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【医師監修】妊娠中に風疹にかかったらどうなるの? 大人の風疹の症状と赤ちゃんへの影響、予防方法

目次

2018年夏から全国的に感染者が増えている「風疹」。免疫のない妊婦さんが感染するとお腹の赤ちゃんに大きな影響を及ぼすことがある病気です。ここでは風疹について、妊婦さんへの感染、赤ちゃんを守るためにできることを紹介します。

この記事の監修ドクター 産婦人科医・医学博士宋美玄先生 大阪大学医学部医学科卒業。丸の内の森レディースクリニックの院長として周産期医療、女性医療に従事する傍ら、テレビ、書籍、雑誌などで情報発信を行う。主な著書に、ベストセラーとなった「女医が教える本当に気持ちいいセックス」がある。また、「とくダネ!」に木曜コメンテーターとして出演中。一般社団法人ウィメンズヘルスリテラシー協会代表理事

風疹(ふうしん、三日ばしか)ってどんな病気?

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風疹って、はしかと違うの?風疹の症状

風疹は風疹ウイルスが感染して起こる病気で、発熱や発疹、耳の後ろから首の腫れなどが主な症状です。 「三日ばしか」とも呼ばれますが、 「はしか(麻疹、ましん)」は麻疹ウイルスが感染して起こるもので、風疹とは別の病気です。 風疹にかかっても発疹が現れて数日で自然に治ることが多く、まれに合併症などによって入院が必要になることはあるものの、 基本的に大きな心配はない病気です 。

ところが、妊娠中にかかると赤ちゃんに大きな影響を及ぼすことがあり、妊娠に際して注意しておきたい病気の一つです。

風疹は子供だけの病気じゃない!?大人が風疹になった場合の症状

かつて風疹は子供に多い病気でしたが、予防接種が普及し子供では少なくなった一方で、抗体が不十分な大人の間で流行するようになりました。

大人では子供に比べて、発熱や発疹、耳の後ろから首の腫れなどの症状が強く現れます。 また、大人の女性では男性や子供に比べて関節炎が比較的多く、手や指の小さな関節が腫れたり痛んだりすることがあります。

なお、数千人に1人ぐらいに起こるまれな合併症として、血小板減少性紫斑病(出血した際にそれを止める血小板が少なくなるため、出血しやすくなる病気)や脳炎などが起き、時に命の危険が生じることもあります。

流行りやすい季節はある?

風疹は春先から初夏にかけて発生することが多い傾向にありましたが、 近年はあまり季節に関係なく発生するようになってきています 。

風疹は国が流行状況を把握するために、診断された全患者数が保健所に報告される病気です。その報告から年間の患者数は例年数百人ほどであることがわかっています。

ところが時には大流行する年もあり、最近では2013年に患者数1万数千人に上る流行がありました。 また、2018年7月下旬から関東地方を中心に患者数の報告が増加しています。

主に咳やくしゃみなどから感染する

風疹の感染経路は主に飛沫感染ですが、接触感染、母子感染(胎内感染) もあります。

飛沫感染とは、咳やくしゃみ、会話などによって口から飛んだ病原体(風疹ウイルス)を含む飛沫により感染することです。飛沫が飛ぶ距離より離れていれば(おおむね2メートル)感染する可能性は低くなります 。飛沫感染に似たものに空気感染があり、空気感染の場合は、同じ部屋などの空間にいると距離が離れていても感染する可能性がありますが(麻疹、水ぼうそうなど) 、風疹の感染力はこれらほどは強くありません。

接触感染とは、ウイルスが手などに付着したまま口や鼻に触れることにより感染することです。風疹を他人に感染させやすいのは発疹が現れる1週間ほど前から発疹出現後1週間まで の間で、熱が下がった後は感染力が低下します。

なお、風疹でとくに問題となるのは母子感染(妊娠中にお母さんから赤ちゃんにうつること)です。これについてはのちほど詳しく解説します。

潜伏期間はどのくらい?

風疹はウイルスに感染してから症状が現れるまで、2~3週間ほど間があります。

ただし、感染しても明らかな症状が現れない「不顕性感染」で済む人も15~30%ほどいると言われています。(ただ、この場合でも他人へ感染させることはあります)。

また、発熱は約半数にみられる程度とされています 。

風疹の治療方法は?

風疹ウイルスを減らす抗ウイルス薬はありません。そのため、現れた症状ごとに治療を進める「対症療法」が行われます 。具体的には発熱、関節炎などの症状に対して解熱鎮痛剤が処方されるなどです。

妊婦さんが風しん感染したら……感染によるリスク

妊婦さんの風疹感染、特に妊娠初期に要注意!

風疹で一番問題となるのが、抗体を持たない妊婦さんが感染した場合です。妊娠20週ごろまでに風疹にかかると、胎盤を通して赤ちゃんも風疹に感染しその影響を受ける可能性があります。

妊娠週数が進むほど、赤ちゃんが感染する割合や影響の度合いは低くなっていきます。

風疹が胎児に与える影響

母親の風疹が胎児に感染すると、赤ちゃんに「先天性風疹症候群(CRS)」という先天異常の起こることがあります。重症度や症状は感染時期によってさまざまですが 、難聴が最も多く、そのほか白内障、心臓病などの影響が現れます。

また、妊娠初期の感染は流産、死産を引き起こす場合があります。

なお、風疹に胎児感染しても先天性風疹症候群を発症せず、生まれた後、徐々に難聴や白内障などを発症することもあります(先天性風疹感染)。

感染や赤ちゃんへの影響の有無はどうやって調べる?

