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【医師監修】子どもの「ADHD」の症状と原因、上手な付き合い方

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目次

ADHDは発達障害の1つで、症状や程度に関係なく、周囲の理解とケアが必要です。ときには両親でも理解できていないことがある「子供のADHD」について、その症状や原因、上手な付き合い方を解説しました。

この記事の監修ドクター

北浜こどもクリニック北浜 直 先生 医療機関併設型の病児保育やインフルエンザ等の予防接種、育児相談などお気軽にご相談下さい。 http://www.kitahama-kidsclinic.jp/

子供のADHDとは

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落ち着きがない、集中力が続かない、忘れ物が多い…。子どもであれば、いずれも決して珍しいことではありません。しかし、このような特徴が周囲の子供たちよりも際立っているならば、「ADHD」の可能性を疑ってみてください。

ADHDは「発達障害」の1つ

ADHDは「注意欠陥多動性障害」(Attention-Deficit・Hyperactivity Disorder)という意味です。名称が示す通り、注意力が散漫であったり、勝手に歩き回るなどの多動行動が目立ちます。小さいころは「やんちゃな目立ちたがり屋」ということで見過ごされている場合もありますが、小学校中学年ごろから、学業に支障をきたしはじめ、両親や先生、周囲の友達から違和感をもたれることも多いようです。

大きなポイントとして、知的発達の遅れは見られません。このことが逆に「わざとやっているのでは?」という誤解を生む要因になっていたケースもあります。まだADHDが社会に浸透していなかった頃には「反抗的な生徒」「言うことを聞かない子」などと言うレッテルを貼られ、適切なケアが必要だとは考えられていない時代もありました。

ADHDは、学童期の子供に3~5%の割合で出現すると考えられています。性別では男子の方が多く、女子の3倍〜5倍程度にあたると言われています。

「大人のADHD」も大きな注目を集めています

後にも触れる「発達障害者支援法」は、2005年4月に施行されました。つまり、ADHDを含む発達障害者への社会的認知・支援が始まってから、まだ10年程度しか経っていないと言うことです。近年「大人のADHD」が注目を集めていますが、このような方々の中には適切なケアや支援が必要な方も含まれている事でしょう。

周りの人の気持ちを察することができず、うまくやっていけない。何故か周囲に迷惑をかけてしまう。会社や家庭でこのようなことが多いと悩んでいる方の中には、性格や気質の問題ではなく「ADHD」が関係しているかもしれません。実際に、成人の4%(100人に4人)がADHDにあたるといった指摘もありますので、決して「珍しい障害」とは言えないでしょう。

お子さんがADHDであると分かった場合、将来このようなことで悩まなくて良いように、適切な理解とケアで支えてあげてください。

ADHDの症状

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ADHDの代表的な症状とも言えるのが「不注意」「多動性」「衝動性」の3つです。一言で言えば「うまく自分の感情をコントロールできていない」というイメージです。自分の子どもに、このような印象を持った場合にはADHDの可能性が比較的高いと考えられます。なお以下の症状は、そのすべてが現れるとは限りません。多動性・衝動性が強く出る子がいたり、不注意な傾向が強く出る子がいたりと、子どもによって個人差があり症状の出方は変わってきます。

不注意

ADHDの子どもは注意力に欠け、基本的に1つのことに対して集中するのが苦手です。周囲のちょっとしたざわめきや音などでも集中力が途切れてしまい、勉強や作業、遊びですら投げ出すことがあります。真面目に話していてもどこか上の空で、両親からすれば「この子はちゃんと話を聞いているの?」と感じるかもしれません。実際に話半分にしか聞いていないことが多いため、約束や宿題を忘れたり、同じ間違いを何度も繰り返すなどということがあります。同時に、忘れ物のほか、落し物も多いというケースも比較的よく見られます。

【具体的な症状】 ・集中力が続かない ・何度も忘れ物・落とし物をしてしまう ・ケアレスミスが多い ・簡単なことを何度も間違える ・勉強や課題にすぐ飽きてしまう ・気が散りやすい

多動性

多動性とは「せわしなく、よく動く」という意味で、過剰な活動性を指しています。とにかく「落ち着きのない子」という印象を、周囲が抱くことも多いです。「静かにして」「落ち着いて」とご両親や先生から注意されても、動き回り続けたり、しゃべり続けたりすることもあります。しかしADHDの子供の場合には、大人に反抗していると言うような意識は全くなく「ただ単に自分の行動を止めることができない」という場合も多いと考えられます。

【具体的な症状】 ・授業中や大切な式典、話し合いの最中でも席を離れる ・片付け(整理)が苦手 ・体のくねくね・もじもじ外、貧乏ゆすりなどを常にしている ・多弁(よくしゃべる)で、なかなか止まらないケースもある

