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【医師監修】胎児胸水は治る? 起こりうるリスクは? 適切な治療法

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妊婦健診で超音波検査を受けると、「胎児胸水」が見つかることがあります。これは、お腹の赤ちゃんの胸に水がたまっている状態のことで、適切な処置が遅れると、赤ちゃんの命に関わることもあります。ここでは、胎児胸水がどういうものなのかや、胎児胸水の予後、治療法などをお話していきます。

この記事の監修ドクター 藤東クリニック藤東淳也先生 女性のトータルライフをお任せいただけるような診療を目指し、 女性のライフサイクルを応援します。 https://fujito.clinic

そもそも胸水ってどういうもの?

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そもそも「胸水」とは一体どういう状態を指すのでしょうか?胎児胸水のお話をする前に、まずは、一般的な胸水について解説していきましょう。

「胸水」は、肺の外側の胸膜腔という場所に水が溜まった状態のことです。肺は、胸膜という薄い膜で覆われています。この胸膜は、外側の胸膜(壁側胸膜)と内側の胸膜(肺側胸膜)の二重構造になっており、この二重になった胸膜と胸膜の間の空間が胸膜腔です。

胸膜腔には、健康な人でもごく少量の水(胸水)が存在し、呼吸をする際に肺と胸壁がこすれるのを防ぐ、「潤滑油」の役割をしています。この水は、壁側胸膜で産生されて肺側胸膜で吸収される仕組みになっているので、通常であれば増えすぎるようなことはありません。ところが、なんらかの理由で産生と吸収のバランスが崩れ、水がたまった状態になってしまうのが胸水(胸水貯留)です。

胸水になると、呼吸をしたときに肺がうまく膨らむことができなくなってしまうので、胸の違和感、咳、息苦しさ、呼吸困難などの症状が現れます。

胎児胸水とは?原因は何?

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胎児胸水とは?

「胎児胸水」とは、その名のとおり、お腹の中の赤ちゃんに生じる胸水で、妊娠12,000件に1例の頻度で発生するといわれています。胎児胸水は、大きく分けると「原発性胎児胸水」と「続発性胎児胸水」の2種類に分類できます。

原発性胎児胸水

原発性胎児胸水は、胸水以外に異常が見つからない胎児胸水です。胸腔にあるリンパ管(胸管)の一部が傷ついて、乳び(にゅうび)と呼ばれる白っぽい色をしたリンパ液が漏れ出し、胸腔内にたまってしまうことを「乳び胸」といいますが、原発性胎児胸水は、溜まった胸水の成分のほとんどがリンパ球なので、「先天性乳び胸(せんていせいにゅうびきょう)」とも呼ばれます。

続発性胸水

続発性胎児胸水は、他の病気が原因で起こる胎児胸水です。原因となる病気には、心臓の奇形や不整脈、お母さんと赤ちゃんの血液型の不一致、PB19感染、CMV感染などの感染症、染色体異常などがあります。

胎児胸水は治るの?胸水が増えすぎるとどうなるの?

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処置が遅れると肺低形成になることが

胎児胸水の約20%は、自然によくなっていくといわれています。しかし、時間をかけて徐々に進行していくケースもあり、処置が遅れて大量に胸水がたまり、肺が圧迫されると、肺の形成や発育が妨げられる「肺低形成」になることがあります。

赤ちゃんは、お腹の中では胎盤を通じて呼吸を行っていますが、出生とともに肺呼吸を開始します。しかし、肺低形成だと、肺が小さくなったり、ガス交換(酸素と二酸化炭素の交換)を行う肺胞の数が少なくなったりするため、重度の呼吸障害に陥ってしまうのです。その結果、酸素投与や人工呼吸が必要になったり、呼吸不全で出生直後に死んでしまったりすることも珍しくありません。

胎児水腫になることも

胎児胸水で心臓が圧迫されると、心臓のポンプ機能が低下して十分な量の血液を送り出せなくなり、「胎児水腫」になってしまうことがあります。胎児水腫とは、胸、お腹、心臓のまわりなどに水がたまったり、全身にむくみが生じたりするなど、お腹の赤ちゃんがいわゆる「みずぶくれ」の状態になってしまうことです。胎児水腫の原因は多岐に及び、原因によっては、治療が可能な場合もありますが、多くの場合は、子宮内や生後早期に亡くなってしまいます。

早産に原因になることも

胸部で、左右の肺、胸椎、胸骨に囲まれた部分を「縦隔(じゅうかく)」といい、ここには、心臓や大血管、気管、食道など重要な臓器が存在しています。胎児胸水で、この縦隔が圧迫されると、羊水過多が進行し、早産の原因になるといわれています。

胎児胸水の治療法とは?

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超音波検査で、赤ちゃんに大量の胸水が確認されると、お母さんのお腹に細い針を刺して、赤ちゃんの胸水を抜き取る「胸腔穿刺」を行って様子を見ます。これで改善する場合もありますが、1週間以内に再び胸水がたまった場合は、「胸腔・羊水腔シャント術」を行います。

胸腔・羊水腔シャント術とは、赤ちゃんの胸水と羊水の間に細いチューブを置いたままにしておき、胸水が羊水の中に排出されるようにする治療法です。これによって、赤ちゃんの肺の成長や、胎児水腫の改善が期待できます。

まとめ

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胎児胸水は進行性のものでも、胸腔・羊水腔シャント術を行うことで、79%が生存できるという報告があります。赤ちゃんが胎児胸水と診断されると、不安でいっぱいになってしまうかもしれませんが、医師に説明をよく聞き、適切な治療を受けるようにしましょう。


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情報提供元:マイナビウーマン子育て

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更新日:2017年4月26日

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