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【医師監修】生理不順は病気のサイン? 知っておきたい婦人科疾患5つ

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目次

通常は約1カ月に1度ある生理(月経)ですが、「毎回バラバラ」「妊娠していないのに3カ月来ない」など、周期が安定していなくて悩む人も少なくありません。生理不順になる原因とはどのようなものがあるのか、また生理不順の影に隠れた病気について解説します。

この記事の監修ドクター

パークサイド広尾レディスクリニック内山明好 院長 浜松医科大学医学部卒業。医学博士。同大学整形外科学入局、ハーバード大学骨疾患研究所留学。その後エーザイ株式会社、グラスソ・スミスクライン株式会社にて臨床開発、薬事、薬剤安全性等の部門長、 担当役員を歴任後、株式会社アーテイジ代表取締役社長として遺伝子検査やサプリメントを用いた健康増進事業に取り組む。 現在、医療法人社団宗友会パークサイド広尾レディスクリニック理事長・院長。 http://www.ladies-clinic.or.jp/

生理不順とは?原因と種類、問題点

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生理不順と一言でいっても、その原因や症状、種類はそれぞれ異なります。最初に、生理不順の状態はどんなものか、原因はどんなことが考えられるのかをまとめました。

生理不順ってどんな状態?

女性の月経周期は、個人により多少の差はありますが、約1ヶ月のサイクルで回っています。一般的に正常な月経とは、周期が25〜38日、周期の変動が6日以内、持続が3〜7日とのこと。このような規則的な月経周期がみられない状態のことを「生理不順」と呼びます。

生理不順になる原因

生理不順になる原因はさまざま。特に大きな原因として挙げられるのは、「ホルモンバランスの乱れ」です。月経は基本的には女性ホルモン(卵胞ホルモン、黄体ホルモン)でコントロールされています。これらのホルモンの分泌をつかさどるのは、脳の視床下部、脳下垂体、卵巣。この3つの器官が連携してホルモンを分泌することにより、月経が始まります。

しかし、視床下部、脳下垂体、卵巣のうち、どれかひとつにでも異常が出ると、月経が止まったり、周期が乱れたりといったトラブルが発生します。特に視床下部はストレスなどに影響を受けやすい器官。心配ごとがある、仕事が激務などの精神的ストレスを受けると、視床下部からのホルモン分泌に支障が出て、生理不順になることもあります。そのほか、激しい運動、ダイエットも生理不順の原因になります。

生理不順の種類

月経不順には、周期の違いや月経日数の長さなどにより、さまざまな種類があります。

・「稀発月経」 月経周期が39日以上と長い場合を、「稀発(きはつ)月経」といいます。突然、周期の変動がおこる場合もありますが、徐々に周期が長くなる場合、正常な周期に戻ったり周期が再び長くなったりと症状はさまざま。原因は、卵巣の働きが不十分で、ホルモンが順調に分泌されていないことが原因と考えられています。

中には、もともと体質的に卵胞の成長に時間がかかる人もいます。その場合、生理周期が39日以上あっても、規則正しく生理が来ていれば問題視する必要はありません。

稀発月経でも、排卵があれば妊娠・出産が可能ですが、無排卵周期になっている場合もあります。妊娠を考えている場合は、ホルモンバランスや排卵の有無を産婦人科で調べてもらったほうがいいかもしれません。

・頻発月経 月経周期が長い「稀発月経」と反対に、月経周期が24日以下という短いものを「頻発月経」(ひんぱつげっけい)と呼びます。周期が24日以下なので、中には1カ月の間に2回生理が来る人もいます。これも原因は、卵巣の働きが不十分で、ホルモン分泌の乱れが原因と考えられます。

・過長月経 月経期間が8日以上と長く状態を「過長月経(かちょうげっけい)」と言います。視床下部、脳下垂体、卵巣などの器官になんらかのトラブルが発生し、無排卵周期になっている場合や、黄体ホルモンの分泌が不十分なために黄体機能不全になっている可能性も考えられます。

・過短月経 過長月経とは反対に、月経が2日以内で終わってしまう場合を「過短月経」(かたんげっけい)と呼びます。経血量が極端に少ない「過少月経」(かしょうげっけい)と同時に起こることが多いようです。原因は、女性ホルモンの分泌量が少ないため、子宮内膜が厚くならないとか、子宮自体の発育不全などが考えられます。

生理不順になると何が問題?

「周期はバラバラだけれど、生理はあるから大丈夫」と軽く考えがちな人もいるかもしれませんが、この生理周期の乱れの影には、さまざまな婦人科疾患が隠れている可能性も。

頻発月経や過長月経の場合、考えられるのは「黄体機能不全」です。そもそも「黄体」とは、排卵で卵子が卵巣から飛び出た後に、卵子を包んでいた卵胞が残りますが、それが変化して一時的にホルモン分泌機能を持ったものをいいます。黄体機能不全とは、黄体ホルモンを分泌するこの「黄体」がうまく機能しなくなる疾患のこと。黄体ホルモンは子宮内膜を厚くする働きがありますが、不足すると子宮内膜が十分に成熟しないままとなります。そのため、黄体機能不全では妊娠しにくくなり、妊娠しても流産が起こりやすくなります。

卵巣の機能が低下して卵胞ホルモンと黄体ホルモンのバランスが乱れるとおこる「卵巣機能不全」の場合も、生理が不順になることもあります。これにより女性ホルモンの分泌が低下すると、うまく排卵が起こらず無月経となります。

無月経の状態が長く続くと、子宮内膜は育たず萎縮してしまいます。その後にホルモンが分泌されたとしても、そのホルモンに反応することができなくなります。従って、無月経の状態を長く放置しておくと、月経周期が戻らなくなる可能性もあるのです。

また、卵巣の機能が衰えている場合は、年齢は若くても更年期障害のような症状が出ることもあります。女性ホルモンの分泌異常は身体全体の代謝に影響を与えますので、しっかりした診断と治療が大切です。

生理不順を引き起こす病気

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放っておくと、妊娠しにくくなったり、月経周期が元に戻らなくなったりする可能性もある生理不順。では、その生理不順を引き起こす病気には、どのようなものがあるのでしょうか?

