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【医師監修】クループ症候群の症状は? 原因と治療、予防策まとめ

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クループ症候群は喉の腫れによって、息苦しい状態となる症状を指します。特に乳幼児は症状が急変し、呼吸困難なども起きやすいため、きちんと知っておくべき病気です。

この記事の監修ドクター

おひさまこどもクリニック金髙太一先生 十条駅すぐ。小児科専門医。3児の父。感染症、アレルギーが得意です。HPも自信作です、ご覧下さい。 http://ohisamakodomo.com/

クループ症候群の症状

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子どもが風邪をひくと、苦しそうに咳き込むことがあります。とてもかわいそうですね。乳幼児の場合は、喉の炎症で喉頭周囲が狭くなり、そのまま呼吸困難に陥るケースがありますから、注意して見てあげましょう。特に「ケン!ケーン!」と乾いた重い咳が出始めたら「グループ症候群」の可能性がありますので、病院を受診するようにしましょう。

特徴的な「苦しそうな咳(せき)」

クループ症候群は、一言で言えば「急性の喉や声帯の腫れ」です。喉に炎症が起きて腫れると、気道がせまくなって空気が通りにくくなります。「ケーン!ケーン!」「コンコン」という咳が出始めます。犬吠様咳嗽(犬が吠えるような咳)と医療用語ではいわれています。オットセイが鳴くような咳ともいわれます。くぐもって響くような深い咳です。しゃべるときもしゃがれ声になっていることが多いでしょう。普通とは違う咳が出始めて止まらなくなったら、速やかに病院へ連れ行くようにするべきです。

気道が狭くなっているので、大変息苦しい状態ですが、実際に乳幼児の場合には呼吸困難の恐れもあります。特に息を吸うときの音が「ヒューヒュー」「ゴー」などと聞こえる場合は、気道がすでにかなり狭くなっている可能性も高く、呼吸困難になる危険性も高いと判断できます。

また、十分な呼吸を1度に行うことが難しいため、呼吸回数が増えるケースもよく見られます。呼吸に大変なエネルギーを使うので、いわゆる陥没呼吸(呼吸のたびに鎖骨や肋骨の間がへこむ)の症状が出るケースもあります。

なお、クループ症候群の初期症状は、熱、のどの痛み、咳など「のどの風邪」の症状とほとんど変わりません。

クループ症候群の「4つの分類」

クループ症候群は「喉頭炎」「喉頭気管炎」「喉頭気管気管支炎」「急性喉頭蓋炎」の4つに分類できます。

急性喉頭蓋炎以外(喉頭炎・喉頭気管炎・喉頭気管気管支炎)は、クループ症候群の一般的な症状です。腫れ・炎症がのど(咽頭)だけに出るか、あるいは声帯から下(気管・気管支)にまで見られるか、いう点が異なります。ただし、「ケーンケーン」「コンコン」といった苦しそうな咳、かすれ声、息苦しさといった症状は共通です。このまま咽頭、気管、気管支の炎症が続くと「チアノーゼ」という酸素不足の症状で、顔や手足が青くなるケースがあります。

急性喉頭蓋炎はクループ症候群の中ではあまり見られませんが、4つの分類の中では最も注意すべき病気です。この病気は文字通り「喉頭蓋」という部分が炎症を起こして腫れるのですが、喉頭蓋は、気管と食道の分かれ道で「気管の蓋(ふた)」の役目をしています。口から入ってきた空気・食べ物を判断し、食道・気管にそれぞれ振り分ける「整理屋さん」をイメージすると分かりやすいでしょう。この部分が腫れて、うまく機能しないということは「気管の入口が詰まる」可能性も高くなり、突然窒息状態に陥る危険性もあります。

クループ症候群の原因

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ウィルス・細菌などは、クループ症候群の「のどの腫れ」の原因となります。それぞれに症状の進行などが異なりますので、きちんとチェックしましょう。

クループ症候群の原因①ウィルス

ウィルスが原因のクループ症候群では、「パラインフルエンザウィルス」の感染が原因となるケースが多いです。このほか、RSウイルス、アデノウイルス、インフルエンザウイルスなどの感染がクループ症候群の原因になります。

クループ症候群の原因②細菌

細菌が原因のクループ症候群は、ウィルスが原因の時よりも進行が早いと考えられます。特に、ヒブ(インフルエンザ菌b型)に感染することで急性喉頭蓋炎になった場合、気道の狭まりが早くおき、窒息や意識障害が起きる恐れも高いと言えます。症状が急激に悪化する恐れがありますが、乳幼児(1~5歳)の場合は特に注意すべきです。

また喉に感染して毒素を出す「ジフテリア」という菌もクループ症候群の原因になります。厚生労働省によれば、ジフテリアの発生が最後に報告されたのは平成11年とのことなので、大変稀な病気であることは事実です。(*)小児科医や耳鼻咽喉科の先生でも「ジフテリア(喉頭ジフテリア)によるクループ症候群は見たことがない」というケースも多いと言います。ジフテリア感染によるクループ症候群は大変レアケースとなりました。ただし、万が一ジフテリアに感染すると「約10%の方は亡くなる恐れがある」と言われています。特に5歳以下の子供は症状が重くなりやすいため、十分ご注意ください。4種混合ワクチンに含まれていますので、ワクチンは早めに接種しておきましょう。

