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もうすぐ卒業シーズン。そして、新年度のはじまりとともに、入学・就職・転職などで一人暮らしをはじめる人も多いのでは。新生活を迎えるにあたり、ひとつの楽しみが物件探し。立地で選んだり、部屋で選んだり、DIY可能な物件を選んで自分好みにカスタマイズしたり。ライフスタイルにあわせてさまざまな選択肢があるが、その選択肢に、“シェアハウス”や“ソーシャルアパートメント”も加えてみては。実際の暮らしはどのような感じなのか、2018年10月にオープンした映画館付きのソーシャルアパートメント・FILMS和光を見学してみた。
ソーシャルアパートメントはシェアハウスと何が違う?
“ソーシャルアパートメント”と“シェアハウス”の違いは?と疑問をもつ人もいるだろう。ソーシャルアパートメントの大きな特徴は、リビングなどの共用部を通らなくても部屋に行ける動線になっていること。そのため、プライベートが保ちつつ共用部を使え、人とのつながりを通してコミュニティが広がる醍醐味(だいごみ)を味わうことができる。地方から上京したばかりであったり、コミュニティを広げたいと感じていたり、シェアハウスなどに興味はあっても人と暮らすことを不安に感じている人だったり、そういう人にはぴったりの物件なのだ。
独立したプライベートと充実した共用部。ソーシャルアパートメント・FILMS和光の魅力とはFILMS和光があるのは、都心へのアクセスがいいことからいま注目を集めているベッドタウン・埼玉県和光市。和光市駅から10分ほど歩くとマンションが見えてきた。
劇場のエントランスを模したような玄関を入り、まず目に飛び込んでくるのがこの物件の特徴でもある映画館。エントランスのみならず、中ももちろん本格的。座席は実際に映画館で使われているものと同様のシアターシートで、さらに4K高画質プロジェクターや7.1chサラウンドの音響設備など、家にいながら本格的な設備で映画鑑賞が楽しめる。
「これまでシアタールームのあるソーシャルアパートメントはありましたが、ここまで本格的な映画館ははじめてです。動画の定額制配信等のサブスクリプションサービスの隆盛で映画館離れが進んでいるとされる時代に逆行しますが、あえて映画館をつくることで、映画館に行くワクワク感を感じ、そして、本当の映画館にも行っていただきたいという思いもあります」(株式会社グローバルエージェンツ 吉田主恵さん)
共用部のなかでも、日々入居者同士がコミュニケーションを取る重要な場所がラウンジ。映画館のチケットブースを模したカウンターやビリヤード台などアメリカンクラシックな内装・インテリアなど、「映画」というテーマに沿った空間が広がっている。ソファが多く設置されていたり、Nintendo Switchがあったり、リラックスしながらもコミュニケーションを図れるツールもさりげなく用意されているのもうれしい。ここでは、よくパーティーも開かれているのだとか。
リビングの横にあるキッチンには、7台のキッチンセットを完備。調理器具や食器などは共用のものを自由に使うことができる。バルミューダのトースターやル・クルーゼの鍋など一人暮らしではなかなか使うことのできないツールが用意されているのもソーシャルアパートメントのメリットのひとつ。水まわりは、キッチンのほかにトイレ、シャワールーム、ドラム式全自動洗濯乾燥機が完備されたランドリールームなどが。はじめて一人暮らしをはじめる人にとっては、コンパクトな荷物で引越しができるのも魅力だろう。
ひとりで仕事や勉強に取り組みたいときは、リビング・キッチンの横にあるワーキングラウンジがぴったり。奥には半個室のソファ席もあり集中するには最適な場所だ。フリーランスで活動する人にとっても、家の中に寝室以外の仕事部屋があるのはうれしいだろう。そのほかにも、ヨガやトレーニングなど身体を動かすときに使えるスタジオや、ちょっとした撮影で使えるフォトスタジオなども。
個人の部屋は、広さが8畳以上あるので、ベッドのほかにソファを置いてくつろぐことも可能。クローゼットのほかにベランダがあるのもうれしいポイントだ。
ソーシャルアパートメントの住み心地はどう? 入居者に聞いたプライバシーを確保された動線や映画館をはじめとした充実した共用部など、魅力あふれるFILMS和光だが、実際の住み心地をどうなのだろうか。エステティシャンをしているという女性の入居者に話を聞いた。
「入居した理由は、ずばり、オープンの日が自分の誕生日と同じだったからです(笑)。6年間、正社員として勤務した会社を辞めて、アラサーで転職、引越しで、人生の転機、というと大袈裟ですが、30歳の誕生日に新しい環境を(自分に)プレゼントしたいと思いました。シェアハウスに全く抵抗がなかったわけではありませんが、友人が別のソーシャルアパートメントに住んでいたので、なんとなくイメージは湧いていて、職場にアクセスしやすい立地と建物の中に映画館があるという非日常、しかも新しい物件だったので住んでみたいとシンプルに思いました。
(ソーシャルアパートメントを選んで良かった点は、)個人のプライベートはしっかりありつつ、住人と顔見知りになるので、安心感がありました。都会で隣が誰かも分からないような感じよりいいな、という感覚です。あと、水まわりの掃除から解放されます! これは、結構いいです! そして、住人同士のかかわりについても、お互いの夢?というと大袈裟かもですが、刺激的です。小説を書いている人に感想欲しいです!って言われたり、転職の経緯を聞かれて、いろいろ話していたら、ジャンルが似ているからお互い頑張って勉強して、アウトプットも兼ねてコラボできたらいいね!っていう話になったりするんです」(のりこさん 女性 30歳 エステティシャン)
家は、自分の世界を広げてくれる場所のりこさんの話からも分かるように、ソーシャルアパートメントの真の魅力とはハードウェアではない。住人間のコミュニケーションから “ひとり”を拡張できる、ソフトウェアの部分にある。
「基本的に、ソーシャルアパートメントは物件のテーマを寄せ過ぎないようにしているんです。テーマを寄せるとその属性の人が集まってきてしまうのはいいのですが、自分とは違う属性の人と出会う機会は狭まってしまう。私たちは“多様性”を重視していて、物件のテーマは誰もが受け入れられるものにとどめているんですね。
大切なのは、入居者同士のコミュニケーションやそこで生まれる化学反応、そして日常生活で世界が広がるという体験のあるライフスタイル。映画というのは多くの人が観るものであり、世界が広がる体験であり、その価値をより深めるテーマだと思うんです」(吉田さん)
ひとり暮らしのよさは、やはり自由なこと。生活サイクルも食生活も自分のペースで暮らすことができる。ただ、同時にそこには責任や孤独もつきまとう。ソーシャルアパートメントでは、ひとり暮らしでありながら「おはよう」「おかえり」と言ってくれる相手がいる。年をとっていくと新たな友人関係を築くのは難しくなってくることもあるが、家族でも古くからの友達でも同僚でもない、家をきっかけとした新たなコミュニティは、生活に新たな風を吹かせてくれるだろう。長い人生の数年間、ソーシャルアパートメントで暮らしてみると、人生が大きく拡張していくかもしれない。
●取材協力この記事のライター
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