無排卵月経

月経はあっても排卵していない状態を「無排卵月経」といいます。排卵障害の一つで不妊の原因のひとつです。毎月、きちんと生理はあるけれど、排卵していないというケースもありますが、周期がバラバラで月に2回生理がある、生理が遅れ気味、経血量が少なくダラダラ続く……という症状が多いようです。無排卵の状態を放置していると、いずれ生理が止まってしまう可能性もあります。

子宮筋腫

子宮筋腫とは、子宮の筋肉や粘膜の下にできる良性の腫瘍のこと。症状は腫瘍のできる部位などによってかわりますが、生理不順が起こりやすくなります。

子宮内膜症

子宮内膜は、本来は子宮内にしか存在しない組織ですが、何らかの原因により、卵巣など子宮以外の器官に発生することがあります。これを子宮内膜症と呼びます。だんだん強くなる生理痛などが特徴ですが、生理不順を引き起こすことも。

子宮内膜ポリープ

子宮の内腔を覆っている子宮内膜から、キノコ状に突出した腫瘍のこと。エストロゲンと呼ばれるホルモンが、過剰に分泌されることが原因と考えられています。自覚症状がない場合、治療を急ぐ必要はありませんが、悪性との鑑別が必要な場合などには、摘出手術が行われます。

子宮頸がん

子宮頸部にできるがんのこと。子宮頸部とは、子宮から膣につながる口の細くなっている部分のことです。初期の子宮頸がんでは通常、症状はほとんど出ませんが、がんが進行するにしたがって、生理期間が長くなったり、次回の生理との間に出血があるといった症状が出るようになります。

子宮体(内膜)がん

子宮体がんは、胎児を育てる子宮の内側にある、子宮内膜から発生するがんのこと。子宮内膜がんとも呼ばれています。妊娠・出産経験がない人や、長い間月経不順が続いた人などに多くみられる傾向があります。

生理不順かな?と思ったら

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生理不順に思い当たることがあったら、どのような対処法を取ったらよいのでしょうか。家ですぐに取り組める食生活で注意することや、通院の際に注意することなどをまとめました。

食生活や生活習慣を改める

まず最初に、自分の生活を見つめ直すことから始めましょう。不規則な生活やバランスの悪い食事が生理不順の原因となることも。1日3食、栄養のバランスを考えた食事を摂り、睡眠時間をきちんと確保することを心がけましょう。また、ストレスはホルモンの分泌に大きな影響を及ぼします。趣味に打ち込んだり、友人とおしゃべりを楽しんだりなどストレス解消を心がけるほか、自律神経をコントロールするヨガやアロマテラピー、適度な運動も効果的です。

基礎体温を測ってみる

女性の基礎体温は、排卵の時期を境として低温期と高温期の二相にわかれます。基礎体温を測り、計測することで、排卵をしているのか、いつ月経がおきるのかなどが予想できるのです。通常は二相に分かれるはずの基礎体温が、低温期と高温期に分かれない場合は、排卵がおきていないことも考えられます。

時には、排卵時に出血することがあります。その出血を生理であると勘違いし「生理の経血量が少なくなった」と心配する人もいますが、基礎体温を測っていれば、その出血は「排卵時出血」であるとわかります。

まずは基礎体温を測り、自分の身体のリズムを把握しましょう。生活リズムを改善することで、排卵が起こっていることが確認でき、不順であった生理がだんだんと元の周期に戻りそうであれば、しばらく様子を見てみます。元の周期に戻らない場合は、さまざまな婦人科疾患を抱えている可能性があるため、早めに産婦人科に相談しましょう。受診する際は、それまで記録していた基礎体温表を持参すると、診察もスムーズに進みます。

貧血になっている場合は必ず治療を

基礎体温に異常がなかったとしても、貧血の症状がある場合は必ず病院を受診しましょう。貧血の症状とは顔色が蒼白になる、ちょっとしたことでふらつく、階段昇降で息切れがするなどです。毎月月経量が多いと、徐々に貧血が進行します。そのような場合には、かなり重症化するまで症状が出ないこともあります。鉄分が体の中で不足すると、妊娠しやすい状態にする黄体ホルモンの分泌が低下。不妊につながる可能性があるので、妊娠・出産を希望している女性は特に注意が必要です。

まとめ

痛みを感じることがないため、つい軽く考えがちな生理不順ですが、その背景にはさまざまな病気が隠れている可能性があることがおわかりいただけましたか。また、放置しておくと排卵が起きなくなり、不妊の原因になるなど、驚いた人もいるのでは? 毎月、規則的に来る生理は健康のバロメーター。何かいつもと調子が違うと思ったときは基礎体温をつけるなどして、身体の声に耳を傾けてみてください。


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情報提供元:マイナビウーマン子育て

更新日:2017年3月29日

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