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大掃除はニッポンの年末の恒例行事。でも、掃除の内容によっては「夏にしたほうが効率的」なもの、「夏にやらないと衛生的にヤバい」ものもあるのでは……? All About家事・掃除・子育て ガイドの藤原千秋さんに伺いました。
【1】夏は窓掃除のチャンス! でも「水拭き厳禁」なケースも?
冬本番の年末は、寒くて窓を開けるのにもちょっとした勇気が必要。でも「気温が高くなってくると、窓を開けっぱなしでの窓掃除や、換気をしながらのお部屋掃除もラクになりますね」と藤原さん。窓を開けることの多い夏に向けて、まずは窓まわりをきれいにしましょう。
外気の入り口となる網戸や窓ガラスには、花粉やPM2.5、排気ガスなどの汚れの粒子がついていることも。これらは水だけで汚れが落ちるメラミンスポンジを使うときれいに取り除けます。
窓掃除のときにチェックしたいのが、サッシのパテ(コーキング)部分。「ここにカビが発生していたら、窓全体がカビに侵されています。カビを見つけたら、水拭きも洗剤での掃除もダメ。カビのエサになってしまいます」
えーーーっ……大ショック! 窓の掃除はわりと好きで、ときどき水拭きをしていた筆者。きれいにしたつもりが、かえってカビのエサを塗り広げていたなんて!
「明らかに黒いカビが生えているなら水拭きせず、消毒用のエタノールで拭いてください。使い捨てのクロスやキッチンペーパーなどで拭いて、そのまま捨てればOKです。黒カビか黒いホコリか判断できない場合もカビに準じてエタノール拭きがオススメ。エタノールは脂溶性の汚れも水溶性の汚れもよく落とします。でもそれらしい汚れがないなら、水拭きでも構いません」
【2】油汚れ落としのチャンス! コンロ&レンジフードを中心に油汚れが気になるキッチンも、夏こそ大掃除のチャンス。「気温が高くなると、油汚れは緩んできて落としやすくなります」。つまり、コンロ&レンジフードまわりの掃除にぴったりな季節というわけです。
レンジフードのフィルターや内部のドラムなど、外せるパーツはすべて食洗機に入れて洗ってしまうズボラな筆者ですが、外せない本体部分は、手も届きにくいので汚れがたまりがち。でも、その部分の汚れも、冬に見るときに比べ、初夏の現在ではサラ~リとして見えるような気がします。これは掃除のチャンスかも!
油汚れは、専用の洗剤を使って浮かせ、ブラシなどでこすり落とすのが一般的。でも、食材を扱うキッチンだから、自然由来のものを使いたい、という人には「アルカリ性のセスキ炭酸ソーダや重曹もおすすめです」
これらを使った掃除法はさまざまあるそうですが、一例としては「セスキ炭酸ソーダは2~5%の濃度に水で薄めてスプレーにし、レンジフードにはスプレーして拭き、外したファンは溶液を入れたバケツに漬け込みます。油がベトベトした部分には、重曹をそのままかけて油を吸い取らせ、ヘラ(使用済みのクレジットカードなどでもOK)でこそげ落とします。そのあと水ですすぎます」
そしてキッチンの床も、私たちが思っている以上に油で汚れていることが多いのだとか。「油でベタベタしている床の汚れは、掃除機だけでは汚れが落とせません。ゴキブリの温床にもなりやすいので、床も油汚れ用の洗剤を使うなどして拭き掃除を。キッチンマットは洗濯してきれいにしておきたいですね」
【3】水を使う掃除のチャンス! 水まわり&家の外まわりをきれいに気温が高いほうが汚れを落としやすいのと同じ理由で、水を使った掃除も、水温が高い季節にするほうが効率的。「冬よりも水を扱いやすく、汚れの落としやすさもアップします。水道水が20度を超える季節なら、わざわざお湯を出さなくてもいいから、より経済的に質の高い掃除ができますね」
水をジャブジャブ使って洗いたい浴室全体、バルコニーやテラスなどの外部空間は、気温・水温の高いうちにやってしまいましょう。
ただし、浴室を水洗いした後は、しっかり水気を取り、カビ防止につとめることが大切。「窓」の章でも述べたように、水分がカビのエサになってしまいます。
すでにカビが生えている場合は、カビ取り剤を使って取り除くか、プロに依頼を。カビの発生を防ぐには、カビの胞子が潜む天井に仕上げのひと手間を。「掃除用ワイパーにキッチンペーパーや使い捨てのクロスをセットし、アルコールの消毒用ハンドジェルなどをつけて、天井を拭き取れば簡単です」
窓を開ける掃除、油汚れの掃除、水を使う掃除は、冬よりも夏にやったほうが効率的、という理由がよく分かりました。後編では「夏にやらないとヤバい」理由を解説します。
●取材協力この記事のライター
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