アプリでmichillが
もっと便利に

無料ダウンロード
ログイン・会員登録すると好きな記事をお気に入り登録できます

DIY可の賃貸物件の先駆け「ジョンソンタウン」レポート。埼玉にある米国の暮らしとは?

/

当記事はSUUMOジャーナルの提供記事です

当記事はSUUMOジャーナルの提供記事です

他のおすすめ記事を読む
付録
GLOW6月号は付録買いしちゃうわ♡めちゃ可愛いのに使い勝手よすぎなミッフィーグッズ
DIY可の賃貸物件の先駆け「ジョンソンタウン」レポート。埼玉にある米国の暮らしとは?

白い木壁の家が垣根なく立ち並び、足元には緑の芝生が広がる……。埼玉なのに、まるで米国のようなたたずまいで人気を集めているジョンソンタウン。住まいの合間にはショップも点在し、週末には多くの人が訪れ、今や入間の「名所」にもなっています。現在は約80棟があり、約200人が暮らしていますが、実際の暮らしぶりはどのようなものなのでしょうか。
街並みと建物に一目ぼれ。都内のマンションから入間へ引越し

ジョンソンタウンは西武池袋線・入間市駅から徒歩18分、池袋駅まで電車で40分弱かかり、通勤に便利とは言い難い立地の賃貸物件。それでも「ウェイティングリスト」ができ、ほぼ空室がないほどの人気ぶりです。かつて米軍基地のアメリカ兵とその家族のためにつくられた米軍住居地域跡地にあるジョンソンタウンは、DIYが盛んなアメリカ本国と同様に建物内部はDIYが可能で、どうやらそれも人気の理由になっているよう。

米国のような街並みを形成しているジョンソンタウン。その取り組みは2017年に日本建築学会賞(業績)で表彰された(撮影/嶋崎征弘)

米国のような街並みを形成しているジョンソンタウン。その取り組みは2017年に日本建築学会賞(業績)で表彰された(撮影/嶋崎征弘)

そこで、今回、ジョンソンタウンに引越してきてDIYをするようになったという岩下潤さんにお話を伺いました。職業はブルースギターを奏でるギタリスト。単独ライブも行うほか、週6日、都内のスクールでギターを教えています。現在は平屋づくりやゆったりした間取りなどが特徴の米軍ハウス(アメリカン古民家)に妻と2匹の猫ちゃんとお住まいです。

「引越しのきっかけは、都内にある前の住まいが古くなったから。以前、座間の米軍ハウスでライブをしたことがあって、一度、住んでみたいという憧れがあって、ネットで調べてジョンソンタウンを知り、実際に街並みを見たら一目ぼれでしたね」と振り返ります。

ダイニングでお話をする岩下さん。DIYだけでなく、トークも上手!(撮影/嶋崎征弘)

ダイニングでお話をする岩下さん。DIYだけでなく、トークも上手!(撮影/嶋崎征弘)

リビングでギターを弾く岩下さん。床材はこの建物が完成した1954年当時のもの。数々のキズも岩下さんのお気に入り(撮影/嶋崎征弘)

リビングでギターを弾く岩下さん。床材はこの建物が完成した1954年当時のもの。数々のキズも岩下さんのお気に入り(撮影/嶋崎征弘)

4棟を見学し、なかでも本来であれば店舗のための場所にある家が気に入ったそう。引越し先は都市部を希望していた妻も現地を見て納得、見学したその日のうちに申し込み、トントン拍子に話が進んだといいます。

「家賃が決して安くないのは分かっています(笑)。ただ、都内まで1本で行けるので不便は感じていないですね」と話します。

人との関係、DIYでの建物への愛着。すべてがちょうどいい

暮らしはじめて大きく変わったのは、玄人はだしの「DIY」と隣人の関係です。

「引越した当初、DIYはやらないつもりだったんです。職業柄、指をけがしたら仕事にならないので。それでも、2~3カ月たったあたりから、庭をいじりはじめたんです。ほぼ砂利だった庭を芝にしたいって思って。ジョンソンタウンのオーナーに相談したら、『どうぞ、やってください』と言われて」

