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【医師監修】妊娠25週、ママの体の変化と注意したいこと

目次

妊娠中期には成長スピードがさらに速まり、妊娠25週ごろからは赤ちゃんの体重は1週間に100g以上ずつ増えていきます。それに伴いママの体の負担も増えてきて、腰痛なども起こります。楽な姿勢で寝るなど、毎日を快適に過ごす工夫や食生活で注意したいことを紹介します。

この記事の監修ドクター 産婦人科医太田寛先生 アルテミスウィメンズホスピタル産婦人科(東京都東久留米市)勤務。京都大学電気工学科卒業、日本航空羽田整備工場勤務。東京医科歯科大学卒業後、茅ヶ崎徳洲会総合病院、日本赤十字社医療センター、北里大学医学部公衆衛生学助教、瀬戸病院を経て現在に至る。日本産科婦人科学会専門医、日本医師会認定産業医、医学博士、インフェクションコントロールドクターICD)、女性のヘルスケアアドバイザー、航空級無線通信士

妊娠25週ってどんな時期?

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赤ちゃんの生存機能が整ってくるころ

妊娠25週ごろには肺や肺の血管が発達し、呼吸に必要な界面活性物質(肺サーファクタント:肺をふくらませやすくする物質)が分泌され始めます。赤ちゃんの肺の機能が成熟し、自力で呼吸がうまくできるようになるのは34週以降とされていますが、もし25週ぐらいでママのお腹の外に出てしまった場合でも、浅い呼吸はできるため、現在の医療なら生存は可能です[*1]。

妊娠25週に体内で起きる変化

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赤ちゃんの変化

妊娠25週の赤ちゃんの身長は、中央値33.5㎝ぐらい[*2]、体重は平均771gぐらい[*3]。このころには体重が1週間に100g以上ずつ増えています。また、動きの多い時間帯が周期的に訪れ、羊水の中で赤ちゃんが回転することもあります。胎動や呼吸のような行動に合わせて心拍を調節する機能もこのころに整い、胃腸や肝臓、腎臓などの臓器も働き始めるようになります。

ママの変化

お腹が大きくなり、お腹をせり出した姿勢になります。腰や背中に負担がかかり、腰痛になりやすい時期で、前かがみやあおむけ寝ができなくなります。子宮による胃の圧迫やホルモンバランスの変化により、食事が一度にたくさんとれない、胸やけ、便秘が起こりやすいなどの影響も現れます。また、妊娠中期にはママの体の血液の量が増えて心臓に負担がかかってくるため、動悸やたちくらみもおこりやすくなります。

妊娠25週に必要なこと

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24週から、妊婦健診は2週に一回に

妊婦健診は妊婦さんが安心して出産・育児に臨むことができるよう、母子の健康を定期的にチェックするものです。厚生労働省は妊娠24週(妊娠7ヶ月)~35週までの間は2週間に1回の頻度で受けることが望ましいとしています[*4]。

妊婦健診では体重・血圧・子宮底長の測定、むくみのチェック、尿検査、超音波検査などを行います。必要に応じて、胎盤の位置の確認や早産のリスクを見るための子宮頸管長の測定なども行われます。

24~28週に再度行う、妊娠糖尿病の検査

妊娠中に7~9%のママが、糖の代謝異常で血糖値が高くなる「妊娠糖尿病」になることがわかっています。妊娠初期の血液検査で問題なかった人も、妊娠24~28週にもう一度検査を受ける必要があります。

検査は、空腹時などの制限をとくにせずに採血を行って血糖値を測る方法と、50gのブドウ糖を飲んで1時間後に血糖値を測る方法のどちらかで行われます。その結果、妊娠糖尿病の可能性があると判断された場合には、他の日にあらためて受診して、朝食を食べないままの空腹時にブドウ糖を飲んで、その前後の血糖値を測る検査が行われ、その結果により診断されます。これは午前中一杯かかる検査です。

妊娠糖尿病は早産や妊娠高血圧症候群、赤ちゃんの先天異常や巨大児などのリスクを高める要因となるので、妊娠糖尿病と診断された場合は医師の指示に従いましょう[*5]。

妊婦健診で前置胎盤といわれたら?

