「頭のいい子」の家庭の共通点4つ。中学受験を有利にする育て方とは?

更新日:2022年11月17日 / 公開日:2022年11月17日

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中学受験の世界では、塾の成績がいいだけでなく、いろいろなことを知っている、「頭のいい子」という存在に出会うことがあります。頭のいい子に育てるには、親はどんな関わりをすればいいのでしょうか。ベテラン中学受験指導者・宮本毅先生が、頭のいい子の家庭の共通点をお伝えします。

1.親が子離れしている

中学受験の塾講師の仕事に就いて、かれこれ30年以上が経ちます。その間、たくさんの親子を見てみましたが、頭のいい子の家庭の親御さんは、早くから子離れできていると感じます。

親は子どもに任せる・失敗を安易にフォローしない

「この子は頭がいいな」という子に聞くと、小さい頃から自分の洗濯物は自分でたたんでいたり、学校の準備も自分でしていたりと、子どもに任せている家庭がほとんどでした。

仮に子どもが忘れ物をしても、親が届けることは一切していませんでした。

子どもに「困った」経験をさせて、失敗から学ばせているのです。

入塾前に「自分のことは自分でやる」習慣がついている子は、学習スケジュールも自分で立て、自分で課題を見つけ、自分で勉強する傾向があると感じます。

親がやることは、学習スケジュールのフォーマットを作ってあげることと、学習の進みを確認することくらいです。

中学受験は親のフォローが不可欠と言われていますが、子どもが自立していれば、親の負担はグンと減り、子どもと衝突する機会も少なくすみますし、ほかのことに時間をかける余裕も出てきます。

子どもの自立は中学受験を有利にする

中学受験を成功させる秘訣は「いかに子どもを大人にするか」です。

大人度が上がると、自分で学習スケジュールを立てて勉強するだけでなく、自分は何が得意で何が苦手か自己分析することができ、自分で修正できるようになります。

また、自分中心の世界から人を思いやったり、共感したりといった他者理解ができるようになります。

人の気持ちがわかるのは、国語の読解力や記述力にも必要な力です。

2.小さい頃から本に親しんでいる

頭のいい子の家庭には、本がたくさんあります。

小さい頃から小説や図鑑、事典に親しんできた子は、何もして来なかった子と比べて基礎知識の量が違います。

そのため塾の授業で習ったことが「初めて聞いたこと」であるケースが極端に少ないのです。

図鑑は理科や社会の基礎を築いてくれる

図鑑や事典に親しんでいる子は、たとえば理科・社会の授業を受けていても「あ、あのことか!」とすでに知っていることがよくあります。

プラスアルファの知識を積み上げればいいので、暗記の際の負荷が少なくなります。

「知っていることを、詳しく知ることができて楽しい!」と感じる子も多いようです。

知ることを楽しむ土台ができているので、「勉強をしている(させられている)」感覚が少なく、自然と知識を吸収していきます。

小説は共感力や一般常識を養ってくれる

小説に親しんでいる子は、共感力や一般常識力が養われている印象があります。

小説にはいろいろなバックグランドを持つ家庭の人が出てきますし、戦争、貧困、差別、ジェンダーなど、社会でどんな問題が起きているかを知ることもできます。

ただし、ファンタジー要素が強い子ども向けの本だと、その力は付きにくい印象です。

読書は好きだけど、国語の成績が伸びない子は、こういった類の小説のストーリー展開を楽しむだけで満足しているように感じます。

大人度を上げるには、お子さんの興味のある分野で、少し背伸びをさせた本も渡してあげるといいでしょう。

3.パズルやナンプレなど、試行錯誤する遊びが好き

頭のいい子は、自分であれこれ考えるのが好きです。

特に、パズルやナンプレのような、ああでもない、こうでもないと試行錯誤するゲームに親しんでいます。

一方、普通の子も、いわゆるテレビゲームは好みます。

もちろん、テレビゲームの中にも、考えながら進めるタイプのものもあるのでしょうが、攻略ルートがある程度決まっていて、しかもその攻略法が本やインターネットで検索すれば簡単にわかってしまうものが多いです。

そのため、思考力を充分に鍛えるところまではいかないと感じます。

パズルやナンプレなど、人によってやり方が多彩で、簡単に正解が出せないものをやり遂げられる子は、あれこれ考えてみることに慣れているようです。

こうした子は、算数の難問などに直面しても、「難しいけど、解いてみるぞ!」と前向きに取り組むことができます。

受験勉強でも、粘り強さや難しさを楽しむ気持ちを持った子のほうが伸びやすいのです。

トライ&エラーの繰り返しが成長の原動力

中学受験をする多くの子は、親からすすめられて勉強をはじめ、通っている塾の言われるまま、与えられた課題をこなしがちです。

しかし、そのような受け身の姿勢をずっと続けていると、成績は必ず伸び悩みます。

伸びる子、すなわち頭のいい子は、自分で考える力を備えています。

学習スケジュールの組み立て方にしろ、勉強に対する姿勢にしろ、トライアル&エラーをくり返して成長しているのです。

4.中学受験をする目的が明確

成績がよい子は、受験をする目的が明確だと感じます。

トップ層になると、単に「御三家の○○中に行きたい」ではなく、「○○中に入って、△△をしたい」というように、入ってから何をやりたいかまで明確なことが少なくありません。

トップ層の子のほど明確でないとしても、「校庭が広くて、思いっきり部活ができるから○○中がいい!」「○○中の文化祭が楽しかったから、通いたい!」など、目的意識がある子のほうが、勉強にも身が入りやすいです。

お子さんがピンときてないのに、親が一方的に志望校を決め、それを押し付けるようだと、肝心なときに受験勉強を自分ゴト化しづらくなる可能性があります。

志望校選びと親の関わり方

とはいえ受験生は小学生ですから、子どもの判断だけで熱望校を決められるとは限りません。

親御さんが自然な形で、上手に誘導したほうがよいこともあります。

たとえば、私の母は仕事をしていて忙しい人でしたが、自分が行かせたいと思う学校へ私をよく連れて行きました。学校の敷地内に川があり、私はその川が気に入って、通いたいと思うようになりました。目指す学校が決まってからは、受験勉強も頑張りました。親の誘導にまんまと乗せられたのかもしれません。

しかし、何度か見学して、子どもながらにその学校の魅力を発見できたことは、受験勉強にも確実に好影響を与えたと感じます。

子どもの自立を促しながら、適切に親が関わる

お子さんに中学受験をさせるのであれば、積極的に親御さんがたくさんの学校を子どもに見せてあげてください

中学受験は子どもの自立度の高さが大きく影響しますが、肝になる学校選びは、親御さんにもきちんと関わって欲しいと思います。

わが子を頭のいい子にするには、親御さんの関わりがとても重要なのです。

中学受験ナビの連載『今一度立ち止まって中学受験を考える』から記事を抜粋し、マイナビ子育て編集部が再編集のうえで掲載しています。元の記事はコチラ


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