この他、肺炎を引き起こすことで有名なマイコプラズマも、クループ症候群の原因となることがあるようです。大人も発症しますが、患者の80%が14歳以下の子どもなので、保育園、幼稚園、小学校などで感染する恐れもあります。

(*「感染症情報 > ジフテリア」厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/diphtheria/)

クループ症候群の原因③その他

クループ症候群はウイルスが原因であることが多く、細菌によるケースはあまり多くありません。この他「アレルギーや心理的な原因」によって、クループ症候群が起こることもあります。クループ症候群の原因を正確に判断することはむずかしいですが、このような原因があることも知っておいてください。

クループ症候群の治療

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クループ症候群の治療は医療機関でおこなわれます。速やかに治療をおこないますが、かなり重症化しているケースでは入院することもあります。

診断

咳の異変は親も感じることができるかと思いますが、小児科のお医者さんであればほぼ間違いなく、咳を聞いて診断できます。喉の状態を判断するために、X線撮影などが行われるケースもあります。

治療

ウィルスが原因のグループ症候群の場合は、ウィルス自体に効果のある薬はほとんどありません。したがって、対症療法が行われます。一例としては、気道の炎症を抑えたり、気道を広げて呼吸がラクができるように、ステロイドを使用(内服薬、あるいは注射)するケースがあります。このほか、エプネフリンという薬で血管を収縮させ、喉の腫れを鎮める方法もあります。

細菌が原因のクループ症候群の場合は、抗生剤の使用が一般的です。ただし喉頭蓋炎の場合には、手術(気管切開)によって呼吸を確保する必要が出るケースがあります。具体的には、切開した気管へ直接管を入れ、呼吸をサポートします。また、喉の腫れによって十分な食事(栄養摂取)ができない場合には点滴(輸液)が行われるケースもあります。

クループ症候群の予防

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クループ症候群の予防には、ワクチンの接種が効果的です。これにより、重症化しやすい喉頭蓋炎を防ぐことが期待できます。

ジフテリアは、ワクチン接種によって約95%も防ぐことができると考えられています。具体的には「DPT三種混合ワクチン」「DT二種混合ワクチン」などがありますが、この中に含まれる「D」がジフテリアワクチンを意味します。接種する時期は、生後12ヵ月までに3回、さらに6ヵ月以上の間を置いてからもう1回です。最近は4種混合(DPT-IPV)ワクチンとして接種しています。さらに、11~12歳の間にもう1度DTワクチンを接種することが標準的です。

またインフルエンザ菌は、Hibワクチンで予防可能です。もっとも原因として多いパラインフルエンザウィルスは今のところ予防接種はありません。

ご家庭でできること

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クループ症候群の疑いがある場合には、病院へ連れて行くことが第1です。ただし、お家でのケアも大切ですので、できることをしてあげましょう。まずは、お子さんのいる部屋の湿度を高めに維持することです。ウイルスは乾燥状態で増殖しますので、冬場などは特にご注意ください。寝かせるときは、頭の位置を高めにしておくとラクかもしれません。このように安静を保てるように、快適な寝室環境を整えてあげてください。

クループ症候群は夕方から夜にかけて悪化することが多いです。寝てから咳が出始めたり、呼吸しにくくなったりするため、睡眠不足の原因にもなります。より体力が消耗し、回復までに時間がかかる恐れもあります。寝室環境をできるだけ整えることが、このような観点からも重要なことです。

また咳がひどい場合は、だっこをしてあげて、胸や背中を軽く叩く(とんとんする)ようにすると、呼吸をラクにしてあげることができます。息苦しさや辛さによって、子どもが興奮したり泣いたりすると、喉の炎症がよりひどくなる可能性があります。だっこや、胸や背中を軽く叩くなどの行為は、子どもの気持ちを落ち着け、興奮を沈める上で大変効果的な方法の1つです。

まとめ

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クループ症候群は予防接種で重症化を防ぐことが期待できます。したがって、できるだけ早く予防接種を受けておくことも有効な対策になります。ただしクループ症候群の原因は複数あるので、予防接種で完全に防ぎきることはできません。事実、小児の10〜20%は1度かかるとも言われるほど身近な病気なのです。特に生後半年〜3歳までが多いので、疑われる症状がないかを常に意識しておくことが必要と言えるでしょう。喉の発達と共に発症しずらくなりますが、6歳までは再発の危険性もあります。

クループ症候群では、子供が特徴的な咳や息苦しい様子を見せます。単なる風邪と決めつけないで、早めに病院へ連れて行ってあげましょう。


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情報提供元:マイナビウーマン子育て

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更新日:2017年3月28日

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