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【医師監修】ウエスト症候群は難病? 症状と原因、4つの治療法

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ウエスト症候群は難病に指定された悪性てんかんで、乳幼児におこります。早期発見・治療が何よりも大切ですので、しっかりとした知識を身につけていきましょう。

この記事の監修ドクター

北浜こどもクリニック北浜 直 先生 医療機関併設型の病児保育やインフルエンザ等の予防接種、育児相談などお気軽にご相談下さい。 http://www.kitahama-kidsclinic.jp/

ウエスト症候群とは?

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ウエスト症候群(West症候群)とは生後1年以内に発症する悪性てんかんで、「点頭てんかん」とも呼ばれます。小児の難治てんかんにおいては、その割合が高いことでも知られています。

そもそも「てんかん」とは?

ウエスト症候群はてんかんの一種。「てんかん」とは、さまざまな原因によって、発作を繰り返す慢性の脳疾患のことです。

私たちの脳のニューロン(神経細胞)は、電気的なやりとりを規則的なリズムで行っています。このリズムに異常が生じることで、てんかんの発作が起きます。検査でも原因が分からない場合は「特発性てんかん」と呼ばれますが、ウエスト症候群はおおよその原因が判明していますので「症候性てんかん」に分類されます。発症年齢は、18歳以前の発症が8割を占め、中でも4歳未満の発症が最多です。

赤ちゃんに発症する「てんかん」の一種です

ウエスト症候群は、生後3ヶ月~11ヶ月の間に発症することが一般的な「てんかん」です。なお、8割~9割のウエスト症候群の患者さんには、発達遅延が見られます。ただし予後が良いケースもあるので、「早期発見・早期治療」が何よりも重要となります。

患者さんはどのくらいいるの?

6歳以下に発症する難治てんかんには「ウエスト症候群」をはじめ、新皮質焦点性てんかん、レンノックス・ガストー症候群、ドラッベ症候群ほか、5つ以上の分類があります。分類不能なものも1/5を占めており、有効なケア方法を模索しなければならないケースもあるようです。

ウエスト症候群は、6歳以下に発症する難治てんかんの36%を占めています。(*)これは、現在知られている小児難治てんかんの中でも最多の割合となっています。なお、全ての小児てんかん(14歳未満)の中では約5%を占めており、国内に4,000人の患者がいると推定されています。

(*「ウエスト症候群(指定難病145)」難病情報センター http://www.nanbyou.or.jp/entry/4414)

ウエスト症候群の症状

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ウエスト症候群では、特徴的な症状を1日に複数回繰り返します。しかし、赤ちゃんの原始的な反応にもよく似ているため、親が気づかないケースも考えられます。ウエスト症候群の症状は特に「寝起き・眠いとき」に出ますので、よく注意して見てあげましょう。

ウエスト症候群の「繰り返し起きる症状」

ウエスト症候群の症状を以下にご紹介します。疑わしい症状があれば、病院へ受診させたほうがよいでしょう。

・寝起き/眠いときに、手足が急に突っ張る ・寝起き/眠いときに、頭がカクカクと前に倒れる ・万歳するようにして、頭を前屈する(サラームけいれん) ・寝ている体を急に折り曲げる ・上記のような動作とともに、笑顔が少なくなる ・これまでできていたお座り、首すわりができなくなる

ウエスト症候群の独特な症状(発作)は「てんかん性スパズム」と呼ばれ、数秒~数10秒続きます。てんかん性スパズムでは、手足を固くするような症状が出ますが、それが左右対称に起きることも大きな特徴です。さらに、このような症状の繰り返しを「シリーズ形成」と呼び、1日に何度もシリーズ形成が起きます。

原始反射(モロー反射)と見分けが付きにくい

このようにウエスト症候群の症状は大変特徴的ですが、ウエスト症候群と大変似たものに「モロー反射」と呼ばれる、赤ちゃんの原始的な反射があります。

「モロー反射」では、音などの刺激に反応して手足がビクリと動いたり、驚くようなポーズで抱きつこうとします。こちらは異常や病気ではなく、むしろ赤ちゃんの正常な反応です。ちなみに赤ちゃんの原始反射には、手のひらに入れた大人の指を握る「把握反射」や、口元に近づけた指や乳首、おしゃぶるなどを吸う「吸啜反射」などがあります。

「モロー反射」は生後3ヶ月程度まで見られますが、これがちょうど、ウエスト症候群が発症しやすい時期に重なっています。そのため大変見分けが付きにくいのです。したがって、ウエスト症候群の正確な診断は専門家に任せなければなりません。

ウエスト症候群の原因

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ウエスト症候群はてんかんの一種ですので、原因はやはり「脳」にあると考えられます。遺伝的に要素については、間接的に関係していると言われています。

ウエスト症候群の原因は「脳」にある

ウエスト症候群の主な原因としては、新生児仮死(出生時に仮死状態になること)や大脳の先天奇形、脳血管障害、出生時の頭部へのダメージなどが考えられています。

「遺伝」も原因になるの?