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胎盤が普通より下(腟に近い方)に位置していて、子宮口の一部または全部が覆われている状態を「前置胎盤」といいます。

通常の分娩では赤ちゃんが生まれた後に、胎盤が出てきます(いわゆる「後産」)が、前置胎盤ではお産が始まって子宮口が開きはじめると、赤ちゃんより先に胎盤がむき出しの状態になります。すると胎盤から大出血して、赤ちゃんに酸素が届かない危険な状態になり、かつ、ママの血液が減ってしまいます。このため、前置胎盤と診断された場合は、経腟分娩することが危険と判断されて「予定帝王切開」での分娩となります。

前置胎盤かどうかは、妊娠中期の健診のとき、超音波装置で胎盤の位置を見て診断をします。妊娠中期に、明らかに経腟分娩が危険な前置胎盤と診断できることもあります。しかし、前置胎盤の診断が微妙な場合には妊娠34週末ごろまでに最終的な判断を行います。前置胎盤と診断された場合には、妊娠37~38週で予定帝王切開をすることになります。

前置胎盤と診断されたときにいちばん心配なことは、自宅で突然の出血が起こることです。そのときは、緊急帝王切開になることもあり得ます。前置胎盤では妊娠28週以降に性器出血の頻度が徐々に高くなることがわかっています。前置胎盤の疑いがある妊婦さんは、適度に安静にすることや、運動・セックスは控えるなど、かかりつけ医師の指示を守るようにしましょう。

心地よい眠りをめざしましょう

本文妊娠中は情緒不安定になったり、日中、安静にしたり休息しすぎたことにより、夜眠れなくなることもあります。

昼寝は15時以降にとらないこと、軽い運動を取り入れたりして、メリハリのある生活を送ることも、睡眠の質を上げる助けになります。不眠の原因となるうつ状態がある場合は、うつの改善がカギになるので、医師に相談しましょう。

また、妊娠をきっかけに、睡眠中に呼吸が何度も一定時間止まる「睡眠時無呼吸症候群」や、足がむずむずして眠れない「むずむず脚症候群」になる人もいます。

睡眠時無呼吸症候群は妊娠高血圧や赤ちゃんの発育の遅れが心配されるので、治療を行うことが推奨されています。むずむず脚症候群に対しては貧血改善のほか、マッサージを取り入れるとよいといわれます。これらについてもかかりつけ医に相談してみましょう。重症の場合には、睡眠外来などで専門的に診てもらうこともできます。

運動とともにストレッチも習慣にするとベター

妊娠中期から後期に向け、腰痛や足のむくみ、下肢静脈瘤などが現れやすくなります。

腰が痛いときは腰の下に枕などをあてがい、横向きに寝て、股の間にクッションなどを挟むと楽です。座るときはソファより背もたれがまっすぐないすに座ったほうが腰への負担が少ないでしょう。歩いたり立ったりするときは、腰痛ベルトや骨盤ベルトなどで骨盤を固定すると、負担が軽くなります。

運動は水泳や軽いウォーキングが全身の血行をよくします。腰痛対策としては、ヨガで「猫のポーズ」と呼ばれるものをやってみましょう。四つんばいになって、息を吐きながら背中を丸め、息を吐きながら背中をそらせるストレッチです。

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猫のポーズ

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妊娠25週の注意点

感染症に注意

感染症の中には、ママが感染すると妊娠中に胎盤を通して感染するもの、また分娩で腟を通るときに赤ちゃんに感染するものがあります。その影響は感染症の種類によって異なり、先天異常や流産・死産、難聴、精神遅延などさまざまです。

赤ちゃんとママ自身の体を守るため、妊婦健診では妊娠中に次のような感染症の検査をしています。

全員に行われるもの

B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、梅毒、クラミジア、ヒトT細胞白血病ウイルス1型、風疹ウイルス抗体価、B群溶血性レンサ球菌(GBS)[*6]

検査で問題ありと判断された場合は、その後の対応について医師の説明をよく聞き、理解するようにしましょう。

上記のほかにも、妊娠中の感染が問題になる病気があります。しかし、医療機関によって検査したりしなかったり、また事前の検査の方法がなかったりします。

トキソプラズマ症

トキソプラズマという原虫は、妊娠中に初めて感染すると胎児に先天異常を引き起こす可能性があります。これは、食肉に寄生していたり、猫の糞に混じっていたり、その猫の糞が混じった土や水にいたりすることがあります。よって、妊婦さんはガーデニングや畑仕事の時に素手で土に触って、その土を口に入れることのないようにすること、生野菜はよく洗って食べること、肉は中心まで十分加熱したものを食べることが大切で、生ハムやローストビーフなど火の通ってない肉は避けましょう。

日本でのトキソプラズマの感染は生の肉を食べたことによるものがほとんどで、猫の糞から感染する可能性はあまりありません。猫の糞にトキソプラズマが混じるのは、猫がトキソプラズマに感染して1ヶ月以内までなので、以前から飼っている猫については、新たに感染する可能性はほとんどないため、気にする必要はありません。妊娠初期に採血検査で抗体の有無を確認する医療機関もあります。

