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【医師監修】溶連菌感染症は自然治癒するの? 知っておきたい4ポイント紹介!

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目次

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子どもの急な発熱、のどの痛み。こうした症状はさまざまなウイルスや細菌などの感染で起こります。その1つが「溶連菌感染症」。一般にそれほど怖い病気ではありませんが、まれに重い合併症を引き起こすことも。適切な治療で合併症を予防し、流行を防ぐため、小さなお子さんのお母さん、お父さんが知っておきたい特徴を紹介します。

この記事の監修ドクター 浅川恭行先生 平成5年 東邦大学医学部卒業、同東邦大学大学院医学研究課入学、横須賀聖ヨゼフ病院を経て平成21年より東邦大学医療センター大橋病院 産婦人科講師。平成23年より医療法人 晧慈会 浅川産婦人科 理事。平成28年より同産婦人科、理事長、院長。医学博士、日本産科婦人科学会専門医、日本内視鏡外科学会技術認定医、日本産婦人科医会幹事、日本産科婦人科内視鏡学会理事、日本女性医学会 評議員

冬または春~初夏に多くなる

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溶連菌は主に急性咽頭炎・扁桃炎を引き起こす細菌

溶連菌感染症は「A群β溶血性レンサ(連鎖)球菌」(以下、溶連菌)という細菌による呼吸器感染症で、急性の咽頭炎・扁桃炎として子どもに多くみられ、のどの痛みで病院を受診した子どもの20〜30%は溶連菌感染が原因と報告されています[*1, 2]。

なお、レンサ球菌にはB群溶血性レンサ球菌(GBS)という種類もあります。この細菌は成人女性の15〜20%の腟や腸に常在し、出産時の母児感染(垂直感染)による新生児感染症を引き起こすことが知られています(通常、妊娠後期に検査します)。今回は、GBSではなくA群β溶血性レンサ球菌による溶連菌感染症について紹介します。

4〜15歳、冬と春〜初夏に多発

毎年、だいたい冬と春~初夏にかけての年2回流行のピークが見られるとされています。年代別にみると、主に4〜15歳の子どもにみられ、学童期初めにもっとも多いとされています。一方、3歳未満の乳幼児にはほとんどみられません。

主な感染経路は、急性咽頭炎・扁桃炎の場合、唾液や鼻汁を介した飛沫(ひまつ)感染で接触感染でも感染するとされています。家庭や保育所・幼稚園・小学校などのように患者と長い時間、近くで接触しやすい環境で起こりやすいです。なお、健康な子どもの5〜20%[*3]は症状のないまま溶連菌を保菌していますが、健康な保菌者から他の人に感染することはほとんどないとされています。

Q1.どんな症状が出るの?

さて、溶連菌感染症ではどのような症状がみられるのでしょうか。それらの特徴、経過などを説明しましょう。

発熱&のどの痛み

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溶連菌による急性咽頭炎・扁桃炎では、2〜5日間[*4]の潜伏期間をおいて、発熱や咽頭痛などの症状が急激に現れます。咽頭痛で始まり、けだるさ、発熱(38℃以上)、頭痛を伴い、子どもでは吐き気や嘔吐、腹痛がみられることもあります。

咽頭または扁桃が赤く腫れて、扁桃からはじくじくした滲出物がよくみられます。軟口蓋(なんこうがい;口腔の奥の部分にある軟らかい組織)に小さな点状の出血がみられたり、苺舌(いちごじた;舌にイチゴのような赤い色のブツブツができた状態)が現れることもあります。一般に、これらの症状は3〜5日ほどでよくなってきます[*5]。

急性咽頭炎・扁桃炎に加えて、ほぼ同じ時期に紅色の小さな発疹(皮疹)が体や顔に現れることがあります。これは昔、猩紅熱(しょうこうねつ)と呼ばれ恐れられていましたが、抗菌薬(抗生物質)が開発されたことで容易に治療できるようになりました。

猩紅熱では、溶連菌の産生する毒素が原因で全身に症状が起こります。発疹は全身に広がった後、5~6日で消え始め、1週間目ごろから発疹のあったところに色素沈着、皮膚の落屑(角質層の一部が薄い断片となってはがれ落ちる)もみられます。

ウイルス性咽頭・扁桃炎との区別

咽頭・扁桃炎はアデノウイルス、ライノウイルス、RSウイルス、インフルエンザウイルスなどのウイルスでも起こるため、溶連菌感染症との区別(鑑別)が重要です。結膜炎、かぜ症状、かれ声、咳、下痢、特徴的な発疹や粘膜疹(口腔・咽頭粘膜の発疹)などは、ウイルス性の咽頭・扁桃炎である可能性が高いことを示す症状とされています[*6]。しかし、感染を起こしている病原体が溶連菌なのか、ウイルスなのか、あるいは混合感染なのかは、溶連菌の検査を行わないと確定できません。

