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小学4年生はどんなお年頃?「10歳の壁」がしんどすぎる6つの理由【心理カウンセラー解説】

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目次

10歳前後の子どもを持つ方々は、「子どもの様子が今までと違ってきたかな?」と感じることも多いのではないでしょうか。それまでは見聞きしたこともないような言葉や態度を見せられ、戸惑ってしまうこともあるでしょう。今回は9歳~10歳とはどのような時期なのか、どんなところに配慮して育てていけばいいのかをお話していきます。

(文:臨床心理士 たかだちかこ/うららか相談室 )

9~10歳は子どもから思春期への変遷期

小学校3~4年にあたる9歳~10歳は、まだまだ幼児らしさが抜けきらなかった8歳以前と比べると、大きな変化が見られるお年頃です。まずは、9歳~10歳がどのような年齢なのか見ていきましょう。

【1】授業内容が発展的になり、個人差が広がる

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小学3年生になると「生活」という教科は「社会」と「理科」に分かれ、算数や国語の内容もより高度で抽象的な内容を扱うようになるなど、学校の授業で教わることがより複雑に発展的になります。

3年は2年より総授業時間数が35時間増え、さらに4年は3年より35時間増えます。4年以降は6年まで同じなので、3・4年で一気に学習量や学校に滞在する時間が増えることになりますね。

授業の難易度や学習量がアップする分、理解度の個人差が広がり、授業についていけない子が増えてくる年齢です。

【2】第二次性徴が始まる

身体の面では、この頃から第二次性徴が始まります。10歳前後から身長の伸びが大きくなり、生殖器が発達し始めます。身体の成長に伴って、運動能力も高くなります。

身体的な成長は女の子の方が男の子よりも早いですが、同性の間でも個人差が大きく、体格や運動面でも差が開いてきます

【3】生活環境の変化による影響も受けやすい

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学童保育は現在小学6年生までが対象となっていますが、地域によっては受け入れが3年生までだったり、4年生くらいになると行きたがらなくなる子も増えてくるので、学童を退所して下校後は自宅にて一人、あるいは子どもたちだけで過ごす子も出てきます。

中学受験をする子はこの時期から塾などで忙しくなり、受験しない子との生活や興味関心に大きな違いが出てきます。

【4】抽象的な思考ができるようになる

この年齢では、精神発達にも大きな変化が見られます。

それ以前は、自分の経験や目の前にある具体的な物事を通じた思考が主流ですが、9歳~10歳くらいになると自分の経験していないことを他者の視点から考えるなど、抽象的な思考ができるようになります。

周囲の子たちと比べて自分はどうなのかということが見えるようになり、「私はこれが得意」「あの子に比べて自分はこれができない」など周囲との比較から自己イメージを作っていきます。

その結果、大きく飛躍する子もいれば、逆に劣等感を抱いてしまう子も増えてきます。

【5】親よりも友達との関係が重要になる

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これまでは親や家庭中心だった世界が、9歳~10歳頃から急激に友達を重要視する世界へと広がっていきます。周囲からどう見られるかを気にするようになり、友達とお揃いの物を持ったり、同じ行動を取りたがったりすることもよくあります。

こういった行動を通して関係を深めていくので、お友達と上手くいかない場合、それがとても大きな躓きになり得てしまいます。

【6】家庭での様子に変化が見られることも多い

自分に対する自信のなさや劣等感、友達との違いなどから、上手く自分を好きになれず自己否定的な言葉を口にしたり、イライラや不安を強めたりする姿が、家庭で見られることも珍しくありません。

それまではパパやママに何でも話していたのに、「学校どうだった?」と聞いてもあまり話してくれなくなることや、反抗的な返事が返ってくることも多いです。

思春期の手前「10歳前後の子」に大切なこと

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このように、9歳~10歳は心も身体も学習面でも、それ以前とは大きな変化に見舞われ、なおかつ、個人差が広がります。これがこの年代を「10歳の壁」と呼ぶ要因です。

親御さんも対応に困ることが増えがちですが、どんなことが起こり得るのか、今後どうなっていくかの見通しを持っておくことが、適切な対応のヒントになります。

思春期を経て自己イメージを確立していく

10歳の壁を乗り越えると、記号・仮説なども扱えるようになるなど、さらに高度な抽象的思考が可能になり、11~13歳頃には本格的な思春期に突入します。

思春期には10歳前後に得た自己イメージを元に、学級や仲の良い友達といった狭い集団から、より広い世界の中での自分を確立していきます。

思春期ではさらに心身が急激に発達することによる揺らぎが訪れるので、子育てが難しい時期が続きます。

10歳頃の過ごし方が思春期以降に影響することも

10歳の壁をどう通過するかは、思春期以降をできるだけスムーズに乗り切るための鍵にもなり得ます。

10歳前後では、友達関係や、周囲との比較から見えてきた「自分」というものを考えていくことがとても重要ですが、それが上手くいかない子は「10歳の壁」をより険しいものに感じてしまいがちです。

その場合、周囲の大人がサポートしてあげられるといいですが、そのためには、子どもの様子をよく観察して、適切な関わりをしていくことが大切です。

10歳の壁を乗り切る8つの対処法

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ここからは、9歳~10歳の子どもにどう対処していくと良いのか、具体的に見ていきましょう。