衝動的な行動

衝動性は、多動性と結びつきやすい傾向があります。落ち着きがないと思っていたら、突然衝動的に走ったり、机に登ったり、奇声をあげたり…など、周囲から見ると脈絡のない行動をするケースも少なくありません。このような衝動性が災いして、ADHDの子供は、ルールや決まりごとを守ることも苦手です。順番待ちができず割り込んだり、その注意に対してすぐ手が出たりといった行動も見られます。これは、行動の結果をよく考えず、ほとんど思いのままに動いてしまうことが原因ですが、これが思わぬ事故や怪我につながる可能性もあるためご注意ください。

【具体的な症状】 ・外部からの刺激に反応しやすい ・突然椅子や机に登ったり、走り回ったりする ・思いつくとすぐ実行してしまう(実行しないと気がすまない) ・突然相手を叩くなど、場合によっては暴力行為に発展することがある ・待つこと/並ぶことなどが苦手

他の障害の症状が出る

ADHDの子供は、他の発達障害などを抱えているケースも比較的高いと考えられています。

例えば、発達障害の1つである「学習障害」も抱えているケースは60%にも及ぶと言われています。学習障害は、知的発達の遅れと言うよりは「読み」「書き」「計算」のいずれかの能力に極端な混乱が生じる障害です。ADHDでなおかつ学習障害もお持ちの場合、普通学級での授業はかなり困難なものになると予測されます。また、気分障害・不安障害などを抱えるケースも少なくないとされており、その割合は最大で70%とも言われています。

ADHDの原因

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ADHDのしくみとして「ワーキングメモリーが少ない」と説明されることがあります。つまり、ADHDの子供は、一時的な情報を記憶しておく領域が少ないため、過去の経験から学んで衝動を抑えたり、適切に注意を配ることが難しいという意味です。そして、その原因は「脳」にあることが分かっています。

原因は「脳の働き」

ADHDを含む発達障害に共通して分かっているのは「そのいずれもが脳の働き=脳機能(認知)の障害である」という点です。つまり精神疾患とは異なりますし、育て方やしつけの問題でもありません。

実際にADHDのお子さんの場合、脳の尾状核(びじょうかく/前頭葉・大脳基底核の一部分)が、通常と比較して1割以上小さいとの指摘もあります。これが、注意力、集中力、行動に影響を与えている可能性は高いでしょう。また、先ほどご紹介した「ワーキングメモリー=作業記憶領域の少なさ」についても、通常に比べてきちんと機能していないと予測されます。

この他、ADHDのお子さんは「脳の血流量が少ない」「実年齢よりも幼い脳波傾向にある」「ドーパミン・ノルアドレナリンなどの神経伝達物質が不足している」など、様々な特徴があることが判明しています。

詳しい原因は未解明

ADHDのみならず、発達障害の要因としては「遺伝的素因」「環境要因」の2つが、大きな要因として議論されています。特に、ADHDの子どものご家族や血縁には、ADHDの方が多いとも言われており、遺伝的要素が強い可能性も指摘されています。

また、環境要因とは、環境汚染物質や食品添加物ほか、後天的な虐待やいじめなどを含むケースもあるようです。文字通り、遺伝とは異なり外的な要因によってADHD発症のきっかけが作られるという説となっています。

ADHDとのつきあい方

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ADHDの治療・ケア

先ほどADHDの代表的な症状として「不注意」「多動性」「衝動性」の3つがあることは、すでにご紹介しました。そして、このような特徴が結びつくと、単に周囲へ迷惑をかけるという以上に「交通事故や大きな怪我などにつながる危険性が高いこと」も想像できるかと思います。したがって、ADHDの改善を目指して、きちんと治療やケアを行う必要があるのです。

まずはじめに、子どもが本当にADHDであるかのチェックが行われます。使用されるのはDSM-IV(アメリカ精神医学会の診断基準)などで「7歳以前から症状が見られる」「学業的社会的な障害となっている」「年齢にふさわしくなく、適応できていない」「6ヶ月以上継続している」といった事柄に当てはまるかを確認し、診断や検査を実施していきます。

お子さんがADHDであると診断されたら、多方面からの治療を行います。具体的には、生活技能訓練(ソーシャルスキルトレーニング)、ご両親の訓練(ペアレントトレーニング)ほか、「放課後等デイサービス」の利用などの教育介入の相談、さらに必要に応じて薬物療法なども実施されます。いずれも子どもの心に沿い、自尊心を養いつつ能力や自己評価を高めることを目指します。

ADHDの子供の支援体制

行政の支援体制については、2005年4月に施行された「発達障害者支援法」が大きな軸となっています。各都道府県に設置された発達障害者支援センターを中心に、各福祉窓口、教育現場、医療現場、そしてご家庭が連携を図ることで、比較的充実した支援を受けることが可能です。

まとめ

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国や都道府県の支援体制も少しずつ拡充を見せていますが、やはり完全とは言えません。可能であれば、同じADHDや発達障害のお子さんを持つ親同士でつながり、ネットワークを作ったり情報交換するのもベストでしょう。子どもにとってよりよいケアや療育、支援を目指すだけでなく、不安も相談しあえればいいですね。


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情報提供元:マイナビウーマン子育て

更新日:2017年3月27日

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