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【医師監修】妊娠中にりんご病(伝染性紅斑)にかかったらどうなるの? 大人のりんご病症状とおなかの赤ちゃんへの影響、予防方法

目次

かわいらしい名前の「りんご病」。子供に多い病気ですが、大人がかかることもあり、大人では子供とはまた違った特徴があるようです。また、妊婦さんに感染すると赤ちゃんへの影響も心配される、注意が必要な感染症です。

この記事の監修ドクター 産婦人科医・医学博士宋美玄先生 大阪大学医学部医学科卒業。丸の内の森レディースクリニックの院長として周産期医療、女性医療に従事する傍ら、テレビ、書籍、雑誌などで情報発信を行う。主な著書に、ベストセラーとなった「女医が教える本当に気持ちいいセックス」がある。また、「とくダネ!」に木曜コメンテーターとして出演中。一般社団法人ウィメンズヘルスリテラシー協会代表理事

りんご病(伝染性紅斑)ってどんな病気?

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なぜ「りんご」?りんご病の症状

りんご病は、医学的には「伝染性紅斑」という名前の病気で、パルボウイルスB19というウイルスの感染症です。ほおがまるでリンゴのように赤くなることから、りんご病と呼ばれています。

りんご病は子供に多い病気ですが、大人が発症することもあります。そして妊婦さんが感染すると胎盤を通じてウイルスがおなかの赤ちゃんにも感染することがあり、時に胎児に大きな影響を及ぼしてしまいます。

りんご病の流行は?2019年もりんご病が流行!

りんご病は数年ごとに流行を繰り返しています。 流行しやすい季節はあまり明確ではありませんが、流行する年には6~7月頃がピークになることが多いようです。

りんご病は全国の小児科医療機関の中の約3,000カ所から患者数が毎週報告されることになっている感染症なので、子供の患者数はだいたい把握されています。その調査によると、例年、数万~10万人の子供の患者が報告されています。大人の患者数は正確にはわかりませんが、しばしば流行が確認されており、大人での集団感染の報告もあります。

なお、首都圏では2018年10月ごろから増え始め、2019年初めには例年にない患者数が報告されています。

子供とはちょっと違う!?大人のりんご病の症状

大人では感染しても半数以上は症状が出ない

最初に1~2日の軽いかぜのような症状が出たあと1週間くらいして特徴的なほおの赤い発疹が現れ、時間とともに発疹が腕や手首に広がって1週間~10日で引くというのがりんご病の典型的な症状です。

ただ、大人では感染者の半数以上で発疹を含む特徴的な症状が出ないとも言われており、感染しているのにりんご病と気づかない人、別の病気と診断されている人が子供より多いのではないかとも言われています。

また、大人では発疹と同時に手足に関節痛が起きたり、発疹が目立たずに関節痛だけが現れることもあります。 一方で、大人では子供に比べて発熱や頭痛、関節痛などの全身の症状が多い傾向にあるとも言われています。 その他、りんご病のウイルスは一時的に赤血球を作る過程を妨げる ので貧血を起こすことがあります。もともと健康な人であれば問題になりませんが、慢性的な貧血などの持病がある人では、時に輸血などの処置が必要になることがあります。 なお、一度消えた発疹が、日光に当たるなどの刺激によって再び現れることがありますが、これは再感染ではありません。

りんご病はどうやって感染する?

りんご病の感染経路は主に飛沫感染と接触感染、母子感染(胎内感染。次項でくわしく紹介)です。

飛沫感染では、感染した人の咳やくしゃみ、会話などによって口から飛んだ病原体(ウイルスなど)を含む水分を周りの人が吸い込むことで感染します。飛沫が飛ぶ距離(おおむね2メートル)より離れていれば感染する可能性は低くなります。

飛沫感染に似た感染経路に空気感染がありますが、空気感染の場合は同じ空間(部屋や教室など)にいると距離が離れていても感染する可能性があります(結核や麻疹、水ぼうそうなど)。りんご病はこれとは異なります。

接触感染とは、ウイルスが手などに付着したまま口や鼻に触れることによって感染することです。

なお、りんご病は一度感染すると終生免疫ができ、再感染はほぼ起こりません。

妊婦さんが感染した場合のリスク

妊婦さんのりんご病感染、妊娠中はずっと注意を!

