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【医師監修】「はしかの予防接種」が必要な3つの理由

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目次

ここ数年の麻しん(はしか)ワクチン接種率は90%以上ですが、まだ全員が受けているわけではありません。お子さんのはしか(麻疹)感染を防ぐために、ぜひ予防接種を受けさせてください。

この記事の監修ドクター

秋葉原スキンクリニック堀内祐紀先生 東京女子医科大学出身。東京女子医科大学病院、都内美容皮膚科クリニック勤務を経て、2007年4月に同院を開院。 ホームページ WEBマガジン

まずは知りたい!はしかの基礎知識

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はしか(麻しん)ってどんな病気?

高熱とともに全身に赤い発疹が現れる病気です。体力の消耗も大きく、重症合併症も起こることがあり、子どもにとっての負担・心配が多い病気といえます。しかし、ワクチン接種(予防接種)を1回受けるだけで、95%以上の方が、免疫を獲得することができます。1度免疫を獲得したら「終生免疫」といって、2度とはしかを発症することはありません。

WHOが「排除状態」を認定。しかし…

WHO(世界保健機関西太平洋地域事務局)は、日本におけるはしかが「排除状態」にあることを認定しました。(*)これは2015年に発表されたもので国内由来のはしかウイルス感染が3年間確認されていないことが理由となっています。ただし、国内ではいまだに年間数百人程度のはしか患者が報告されており、海外から持ち込まれたはしかウイルスによって感染したとされています。

交通手段の発達やグローバル化により、多くの人が日本を訪れます。その中に潜伏期のはしかウイルス感染者が含まれる可能性はゼロではありません。また、途上国などを旅行した日本人が現地ではしかに感染し、日本にウイルスを持ち込む恐れもあります。WHOは、日本におけるはしかの「排除状態」を認定しましたが、それは「安全宣言」ではありません。引き続き、予防接種によって、しっかりと感染を防ぐ必要があります。

(*「世界保健機関西太平洋地域事務局により日本が麻しんの排除状態にあることが確認されました。」厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000134573.html)

「はしかの予防接種」が必要な理由①感染力が強いから

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数あるウイルス性感染症の中でも、はしかは感染力が大変高い部類に入ります。その理由としては、感染ルートがたくさんあることが挙げられます。手洗いやうがいを徹底したり、マスクをつけても、完全に防ぎきることができません。

はしかの感染ルート

はしかには主に3つの感染ルートが考えられますので、以下にご紹介します。

■飛沫感染 飛沫(ひまつ)とは、はしかのウィルス保有者の「鼻水や唾液」を指します。鼻水や唾液の中にはウィルスが含まれているので、鼻を噛んだり、くしゃみや咳をした際に飛び散り、周囲の人が感染する原因となります。

■接触感染 はしかのウィルス感染者の皮膚や口、あるいは持ち物にはウィルスが付着していることがあります。周囲の人がそれらに触れることによって、感染の原因となります。

■空気感染 はしかのウィルスは、微細であるため空気中を浮遊します。例えば、鼻をかむ、せきやくしゃみをするといったことで飛沫が飛び散ると、それが空気中に残るということです。つまり、はしかウィルスの感染者がその場からいなくなっても、ウィルスが残り続ける可能性があります。

はしかは感染してもすぐに症状が出ません。10日から2週間程度の長い潜伏期間があります。つまり、はしかに感染していても、気づかない期間が長いため、その間に一気に感染が広がる恐れもあります。

手洗い・マスクだけの予防は難しい

はしかウイルスの直径は100~250ナノメートル(nm)と大変微細です。前述したように、ウィルスは、中空を漂いますから、マスクをしていても完全に防ぐことは難しくなっています。

例えば、はしかの免疫がないグループに発症者が1人出た場合、「13人前後」が感染すると考えられています。定期的に大流行するインフルエンザでさえ、同じ条件でも「1~2人」しか感染しないとされており、いかにはしかの感染力が強いかがわかります。

「はしかの予防接種」が必要な理由②合併症が怖いから

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はしかは発症率が高く、場合によっては合併症を引き起こすこともあります。合併症にかかると重症化しやすく、体力を大幅に消耗しますので、きちんと回復するには1ヵ月程度かかることもあるようです。合併症はなくても、はしかそのものの症状が重ければ、入院が必要になるケースもあります。

発症率は90%以上!

