中には、妊娠経過に影響するケースもあるので最初にご紹介しましょう。

「不正性器出血」は、正確にはおりものではなく、“おりものに見えることがあるもの”です。下着の茶色いしみなどを見ると、「おりものが茶色くなった!?」などと異変に気づきますが、それは出血や、血液が混ざったおりものの場合もあるということです。

「不正性器出血」とは、月経以外の性器からの出血のすべてをさします。原因は妊娠のほか、性器の炎症、腫瘍(しゅよう)、外傷(病気によるものも含む)、出血しやすくなる病気の影響、服用している薬の影響、ホルモンバランスの変調などさまざまで、排卵期の一時的な出血など病気ではないものも含まれます。

一般的に「着床出血」と呼ばれる妊娠超初期の出血や、妊娠初期では「切迫流産」(*1)「稽留(けいりゅう)流産」(*2)「不完全流産」(*3)「完全流産」(*4)「異所性妊娠(一般的にいう「子宮外妊娠」)」などがあり、妊娠中期から後期にかけては、子宮の入り口が開く「頸管無力症」や胎盤がはがれる「常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)」の際にも出血が見られ、ただちに治療が必要となります。

茶色などに変色したおりものは、見た目だけでは出血の可能性を否定できないので、もし出血していた場合は、中には早急に医療が必要なケースもあると覚えておきましょう。

そして、通常の月経などと比べて異常を感じる出血や、出血にともなって腹痛、ふらつきなど何らかの症状がある場合は、自分で判断をせず、婦人科で相談しましょう。

(*1) 切迫流産:治療により妊娠継続が可能な流産 (*2) 稽留流産:治療をしても妊娠継続が難しい流産 (*3) 不完全流産:子宮内容物が子宮内に残っている流産 (*4) 完全流産:子宮内から妊娠にかかわるものがすべて出切った状態の流産

クラミジア感染症

クラミジア・トラコマチスという細菌によって起こる性感染症で、若い男女の感染者数が増加傾向にあります。自覚症状がとぼしく、おりものの変化も軽いことが多いとされていますが、「淋菌感染症」と重複感染がしばしば見られ、すると膿のような黄色のおりものが見られることがあります。

子宮頸管の粘膜の炎症(子宮頸管炎)をともなっている場合が多く、放っておくと卵管炎や骨盤内や上腹部(肝臓周囲)の炎症性の病気などに進んでしまうことがあります。

また、妊娠中の女性では、妊娠経過などに影響するリスクや、未治療で出産すると赤ちゃんが結膜炎や肺炎になる危険もあるとされています。

淋菌感染症

淋菌によって起こる性感染症で、若い男女の感染者数が増加傾向にあります。おりものの量が増え、不正性器出血をともなうこともあり、おりものの色も膿のような黄色〜茶色が見られることがありますが、自覚症状がとぼしいことも少なくないようです。

「クラミジア感染症」と重複感染していることもあるうえ、「クラミジア感染症」と同様に卵管炎や骨盤内や上腹部(肝臓周囲)の炎症性の病気などに進んでしまうことがあります。そして妊娠中の女性では、クラミジア感染症同様、妊娠経過や赤ちゃんへのリスクが生じる可能性があります。

腟トリコモナス症

トリコモナス原虫の感染によって起こる腟炎「腟トリコモナス症」は、セックス以外にもタオルや便器、浴槽を介して感染することもあります。一般的に、強い異臭を放つ泡状の黄緑色のおりものが確認されることが多く、色は少量の出血が混じり茶色く見えることもあります。

トリコモナス症の感染は、尿路など他の器官・臓器にも広がることもあります。妊娠中の女性に「腟トリコモナス症」があった場合、「クラミジア感染症」や「淋菌感染症」など他の性感染症の検査も行って、妊娠期間中の再感染防止をすることが望ましいとされています。

外陰(がいいん)腟カンジダ症

「外陰腟カンジダ症」は腟炎や外陰炎を引き起こす性感染症で、腟炎の中では「細菌性腟症」に次いで多いものです。

性感染症ではあるものの、誘因がなければ発症しにくい日和見(ひよりみ)感染症の側面をもっていて、妊娠も誘因のひとつです(誘因はほかに、抗菌薬の服用、病気やその治療などによる体力・免疫力の低下、腟の自浄作用低下など)。

多くはボロボロとした白色のおりものが見られるとされますが、虚弱のときに発生しやすいことから、何らかの出血があると茶や緑色に見えることもあります。

妊娠以外でもおりものは変化する

月経周期とも、妊娠とも関係なく、おりものは変化することがあります。

ストレスや疲れで変わる

ストレスや体調不良から免疫力が低下していると、腟の中がアルカリ性に傾くといった環境変化が起き、おりものの量や質、色などに変化が見られることがあります。

腟内がアルカリ性に傾くというのは、ひんぱんな腟洗浄、刺激の強い石けんでの洗いすぎ、セックス後(腟の中に精液が残っている場合)にも起こります。

また、通気性の悪い下着や締めつけの強い衣類による蒸れで、病原菌などの勢いが腟の自浄機能に勝り、おりものの異常をまねいてしまうこともあるようです。

病気が隠れていることも

「子宮筋腫」「子宮頸管ポリープ」などの良性腫瘍や、子宮や腟の悪性腫瘍(がん)などによっても、出血をともなうおりものが見られることがあります。

おりものの基礎知識

最後に、本来おりものとは何なのか、基礎知識のおさらいをしておきましょう。

おりものの役割

うるおいを保つ以外にも、おりものには重要な役割があります。

子宮頸管から分泌されるおりものは月経周期によって質(分泌液の粘度など)が変化し、排卵の時期には精子が子宮に到達し、妊娠するのを助けます。

また、おりものの分泌は、卵巣のはたらきで分泌される女性ホルモンの影響を大きく受けるので、おりものの変化は、卵巣のはたらきなど女性特有の健やかさをチェックするひとつの目安になります。

女性のバイオリズムとおりもの

おりもののおおよその分泌量は月経周期にともなって次のように変化します。

①月経後、2、3日後から出はじめ、徐々に量が増えます。 ②排卵期はおりものの量がもっとも多く、質も変わりやすい時期です。排卵日が近くにつれて量が増えサラサラしてきますが、排卵が起こると粘り気がある状態に変わります。 ③排卵期を過ぎると徐々に量が減り、白く濁ってきます。月経直前にもっとも少なくなります。

まとめ

おりものは体の状態を示すバロメーターであり、その変化は病気のサインであることもあります。妊娠超初期に異常を感じて不安なときは、原因などを自分で判断をせず、婦人科を受診して、医師の診察や科学的な検査で原因を突き止め、治療して、健康を保ちましょう。

(文・構成:下平貴子/日本医療企画、監修:矢追正幸先生)

※画像はイメージです


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マイナビウーマン子育て

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