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【医師監修】高齢出産でダウン症の確率は高まる? 検査すべき?

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目次

高齢出産という言葉を聞いて、ドキッとする女性もいるかもしれませんね。単純に「若くないから妊娠しづらい」と思い込むことは決していいことではありません。妊娠・出産を健康な状態で迎えるには、体はもちろんのことメンタル面も非常に大切。悩む前に、きちんと理解して生まれてくる未来のわが子を前向きに考えてみましょう。

この記事の監修ドクター

パークサイド広尾レディスクリニック内山明好 院長 浜松医科大学医学部卒業。医学博士。同大学整形外科学入局、ハーバード大学骨疾患研究所留学。その後エーザイ株式会社、グラスソ・スミスクライン株式会社にて臨床開発、薬事、薬剤安全性等の部門長、 担当役員を歴任後、株式会社アーテイジ代表取締役社長として遺伝子検査やサプリメントを用いた健康増進事業に取り組む。 現在、医療法人社団宗友会パークサイド広尾レディスクリニック理事長・院長。 http://www.ladies-clinic.or.jp/

そもそも高齢出産って何歳から?

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高齢での出産は何かとリスクが伴うと一般的に言われますが、一体いくつから高齢出産になるのでしょう。疑問を一つずつクリアにして、何を気を付ければいいのかを知りながら、その時々や日常で対処すべきポイントを明確にしていきましょう。

高齢出産の定義

まだまだ私は20代の女性とさほど変わらないから、高齢出産なんて無縁だわ…。はつらつと元気に過ごしながら、多少の無理も若さでカバーできた20代の気持ちはそのままに、結婚して(または特定のパートナーができて)数年、仕事とプライベートの充実を図る女性も多くなってきました。 そこで、高齢出産とはどのような女性に対して使用される言葉なのかを、理解しておく必要があります。単なる年齢で高齢か否かを判断するのではなく、初産の年齢が判断の基となるということはあまり知られていないかもしれません。

一度でも出産を経験していれば、その妊娠の間にプレママとしていつでも機能できるよう体の仕組みが作り上げられ、再び妊娠すると体のあらゆる部分が妊娠・出産に向けてスムーズに準備状態に入ることができるようになります。しかし初産年齢が特に35歳を超えていると、このプレママ状態への切り替わりがうまくいかず、トラブルも起こりがちになります。そのため35歳以上の初産を高齢出産と定義づけて区別しています。

結婚後も変わらず働き続けながら、家族計画に沿って妊娠を考えるカップルもいるでしょうし、結婚後しばらくは2人だけの生活を重視し、妊娠を望まないカップルもいるかもしれません。そのような妊娠・出産への考え方の多様性から、現在では、日本人女性の5人に一人は高齢出産だといわれています。

高齢出産が高リスクとされているのはなぜ?

女性が妊娠する適齢期というものがあります。体の若さと健康、機能面において妊娠が最適だとされるのは、20歳〜35歳といわれています。女性特有の体内臓器である子宮や卵巣は、若いころには成熟に向けて成長が進みます。妊娠力が最も高い状態が、この成熟期と考えれば、妊娠力が高い年齢を過ぎると、そののちは衰退し老化が進むということも理解しやすいでしょう。

女性も35歳を過ぎるころには、体の筋肉が柔軟性を失ってきて、体の基礎代謝量も低下してきます。その上に、非日常的な身体の変化となる妊娠となると、体の各器官や臓器に対する負担も大きくなります。妊娠をすれば、赤ちゃんに栄養を届けるために血流量が増えますが、必要な栄養素を母体にうまく取り込むことができず、たとえば貧血を起こす女性が多くなり、尿糖や尿たんぱくが出やすくなり、浮腫になる妊婦も多くいます。

妊娠すれば女性の体内では、実に多くの変化が始まります。その変化に対応できる適性を備えているのが適齢期で、35歳を過ぎるとあらゆる面でリスクが高くなるのです。

高齢出産でダウン症の確率は高まる?