ウエスト症候群そのものは遺伝しません。これは、他のてんかんの多くについても言えることです。ただし、遺伝的な要素がまったく無関係というわけではないようです。例えば、脳の障害や病気を引き起こす遺伝子の異常を受け継いでいる場合には、結果として「ウエスト症候群を発症しやすい条件を受け継いでいる」ということになります。

ウエスト症候群の治療

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ここでは、ウエスト症候群の診断と、病院で実施される治療について知っていきましょう。

診断

診断基準は2つあります。 1つめは、ウエスト症候群に典型的な発作(てんかん性スパズム)があるか、の確認です。2つめは、脳波異常(脳波ヒプスアリスミア)の有無を検査で確認しますが、こちらが診断の決め手になることが多いでしょう。

ウエスト症候群の8割は、出生前〜直後の脳障害・脳へのダメージなどの「合併症」として発症します。こちらは「症候性ウエスト症候群」と呼ばれます。多くの場合、精神運動発達の遅れが見られるので、診断の材料となります。一方、残り2割は、発症する原因が分からないと考えられます。事実、残り2割の患者さんは、検査でも異常が認められず、なおかつ脳の発達にも問題がないと評価されます。こちらは「潜因性West症候群」と呼ばれます。

病院でおこなわれる4つの治療

病院での治療では「発作(てんかん性スパズム)の抑制」と「脳波異常(脳波ヒプスアリスミア)の消失」の2点を目標とします。したがって、治療と経過観察を繰り返しながら治癒・改善を目指します。

それでは病院で実施される主な治療法を以下にご紹介します。

■ACTH治療 2週間毎日、副腎皮質刺激ホルモンを注射し、少しずつ中止する治療法です。入院が1ヶ月程度必要となります。発作の抑制効果としてはかなり高いと考えられます。

■抗てんかん薬の処方 脳の電気的な興奮を静め、あるいは、神経細胞の高ぶりが他の細胞へ伝わることを防ぐ薬です。最大で40パーセント程度の発作抑制効果があると期待されます。服薬については、親御さんの判断などで勝手に中断することは避けてください。

■ケトン食療法 ケトン体産生を狙い、「高脂肪・低炭水化物」の食事を行う治療法です。メニュー作成は専門家などのアドバイスを受けながら厳密に行う必要があります。

■てんかん外科治療 難治性てんかんで、薬物療法に効果が見込めない場合には、外科手術が検討される場合もあります。年齢、症状、状況などをトータルに判断する必要がありますので、医師とよく相談するようにしてください。

家庭でできること

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まず「ウエスト症候群の早期発見」という大切な役目があります。もちろん正確な診断を下すことはできませんが、疑わしい場合は早めに病院へ連れて行くと良いでしょう。その際、発作と思われる動きが出ているときの「赤ちゃんの動画」を撮影しておくと、医師も判断しやすくなります。このほか、気づいたことをメモしておくことも良い方法です。

ウエスト症候群は、長期的にみて、およそ半数の患者さんに発作が持続します。さらには8割~9割には、発達の遅延が見られます。そのため、精神的・社会的な面から、お子さんを支えてあげるようにしてください。ウエスト症候群に限らず、てんかんの予後やリハビリテーションにおいては、ご家族の支えが不可欠となります。抱えている心身障害に対して適切な訓練をおこない、障害に対する気持ちの折り合いをつけたり、社会的な自立を目指すことが理想です。

もちろん、ご家族だけなく、医師や教育現場、ソーシャルワーカー、理学療法士、などが連携して、適切なサポートをおこないます。ウエスト症候群の治癒が認められても、定期的な脳波検査をおこなうようにしてください。医師が治癒を認めれば、投薬は中止できますが、再発の可能性はゼロではありません。引き続き、経過を見守ってあげてください。

まとめ

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ウエスト症候群は、誰もがかかる病気ではありません。しかし「14歳未満の小児てんかんの5%」を占めているので「我が子だけは大丈夫」とは言い切れないでしょう。繰り返しになりますが、ウエスト症候群は「早期発見・早期治療」が最も大切です。「疑わしい場合はまず病院へ」という意識で、お子さんを日頃からよく見てあげましょう。


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情報提供元:マイナビウーマン子育て

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更新日:2017年3月27日

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