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「ごちそうを食べると乳腺炎になる」は迷信! 授乳中でもクリスマスケーキやお餅は食べてOK

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目次

小児科医の森戸先生はクリスマスやお正月が近づくと、母乳育児中のお母さんから「ごちそうを食べてもいいでしょうか」と聞かれることがあるといいます。本当のところはどうなのでしょうか。

「授乳中に食べてはいけないもの」はない

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(※画像はイメージです/PhotoAC)

毎年12月になると、SNSや記事などで伝えていることがあります。それは「授乳中のお母さんも、ケーキやお餅など、クリスマスや年末年始のごちそうを食べても大丈夫ですよ。ご自身の健康に問題のない範囲で楽しんでくださいね」ということです。 もしかしたら「どうしてそんな当たり前のことを言うの?」と不思議に思われる方もいるかもしれません。でも、じつは日本には母乳に関するデマが多く、「美味しい母乳を出すには和の粗食が一番」「脂っこいものを食べると母乳がドロドロになる」「ごちそうを食べると乳腺炎になる」といった科学的根拠のないウワサがあるためです。 そのため、上記のようなことに加えて「ご馳走が原因で母乳がまずくなったり、ドロドロになったり、乳腺炎になったりはしません」などと発信すると、ものすごく驚かれます。 まず、母乳育児中に食べてはいけないものは特にありません。授乳中でもそうでなくても、なんでもバランスよく食べたほうが健康にいいでしょう。以前の記事でも述べたように食べたものがそのまま母乳になるわけではありませんから、和の粗食にすれば母乳が美味しくなるということは考えられません。 また、同様に食事によって母乳がドロドロになることも決してありません。そもそも母乳の恒常性は高く、全く食事内容の違う北欧とアフリカの母親の母乳を分析して比べた結果、ほとんど同じだったくらいなのです【*1】。よほど極端な食生活をすれば別ですが、普通の食事で母乳の成分が大きく変わることはないでしょう。

乳腺炎の原因は、乳房に母乳がとどまること

授乳中にお餅や油っこいもの、ケーキなどを食べても、乳腺が詰まって乳腺炎になることもありません。食べ物の脂肪は赤血球よりも小さく、乳管は太いところで直径2mm程度、一番細いところでも毛細血管よりも太いことがわかっているため、脂肪が乳管に詰まるとは考えられません。つまり、高脂肪の食品のせいで乳管が詰まり、乳腺炎になるということはないのです。

では、どうして乳腺炎になるのかというと、以下の①〜⑤などの理由によって、乳房に大量の母乳がとどまってしまうためです。

①赤ちゃんが飲む量よりも母乳の分泌量が多い ②抱っこ紐や下着などによって乳房が締め付けられる ③授乳のリズムが乱れる ④授乳姿勢がよくない ⑤疲れやストレスがある

年末年始は忙しく、いつもの授乳リズムが乱れて間隔が空きすぎてしまったり、疲れたりすることも多いので、乳腺炎になりやすいかもしれません。ですから、できるだけ体を締め付けないような服を着て、 正しい姿勢でこまめに授乳して飲み切らせることを意識し、 疲れすぎないよう気をつけてみてください。

一部ではありますが、助産師や保健師などの医療職、一般の人たちが根拠のないことを言って、授乳中のお母さんの生活に無意味な制限を設け、QOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)を低下させるのは明らかによくないことでしょう。

せっかくの楽しいクリスマス、年末年始ですから、健康に差し支えない範囲で、いろいろな美味しいものを食べて楽しんでくださいね!

参考文献) 【*1】Lonnerdal BO.In;Hamosh M,Goldmans AS(eds),Hunan Lactation 2,Plenum Press,1986.P301-323

参照)宋美玄、森戸やすみ『産婦人科医ママと小児科医ママのらくちん授乳OOK』(内外出版社)

(聞き手・構成:大西まお)

お話をお聞きしたドクター 小児科専門医/どうかん山こどもクリニック院長 森戸やすみ 先生 一般小児科、NICU(新生児特定集中治療室)などを経て、現在は東京都谷中のどうかん山こどもクリニック院長。医療者と非医療者の架け橋となる記事や本の発表に意欲的に取り組んでいる。『子育てはだいたいで大丈夫 小児科医ママが今伝えたいこと! 』(内外出版社)、『祖父母手帳』(日本文芸社)など著書、監修多数。 どうかん山こどもクリニック Twitter

「森戸やすみ 先生」記事一覧はこちら⇒

この記事の執筆者 大西まお 編集者・ライター。出版社にて雑誌・PR誌・書籍の編集をしたのち、独立。現在は、WEB記事のライティングおよび編集、書籍の編集をしている。主な担当書に、森戸やすみ 著『小児科医ママの「育児の不安」解決BOOK』、名取宏 著『「ニセ医学」に騙されないために』など。特に子育て、教育、医療、エッセイなどの分野に関心がある。 ■Twitter


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この記事の著者

マイナビウーマン子育て

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