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高齢出産では、さまざまなリスクが高まるという話をしましたが、その中でもひときわ注目されるのは、「高齢出産をすると子供がダウン症になる確率が高まる」という点です。実際にはどうなのかを、正しく知って対処を考えてみましょう。

ダウン症ってどんな病気?

ダウン症が先天性の異常だということはご存知の方も多いでしょう。ただ、この先天性異常によってどんなことが起こるのかを正しく理解している人は少ないかもしれません。漠然とした不安にとらわれてしまう前に、ダウン症とは何かという情報をもっておくことが大切です。

まず、ダウン症は生まれながらに21番染色体に異常があることによって起こる現象です。通常二本である染色体のうち、21番染色体が3本ある(トリソミー)というのがダウン症の標準型といわれるパターンです。全体の9割以上を占める標準型のほかに、染色体の一部が他の染色体と結合してしまった転座型や、正常な染色体細胞と異形細胞が混ざり合ったモザイク型などがあります。 そのほかに、21モノソミー(染色体が1本)や18トリソミー、13トリソミーなどがありますが、染色体番号の小さいほうが障害レベルも上がり重度になるケースが多いようです。

ダウン症の症状

ダウン症の子どもには、一定の特徴があります。まず、身体の発達状態ですが、筋力の発達や言葉の遅れを見て取ることができます。はっきりとした言葉で物事を伝えることが難しく、抑揚ない発言に感じることもあります。ただ、知的レベルはダウン症の人それぞれで程度が大きく異なるため、中には普通に日常生活を送りながら、特技に秀でた才能を発揮する人もいます。

ただし染色体異常によって、体内臓器に疾患を起こす確率が高い点には注意が必要です。特に心疾患やその他の循環器系に多岐にわたり、合併症を起こすことが報告されています。顔立ちが特徴的で、目が少し離れ気味で細くつりあがり気味、後頭部が平坦で頭・鼻が小さいという外観を備えています。

ダウン症の発症確率と年齢の関係

染色体異常によるダウン症の発症確率は、妊婦が30歳の場合、およそ700人に1人と言われています。ただし、染色体異常が胎児の存続に影響を及ぼすため、出生前に自然流産や胎児死亡となってしまうこともあるので、実際にはこの統計数値よりも発症確率は高いと考えられています。

妊娠年齢が高くなればなるほど、ダウン症の発症リスクが高まるというのは、統計上も明らかで、35歳以上の妊婦では300人に1人、40歳以上になれば80人に1人がダウン症を発生しているという結果もあります。ただ、確率の問題であって、ママが若ければ発症しないという単純なものではなく、20代のママは絶対数が多いために実際の発症人数は20代ママのほうがダウン症の子どもを多く出産しています。

ダウン症の検査

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胎児にダウン症と診断される染色体異常(21トリソミー)があるかどうかは、妊娠中の検査で知ることができます。妊娠16〜17週目の検診の際に、医師から「羊水検査の意思確認」をされることがあるかもしれません。この染色体検査は誰もが当たり前に受けるのではなく、その意思がある女性に限り、受けることができます。 あらかじめ胎児の状態を知っておくことで、出生後の生活や問題点を事前に把握するというのはママとしても非常に興味深いでしょう。ただ、この時期だけにできる検査だからと、安易な気持ちで臨むべきではないでしょう。ママの状態を見て万が一のリスクを考えて、医師が検査を進めることもあるかもしれません。その際に、希望がなければ断ることも、また反対に勧められなくても実施希望するのも、ママ(夫婦)の意思次第です。

クアトロテスト

胎児の染色体異常に対する状態検査の方法の一つに、血液検査があります。母体血清マーカーと呼ばれるもので、血液は母体から採取して行いますので胎児に何ら影響はありません。血液中にある3種の成分を判断するトリプルマーカーと、4種の成分から判断するクアトロテストがありますが、いずれも「ダウン症(21トリソミー)」「18トリソミー」「神経管閉鎖障害」を調べるもので同様の検査と考えてよいでしょう。