サイトメガロウイルス感染症

サイトメガロウイルスも妊婦になってから初めて感染すると、胎児に先天異常を引き起こすことがあります。このウイルスは感染した乳幼児のおしっこや唾液に多く含まれるため、上の子がいるときは、おむつ替えのあと、食事の世話や鼻水・よだれの処理をしたあと、おもちゃを触ったあとは、念入りに手洗いする、同じスプーンで食事をしない、など、尿や唾液との接触をしないようにしましょう。

特に、子どもが幼稚園や保育園に行き始めたときに、他の子ども達から感染する可能性があるため、上の子どもが集団生活に入った直後には特に気をつけましょう。サイトメガロウイルスの抗体価を妊娠中に検査する病院は多くありません。

性器ヘルペス

性器ヘルペスは、出産のとき、産道でお母さんから感染すると、新生児に脳炎や全身状態の悪化を引き起こすことがあるため、妊婦さんの性器にヘルペスによる潰瘍や水疱がある場合などには帝王切開が選択されます。

性器ヘルペスは性交渉などにより感染するので、セックスの時にコンドームを使用すると感染の確率を下げることができます。 性器ヘルペスは一回感染すると、一生どこかに潜んでいて、体の免疫が落ちると発症します。ウイルスが活動しているとき(性器に潰瘍などがあるとき)でないと診断できないため、無症状の人に検査はしません。

便秘や痔に注意

妊娠中の便秘は、胎盤からさかんに分泌される女性ホルモンの一種、プロゲステロンにより筋肉が緩むこと、大きくなった子宮により腸がが圧迫されることによって、腸の動きが弱まることが原因です。便秘が妊娠後期から出産後まで続くこともめずらしくありません。また、硬い便を出すためにいきんだり、ママの体の血液の量が増えることで、妊娠中に痔になるママは3~5割に及ぶともいわれています[*7]。

便秘予防のためには、朝起きたらコップ一杯の水を飲むこと、朝食は必ずとること、毎朝同じ時間帯にトイレにいくことを習慣にしましょう。食物繊維の多い食事、腸内環境を整えるヨーグルトなど乳酸菌を含む食品をとる、ウォーキングや腹式呼吸をするなども続けると効果的です。いすに座ったままでゆっくりと腹式呼吸をしながら、背中を丸めて体を前に倒したり、ゆっくりと起こしたりする体操を繰り返すのもよいでしょう。

便を無理やり出そうとすると、痔を悪化させることにもつながるので、どうしても出ないときはかかりつけの先生に相談してみましょう。必要なら、便をやわらかくする薬などが処方されます。

塩分・糖分・カロリーの摂りすぎに注意しましょう

妊娠糖尿病は妊娠中に高血糖になる病気、妊娠高血圧症候群は妊娠中に高血圧になり、人によりたんぱく尿やむくみが出る病気です。ともに妊婦さん自身や赤ちゃんにさまざまな影響を及ぼす病気で、できるだけかからないようにすることと、かかってしまった場合は早期に治療を開始することが大切です。

残念ながら、これをすればかならずこれらの病気を防げるという方法は見つかっていませんが、ともに肥満はそのリスクを高めると言われています。肥満予防には、カロリーや糖分の摂りすぎに気をつけることが大切です。また、妊娠高血圧症候群の予防では、塩分の摂りすぎに気をつけることも重要です。食塩は18歳以上の女性では、一日7.0g未満とすることが推奨されており、妊娠中もこれは変わりません[*8]。

ただし、逆に極端なカロリー制限や塩分摂取制限は、とくに妊娠高血圧症候群ではかえって危険とされています。何事もほどほどが肝心。妊娠中期以降は副菜、主菜、果物を妊娠初期に摂っていた量に一皿増やすことが推奨されています。栄養バランスの良い食生活を心がけましょう。

まとめ

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妊娠25週ごろは赤ちゃんがすくすくと大きくなっている一方で、ママには動悸・息切れ、腰痛、便秘などといったさまざまなマイナートラブルが起こってきます。また、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群、前置胎盤などがあるときは、注意深く経過をみていく必要があります。妊婦さんは無理をしないでゆったりした気持ちで過ごすと同時に、便秘予防などのマイナートラブル対策にはできる範囲で取り組むようにしましょう。

(文:山崎ひろみ/監修:太田寛先生)

※画像はイメージです


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