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【医師監修】子どもの風疹、その症状と原因・ケアや治療法

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目次

風疹(ふうしん)はそれほど危険な病気ではありませんが、感染する年齢によっては症状が重くなる場合もあります。今回は、1度は確認しておきたい「風疹」について知っていきましょう。

この記事の監修ドクター

小児科中村明夫 先生 独立行政法人 地域医療機能推進機構 さいたま北部医療センター 小児科部長

大きな流行はない?子どもの風疹

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風疹は、90年代中頃までは5〜6年前後ごとに大規模な流行が起きていました。しかし幼児の定期接種がスタートしましたので、これによって、全国的には流行がほぼ見られなくなりました。ただし、局地的に流行することがありますので、やはり気をつけるべき病気です。

子どもの風疹の症状

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風疹は、はしか(麻疹)にも似ており、あまり知識のない方が見るとじんましん(蕁麻疹)と区別がつかないこともあります。まず初めに、風疹独特の症状を知っておきましょう。それから、どれぐらいで治るのか、学校にはいつ行けるのかについても確認しておいてください。

風疹の症状

風疹の症状は風邪に似ている部分もありますが、風疹ならではのわかりやすい特徴もあります。以下に風疹の症状をご紹介致します。

・38℃前後の発熱が約50%の方に起こります。 ・同時にリンパ節の腫れが見られます。首や耳の後ろに小さなぐりぐりができていれば、風疹の可能性でしょう。 ・小さくあざやかな赤い発疹が、顔から全身へ広がります。(*麻疹の様になることもあり常に薄ピンク色の発疹が出るわけではありません。) ・このほか、頭痛、咳、結膜炎、喉の痛みなどが見られるケースがあります。

なお、「発熱」「発疹」という2つの特徴によって、風疹を、はしか(麻疹)やじんましん(蕁麻疹)と混同してしまう方もいらっしゃるようです。実際に、風疹は「三日ばしか」とも呼ばれることもあり、ややこしいのですが、風疹と本物のはしかは別の病気です。例えば危険性で比べると「はしかの方が危ない」と考えられます。比較的重症化しやすく、合併症にかかると命にも関わるからです。おまけに空気感染もしますので、風疹よりも感染ルートが豊富です。

じんましんについては、風疹とは異なり激しいかゆみを伴いますし、多くの場合は、発熱はしません。アナフィラキシーショックの症状を示していなければ、命の危険はありません。もちろん、風疹、はしか、じんましんのいずれの疑いがある場合も、お子さんを速やかに病院へ連れて行ってください。

どれくらいで治るの?

発熱や発疹は、4日前後で治ります。リンパ節の腫れが完全に引くのはもう少し先ですが、多少の不快感以外は問題はありません。ただし、小学校高学年の子どもの場合は症状が重くなると考えられ、皮下出血や関節炎、脳炎、血小板減少性紫斑病といった合併症へとつながることもあると考えられます。合併症の割合については数千人に1人程度と低いものですが、そのような可能性がある事は覚えておかれると良いでしょう。

なお、風疹のようなウイルス性感染病は「学校保健法」によって、出席停止措置の対象になる可能性があります。出席停止になると欠席扱いにはなりませんが、いずれもしっかりと治癒して、他の子に移す可能性がなくなるまでは自宅でお休みとなります。具体的な内容については、かかりつけ医や校医さんも交え、学校側とご相談ください。

子どもの風疹の原因

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風疹は「風疹ウィルス」によって引き起こされます。2つの感染経路が原因でうつると考えられ、さらに感染力の強さも大きな特徴です。

感染経路は?

風疹には2つの感染経路が考えられます。

1つ目は「飛沫感染」です。飛沫感染とは、くしゃみや咳から感染することで、具体的には、くしゃみや咳に含まれる細かい水滴(飛沫)を吸い込むことで感染します。風疹にかかっていて、なおかつくしゃみや咳をしている人が1〜2メートル以内にいる場合は、飛沫感染のリスクが高まります。ただし、空気感染はしません。

2つめは「接触感染」です。風疹の感染者が触った物を介して、他の人にウィルスが付着してしまいます。具体的には、電話の受話器、窓やドア・冷蔵庫などのあらゆる取っ手、電化製品のスイッチ類、ウィルス感染者が触れた食べ物、筆記用具など、身の回りのあらゆるものが接触感染の原因となり得るのです。

なお、風疹の感染力はかなり強めと言えるでしょう。インフルエンザ患者1人に対しては、免疫のない人を1〜2人感染させると考えられますが、風疹の場合は、風疹患者1人で「6人前後」を感染させる可能性があります。つまり、インフルエンザの最大3倍前後の感染力があるのです。

「不顕性感染」に気をつけよう

不顕性感染(ふけんせいかんせん)とは、風疹のようなウィルスに感染しても、症状が現れないことをいいます。感染症本人は重い症状なども出ていないので特に問題はなく、そもそも感染していると言う自覚もないはずです。実は、このような不顕性感染者が、ウィルスを広める感染源となる危険性が高いといえます。実際に風疹の不顕性感染ケースは15〜30%と高めです。

