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【医師監修】子供のカンジダ症 どんな病気? 気を付けることは?

目次

女性は生涯に一度は膣カンジダ症にかかると言われるほど、カンジダはありふれた病気です。子供がカンジダ症になることも珍しいことではなく、生まれてから感染するケースと、母親の胎内や出産時に感染し発症するケースがあります。

この記事の監修ドクター なごみクリニック院長武井智昭先生 慶応義塾大学医学部卒業後、平塚共済病院小児科医長を経てなごみクリニック院長。日本小児科学会専門医、指導医。臨床研修医指導医。インフェクションコントロールドクター(日本小児感染症学会)。現在、0歳から100歳までの「1世紀」を診療する医師として、家庭医として地域医療に従事しながら、メディア等での執筆・監修を多方面で行っている。

カンジダ症って、どんな病気?

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カンジダは真菌(かび)の一種

カンジダ症は、カンジダという真菌による感染症です。真菌とは、いわゆる「かび」のことで、細菌とは細胞の構造が異なり、細胞の中にヒトと同じく細胞核という小器官がある「真核生物」に分類される微生物です。

そのため、カンジダに感染したときに治療で真菌を殺す薬を使うと、同時にヒトの体に対する副作用も現れやすくなります。結果として、真菌による感染症は細菌に比べてしばしば経過が長くなること、治りが遅い難治性になりやすい傾向があります。

カンジダは常在菌の一種です。常在菌とは、多くの人がふつうにもっていて、ふだんは健康への影響がない菌のことです。しかし、免疫機能が低下したときなどに症状が現れる(日和見感染)ことがあります。

子供は抵抗力が弱いためさまざまな感染症にかかりやすく、カンジダ症にも注意が必要です。また、母親がカンジダに感染していると、赤ちゃんに影響が現れることがあります。

多くの人がもっているカンジダ。悪さをするのはどんな時?

カンジダは多くの人の皮膚や消化管(口、食道、胃、腸)などに存在しています。このような場所にいても、ふだんは全身感染はおこさないために明らかな症状はありませんが、体の抵抗力が落ちたり、子供の場合、局所の不衛生、湿潤(湿っていること。例えばオムツによる湿り)、またはけがなどによってカンジダが増殖してしまうことがあるのです。

その結果、皮膚や粘膜、爪などにカンジダ症を発症します。

また、医学が進歩したことで、かつては治療が難しかった免疫の病気(リウマチなどの自己免疫疾患やネフローゼ症候群などの腎臓の病気)の治療としてステロイドや免疫抑制剤や生物活性製剤の使用により免疫を抑制したり、血管などにカテーテル(管)を留置する機会が増え、こういった場合にもカンジダ症が増加する傾向にあります。

口の中やオムツ内、爪にも。子供のカンジダ

子供のカンジダ症の症状は?

カンジダ症は、症状が皮膚や粘膜、爪などに現れる「表在性カンジダ症」として発症することがほとんどです。しかし頻度は低いものの、内臓や血液に感染して全身に影響が及ぶ「深在性カンジダ症」を発症することがあり、特に赤ちゃんで注意が必要です。

以下に、子供に多いカンジダ症についてもう少し詳しく解説します。

・口腔カンジダ症

口の中や唇に、白い偽膜(病気に関連して生じる膜状のもの)あるいは白苔(白い苔のように見えるもの)ができます。「鵞口瘡(がこうそう)」という名前でご存知のお母さんも多いのではないでしょうか。白苔は簡単に剥がれ、剥がれた後は赤いただれになります。

・カンジダ性間擦疹

間擦疹(かんさつしん)とは、皮膚がこすれ合う部分にできる発疹のことで、脇の下や、赤ちゃんのオムツの位置によく見られます。オムツ位置にできた場合、カンジダとは関係なく起こるオムツ皮膚炎(オムツかぶれ)と間違えやすいのですが、対処法・治療法が異なります。

・カンジダ性爪囲炎(そういえん)、カンジダ性爪炎(そうえん)

指しゃぶりをする子供に多く、爪が変色したり凹凸になるなど、爪の白癬(はくせん。水虫)に似た症状が現れます。

・慢性皮膚粘膜カンジダ症

口腔カンジダ症や爪周囲・爪のカンジダが続く病気で、遺伝子の異常が関係していたり、副甲状腺機能の低下などを合併することがあります。1歳以前に発症することが多いと言われています。小児慢性特定疾病に指定されています。

