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毎日の生活に欠かせないトイレ。しかし、あるとき突然つまってしまい、流れなくて焦った経験を持つ人も少なくないはず。そもそも、なぜトイレはつまってしまうのでしょうか? また、効果的なつまりの解消法とは? トイレ修理のプロ「クラシアン」に聞きました。
つまりやすいのは配管の形状が原因?
クラシアンの松原さんによると、トイレつまりの原因は大きく2つに分かれるとのこと。
「トイレの水が流れなくなってしまうのは、床から上の部分の『便器』か、床から下『下水管』のどちらかが、つまっているからです。厳密には、下水管がつまっている場合は、トイレのつまりとは言いません。どちらがつまっているのかを判断するのは、下水管を確認する必要があります。一番多いパターンとしては、トイレットペーパーを多く流しすぎて便器がつまってしまうことです。
ほかにも、腰に貼っていたカイロが落ちてしまい、そのまま流してしまうケースや、女性の生理用品、スマホを流してしまうケースも少なくはありません。また、流しても大丈夫とされているお掃除シートも、トイレットペーパー同様多く流しすぎると、つまる原因になる可能性があります」(松原さん、以下同)
便器内部の排水管の許容量を超えたものや、排泄物・ペーパー類以外の異物を流すと、つまってしまうとのこと。それには、「排水管の形状」が関連しているようです。
「便器に限らず、水まわりの排水管は、ストレートではなくS字カーブを描く『排水トラップ』と呼ばれる構造になっています。これは、カーブ内部に水を貯めることで、汚水の臭いや虫の侵入を防いでいるのです。いわば、“水のフタ”のような役割を担っています。ただ、下水管にダイレクトに落ちるわけではないので、どうしてもカーブ部分がつまりやすくなってしまいます」
また、流すときにスーッと水位があがってから徐々に流れる、という場合は黄色信号。すでに、便器もしくは下水管がつまりはじめていることが考えられるそう。
【画像1】トイレの排水管は、このようなカーブの形状のものが採用されている。流水によって一度落ちてから、上がり、再び流す際に落ちるため、流すペーパーや排泄物などの量が多いと排水管がつまって水が“上がりきれず”につまってしまう(画像作成/SUUMOジャーナル編集部)
複数回に分けて水を流すと、つまりの回避につながるさらに、気を付けなくてはいけないのが、最近のトイレは“節水”がベースになっているということ。
「昔のトイレと比べて、最近は節水が基本になってきています。以前は一度に12リットルを流していたものが、今は半分以下。流す水の絶対量が圧倒的に少ないのです。ただし、少ない水の量でしっかり洗い流せるように、旋回流で便器全体をぐるりと効率よく洗い流すトルネード洗浄と呼ばれるものなど、便器が改良されてきています。しかし、状況によっては多めの排泄物やペーパーを流さざるをえない事もありますので、その場合は、ご自身で工夫する必要があります。
とくに排泄物は先に流していただいて、それからトイレットペーパーで拭いて流す、という気配りは必要かもしれません。排泄物の場合、大きな塊になるので、それ自体がつまる可能性もあります。排泄物の量が多いなとか、トイレットペーパーをたくさん使っているな、と自覚されている方は気をつけていただくといいのではないでしょうか」
また、便器ではなく下水管がつまっている場合も考えられます。いずれにしても、ラバーカップなどでつまりを除去できそうにない場合は、「専門業者に依頼して対処することをおすすめします」と松原さん。頑固なつまりの場合は、床から便器をはがし、器具などを使って排水管からつまりの原因を除去してくれるとのこと。
トイレのつまりは大惨事に発展してしまいがち。普段からの心がけプラス、何かあったら専門業者にお願いすることが最善の対策、といえそうです。
●取材協力この記事のライター
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