アプリでmichillが
もっと便利に

無料ダウンロード
ログイン・会員登録すると好きな記事をお気に入り登録できます

「本当に重要なことは発信するべき」中川淳一郎氏が炎上ジャンル「育児」を解禁した理由

このコラムに「ありがとう」を贈ってください。
michillライターさんの励みになります

友だち追加 新着記事をお知らせします!

育児に絡む問題は、様々な意見があり、ネットで炎上することも多いジャンル。今まで育児ジャンルを避けてきた中川淳一郎氏が、育児を扱うようになった心境の変化とは?

記事の著者

ネットニュース編集者中川淳一郎 1973年生まれ。東京都立川市出身。一橋大学商学部卒業後、博報堂CC局で企業のPR業務を担当。2001年に退社し、しばらく無職となったあとフリーライターになり、その後『テレビブロス』のフリー編集者に。企業のPR活動、ライター、雑誌編集などを経て『NEWSポストセブン』など様々なネットニュースサイトの編集者となる。主な著書に、『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『ネットのバカ』(新潮新書)、『夢、死ね!』(星海社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)、『電通と博報堂は何をやっているのか』(星海社新書)など。

640993478

Getty logo 25b7f2c61b43cc8578dbdb4391bff44f15fecbfdcfd25ce56be1fa24f6dc74a2

これまで様々なネットメディアの編集に携わってきた。最近になって当サイト「マイナビウーマン子育て」でも原稿を書かせてもらうようになったが、実はかなり怖かった。これまで、「ワンオペ育児からチーム育児へ」や「『保育園落ちた』とネット上の論争」「働き方改革と育児」などを書いてきたが、ネットニュースの編集を11年やってきた身としては、「妊娠・出産・子育て」は「地雷」案件だと認識していた。

というのも、これらのイシューはネットの炎上案件の主軸たる存在になることが多いからだ。過去には漫画家・さかもと未明氏による「飛行機で泣く赤ちゃんにキレる」騒動や、某男性ライターによる「ベビーカーは親がラクをするためのもの」的記事、人工授精の是非、不妊治療は金持ちのためのもの……といったイシューが毎度ネットで炎上し、ネットニュース界隈ではタブー視される傾向も生まれてきた。私自身も、このセンシティブなイシューについては取り扱わない方がいい、という考えをこの5年ほどは持ってきた。

たとえば、「妊娠しました!」と芸能人がブログに書いた場合、祝福の声が多数寄せられるものの、「子供ができない私の気持ちも配慮していただきたい」といった批判も来る。子育てに関し、「もはや私の時間がなくて気が狂いそう」といった意見を紹介すると「あなたの自己責任で産んだ子供をそんな扱いするのは酷過ぎます」という批判が来る。

だからこそネットメディアの編集者としては、「タブー視」して、これらの話題は避ける傾向に持っていった。だが、「マイナビウーマン子育て」はここに対してドンピシャで記事を掲載するサイトである。ひょんな縁からこの2カ月、当サイトで記事を書かせてもらうようになり、上記のような認識を改めるに至った。

基本的に私のネットメディアの編集者のスタンスとしては「PV(アクセス数)を稼ぐ記事よりも、クレームを受けない記事」というものがこの11年ほどの経験で結論付けたことである。もちろん、この姿勢は変わらないものの、「本当に重要なことは、多少の賛否、反発を受けても世の中に出すべきでは」ということをこの2ヶ月で一旦結論づけた。

この2ヶ月で書いた文章に対しては当然批判もあったが、それらも含め、いかに「妊娠・出産・子育て」というものが一人の人間の人生にとって重要なことか、ということを、この3つを経験したことのない私が感じ入ったからだ。今回私が書きたいのは、「明らかな悪意を持った意見以外にはそこまで目くじらを立てないでもらいたい」ということである。

本来インターネットの良さというものは、多種多様な意見を持った人々が私見を述べたところから議論が勃発し、より良い解決策を「集合知」により提示する、というところにあった。だが、最近は、「異論は集団で叩き、意見を述べた者を追い込め」といった状況になっている。そして、その際の定番コメントは「私たちの苦労も知らないのによく安易に言えるね」というものだ。

2016年初頭にはてな匿名ダイアリーに書かれた「保育園落ちた日本死ね!!!」は国会で取り上げられるほどの大きな話題となった。しかし、これ自体が「だったら地方に住め」やら「お前が勝手に産んだだけだろ?こちとら子供を作る余裕さえないんだよ」といったケンカをもたらしてしまった。さらには、「安倍政権を批判するために民進党がけしかけた“やらせ”書き込み」という意見までが出た。

このダイアリーを受けて保育園拡充を望む2万7000人の署名が民進党の山尾志桜里衆議院に渡されたこともニュースになったが、その際も署名を渡した母親の「抱っこひも」が海外製の高級品だ、という指摘が出て「この贅沢野郎」的に批判された。これに対しては、「この海外メーカーは国内メーカーと同じ程度の価格です。決して贅沢ではありません」という反論が来る。

現在、ネットではありとあらゆるテーマでケンカが勃発している。それは「サッカーファンVS野球ファン」「安倍政権支持派VS反安倍政権派」「東京VS大阪」「喫煙者VS嫌煙家」などいくらでも見つけられる。

そんな中、「子育てする人VS子育てする人に批判的な人」という対立も現実的に存在しているのだ。ネットニュースの編集をしていると、いずれの立場に立った記事を書いても、批判が寄せられる。それは2ちゃんねるやツイッターでもそうだし、問い合わせフォームに対しても、だ。

「子供」というイシューについては、とにかく人々の想いが強い。だからこそ、ネガティブなことを言われたら傷つく父母はいるし、子供のことを邪魔な存在だと考える人からすれば「過度な権利を主張するクソ野郎」扱いになる。

ただ、結局国の発展のためには、新たな命が誕生し、良い教育を受けて活躍することが必須なわけで、新たな命が誕生した場合は、とにかく国・地域コミュニティ、そしてネットも含めてキチンと応援する体制を作れ、とは言わぬまでも「マインド」は持つべきではないかとこの2か月間で痛切に感じ入った。

現在、「マイナビウーマン子育て」では子育てについて書かせてもらっているものの、私が関与する別サイトでも、妊娠・出産・子育てについては、より役に立つ情報を出していければ、と今更ながら思うように至った。立派な結論は特にはないが、妊娠・出産・子育てでいちいちネット上でいがみ合わないでほしい。それは切に願っている。

(中川淳一郎)


関連記事


情報提供元:マイナビウーマン子育て

更新日:2017年5月17日


0

michillライターさんの励みになります

お友だち追加で最新のコスメ、ビューティー、ファッション情報などを専門家が毎日お届けします!

友だち追加 キャンペーン情報もお知らせ!
この記事に投票する

回答せずに結果を見る

よく読まれています

SNSでも新着記事をお知らせしていますmichill 公式アカウント

ログイン・無料会員登録