【医師解説】子どもでも痛み止めやピルって飲んでいい? 娘から生理の悩みを相談されたときは『生理のはなし』

更新日:2022年8月24日 / 公開日:2022年8月24日

思春期になると女の子は生理が始まります。日々の生活や健康にも関わり、トラブルもさまざまです。だからこそ正しい知識を身につけて付き合っていくことが大切。産婦人科専門医でYouTuberでもある高橋怜奈先生監修の『おとなも子どもも知っておきたい新常識 生理のはなし』(主婦と生活社)の試し読み連載です。

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生理と学校行事

生理のギモンに答えます!

痛み止めの薬は、ドラッグストアの鎮痛薬コーナーで買えます。用途に〝生理痛〝と書かれていれば、どれを選んでも基本的にOKです。「生理痛くらいがまんしないと」と、痛み止めの薬を飲まない人もいますが、薬を飲んで痛みをコントロールすることはとても大切です。飲んでよくなるならば、用法・用量を守って飲みましょう。薬が効くまでには時間がかかるので、飲むタイミングは、痛くなる前、痛くなりそうなのがわかったら飲むようにすると効果が早いです。生理が始まる数日前にも腹痛や腰痛がある人もいて、そのような人も飲んでもかまいません。また、毎月の生理のたびに痛み止めの薬を飲むくらいでは、薬の飲みすぎにはなりません。

それよりも、毎回、痛み止めの薬を飲まなければならないほどの生理痛があることのほうが問題です。生理痛は痛くて当たり前、がまんして当たり前ではありません。痛み止めを飲むほどの痛みがあるのなら、ぜひ産婦人科に行って、相談してみましょう。子宮内膜症などの病気が見つかることもありますし、痛み止めの薬を飲まなくてもすむような治療をしてもらえます。けっして、やり過ごさないように!

よく、「思春期の成長段階の子どもがピルを飲むと体に悪い」「身長がのびなくなるのでは」などという声があります。しかし、世界保健機関(WHO)では、初経がきていれば、ピルを飲んでも問題ないという発表がされています。日本は海外に比べて、ピルのふきゅう率が低いため、誤解もいろいろと多いのです。

もっとも気にされる身長ののびについてですが、女性の第二次性徴は、胸がふくらむ→陰毛が生える→急速に身長がのびる→初経をむかえる、という順番できます。そのため、女性ホルモンの量が不十分な初経前には、ピルを処方することはできません。初経をむかえて最初に排卵が起こると、女性ホルモンのエストロゲンの作用により、身長ののびをゆるやかにするスイッチが入ります。もちろん、急に身長ちが止まるのではなく、その後も数年間はふつうにのびつづけます。 いずれにしても、ピルにふくまれる女性ホルモンのせいで身長ののびが止まるわけではありませんが、心配な場合は、産婦人科医に相談しながら、処方してもらうかを決めましょう。思春期は部活動やテストなどでいそがしい時期ですので、生理をコントロールしながら、上手に付き合っていけるといいですね。

生理をコントロールできる!体の不調も改善する!知っておきたいピルのこと

親世代にとっては、ピル=避妊の薬(妊娠をさけるための薬)というイメージがあるかもしれませんが、排卵や生理をコントロールすることができるピルは、生理痛や、生理前の不調などの治療にも使われます。学校に行けないほどのひどい生理痛の場合は、月経困難症といって、治療の対象になるので、「低用量ピル」が使われ、保険もききます。生理日をずらすときには「中用量ピル」を用いますが、治療ではないので、保険はきかず、4000~8000円ほどかかります。中用量ピルは、ふくまれているホルモン量が多いので、副作用として吐きけや頭痛などが起こる場合もあります。また、インターネットで販売されているピルは、日本では承認されていないものが多く、トラブルがあった場合、対応が難しいので、買わないように!

ピルは必ず病院で処方してもらって!

こんな時どうする?“生理の困った”の新常識

1.生理痛は痛み止めの薬でコントロールしてOK!生活に支障が出るほどの痛みは病院へ。

2.ピルは初経がきていれば飲んでOK。上手に使って生理と付き合おう。

3.生理中だけでなく、生理の前から、体や心にさまざまな症状が出ることも多い。

4.便秘や下痢、貧血など、少しでも生理で気になることがあれば、病院へ!

5.ストレスや無理なダイエットをすることでも、生理が止まってしまうことがある。

(高橋怜奈『おとなも子どもも知っておきたい新常識生理のはなし』(主婦と生活社)より一部抜粋/マイナビ子育て編集部)

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生理がくる仕組みや生理期間中のトラブル解決方法など、「そうだったのか!」と思う内容が満載! 高橋怜奈先生の話をもっと聞きたい方は、ぜひ、書籍『おとなも子どもも知っておきたい新常識生理のはなし』でお楽しみください!

書籍『おとなも子どもも知っておきたい新常識生理のはなし』について

思春期になると女の子は生理が始まります。そこから閉経まで、生理との付き合いは約40年にもおよび、トラブルだってさまざま。だからこそ正しい知識を身につけて、生理と上手に付き合って行くことが大切です。

この本では、産婦人科専門医で、産婦人科医YouTuberでもある高橋怜奈先生と一緒に、生理にまつわるたくさんのことをマンガでわかりやすく学んでいきます。子どもはもちろん、大人が読んでも「そうだったのか!」と思う内容が満載です!

医師プロフィール 高橋怜奈 2009年東邦大学医学部卒業。東邦大学医療センター大橋病院の産婦人科専門医。 医学博士。四ツ谷レディスクリニック非常勤医師スタッフ。大橋病院では、週に 1回、月経困難症(生理痛)外来も担当している。また、「産婦人科医YouTuber」 として、生理や避妊、妊娠の仕組みなど、性にまつわるさまざまなテーマについて 動画を配信している。 Twitter @renatkhsh

YouTube 産婦人科医YouTuber高橋怜奈


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