
これまでに当サイトでもいくつかの事例を紹介していますが、近ごろ、遊びゴコロ溢れる仕掛けを備えた「コンセプト賃貸」なるものが増えているようです。
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万人向けに平均化された賃貸住宅に魅力を感じなくなってしまった人には、願ってもない傾向ではないでしょうか。
そんななか、このところ名古屋を中心に、ぶっとんだコンセプト賃貸が次々とオープンしているとのウワサが…。振り切った個性でピンポイントな需要を狙う、最新のおもしろ物件を紹介します。
その1:「原宿カワイイ」をギュっと詰め込んだスペシャルルームまずは、カワイイものが大好きな乙女の心をわしづかみにするこんな物件から。
【画像1】眩しいほどにピンクなコチラのお部屋は、名古屋市内にある築6年のワンルームマンションをリノベーションしたもの (画像提供:ニッショー)
【画像2】玄関からお部屋に至るエントランス。床、キッチン、天井、全てがぬかりなくカワイイ! (画像提供:ニッショー)
「なにこれ、超絶カワイイ!」と、おっさんの僕も思わずテンションが上がってしまうこちらのお部屋。きゃりーぱみゅぱみゅのプロモーションビデオやワンマンライブの美術なども手がける、アートディレクター・増田セバスチャン氏がプロデュースしたもの。原宿の「カワイイ」文化を世界に発信し続ける増田氏渾身のスペシャルルームには、「未来はカラフル!」というメッセージが込められているそうです。
【画像3】なお外観はこんな感じ。その落差に戸惑いを隠せません (画像提供:ニッショー)
その2:「駅前旅館」を彷彿とさせる昭和ルームお次は、一転して昭和にタイムスリップしたようなこんな物件。
【画像4】コンセプトはズバリ「駅前旅館」。古き良き昭和の旅館を思わせる趣ですが、家賃5万円の賃貸物件です (画像提供:ニッショー)
【画像5】旅館っぽさを醸し出す最大のポイントは、床の間の奥にある「広縁」。和風旅館でよく見る、椅子と小テーブルが置かれたあそこです。風呂上がりに浴衣でビールでもあおれば、自宅にいながらにして温泉旅行気分が味わえることでしょう (画像提供:ニッショー)
【画像6】床の間には旅館でよく見かける貴重品保管用の金庫も。細部にまでこだわってます (画像提供:ニッショー)
もともとは昭和51年に建てられた2DKマンション。二間続きの和室の奥にあった「広縁」風の細長い小間を活かすべく、老舗和風旅館風に仕立ててしまったそうです。前述のカワイイルームとは対照的に、大幅な改修をすることなく素敵空間を生み出す工夫の勝利ですね。
その3:気分はニューヨーカーなゴージャスルーム海外ドラマに描かれるような、スタイリッシュな暮らしに憧れる。そんな人にオススメなのがこちらのお部屋です。
【画像7】ズバリ、テーマは「ニューヨーク」。奥深いブルーと白を基調にした内装デザインは、現地の高級アパートをイメージ (画像提供:ニッショー)
【画像8】モチーフは、ニューヨークを舞台にしたあの大人気セレブドラマだそうです (画像提供:ニッショー)
もともと3LDKだった間取りを2LDK+Sにリノベーションしたこちらのお部屋。深いブルーと美しいシャンデリアが目を引く、身も心もゴージャスな気分に浸れそうな物件です。ちなみに入居者イメージは、モチーフとなった海外ドラマになぞらえ、自立した大人の女性や共働きでバリバリ稼ぐディンクスを想定しているそう。
仕掛け人は、あの「ヴィレッジヴァンガード」これらの賃貸物件を仕掛けているのは、名古屋の大手賃貸住宅仲介会社「ニッショー」と “遊べる本屋”こと「ヴィレッジヴァンガード」。「面白い物件」を探しているヴィレッジヴァンガードと「魅力ある物件」を造り出そうとしているニッショーが意気投合し、「一緒に楽しい部屋を造りましょう」ということでスタートさせたプロジェクトなのだとか。現在、両者のコラボルームは全12室が稼働中。どれもこれも、ヴィレヴァンならではの切れ味鋭いセンスが活かされた部屋ばかりです。
「私たちの目的は『面白い物件』を全国に増やしていくこと。単なるデザイナーズマンションとはまた違う、他にはマネのできないヴィレヴァンらしい部屋を造っていきたいと思っています」とはヴィレッジヴァンガードの平野貴和さん。
なお、ヴィレッジヴァンガードは今年3月、エッジの効いた賃貸物件に特化した不動産・住宅情報サイト「ヴィレッジ不動産」もオープン。日本全国に「面白い住まい」を増やすべく、不動産事業に本格参入しています。
こちらの「ヴィレッジ不動産」、家賃や間取り、設備などの「条件面」にこだわって探すには不向き。なぜなら、条件ではなく「感性」に訴えかける物件ばかりを集めているから。
しかしそれゆえ、一般的な人気物件とは違った角度の物件を求めている人にとっては、かなりマッチング度合いは高そうです。
【画像9】例えばこちら、もともと江戸時代の名主様がお住まいになられていたという栃木県某所の大邸宅。敷地面積なんと約1000坪!ながら、家賃3万円というスーパー破格の賃貸物件です (画像提供:ヴィレッジ不動産)
【画像10】とはいえ、かなり傷みがあるため改修費用などは入居者持ち。入居の条件はズバリ「大切に使うこと」だそうです (画像提供:ヴィレッジ不動産)
【画像11】一方こちらは東京某所の賃貸マンション。最大の魅力はお部屋ではなく、1階から最上階までをつなぐ、吹抜けの巨大らせん階段。ダンジョン然とした荘厳なたたずまいは圧巻の一言。住人になればこの絶景を毎日拝めます
【画像12】上から見た図。どこまでも吸い込まれていきそう
数年単位の住みかえも容易な賃貸。時には冒険して、こうした一風変わった物件を検討してみるのもアリかもしれませんよ。
●ヴィレッジ不動産HP:http://vv-realestate.com/
●ニッショー×VILLAGE VANGUARD collaboroom
HP:http://www.nissho-apn.co.jp/collaboroom/
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