皮膚の症状

咽頭炎・扁桃炎以外に、溶連菌は皮膚に直接感染すると次のような症状を起こすことがあります。いずれも溶連菌だけでなく黄色ブドウ球菌など、ほかの細菌によっても引き起こされる症状です。

とびひ

正式な病名は伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)といい、皮膚に水疱(みずぶくれ)が現れます。あせも・虫刺され・湿疹、皮膚の傷に溶連菌などの細菌が感染して発症します。

丹毒

境界のはっきりした赤い斑(紅斑)が生じ、痛みや熱感があります。脚と顔に現れることが多いです。

蜂窩織炎(蜂巣炎)

皮下組織まで炎症が及んだ状態です。局所の痛み、腫れ、熱感を伴う紅斑が現れ、境界ははっきりしません。脚にもっとも多く発生します。

注意が必要な症状

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溶連菌感染症では、咽頭炎や扁桃炎以外に、溶連菌に感染したことが引き金となって起こる重い合併症として、リウマチ熱と急性糸球体腎炎が知られています。これらは溶連菌咽頭炎が治ってから2〜3週間後に発症する病気で、頻度は低いものの、いったん発症してしまうと心臓や腎臓といった大事な臓器に影響を及ぼすこともあるため、注意が必要です。

リウマチ熱

リウマチ熱は関節の痛みや腫れ、発熱、心臓の炎症、小舞踏病(体幹や手足、顔に起こる不随意運動)、皮下の結節(しこり)などの症状が現れます。

抗菌薬による治療が広まり、現在は、リウマチ熱の患者数は全国で年間わずか100人未満とまれです[*7]。リウマチ熱にかかると主に抗菌薬で治療することになり、大半は回復しますが、低い割合で心臓に後遺症を残すことがあります。なお、リウマチ熱は溶連菌による咽頭炎のあとに引き起こされますが、とびひなどの皮膚症状の後には起こりません。リウマチ熱の予防には、溶連菌による咽頭炎を抗菌薬できちんと治療しておくことが重要です。

急性糸球体腎炎

急性糸球体腎炎は腎臓にある糸球体に炎症が起きた状態のことで、顔面、まぶた、足の浮腫(むくみ)、血尿、蛋白尿、尿量の減少、一過性の高血圧などが主な症状で、ほとんどの場合、完全に治ります。最近は、急性糸球体腎炎も抗菌薬の使用により子どもでの発症率は低下してきていると言われています。

腎臓の病気は自覚症状があまりないのですが、尿の泡立ちがなかなか消えない、朝起きたときに足や顔がむくんでいる、倦怠感がある、めまいや立ちくらみが増えた、夜間2回以上トイレに行く、動悸・息切れ、のどが渇くなどの症状があったら、医療機関で早めに調べてもらいましょう。

Q2.溶連菌感染症の治療法は?

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細菌なので抗菌薬で治療できます

溶連菌感染症は抗菌薬の服用で治療します。基本はペニシリン系抗菌薬で、中でも幅広い菌種に効くアモキシシリンなどが使用されています。

「抗微生物薬適正使用の手引き 第一版(厚生労働省)」では、急性咽頭炎で迅速抗原検査または培養検査で溶連菌が検出されて抗菌薬を使用する場合、アモキシシリンを10日間服用することを推奨しています。

なお、再発を繰り返す場合などでは別の種類の抗菌薬を5日間服用する治療が行われることもあります。

抗菌薬を使う大きな目的は、リウマチ熱や糸球体腎炎などの重い合併症を予防することです。そのほか、扁桃周囲の膿瘍(のうよう;うみがたまった状態)の予防、症状の軽減、他の人への感染を防ぐ、普段の日常生活に早く戻すことです。

抗菌薬を飲むのを途中で止めてしまうと、薬の効果が充分でなく、抗菌薬の効かない細菌(薬剤耐性菌)を生み出すことにつながります。そのため、医師から抗菌薬を処方された場合、最後まできちんと飲みきることが大切です。

溶連菌感染症は⾃然治癒する︖どれくらいで治るの?