① 大きな変化が起こる年代と知っておく

まずは、この年頃の子どもには大きな変化が起こるものなのだと知っておくと良いでしょう。

お家でこれまでと違う様子を見せられると、親御さんとしてはとても心配になってしまうかと思いますが、こういった変化は正常な発達の過程で起こる成長の一環であり、親からの精神的自立の始まりなので、過剰に心配する必要はありません。

② 子どもの話を否定しない

客観的な視点が発達してくると、周囲との比較から「私には無理」「自分は何もできない」等、自信のなさや自己否定の言葉が出てくることもよくあります。

そのとき「そんなことないよ」「できるよ」と言ってあげたくなりますが、子どもが新たに獲得した視点からの言葉を否定せず、まずは「そう思うんだね」と受け止めてあげましょう

③ できないところがあってもいいと伝える

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そのうえで、得意な子と同じようにできないことがあってもいいこと、それでも人としての価値は何も変わらないことを伝えてあげると良いでしょう。

こうした言葉かけを通して、完璧でなくてもいいことや、世の中には同じ人は二人と存在せず、自分は自分でいいのだということを徐々に学んでいくことができます。

④ できたことを具体的に褒める

親より友達の言うことの方を重く受け止めるのも、この時期の特徴です。したがって、友達関係や学校で感じた評価で自信をなくしているときに安易に励まそうとすると、かえって反発されたり口答えされたりすることもあります。

子供だましが通じなくなり、自分なりの気持ちを表出できるようになったのは成長の証と捉えて、できているところ一つひとつを具体的に誉めるようにすると、心に届きやすくなります。

また、抽象的思考が可能になる年頃ではありますが、まだ充分にできない子もいるため、・指示や話す内容を具体的にする・子どもの実体験を例にして説明をするといったことも効果的です。

⑤ 対応はできるだけ一定に

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大人同士のような会話ができる時も出てくる一方で、まだまだ子どもっぽい部分もたくさんありますし、時には精神的に逆戻りしたように見えることもあります。

また、機嫌よく学校であったことなどをお話してくれる日もあれば、イライラをぶつけてくることもあります。子どもと思春期の間を揺れ動く時期なので、それも自然なことです。

対応する大人側も感情を揺さぶられがちですが、一緒に揺れ動いてしまうと子どももますます不安になりやすいです。子どもの揺れを受け止めて寄りかかってもらえるよう、大人側がおおむね安定的な態度でいるのも大切なことです。

⑥ 必要があれば学校などに相談する

学習面や友人関係、学校生活の中で自信を失ったり不安定になったりする要素がある場合、必要に応じて学校と相談し合って対策を考えるのも有効な方法です。

相談する際は、可能ならば、まず子どもと話し合って、「一緒に考えて協力してもらえるよう、先生にも相談するね」と伝えてからにすると良いでしょう。

⑦ 他の子やきょうだいと比べない

親御さんの方でも、我が子とお友達との差が開いてきたと感じる場面があるかもしれません。また、きょうだいと比べて、「上の子はこんなふうじゃなかったのに」と思えることもあるかと思います。

しかし、本人に「○○ちゃんはできるのに」と言ったりするのは避けましょう。誰に言われなくても、子ども自身で気づいていて密かに劣等感を抱いているかもしれませんし、そう言われてしまうと「やっぱり私はダメなんだ」という思いを強めてしまいかねません。

⑧ 根掘り葉掘り聞こうとしない

子どもの気分や状況によっては、親御さんの知りたいことを何もお話してくれない日も出てきます。そんなとき、「話せないのは何か問題があるからでは?」とつい心配になりがちですが、根掘り葉掘り聞こうとすると逆効果です。

今はそんな気分なんだなと思って、話してくれるタイミングを待ちましょう

まとめ

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9歳~10歳は、2歳前後のイヤイヤ期に次いで、子育てが難しくなる時期と言えます。今まで以上に同年齢の子の中での発達の差が広がりますので、我が子がどれくらいの段階にいるのかをよく観察して対応していくと良いでしょう。

周囲より遅れているように見えることがあっても、そういう性格や能力だからではなく、今はまだその段階にいるというだけかもしれません。これから伸びていく部分も大いにあると捉えてみてはいかがでしょうか。

不安定になっていても、周囲と同じようにできなくても、それが当たり前なんだと知っておくと、9歳~10歳というとてもユニークな年齢の子どもを、少し余裕を持って見守れるようになるかと思います。

(文:うららか相談室 たかだちかこ/構成:マイナビ子育て編集部)

※写真はイメージです

この記事の執筆者 臨床心理士・公認心理師たかだちかこ 先生

臨床心理士・公認心理師。心療内科や児童相談センター、学校、被害者支援施設など、多くの現場で相談や心理検査を経験。親子・夫婦関係・子育て・発達障害・ハラスメントやDV被害など様々な相談を得意としている。現在、うららか相談室にてビデオ・電話によるオンラインカウンセリングを受付中。■たかだちかこ先生への相談

参考文献文部科学省小学校学習指導要領

渡辺弥生 著(2011) 「子どもの『10歳の壁』とは何か? 乗り越えるための発達心理学」 光文社新書

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、専門家の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます


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この記事のライター

マイナビウーマン子育て

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