風疹に感染したと疑われる妊婦さんでは、妊娠初期に通常行われる抗体検査(HI法)に加え、より詳しい抗体検査(風疹IgM抗体)が行われます。

これらの抗体の値によって、風疹に現在または最近感染したかどうか、赤ちゃんが先天性風疹症候群となる可能性が高いかどうかを調べます。

赤ちゃんにも感染してしまったら?

生まれた赤ちゃんが先天性風疹症候群を起こしていたり先天性風疹感染を発症した場合は、症状に応じて治療や継続的な経過観察が行われます。

また赤ちゃんの唾液や尿から風疹ウイルスが検出されなくなるまでは、赤ちゃんから他人に感染する可能性があるので(二次感染)、これを防ぐための対策も求められます。

風疹から赤ちゃんを守るためにできること

自分は風疹にかかる可能性が高いのかを知る!

感染症の原因である細菌やウイルスに対する十分な抗体が体の中にあれば、その感染症にはかからないか、かかる確率を低く抑えることができます。以前にその感染症にかかったことがあったり、予防接種を受けていれば抗体は高くなります。風疹も同様です。

妊娠初期に行われる検査では風疹の抗体検査(HI法)が必ず行われます。その検査で抗体の値が16以下の場合は、風疹に感染するリスクが高いということになります。

妊娠20週(特に12週) までに感染すると赤ちゃんに影響の現れる確率が高いので、抗体が低い妊婦さんは風疹に感染しないよう十分に気を付ける必要があります。

何より大切なのは、妊娠する「前」に予防接種を受けておくこと

抗体検査で値が低く感染のリスクが高かったとしても、妊娠中は風疹の予防接種を受けることはできません(産後の授乳期では受けられます)。

風疹予防のためのワクチンは、ウイルスの病原性を弱めた「生ワクチン」で、理論的には胎児に移行する可能性が考えられるからです。

なお、予防接種を受けてから2ヶ月間は避妊の必要があります( ただし、この期間に妊娠していることがわかった場合でも、ワクチンにより先天性風疹症候群になることはないと言われています )。

ですから妊娠を考えている女性、妊娠する可能性のある女性は特に、早めに抗体検査を受け、抗体が不十分なら予防接種を受けておくことが大切なのです。

男性は風疹抗体のない人が多い。同居家族も予防接種を

現在は、風疹の予防接種は定期接種(公費により原則的にすべての人が受ける予防接種)化されていて、1歳児と小学校入学前1年の間の計2回行われ、2回とも受けた場合は99%という高い予防効果があります。

1990年4月2日以降に生まれた世代は、この2回接種を受けています。

ところがそれ以前に生まれた人は男女ともに1回しか接種を受けていなかったり、まったく受けていない世代(1979年4月2日以前生まれの男子など)もいます。 実際、2016年度に行われた調査では30代後半~50代の男性の5人に1人、20代~30代前半の男性の10人に1人は風疹の免疫を持っていないことがわかりました。

このことから、厚生労働省は2018年12月に、子供のころに予防接種を受ける機会がなく他の世代より抗体の低い1962年4月2日~1979年4月1日生まれの男性に対して、2019年春から3年間、抗体検査とワクチン接種を原則無料で実施することを決めました。

妊婦さんのいる家庭、または赤ちゃんを望む家庭では 、同居する家族も抗体検査を受け、抗体が不十分であれば、家庭内での感染を防ぐために予防接種を受けましょう。

日常生活でできる風疹感染予防

風疹予防で一番大切なのは予防接種を受けることですが、予防接種を受けることができなかった妊婦さんは風疹が流行っている地域での外出を控えるようにするなどの対策が必要です。 風疹が流行すると、国立感染症研究所や自治体のホームページに、その状況が掲載されますので、確認するようにしましょう。

また、感染症予防のための一般的な注意として、マスクや手洗いをしましょう。

国立感染症研究所風疹急増に関する緊急情報(2019年) https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ha/rubella.html

まとめ

今の日本において、風疹は子供の感染症というより大人の間で流行する病気ということがおわかりいただけたと思います。子供は予防接種で守られているのに対し、大人は予防接種を受けていない世代があるからです。

風疹はまれな合併症を除きそれほど心配のない病気ですが、妊婦さんは別で、妊娠中に感染すれば赤ちゃんにさまざまなトラブルを起こす可能性があります。赤ちゃんを迎える予定のある場合はとくに家族ぐるみで予防を心がけ、女性は妊娠する前に必ず予防接種を受けておくようにしましょう。

また、できるだけ多くの人が予防接種を受けることが、社会から風疹の流行をなくすためにも必要とされています。

(文:久保秀実、監修:宋美玄先生)


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この記事の著者

マイナビウーマン子育て

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