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【海外での子育て論】実体験で感じた、日本で学ばない知識を得るメリット

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海外で中・高校生時代を過ごした中川淳一郎氏が、海外での子育てについて、メリット・デメリットを紹介。多感な時期を海外で過ごし、実際どうだったのでしょうか?

記事の著者

ネットニュース編集者中川淳一郎 1973年生まれ。東京都立川市出身。一橋大学商学部卒業後、博報堂CC局で企業のPR業務を担当。2001年に退社し、しばらく無職となったあとフリーライターになり、その後『テレビブロス』のフリー編集者に。企業のPR活動、ライター、雑誌編集などを経て『NEWSポストセブン』など様々なネットニュースサイトの編集者となる。主な著書に、『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『ネットのバカ』(新潮新書)、『夢、死ね!』(星海社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)、『電通と博報堂は何をやっているのか』(星海社新書)など。

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海外で子育てをしたいけど、果たしてその子のためになるのだろうか……。そんな悩みをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。私自身は海外の現地校へ行ったのですが、これは案外良い経験だったなぁ、と今になって思います。話が古くて申し訳ないのですが、私は1987年から1992年までの中学2年生から高校3年生夏までアメリカ・イリノイ州の田舎の公立高校に通っていました。

同学年で入学した450人中180人が退学するような学校だったのですが、色々な階層の生徒がいて、メキシコ人もけっこう多い学校でした。アメリカ史や英米文学と、スピーチ、簿記、タイプライターといった(当時の)日本の中高では学ばない授業を受けられたのですが、これが案外今でも役に立っているのです。

もちろん私は古文や漢文を学ぶことはなかったので、一般的な日本の高校出身者と比べて足りない部分はありますが、前述のような日本では学ばない知識を得ることはできたのでした。これは今、時々役に立ちます。2010年頃、突如として「ティーパーティー」という言葉がアメリカの政治をめぐっては出てきます。これは保守派の支持者による活動なのですが、元ネタが1773年に発生した「ボストン・ティー・パーティ」というイギリス植民地時代の抵抗運動であることがすぐにピンと来るのですね。当時の民主党政権やオバマ大統領をイギリスに見立て、自らを当時の圧政を受けるアメリカ人に見立てている。保守派庶民による抵抗、といった図式を作ろうとしていることが分かるのです。

なんだかんだいって、海外の独自文化を知ることは日本に戻ってきたとしても役に立つことは多い。一番わかりやすいのは、アメリカの場合では、体育の授業(P.E.といいます)で「運転」を学ぶんですよ。秋・冬・春の3期で競技が変わるのですが、16歳になる学年ではこのうちの1期で「運転」があります。

最初は座学で交通のルールや、危険回避などを学びます。途中、保護者やすでに免許を持っている年上の友人らの同乗のもと、公道以外の場所での運転の練習が許されるようになります。たとえば親の勤務先の駐車場で運転をしたりするわけですね。その間も座学が続き、後半になると体育教師の所有する車に生徒3人と教師で乗り、公道を走ります。時には高速道路実習なんかもあります。日本では重視される「縦列駐車」の練習ですが、アメリカは基本的には駐車場が広いため、教わることはありませんでした。

かくしてその「運転」の授業で「C」以上を獲得すれば地域の運転免許センターへ行き、試験官の同乗のもと、親の車を運転するのです。これで合格すれば25ドル(当時)支払って免許をもらえます。日本では数十万円を支払って教習所へ行ったり、合宿に行くといいますから、随分とラクなものです。さらには日本に戻ってきた時に書き換えもできるんですよ。確か2500円を支払ったと思います。

当然英語も日本にいるよりは上達しますし、海外で子供が教育を受けることは選択肢の一つとしてもいいかな、と思います。あとは外国人と接することについての違和感があまりなくなるのも良い点でしょう。

◆日本批判、海外礼賛のウソ

ただし、一つ強調したいのは、「日本は詰込み型教育で海外は自由な発想の教育」という通説が必ずしも正しくないということです。正直、物理や化学、数学などは完全に詰込み型教育でしたし、GPA(平均スコア)をいかに高くするか、ということに粉骨砕身します。となれば、教師に対して親が取り入ろうとしたりするのも当たり前。何しろ高校の優秀な成績と教師からの推薦状がいい大学に行くには必要なのですから。となれば、コネが案外重要になったりもします。

さらに、一つの考え方を押し付ける面もあります。英米文学の授業に顕著なのですが、「Symbolize」という言葉がよく出てきます。これは「●●を象徴している」という意味なのですが、テストではその一文を読ませ、「これはなにを象徴していますか?」と書かせるのです。

たとえばスコット・フィッツジェラルド著『グレート・ギャツビー』では、主人公・ギャツビーが灯台の光を見つめているといった描写があります。これが何を象徴しているかを聞くのです。この時の回答は一つだけ。「栄華を極めるものの、失った大事なものを象徴している」という答えしかないのです。あとはジョン・スタインベック著『真珠』では、主人公・キノが巨大な真珠を見つけた結果悪党に追われ、家族が崩壊してしまうという救われない話なのですが、「真珠は何を象徴しているか」という質問に対しては「どんなに高価なものであろうとも、人間の愛ほどの価値はない」という答えが求められます。

「ギャツビーは灯台マニアだったのでは」や「連日のパーティーで人間嫌いになっていたのでは」といった感想や、「真珠は人間の強欲さの象徴である」という答えでは、正解ではないと判断されるのです。何しろ、こういった本を読むための「攻略本」まで売られているのですから、「アメリカの教育は自由な発想が求められる」論は話半分に聞いておいていいでしょう。スティーブ・ジョブズやジェフ・ベゾスといった自由なベンチャー心溢れる人ばかりではなく、案外保守的な人が多いのです。だからこそ、ドナルド・トランプ氏が大統領選でも勝つことができたのです。

私自身は海外で教育を受けて今は本当に感謝していますが、迷っている方は周囲の経験者に色々相談してみてはいかがでしょうか。妙な誤解や幻想が解け、現実的な判断ができることでしょう。また、将来その国で働くという決断をするかもしれないわけで、海外で教育を受けることは選択肢を拡げます。

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(中川 淳一郎)


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情報提供元:マイナビウーマン子育て

更新日:2017年6月21日


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