知らずに感染源になることを防ぐためには、風疹予防の意識が大切といえるでしょう。風疹は、春先から初夏にかけて流行することが比較的多いので、この時期にマスクを着用するのも有効と言えます。もちろん、季節に関係なく手洗いうがいを徹底することも重要です。ただし残念なことに、マスク着用や、手洗いうがいの徹底は、風疹の十分な予防手段とは考えられていません。後ほどご紹介しますが、風疹予防の確実にベストな手段は「予防接種を受けること」です。

子供の風疹のケアや治療法

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風疹の治療には、対症療法的なものしかありません。熱や発疹が引くまでは、ホームケアが重要となります。どんな点に気をつけて看病・ケアすれば良いのかを知っておきましょう。

病院での治療

発熱や関節の痛み(関節症)がある場合は、解熱鎮痛剤などで和らげるための措置が取られます。発疹にかゆみがある場合にはかゆみ止めの処方も検討されるでしょう。ただし、風疹ウィルスそのものに対する治療法(根本治療)はありませんので、あくまでも対症療法的な治療が実施されることになります。ただし、先ほどもご説明したように、ほとんどの場合は4日前後で発疹や熱が引きます。

お家でのケア

食事については特に気を使う必要はありませんが、熱が出ているときは、消化の良いメニューにしてあげましょう。食欲がない時は、無理に食べさせる事はありませんが、ゼリーやプリンといった喉越しの良いものなら口にできることもあります。それから、発熱で汗をかくことが考えられますから、脱水症状にだけは気をつけて、たまに意識して水分を与えましょう。

なお、風疹の熱は38℃前後であるため「解熱剤は可能な限り使用しない方が良い」と考える医師も多いようです。それから、自己判断で抗生物質などを与えてしまう親もいらっしゃるようですが、絶対におやめ下さい。抗生物質は細菌に対して効くのであって、風疹ウィルスへの効果はありません。必要のない時に抗生物質を飲むと、細菌が耐性をつけてしまい、本当に抗生物質を使うべき病気の時に効かなくなる恐れもあります。

それから発疹は、治癒の直前にかゆみが強まります。お子さんに、痒くてもできるだけかかないようにと指導しましょう。冷水を絞ったタオルを当ててもかゆみがおさまりますが、医師に相談してかゆみ止めをもらうのも良いかもしれません。赤ちゃんの場合にはミトン(手袋)をさせておくのも、皮膚へのダメージを避ける手立てになります。お風呂については、熱が37℃台まで下がっていれば入浴させても良いですが、発疹がかゆい場合には避けましょう。温めると血行が良くなり、痒みが増してしまいます。

風疹の予防方法

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最後に、風疹の最も確実な予防方法である「予防接種」(ワクチン接種)について確認しておきましょう。ただし、風疹予防に関して心配なのは、お子さんよりもむしろ大人の方です。

子供の風疹予防

風疹は自然感染すると、体内に免疫が作られます。この免疫は生涯続きますので「2度と風疹にかかることはない」と考えられます。風疹ワクチンもこの原理を応用しており「病気が起こりにくい程度にまで弱めた風疹ウィルスを含む弱毒性の生ワクチン」を摂取させることで免疫を作ることを狙っています。

さて、風疹ワクチンは、「単独ワクチン」と「混合ワクチン」に大別できます。「単独ワクチン」は風疹だけを予防するワクチンで、「混合ワクチン」は風疹以外の感染症予防も期待できます。現在は、「MRワクチン=風疹・はしか混合ワクチン」が定期接種化されています。原則的に「生後12ヶ月から生後24ヶ月に至るまで」と「5歳以上7歳未満」の2回、接種させることで、風疹とはしかの予防が期待できるのです。風疹ワクチンについては、1回の接種で95パーセント、2回目の摂取で99パーセントの子供に免疫が作られると考えられます。したがって、お子さんにきちんと予防接種を受けさせておけば、風疹にかかる心配はほぼないと言えるでしょう。

大人の風疹予防

実は、2013年に風疹が流行したことをご存知でしょうか。ただし感染者の90%は成人で、その中でも大部分は20〜40代の男性でした。予防接種をしていなかった世代と考えられています。

例えば、1962年4月以前の生まれの方については、定期接種そのものが実施されていませんでした。(ただし、自然感染による免疫が多くの方にあると考えられます)1979年4月までの生まれの方については、女性のみ集団接種がありましたが、男性は対象ではありません。この時期に生まれた男性の場合は、風疹の免疫がない可能性が指摘されています。また1987年10月以前の生まれの方については、予防接種の摂取率が低く、やはり風疹の免疫がない方が多いと推測されます。中学生のタイミングで予防接種の対象となっていましたが、集団接種でなかったことが原因です。1987年10月以降の生まれの方は、幼児の予防接種対象になっていましたが、接種を受けていない人については、風疹の免疫がない可能性が高いと言われています。すでに、自然に風疹感染する機会が少なくなっているためです。

大人が風疹にかかると重症化しやすく、特に妊婦が感染した場合には、赤ちゃんの先天性心疾患、視覚や聴覚などの身体障害や低体重児出産を誘発すると考えられます。

まとめ

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家族内感染を防ぐため、そして健康で元気な赤ちゃんを産むために…。風疹の予防については子どもの定期接種はもちろんのこと、大人の皆さんも関心を払うべきです。


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情報提供元:マイナビウーマン子育て

更新日:2017年4月26日

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