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【パレスチナ自治区】等身大のガザの日常 / ガザの素顔

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甥っ子の泣き声で目をさます夜明けのガザ。朝一番のアザーン(礼拝の時間を知らせる呼びかけ)はとっくに過ぎ、二度寝を楽しめず、諦めて起きる時間。ここはパレスチナ自治区のガザ地区。

つい最近、「帰還の大行進」と呼ばれるイスラエルに対する抗議デモで多くの若者が命を落とし、イスラエルによる空爆が幾度となく繰り返された世界最大の牢獄と比喩される場所についてのご紹介。

・等身大のガザの日常負傷して血みどろのパレスチナ人、空爆で倒壊した建物、貧困、経済封鎖など… 挙げればきりが無いネガティブな「ガザ」の情報。もちろんそれも紛れも無い事実ではありますが、今日はそれらの情報からは見えないガザ市民のありのままの生活を紹介して行きたい。

このガザ地区の基本的な情報を説明すると、ガザは地中海東岸に面した東京23区の半分ほどの面積の地域。地中海に面しているため夏はカラッとしていて 夜はエアコンなしでも快眠できる場所。エジプトとイスラエルに国境を接している。

こんな狭い空間でも人口は現在200万人に迫る勢い。1日に生まれる赤ちゃんの数はなんと200人余り。この狭い空間で毎日人口が増加していく世界屈指の人口超過密地帯が形成されている。

域内では主にアラビア語が話され、人口の9割以上がイスラム教を信仰するスンニ派ムスリム。 今日のガザを“実効支配”しているのは「ハマス」という組織になります。

ウエストバンク、西岸とも呼ばれる地域を治めている「ファタハ」と別の組織であり、パレスチナという名前でありながらも東西それぞれの地域で統治機構が異なっているという状況。そんな海沿いのガザの日常。

・ガザの朝ガザの朝は早く、6時頃には子供たちは起き出し学校へ行く準備をする。寝ているのはニートの義弟たちだけだ。

甥っ子姪っ子たちはUNRWAの学校へ通っている。ガザの中では子供が多いため午前と午後のクラスそれぞれを分けた二部制をとっている。女子の制服はブルーのストライプが爽やかだ。

子供たちは大きなリュックを背負い、バスに乗ったり 徒歩で通学している。 私たち家族が住むこの建物は5階建のコンクリート製住宅。一階がママと未婚の義弟たち、二階が長男家族、三階が次男と三男家族、四階が我々と五男家族、そして五階が洗濯物を干したり、貯水タンクを置く場所になっている。

兄弟の家族が同じ建物に暮らすことはガザでは一般的。兄弟が結婚すると、上へ上へと部屋を増設する。耐震性や強度は大丈夫なのだろうかと心配になる構図。

食事をするときは皆一階のママのキッチンへ行く。ここが30人余りいる一家の胃袋を支える中心的役割を果たしている。日本のように家族が揃って食事をすることは金曜日くらいだ。平日はそれぞれが必要な時にキッチンへ行き食事の準備をする。

朝昼はシンプルでも夕ご飯はタビフ(煮物)や米料理などで割としっかり作っている印象を受けた。

朝食はホブズという丸いパンにフェタチーズ(puckやpandaというブランドが人気)やマルタデッラ(鶏肉のハムのようなもの、まさかのガザ製)を挟みサンドイッチにして食べる。

近所の簡易レストランから調達したフル(ソラマメのペースト)やホンムスの時もある。香りが爽やかなミントの葉を入れたチャイで一気に流し込んで食事完了。

なんともシンプルで簡単な朝食だ。朝から焼き魚や具沢山味噌汁な日本と比べてしまうと少し寂しい感じもする。

・ガザの一般家庭ガザの女性は働き者だ。義兄弟の奥さんたち(ここでは義姉と呼ばせていただく)は家事に育児に義兄弟の世話に毎日大忙しだ。やんちゃ盛りの10数人いる子供たちを相手にテキパキと家事をこなす姿には圧倒された。子供を持つことに対して、我々日本の女性が抱くような躊躇や不安は一切感じられない。

義姉の1人は、つい最近また妊娠したと話していた。戦後日本の「産めよ増やせよ」が今も進んでいるのがガザなのだろうか。朝食が終わるとキッチンとサロン(居間)の掃除が始まる。サロンは広く、20畳近くあるだろうか。ガザの家具職人が手作りした椅子やテーブル、ソファを適当にどかして奥から掃除を行う。

義姉(名前)が漂白剤を混ぜた水をフロアいっぱいに豪快にぶちまける。ブラシでゴシゴシしたら、ガッシャータという水はきで汚水を流す。

床はタイルなので水で洗えば汚れが簡単に落ちる。 そこにペタペタペタペタ…と掃除したばかりのサロンに子供と義弟が侵入。それも土足で。キレる義姉。乾くまで侵入禁止なのだが、やんちゃ盛りの子供たち。しかし義弟はもう高校生なんだから少しは状況を把握してほしい。何やらサロンの鏡を見て髪型を整えている模様、年ごろの男子と言える。

掃除が終わったらみんなで一息、お茶の時間。キッチンのテーブルの周りに椅子を並べ、ママや義姉たちが集まっておしゃべり。 ママは今日買い物に行くらしい。食材の調達は数日おきにいく。

ガザの電気事情は最悪で電気があるのは一日4時間ほど。そのため冷蔵庫はただの箱だ。気温が上がると食品の鮮度をキープできないので その都度買い物に行かなくてはならない。鮮度が命の葉物野菜などは食卓に上がる機会が少なくなりがちだ。必然的に日持ちの良いジャガイモや米、パンなど炭水化物が増えてしまう。

そのような電気事情のため一度電気が来ると家中の家電がフル稼働する。洗濯機、冷蔵庫、ポンプ、パン焼き器、充電器、テレビなどなど。義兄弟たちは「待ってました!」と言わんばかり、充電器の争奪戦が始まる。

充電したいなぁと思いケーブルを繋ごうとしたらコンセントが全て埋まっていたなんてことはよくある。

ガザでもスマホは大変普及しており、FacebookなどのSNSで若者はニュースを見たり、仲間同士で繋がっている様子だ。

親の目を盗み恋人とチャットしてるというツワモノも…なんというか、スマホやネットがアラブの若者社会を変えつつあると感じる今日この頃である。

もっと詳しく読む: 等身大のガザの日常 / ガザの素顔(Photrip フォトリップ) http://photrip-guide.com/2018/11/04/palestine-ghazzah/

執筆: ザハラ



この記事のライター

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