感染症の場合、感染はしても発症せず、症状が出ない「不顕性感染」の場合もあります。しかし、はしかに関しては、感染すると90%以上症状が出ます。症状が出れば、心身ともに消耗し、リンパ球機能などの免疫力が一時的に低下します。また、はしかの症状そのものよりも、命に関わったり、あるいは後遺症が残る可能性がある「合併症」の心配もあります。この「感染した場合の高い発症率」と「合併症」は、予防接種をきちんと受けるべき大きな理由と言えるでしょう。

それでは、合併症の前に、はしかそのものの症状を知っておきましょう。

・38℃前後の発熱(3日前後続く。最大で39.5℃以上になることも) ・発疹(全身に広がる) ・咳、くしゃみ、鼻水 ・上気道の炎症 ・だるさ ・常に不機嫌(乳幼児に多い) ・下痢・腹痛(乳幼児に多い)

はしかの合併症とは

はしかには数多くの合併症がありますが、以下の3つはその代表例と言えるでしょう。はしかの合併症は約3割とも言われていますので、あらかじめ予防接種を受けることで「はしかに感染しないこと」がベストの対策法といえます。なお「肺炎」と「脳炎」は「はしか合併症の二大死因」ともいわれる、大変危険な病気です。それでは以下に、はしかの合併症をご紹介します。

■中耳炎 中耳(ちゅうじ)とは鼓膜の奥にあるスペースのことで、鼻とつながっています。中耳炎はその名の通り中耳に炎症が起こる症状ですが、はしかのウィルスが原因と言うよりも、抵抗力が落ちたことで別の細菌に感染するケースが多いです。麻疹の発疹が出ている時期に、熱が4日以上続くようならば、中耳炎に気をつけてください。

■肺炎 咳が頑固であったり、残り続ける場合には肺炎の可能性があります。やはり、麻疹のウィルスそのものというよりは、抵抗力が落ちたことによる細菌感染も疑われます。はしかの合併症のおよそ50%は「肺炎」と言われていますので、発症することも珍しくないとお考えください。子供がはしか症状を発症し、なおかつ咳がひどい場合などには、医師に相談しましょう。

■脳炎 はしか症状とともに高熱が続き、意識混濁やけいれんなどが起きた場合には脳炎が疑われます。はしかの合併症として多く見られるわけではありませんが、万が一発症すると命に関わります。また、はしにかかってから10年前後で「亜急性硬化性汎脳炎」を発症するケースもあります。成績が落ちる、集中力が続かない、落ち着きがないなどの変化が見られますが、気づかない場合も多いかもしれません。こちらも死亡するケースがありますので、はしかにかかったことのある子どもは、長期的に注意して見てあげる必要があります。

「はしかの予防接種」が必要な理由③パパ・ママにうつる可能性があるから

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ご家族で、はしかの免疫がない場合、家族感染する恐れがあります。とくに、妊娠中のママがはしかにかかると、早産・流産の原因となるためご注意ください。

大人のワクチン接種状況

年齢ごとのはしかワクチン接種率は、「1990年」で分けることができます。1990年4月以降に生まれた方は、定期接種の機会があったはずです。そのため、近年のワクチン接種率は「90%超」と大変高くなっています。しかし1990年以前に生まれた方は、それよりもワクチン接種率が低いと考えられます。

昔は、子供のうちにはしかに感染し、免疫を自然に獲得することが一般的でした。ところが、はしかに自然に感染するケースも減っているため、ワクチン接種を受けていない人は、大人になるまで1度もはしかウイルスに遭遇しない可能性もあるのです。

大人がはしかにかかると?

大人になるまで1度もはしかウイルスにさらされず、大人になってから初めてはしかに感染した場合, 成人後のはしか感染は「重症化しやすい」と考えられています。先ほど、麻疹の合併症について説明しましたが、そもそも合併症が起こりやすいのは「5歳に満たない子供」か「成人年齢以上の大人」なのです。

さらに注意すべきは、はしかウイルスの免疫を持たない「妊婦」です。妊娠中にはしかに感染すると、早産や流産の原因となります。万が一、はしかの流行期と、妊娠期間が重なってしまった場合は危険性が高くなります。ただし、妊娠中ははしかの予防接種を受けることができません。そのため、子どもの予防接種はしっかりと受けさせて、夫も予防接種を受けたことがなければ、受けてもらいましょう。

はしかの予防接種をもっと知ろう!

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はしかの予防接種は1歳になったら受けることが可能です。MRワクチン(麻疹風疹混合ワクチン)の接種によって、はしか予防が期待できます。ただし予防接種は1度だけでなく、小学校入学までの1年間で2回目の接種を受けさせておいてください。なお、麻疹の流行期と重なれば、0歳の時でもはしかワクチンを打つことがありますが、それは「1回目」にはカウントしません。これは、母体由来の抗体が残っていることで、はしかの免疫が充分に獲得できていない可能性が考えられるからです。あくまでも「1歳になってからの予防接種」が「1回目」であることを覚えておいてください。

まとめ

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はしかは、小さな子どもも大人も重症化しやすい感染症です。子どもにしっかりと予防接種を受けさせ、自分自信も予防接種を受けたことがない(免疫がない)場合には、必ず受けるようにしてください。


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情報提供元:マイナビウーマン子育て

更新日:2017年3月31日

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