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きょうだいが賃貸住宅で自然死。そのとき誰が、何を、どうすればいいの?

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きょうだいが賃貸住宅で自然死。そのとき誰が、何を、どうすればいいの?

先日、タレントのいとうまい子さんが、兄の自然死とそれにともなう不動産会社の対応をブログで明らかにし、話題となっていた。晩婚化・未婚化が進み、一人暮らしの人が増えている今、賃貸住宅での自然死・突然死はひとごとではないというのが注目を集めた背景にありそうだ。では、実際にきょうだいや家族・親戚が自然死をしたらどうしたらいいのか、トラブルの相談先や予防の方法を専門家に聞いてみた。
自然死に気がついたら、まずどこに知らせる? 警察? 救急?

まずは、いとうさんの話を整理してみよう。今年1月、いとうまい子さんの兄が、自宅で亡くなったという。眠ったままの突然死であり、殺人や自殺でもないとのことだが、不動産会社から「1日でも早く撤去させろ!」「フローリングを変えるから120万円払え!」といった心無い言葉をかけられたという。

きょうだいや家族・親戚が亡くなったとあれば、それだけでもショックは大きいもの。とはいえ、死亡に伴う事務手続きなどは粛々と行わなくてはいけないが、そもそも、きょうだいや家族の死亡に伴う手続きや整理などは、何をどうすればいいのか、分からないことばかりだ。そこで行政書士であり、遺品整理などにも詳しい第八行政書士事務所の谷茂さんに聞いてみた。

「まず、誰にも看取られずに亡くなっていた場合、警察による確認が必要となります。明らかに死亡しているなら警察へ連絡し、それ以外の場合は救急(119番)へ連絡しましょう。
その後に、賃貸物件の貸主である大家や管理会社に知らせてください。あわせて、故人が地域包括支援センターや民生委員などとかかわっていたら担当者へ、生活保護を受けていた場合は生活保護受給者を担当する部署へ連絡してあげるとスムーズです」(谷さん、以下同)

その後は、亡くなった場所である賃貸物件も含めた故人の遺したものを親族間で相続するかどうかの話し合いをし、相続するか、もしくは相続放棄をするかを決めるという。相続/相続放棄で大きく手続きに差が出て来るのがその大きな理由だという。また、相続する場合は、誰が相続するのか、その後の各種手続きを行う代表者を決めていくという。

「賃貸物件での手続きでいうと、まずは解約するのか利用し続けるのかどうかという、貸主側との協議が必要になります。その上で賃貸物件を解約するなら、賃貸借契約の退去予告、電気水道などのライフライン、契約していたインターネットや衛星放送などの解約手続き、その他、退去時に必要となる手続きを行います。その後、遺品整理を行い、貸主側との立会いのうえ、原状回復費などの精算を済ませることによって賃貸物件の退去は完了します」

と、代表者が決まったあとは、いつ賃貸住宅を退去するかを決めて、それにあわせて手続き・遺品整理を進めていく段取りとなりそうだ。

すぐに退去しなきゃダメ? 清掃費用は誰が負担するの?

今回のいとうまい子さんのケースだと、「すぐに賃貸住宅を退去せよ」といわれたようだが、傷心の家族にとっては、残酷な話でもあり、気持ちの整理もつかないはず。そもそも、賃貸借契約も「契約」である以上、賃料を遺族が負担していれば、すぐに退去しなくても済むのではないだろうか。

「入居者が亡くなった場合、相続人に賃借人としての地位が承継されていますので、正当な事由なしに一方的に退去させられるということはありません。ですので、室内での自然死だけを理由としてすぐに賃貸契約を解除して退去させられることはありません。実際、故人との思い出や心の整理がつかないということで、入居者が亡くなってから数年たってから遺品整理を行い、その間ずっと誰も住んでいない部屋の賃料を払い続けていたご遺族もいらっしゃいます」

こう聞くと少しホッとするし、家賃を負担し、貸主との信頼関係を常識の範囲で保てていれば、慌てて退去/遺品整理をすることはなさそうだ。一方で、これは自然死が比較的早期に発見されたケース。発見が遅くなり遺体が腐敗しているような場合だと、死臭やハエなどの害虫の苦情が近隣から大家や管理会社へと寄せられることとなり、こうした被害を抑える意味で至急・遺品整理を行ってほしいと要求されることも少なくないという。そのため、入居者死亡発見後、すぐに遺品整理や特殊清掃に取り掛からざるを得ないこともある。

