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台湾の家と暮らし[1] 若手アーティスト夫婦のインダストリアルなDIY賃貸アトリエ in台北

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当記事はSUUMOジャーナルの提供記事です

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台湾の家と暮らし[1] 20代アーティスト夫婦のインダストリアルなDIY賃貸アトリエin台北

私、柳沢小実は、暮らしや旅について書いているエッセイストです。旅歴はかれこれ30年以上で、一人旅歴は18年。ヨーロッパや北欧への旅を経て、いつしか年に何回も台湾を旅するようになりました。1年のうち1カ月以上は台湾という生活を何年も続けるうちに、現地の友達ができて、家や暮らし方を垣間見る機会が増えました。彼らは好奇心旺盛で前向きで、行動力もある。DIYもいとわず、インテリアは足し算が上手です。
今回は、台湾で素敵な暮らしを送る3軒におじゃましてきました。1軒目は、ブランディングデザイナーのピーター(28)と、イラストレーターのロージー(31)夫妻が台北中心部に借りているアトリエへ。収納が少なくてもまとまりのある部屋づくり、日本との文化の違い、外で買ってくる朝ごはんのこと、自分たちらしい結婚式写真などについて、お話を伺いました。連載名:台湾の家と暮らし
雑誌や書籍、新聞などで連載を持つ暮らしのエッセイスト・柳沢小実さんは、年4回は台湾に通い、台湾についての書籍も手掛けています。そんな柳沢さんは、「台湾の人の暮らしは、日本人と似ているようでかなり違って面白い」と言います。柳沢さんと台北へ飛んで、自分らしく暮らす3軒の住まいへお邪魔してきました。ピーター&ロージー夫妻と、朝ごはんを買いにいく(写真提供/KRIS KANG)

(写真提供/KRIS KANG)

(写真提供/KRIS KANG)

(写真提供/KRIS KANG)

朝10時。ブランディングデザイナーのピーターと、イラストレーターのロージー夫妻と、朝ごはん屋さんで待ち合わせ。台湾の朝ごはんは、豆漿・鹹豆漿(豆乳)や蛋餅(卵を挟んだクレープ)、飯糰(具だくさんのおにぎり)などが伝統的なメニューですが、近年は三明治(サンドイッチ)も人気です。若い人たちは朝から外で食べたり買ったりすることも多く、二人もそう。
だから、台北市内で最も都会的なこのエリアでさえ、一本裏道に入ると、昔ながらの朝ご飯屋さんや食堂が軒を連ねています。なんだか、ホッとする。人が働き、住み、食べる場所がすべて混ぜこぜだから、都会でも無機質にならず、程よい雑多さがあります。

「内用? 外帯?(店で食べる? 持ち帰る?)」
「外帯!(持ち帰ります)」
さあ、朝ごはんを持ち帰って、アトリエで食べながら話を聞きましょう。

ピーターとロージーのアトリエへお邪魔します!パートナーを大切にする台湾男子は、かいがいしく働く。ピーターも料理上手(写真提供/KRIS KANG)

パートナーを大切にする台湾男子は、かいがいしく働く。ピーターも料理上手(写真提供/KRIS KANG)

台湾の伝統的な朝ごはん(写真提供/KRIS KANG)

台湾の伝統的な朝ごはん(写真提供/KRIS KANG)

台湾製の古いグラス(写真提供/KRIS KANG)

台湾製の古いグラス(写真提供/KRIS KANG)

休日のひだまりのような、ほのぼのした雰囲気の二人は、昨年入籍したばかりの新婚夫婦。彼らは2015年から、友人と3人でこのアトリエを持っています。場所は台北市内の中心地で、駅前の大通りに面したオフィスビルの一角。もうひとりのメンバーのお父様が不動産屋さんで、その元オフィスを借りています。

(写真提供/KRIS KANG)

(写真提供/KRIS KANG)

台湾の首都、台北市の広さは東京都23区の40%くらい。人口は2018年の時点で267.4万人ですが、台湾の人は職場のすぐそばなど便利なところに住みたがる傾向があるためか、中心部に一極集中。よって、台北市内の住宅はほぼマンションです。一般的にはエレベーターのない5階建てくらいの建物が多く、近年は高級な高層マンションも増えています。
台北ではマンションの価格が大幅に高騰しており、データではここ5年は減少傾向も見られるものの、15年前の3倍ほどになっていると聞きました(※)。そのため、20~40代の友人・知人の多くは、賃貸マンションや実家住まいです。ピーターとロージーも、普段は台北市の隣の新北市にあるそれぞれの実家で暮らしています。