根が凝り性の岩下さん。砂利と土を手作業で選り分け、土壌を改良して、芝の品種も研究。今では自宅だけでなく周囲のお宅の敷地にも芝を植え、手入れするまでに。

「当時ジョンソンタウンに住んでいた人で、DIYの師匠がいてね。はじめ、物干しスペースのところをなんとかしたいって考えていたら、必要な道具を貸してくれただけでなく、『何か問題あったら俺が教えるから』って言ってくれて。その男気がかっこよかった」と振り返ります。今までの人生になかった、隣人との出会い、コミュニティが心地よく、アレもできるかな?これはどうだろう?と研究するうちにDIYにはまっていったそう。現在は防音室やDIYの作業部屋も自作してしまうなど、「もはや素人ではないのでは……」という腕前です。

こちらはリビングの脇につくってしまったDIYの工房。奥の扉を開けると庭へ出られる(撮影/嶋崎征弘)

こちらはリビングの脇につくってしまったDIYの工房。奥の扉を開けると庭へ出られる(撮影/嶋崎征弘)

木に熱を加えて曲げる機械を購入し、使い方をマスター。来年にはついに本業にもかかわるギター制作もしたいそう。本当に意欲的(撮影/嶋崎征弘)

木に熱を加えて曲げる機械を購入し、使い方をマスター。来年にはついに本業にもかかわるギター制作もしたいそう。本当に意欲的(撮影/嶋崎征弘)

「賃貸だから隣人ともほどよい距離の、心地よいお付き合いができる。で、一方でDIYしてきたから住まいにも愛着がある。本当にちょうどいいんだよね」

今でも一日に1つ新しいことを学ぶ、知る、身につける、買うなどをして、「日々、成長している」という思いがあるとか。朝、早起きして庭いじりやDIYをし、その後出勤、帰宅は深夜、というライフスタイルですが、充実感でいっぱいのようです。

DIYで自作した防音室(右手奥)がある仕事部屋。大人の理想がつまっている(撮影/嶋崎征弘)

DIYで自作した防音室(右手奥)がある仕事部屋。大人の理想がつまっている(撮影/嶋崎征弘)

防音室内部。防音室を見た人から問い合わせがあり「6台売れて、その人たちの家までつくりに行ったんだよ」と岩下さん。すごすぎる!(撮影/嶋崎征弘)

防音室内部。防音室を見た人から問い合わせがあり「6台売れて、その人たちの家までつくりに行ったんだよ」と岩下さん。すごすぎる!(撮影/嶋崎征弘)

「人に喜んでもらえる趣味ってほんとにいい。隣人から『アレつくって、こんなことできるかな?』って相談されて、できるよ~って言って。喜んでもらう。こんなに楽しいことはないよね」と言います。

岩下さん宅。玄関から入ってすぐがダイニング。猫が外に出ないようにしつらえた内扉(写真奥)ももちろん、DIYで自作!(撮影/嶋崎征弘)

岩下さん宅。玄関から入ってすぐがダイニング。猫が外に出ないようにしつらえた内扉(写真奥)ももちろん、DIYで自作!(撮影/嶋崎征弘)

猫2匹の名前は「たら」と「ふく」。あわせて「たらふく」。写真は「たら」ちゃん(撮影/嶋崎征弘)

猫2匹の名前は「たら」と「ふく」。あわせて「たらふく」。写真は「たら」ちゃん(撮影/嶋崎征弘)