検査の結果は確率であらわされるので、実際の発症リスクとは異なる結果が出ることもあります。血清マーカーで異常が確認されたときに羊水検査を実施するという「フルスクリーニング検査」の前段階として行う実施医療機関もありますが、試しに受けてみようという気持ちで異常が出た場合には、メンタル的にもマイナスにしか働きませんので、行うかどうかは医師の説明をよく聞いて判断するほうがいいでしょう。

羊水検査

赤ちゃんがいる子宮の羊水を採取して、染色体異常の有無を調べる方法が「羊水検査」です。妊娠期が進むと、胎児の肺の細胞や腎臓がつくられた後に出されたおしっこが羊水の主成分となります。そのため羊水には、胎児の皮膚や粘膜をつくっている細胞が多く含まれています。この胎児の身体成分である細胞が混じっている羊水を摂取して調べることで、細胞の染色体を調べることができるのです。

この検査では、母体のおなかに穿刺針を刺し、子宮内の羊水を採取します。赤ちゃんに穿刺針が刺さらないようにエコーを当てて胎児の位置を確認しながら検体採取をします。また、針を刺すときには痛みが伴いますので、多くの医院で局所麻酔を実施しています。およそ10分程度で一連の採取処置は終わります。

高齢出産になるなら検査をすべき?

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前述したように、統計上は妊婦の年齢が高ければ高いほど、胎児にダウン症を発症する確率が高まるという結果が出ています。この検査自体、定期健診のように妊婦全員に対して実施するという決まりもありませんが、妊婦の年齢やこれまでの出産経験有無によっては、産科医が染色体検査を進めることがあるかも知れません。この検査は医療保険の適用外なので、自由診療となります。自己負担割合も100%で、実施する医療機関によって料金は異なりますが10万〜15万円程度かかります。

検査にもリスクがある

胎児の体で起こった染色体異常は、胎児の発育や発達の障害となる可能性があり、また分娩に至らず出産が叶わない事態を招くこともありえます。それらの不安を感じながら37週を迎えるまで不安な気持ちで過ごすことができそうになければ、一定の覚悟を以て検査してみるのもよいでしょう。

しかし、胎児のいるおなか(子宮内)に針を刺して羊水を抜くという羊水検査は、ママの体と子宮にわずかでも傷をつける行為です。感染症などのリスクが絶対にないとは言い切れませし、わずかではありますが流産のリスクも伴うことを知っておきましょう。

検査を受けるかは夫婦でよく話し合って

胎児の出生前状態をあらかじめ調べておくということは、どんな意味を持つかということを、夫婦できちんと話し合っておく必要があります。授かった命は日ごとに成長しますが、もし検査で陽性の反応が出たら…ということを想定して、夫婦の意思疎通を図ることが大切です。

生まれながらに先天性の異常があるということを受け止めて、大切に育てる決断ができればいいですが、正常に成長がみられない・胎児は死産かもしれないという万が一の場合には、妊娠中絶という選択を迫られることもあります。一概には言えないデリケートな悩みを抱えることになるかもしれません。

まとめ

高齢初産は、母体と胎児双方にリスクが上昇するといわれています。特に高齢妊娠・出産で心配されるのが、胎児の染色体異常でしょう。高齢妊娠ではダウン症を初めとする染色体異常のリスクが高まる傾向は否めませんが、かといって必ず異常が起こるというものでもありません。また高齢妊娠にかぎらず、一定の確率で染色体異常を発症する可能性はあります。このように胎児の染色体異常は決して特殊ではないことを理解しておきましょう。

そのうえで、羊水検査や血清マーカーなどの検査を行う場合には、夫婦の問題としてあらかじめしっかり話し合いをし、検査後は健全な心の状態を保つことができるように、パートナーとお互いにケアしあいながら、夫婦にとっての前向きな決意を共有しておくことが重要です。


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情報提供元:マイナビウーマン子育て

更新日:2017年3月29日

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