先天性皮膚カンジダ症

生まれてから数日して皮膚に膿疱(うみを含んだ水ぶくれのような発疹)が現れ、数日でかさぶたが剥がれ落ちて治ります。

・深在性カンジダ症

深在性カンジダ症とは、カンジダが体の内部で広がって起こる病気です。その影響は、肺や肝臓、脾臓などの内臓、または眼球など、さまざまな箇所に生じる可能性があります。赤ちゃんに起こりがちな病気ですが、頻度的にはまれです。

生まれたばかりの赤ちゃんにみられる「先天性深部カンジダ症」では、お母さんの胎内で感染したり、出産時に産道でカンジダに感染すると考えられます。

一方、生まれてから1週間ほどたってから発症した場合は「後天性深部カンジダ症」のことが多く、血管カテーテル(栄養補給などのために血管に入れる管)を介した感染が考えられます。未熟児などでは出生後の赤ちゃんに栄養を与えるため、血管にカテーテルを入れることになりますが、その管にカンジダが付着・増殖し、血流にのって体内に広がるものです。 先天性深部カンジダ症では、生まれた時から肺の機能が悪く、全身の状態もよくないことが少なくありません。亡くなる確率も低くありません。後天性深部カンジダ症は、発症しても初めのうちは発熱がみられる程度で特徴的な症状が乏しく、なかなか診断が難しい病気とされています。

深部カンジダ症では、感染症としての治療が終了した後にも、神経の発達障害や眼内炎による視力低下などの後遺症が残ることがあります。このため、全身の経過観察、特に眼科でのフォローアップが重要になります。

カンジダ症にはどのくらいの人がなるの?

カンジダ自体は常在菌なので、表在性のカンジダ症はよくみられる病気です。例えば膣カンジダ症は女性の多くが一度はかかり、そのうち40~45%は2回以上繰り返すと言われています[*1]。

一方、深在性カンジダ症はまれです。NICU(新生児集中治療室)での治療が必要な赤ちゃんのうち、カンジダ症による敗血症(本来は無菌であるはずの血液中に菌が存在し、臓器の働きが障害されている状態)の頻度は1%未満で、超低出生体重児(1,000g未満)に限ると数%程度が該当すると報告されています[*2]。

似ている病気、混同しやすい感染症

表在性カンジダ症の症状が陰部やおしりに現れている場合、オムツかぶれと間違われやすいです。また爪の場合は爪白癬(爪の水虫)、口の中の場合は他の原因による口内炎と似ています。

子供がカンジダ症になったら

カンジダは真菌の一種。抗真菌薬で退治する!

カンジダは真菌の一種で、その治療には抗真菌薬を使います。皮膚や爪など表在性カンジダ症には、外用(塗り薬)の抗真菌薬が使われ、口の中の症状に対してはうがい薬も処方されます。

深在性真菌症の場合は、入院施設がある集中治療室などで抗真菌薬の全身投与がが行われます。

回復まではどのくらいかかる?幼稚園・保育園にはいつから行ってもOK?

表在性カンジダ症のうち、皮膚の症状は治療を始めると1週間程度で改善します。口の中の症状も数日で治まります。ただ、爪の場合は薬の成分が浸透しにくいため、症状の改善に数カ月間かかります。

深在性カンジダ症では、血液培養の検査結果が陰性になった後も2~3週間、場合によってはそれ以上、抗真菌薬による治療を続けます。

なお、登園制限は必要ありませんが、オムツ交換の時に、ほかの子供と接触しないように配慮が必要です。

カンジダ症予防のために知っておきたいこと

日常生活でできる予防法。ワクチンはあるの?

皮膚カンジダの予防には、皮膚を乾燥させておくことが役立ちます。また、指しゃぶりを極力しないことも爪カンジダの予防に役立つと考えられます。

なお、カンジダを予防するためのワクチンは残念ながらまだ開発段階ということです。

赤ちゃんの深在性カンジダ症の予防について

お母さんがカンジダに感染していても、治療の対象となるのは症状が現れている時のみです。しかし、早期未熟児出産が予測される場合や、妊娠中にほかの感染症にかかって抗菌薬を用いる場合などでは、赤ちゃんへの感染リスクが高くなると考えられるので、お母さんに症状がなくても膣カンジダ症の治療が行われます。

また、超低出生体重児の場合は、カンジダ症を発症していなくても、予防的に抗真菌薬を投与する場合もあります。

まとめ

カンジダは多くの人がふつうに持っている真菌です。症状がなければ治療は必要ないのですが、症状が現れたら早めに適切な治療を受けることが大切です。まれではありますが、妊婦さんから赤ちゃんにうつり、大きな影響を及ぼす場合もあることは覚えておきましょう。

(文:久保秀実、監修:武井智昭先生)


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この記事の著者

マイナビウーマン子育て

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