妊娠中にりんご病に感染すると、赤ちゃんにも感染することがあります。その確率が特に高いのは妊娠 20週ごろまでですが、 それ以降や妊娠後期にも胎児感染は起こるという報告もあり、妊婦さんがりんご病に感染しても安全と言い切れる時期はないと考えた方が良いでしょう。

胎児への影響

りんご病では母親からお腹の赤ちゃんへの感染は、2~4割の頻度で起こるとされています。 胎児感染が起こると、赤ちゃんが貧血となり、胎児水腫(胎児の心不全などによるむくみ )と呼ばれる危険な状態になることがあります。

なお、胎児感染は母親にりんご病の症状がない場合(不顕性感染)であっても起こることがあり、赤ちゃんの胎児水腫が発見されたことで、妊婦さんのりんご病感染がわかるケースもあります。

妊娠継続への影響

りんご病により引き起こされた胎児貧血では軽いものであれば自然に治ることもありますが、胎児水腫に至り胎児が亡くなってしまうこともあります。

りんご病に感染した妊婦さんでは約20%で胎盤を通した赤ちゃんへの感染が起こり、そのうち約10%が流産あるいは死産となってしまうと言われています。 なお、りんご病では胎児感染したことにより赤ちゃんに奇形が起きる可能性はないとされています。また、胎児感染してから生まれた赤ちゃんの発育にも大きな影響はないとされています。

妊娠中にりんご病になったらどうする?治療・対処方法は?

りんご病のウイルスを減らす抗ウイルス薬はありません。そのため妊婦さんのりんご病に対しては、原因療法(病気の原因を直接的に治そうとする治療)ではなく、現れた症状ごとに治療を進める「対症療法」が行われます 。

胎児感染した時に心配される胎児水腫は超音波検査で診断され、 胎児水腫があった場合は胎児に輸血などの治療が試みられます。

なお、胎児水腫の原因はりんご病だけではなく、血液型不適合妊娠(胎児の血液に対する抗体が母親のからだに作られた状態)などでも起こります。

りんご病から赤ちゃんを守るためにできること

妊婦さんの抗体検査には、公的医療保険適用も

りんご病は、症状が現れた時は感染力が消えていることや、抗ウイルス薬といった治療法がないため、診断を確定するための抗体検査は一般的にはあまり行われません。

でも妊婦さんの場合は赤ちゃんへの影響があるため、発疹が出ていてりんご病が強く疑われる妊婦さんが抗体検査(IgM)を受けた場合は、 公的医療保険が適用されます。 抗体検査の結果が陽性の妊婦さんは、妊娠中にりんご病に感染した可能性があるので、超音波検査などで胎児の状態に異常がないか、経過を観察していきます。

日常生活でできるりんご病の予防法

りんご病には残念ながらワクチンはありません。りんご病にかかったことのない妊婦さんは、りんご病が流行っている地域ではできるだけ外出しないようにし、特に子供との接触を控えましょう。子供と食事や食器を共有しないようにし、よく手洗いすることも大切です。

また、りんご病が流行すると、国立感染症研究所や自治体のホームページに、その状況が掲載されますので、確認するようにしましょう。

国立感染症研究所「伝染性紅斑」 https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ta/5th-disease.html 各地の感染症情報(地方感染症情報センター一覧)/東京都感染症情報センターサイト内 http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/klink/

まとめ

りんご病は、ウイルスに感染してから症状が現れるまで、やや日数がかかります。そしてその間に他人に感染させやすく、ほおがリンゴのようになるという特徴的な症状が現れた時にはすでに感染力がなくなっています。このため、りんご病にかかった患者さんが人にうつさないように心がけたとしても、感染拡大を防ぐのは難しい面があります。

妊婦さんはおなかの赤ちゃんを大切にするため、流行している時期・地域の情報に注意して、感染予防には十分に注意しましょう。

(文:久保秀実、監修:宋美玄先生)


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マイナビウーマン子育て

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