「お前の手を見せてくれ」。米国のライブで言われたうれしい言葉

土いじり、DIYをするようになり、仕事である音楽面でもいい影響を感じるとか。

「演奏から“土の匂い”がするようになったと感じる。そりゃそうだ。だって、毎日、土いじりしているんだもん(笑)。でも、そもそもブルースって、米国ではキツイ野良仕事の後に演奏していた音楽なんだよ。実はこの前、米国でライブしたときにね、現地の人から『お前の手を見せてくれ』って言われたんだけど、あれは本当にうれしかったなあ」と感慨深い様子。

もともとベランダガーデニングをしていた妻も、建物の表通りは赤で統一、裏庭は青と白というコンセプトで、ガーデニングを満喫しています。

ジョンソンタウンの室内はDIY可だが、外観は基本的に改装不可。街並みを守るための工夫だ(撮影/嶋崎征弘)

ジョンソンタウンの室内はDIY可だが、外観は基本的に改装不可。街並みを守るための工夫だ(撮影/嶋崎征弘)

カエルもギターを持っているなど、庭の小物にも随所に遊び心が(撮影/嶋崎征弘)

カエルもギターを持っているなど、庭の小物にも随所に遊び心が(撮影/嶋崎征弘)

「ここならガーデニングだってやり放題だもん(笑)。日本にいながらにして、米国のライフスタイルができるんだから、本当に理想形だよね。アレもやりたい、コレもできるって、理想をかなえていける」といい、夫婦で日々の暮らしを満喫しています。

また、ジョンソンタウンには、個人店が約50店舗ほどあり、そこも好きなところなのだとか。
「街歩きだって、フラフラしているだけで楽しいし、ちょっとお土産がいるなって思ったら、即、買い物だってできるし、外食もできる。住んでいる人もおもしろい人が多いしね、交流の温度感などもちょうどいい。本当に心地いいんだよ」

写真左/さながらアメリカのようなEAST CONTENTS CAFE。気軽に食事とお酒が楽しめる、岩下さんの行きつけ 写真右/コイガクボのもっちりとした食感が楽しい米粉パンは岩下さんのお気に入り(撮影/嶋崎征弘)

写真左/さながらアメリカのようなEAST CONTENTS CAFE。気軽に食事とお酒が楽しめる、岩下さんの行きつけ 写真右/コイガクボのもっちりとした食感が楽しい米粉パンは岩下さんのお気に入り(撮影/嶋崎征弘)

写真左/花やリースを扱うブルーメンヒュッテ。庭づくりの相談も可。オーナーは岩下さんのお友達 写真右/イギリスから直輸入した雑貨が並ぶコッツウォルズ。岩下さんはちょっとした手土産をココで買うとか。商品は一点物も多く、見ていて飽きない(撮影/嶋崎征弘)

写真左/花やリースを扱うブルーメンヒュッテ。庭づくりの相談も可。オーナーは岩下さんのお友達 写真右/イギリスから直輸入した雑貨が並ぶコッツウォルズ。岩下さんはちょっとした手土産をココで買うとか。商品は一点物も多く、見ていて飽きない(撮影/嶋崎征弘)

ガーデニング、DIY、そして人との交流と、以前では考えられなかった暮らしを楽しむ岩下さん。引越しがもたらした「思いがけない出会い」が、人生を豊かにしてくれたようです。

●取材協力
ジョンソンタウン
Blumen Hutte
米粉パン専門店 コイガクボ
EAST CONTENTS CAFE
COTSWOLDS●取材協力
岩下潤さん 
日本屈指のブルースギタリスト。ライブだけでなく、ブルースギターに関する著作も多数執筆するほか、講師としても活躍。観客を引き込むブルース演奏に加えて、楽しいMCはさながらお笑いライブのよう。ライブ予定や高田馬場にあるギター教室への問い合わせは以下から。
>ジャグ・サウンズ・ギター・スクール  住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

【住まいに関する関連記事】



この記事のライター

SUUMO

ありがとうを贈るとライターさんの励みになります

トップへ戻る

ライフスタイルの人気ランキング

新着

カテゴリ

公式アカウント

ログイン・無料会員登録