溶連菌咽頭炎・扁桃炎を治療しない場合、咽頭痛・扁桃痛、発熱などの症状は最初の24時間が強く、5〜6日目にはほとんどの症状が治るとされています[*8]。しかし、発症後早い時点で抗菌薬を投与することで、症状が軽減され、病気の期間が短くなり、合併症を予防できるため、溶連菌感染症が疑われる場合、早めに医療機関を受診することが大切です。

Q3.溶連菌感染症は予防できるの?

溶連菌感染症を予防するワクチンはまだありません。。そのため、予防としては、患者との濃厚接触を避けることがもっとも重要です。そして、うがい、手洗いなど、一般的な感染予防をよく行うようにしましょう。

Q4.溶連菌感染症は再発するの?

1年以内の再発は少ないが、なかには何度もかかる子も

溶連菌感染症は一度かかったら二度とかからない病気ではありません。 5〜15歳の子どもを毎年48〜100人、4年間(1998〜2002年)追跡した米国の研究[*9]によると、溶連菌に感染しなかった子どもは38〜46%、保菌者は27〜32%、初発の感染者は18〜23%、再発の感染者は6〜14%でした。2回再発した子ども22人のうち、同じ年に再発した子どももわずか2人と非常に少ないながらいたことが示されています。

つまり、同じ年の再発はまれですが、翌年以降に再発する、繰り返す可能性はあるということです。

家庭で気をつけること

家庭では溶連菌感染症に対してどのように注意すれば良いのでしょうか。

手洗い・うがいで予防、抗菌薬は最後まで飲みきる

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まず、溶連菌感染症を予防するワクチンはないため、とくに流行時期は、飛沫感染や接触感染を防ぐために、手洗い、うがいをよく行うことが大切です。

発症した場合は、医療機関を受診し、診断後に処方された抗菌薬を服用することで、多くの場合、後遺症もなく治癒します。「注意が必要な症状」の項でも紹介したように、重篤な合併症であるリウマチ熱を予防するため、抗菌薬を処方通り(通常10日間)飲みきる必要があります。熱が下がった、のどの症状が軽くなったからといって、自己判断で服薬を中止しないようにしましょう。

万一、指示通り抗菌薬を飲み切っても解熱しない、のどの痛みが消えない場合、別の原因であることも考えられます。この場合は、速やかに医師に相談してください。

のどを刺激しない食べ物を選ぶ

溶連菌感染症にかかると、のどに強い痛みが起こります。したがってお子さんが溶連菌感染症と診断された場合は、食べ物や飲み物にも気をつけてあげましょう。

具体的には、熱いもの、冷たすぎるもの、すっぱいもの、苦いもの、辛いものなどはのどへの刺激が強いため避けるようにしましょう。お粥や軟らかく煮たうどん、スープ、酸味の少ないヨーグルト、プリン、ゼリーなど、のどごしと消化のよいものがベストです。

食欲がないのに無理して食べる必要はありませんが、水分は十分に補給するようにしましょう。

溶連菌が単なるかぜを起こすウイルスなどと違うところ

溶連菌は、最初にお話しした、リウマチ熱と急性⽷球体腎炎以外にも、頻度はまれながら壊死性筋膜炎、劇症型溶連菌感染症といった重い病気を引き起こすことがあります。これらが疑われる場合は一刻も早く受診する必要があります。

壊死性筋膜炎

壊死性筋膜炎は、溶連菌、黄色ブドウ球菌、ウエルシュ菌などの感染が原因で皮下組織と筋膜に広い範囲で壊死が急速に起こる死亡率の高い病気です。かかりやすいのは成人ですが新生児を含む子どもでも起こります。主な症状は患部の強い痛みで、急速に症状が悪化し命に関わる状態に陥ります。

劇症型溶連菌感染症

劇症型溶連菌感染症は、「人食いバクテリア」とも呼ばれ、発熱、疼痛(主に四肢の痛み)で突然発症し、発病から数十時間以内にショック症状、多臓器不全、急性呼吸窮迫症候群、壊死性筋膜炎などを伴う、死亡率が約30%の重篤な感染症です[*10]。子どもから大人まで幅広い年齢層に発症しますが、とくに30歳以上の大人に多い病気です。

まとめ

溶連菌感染症は子どもがかかりやすい感染症です。基本的に抗菌薬で適切に治療すればほとんどは問題なく治癒します。さらに重篤な合併症のリスクを避けるためにも、発熱、のどの痛み・腫れ・強い赤みなどの症状があれば、速やかに医療機関を受診しましょう。

(文:小林晋三/毎日新聞出版MMJ編集部/監修:浅川恭行先生)

※画像はイメージです


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情報提供元:マイナビウーマン子育て



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