今回もう一つ、注目を集めていたのが、自然死に伴う費用に関する点だ。「フローリングの張り替え」「120万円払え」などと、高額の清掃費用を求められたようだが、これは適切なのだろうか。

「いとうさんのブログを拝見する限り、ご兄弟は自然死のようですので、過去の判例に示されているとおり、借家で入居者が病気などで亡くなることはごく当たり前のことという認識で、遺体が早期に発見されているような場合は通常の退去と同じ国土交通省のガイドラインに沿った精算方法となると考えられます」

早期に発見できていれば、通常の退去時の精算で良いという考えかたのようだ。一方で、発見が遅れ、遺体が腐敗していたような場合については、弁護士の間でも意見が別れるところだという。

「遺体が腐敗したことを原因とする汚れや臭いについては、借主側は負担しなくても良いという弁護士もいれば、入居者側が負担すべきだとする弁護士もいます。過去の判例では、孤独死で遺体が腐敗した場合、損害賠償は認めないが、原状回復費用の請求については認めている判例があります(昭和58年東京地裁)。いずれにしても原状回復費用の借り主負担については、今後の判例の積み重ねが待たれる部分となります」

つまり、死後の発見が遅れた場合、「どこまで原状回復をするか、貸主の負担はまだ未確定」というのが現状のようだ。実際、谷さんの事務所に寄せられる相談のなかで多いのは、「貸主側から請求されている金額が妥当なのかどうか?」というものだとか。

例えば自然死であっても遺体が腐敗したケースでは、貸主/不動産会社は次の入居者に告知をする必要がある。そのため、「全面リフォームしたので、新品でキレイですよ」と次の入居者へ伝えられるよう、自然死があった箇所とは関係ない部分もリフォームし、その費用全額を入居者側に求めるケースもあるという。

また、これはあくまで自然死のケース。自殺や殺人事件などは借り主の費用負担についても別の判断となるので、注意してほしい。

トラブル防止&突然死を早期発見するための仕組みとは?

では、上記のように、「原状回復費用として、高額請求された」といったトラブルになってしまった場合、どこに相談すればいいのだろうか。

「まず、話し合いの段階なら賃貸借に詳しい専門家や国民生活センター、行政で開催される法律の無料相談会などで聞いてみましょう。すでに“トラブル”の段階になってしまっていたら、『弁護士』や『司法書士』などの訴訟を代行できる専門家に相談を。こうした専門家を探したいがどこに聞けばいいのか分からないといった場合は『法テラス』や各地の弁護士会館などに聞いてみるといいでしょう」

あわせて、気になるのが遺品整理にかかる費用だ。もちろん、遺族ができればベストだが、離れて暮らす場合、体力的にも時間的にも限界があるもの。プロに依頼する場合の目安はいくらくらいなのだろうか。

「遺品整理費用は、家財の量で大きく異なりますので、ひとり暮らしでも荷物がたくさんある方とほんの少ししかない方とではその金額には何倍もひらきが出てきます。強いて例を挙げるなら、一般的な家財量でテレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機の家電リサイクル対象商品が各1点ずつ、住宅の場所も極端な高層階や狭小地などでないといった条件で10万円前後かと思われます。当事務所の場合は10万~15万円ほどが相場となります」と教えてくれた。

また、ひと口に「遺品整理」といってもその方法はさまざまで、貴重品の捜索・思い出の品の保管などまで行う業者もいれば、すべてをゴミとして処分してしまう業者もいるという。作業の工数が増えればその分、費用は高額になってくる。どちらが良い悪いというものではなく、遺族がどこまで求めるかで依頼先および費用は変わってくると憶えておきたい。

最後に、一人暮らしをしているきょうだいの突然死や孤独死・孤立死を防ぐための方法について聞いてみた。
「病気などは予見しにくく、家族やきょうだいと同居していないような状況では突然死を防ぐというのは難しいのが現状です。そのため、一人暮らしの方の異常をいかに早く察知して駆けつけることができるかがポイントになります」

現在、一人暮らしの異常を察知するための仕組みとして、センサーや緊急ボタン、スマートフォンなどを利用した見守りの方法があるが、一般の賃貸住宅に普及しているとはいい難い。せめて、一人暮らしのきょうだいがいるのであれば、こまめに連絡をとり、「元気にしている?」「今度、会おうね」などとやりとりしておくのが、有効なようだ。

●取材協力
・第八行政書士事務所●参考
・国民生活センター/ADR(裁判外紛争解決手続)の紹介
・法テラス 住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

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情報提供元:SUUMO

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更新日:2017年4月6日

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