台北の家賃の目安は、一人暮らしは12000元(約43000円)、二人暮らしだと20000元(約72000円)ほど。沖縄と似た気候の台湾では、入浴はシャワーが主で、バスタブは付いていたりいなかったり。また、外食文化が定着していて日本ほど自炊をしないため、学生が住む小さな部屋などにはキッチンが付いていないこともあります。

アトリエの間取り(イラスト提供/Rosy Chang)

アトリエの間取り(イラスト提供/Rosy Chang)

台湾では賃貸物件でもDIYできることは日本よりも一般的。賃貸物件の改装の可否は、貸主との話し合い次第だそう(一般的に原状回復は不要だけれど、貸主によっては必要な場合も)ですが、彼らは改装の許可をもらって、壁を取り払い、天井を抜き、キッチンはピーターがデザインして大工さんに施工を依頼。また、オフィス物件でお風呂がなかったため、シャワーも付けました。窓際の長テーブルや本棚、作業テーブルなどの家具は、美大時代の友人につくってもらったものです。

料理をするピーターが設計したキッチン。手前に作業台があるので、調理しやすい(写真提供/KRIS KANG)

料理をするピーターが設計したキッチン。手前に作業台があるので、調理しやすい(写真提供/KRIS KANG)

(写真提供/KRIS KANG)

(写真提供/KRIS KANG)

(写真提供/KRIS KANG)

(写真提供/KRIS KANG)

この部屋は収納のないワンルーム。アトリエということもあってほぼ見せる収納になっていますが、物が多くても乱雑に見えないのはアーティストである彼ららしいバランス感覚と色づかいゆえ。例えば調理家電と鍋の色をベージュでそろえていたりと、色数を絞って似たトーンでまとめているのでうるさくない。さし色はオレンジと時々ブルー。見せる収納のヒントが満載です。

窓際に置いてあるセサミストリートの照明器具は、閉園する幼稚園からもらってきた(写真提供/KRIS KANG)

窓際に置いてあるセサミストリートの照明器具は、閉園する幼稚園からもらってきた(写真提供/KRIS KANG)

この扇風機、欲しい!(写真提供/KRIS KANG)

この扇風機、欲しい!(写真提供/KRIS KANG)

(写真提供/KRIS KANG)

(写真提供/KRIS KANG)

台湾の人を見ていてすごいなと感じるのは、柔軟な発想と行動力。面白そうなら、とりあえずすぐにやってみる。だから、部屋づくりに関しても自由で、想像力が豊か。さまざまな要素をミックスした足し算と、お金をかけずに楽しむのも上手で、ピーターとロージーも、DIYやアンティークショップ、オークションサイト、蚤の市など、ありとあらゆる方法で、自分たちの空間に合うものを探しています。

さりげなくコラージュした紙類も、素敵なインテリアに(写真提供/KRIS KANG)

さりげなくコラージュした紙類も、素敵なインテリアに(写真提供/KRIS KANG)

本棚には日本の雑誌がずらっと並んでいる(写真提供/KRIS KANG)

本棚には日本の雑誌がずらっと並んでいる(写真提供/KRIS KANG)

(写真提供/KRIS KANG)

(写真提供/KRIS KANG)

彼らの行動力は結婚写真などにも表れていて、お仕着せのウェディング写真ではなくて、自分たちが好きな服とシチュエーションでカメラマンさんに撮ってもらったそう。まるで写真集のような、一生の宝物になる美しい本です。
「みんながそうしているから」「これが普通だから」にとらわれず、台湾の人らしい行動力とアーティストならではのセンスで、「やればできる」「やってみよう」と行動に移すっていいなと、強く感じました。

(写真提供/KRIS KANG)

(写真提供/KRIS KANG)

(写真提供/KRIS KANG)

(写真提供/KRIS KANG)

今はそれぞれ実家暮らしをしながらアトリエを持っている二人ですが、結婚を機に一緒に暮らせる部屋を探しています。取材後も一軒内覧しに行くのだと、うれしそうに話していました。今後、彼らの暮らしがどう変わっていくのか、とても楽しみです。

※参考資料:日本不動産研究所「第 11 回「国際不動産価格賃料指数」(2018 年 10 月現在)の調査結果」

●取材協力
Peter
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SUUMO

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