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【医師監修】双子を妊娠したら……出産を迎えるまでに知っておきたい5つのこと

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目次

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待ち望んでいた妊娠だけど、もしも医師から「おなかの赤ちゃんは双子です」と言われたら……。うれしい反面わからないことも多く、不安になるかもしれません。でも正しい知識を身につけ準備をしておけば大丈夫。安心して出産を迎えましょう。

この記事の監修ドクター 産婦人科医・医学博士宋美玄先生 大阪大学医学部医学科卒業。丸の内の森レディースクリニックの院長として周産期医療、女性医療に従事する傍ら、テレビ、書籍、雑誌などで情報発信を行う。主な著書に、ベストセラーとなった「女医が教える本当に気持ちいいセックス」がある。また、「とくダネ!」に木曜コメンテーターとして出演中。一般社団法人ウィメンズヘルスリテラシー協会代表理事

双子妊娠の特徴(1)双子にも種類がある?

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「膜」によって3タイプに分類

双子の妊娠には、さまざまなタイプがあります。一卵性と二卵性という分類はよく知られていますが、妊娠中や分娩時のリスク管理で重視されるのは「膜」による分け方です。膜とは、胎児に臍帯(へその緒)を通して栄養を供給する「絨毛膜(胎盤)」と、胎児を包む「羊膜」を指します。双子の場合、これらの膜の数によって次のような3つのタイプに分類されます。

①2絨毛膜2羊膜双胎(DD双胎)

2人は別々の胎盤を持ち、双子間で血流が影響しあうことはありません。1人ずつ羊膜に包まれ、別の部屋で発育します。双子妊娠で最も多くみられるタイプで、70~75%を占めています[*1] 。二卵性の双子は2個の受精卵から発生し胎盤が2つ作られるので、ほぼすべてがこのタイプになります。

②1絨毛膜2羊膜双胎(MD双胎)

2人で1つの胎盤を共有し、血液は胎盤を通じて双子間を行き来しています。1人ずつ羊膜に包まれ、独立した部屋で育ちます。双子妊娠の25~30% を占めています[*1]。

③1絨毛膜1羊膜双胎(MM双胎)

この場合も2人で1つの胎盤を共有し、血液は胎盤を通じて双子間を行き来しています。双子を隔てる膜はなく、1部屋の中で2人が発育します。頻度は双子妊娠の1%未満 とされています[*1]。

タイプを調べ、適切な管理をする

3つのタイプによって、妊娠のリスクや管理方法は異なります(後述)。そこでどのタイプかを調べるために超音波(エコー)検査による「膜性診断」が行われます。

まず、胎囊(絨毛膜のこと)が見えるようになる妊娠5週ごろ以降に、2つの胎囊が確認できれば 2絨毛膜双胎と診断されます。 胎囊が1つなら1絨毛膜双胎ですが、赤ちゃんが別々の羊膜に包まれている1絨毛膜2羊膜双胎か、一つの羊膜の中に共存している1絨毛膜1羊膜双胎かどうかを判別するには、胎芽や羊膜の数が確認できるようになる妊娠7週以降 に超音波検査をする必要があります。 妊娠週数が進むと2つの胎嚢や羊膜は徐々に膨らみ、胎嚢同士あるいは羊膜同士がくっつきわかりづらくなるので、妊娠10週まで(妊娠3ヶ月)には膜性を診断することが重要です。

膜性診断は安全な検査で、母体や胎児に影響はなく、苦痛をともなうこともありません。医師の指示にしたがって、適切な時期に検査を受けてください。

双子妊娠の特徴(2)双子妊娠のリスクを詳しく知りたい

双子の妊娠では、1児を妊娠した場合よりも、さまざまな合併症を起こしやすくなります。

おなかの赤ちゃんにかかわる合併症として、流産や早産 、子宮内胎児発育不全、胎児形態異常、子宮内胎児死亡などの頻度が高まる ことがわかっています。

またお母さん側にも悪阻(つわり) 症状が強かったり、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群 、分娩時の弛緩出血 などが起こりやすいので、母体の管理にも注意が必要です。

頻度が高い合併症について説明します。

早産

双子の場合、出産に適した時期は37~38週 ですが、40%以上[*2] は早産で生まれます。

ある程度臓器や機能が完成に近づく 28週以降の 早産がほとんどですが、なかには28週未満の超早産になる場合もあります。小さく生まれた赤ちゃんほど、生命の危険やさまざまな合併症をきたす可能性が高くなります。

分娩週数や赤ちゃんの状態によっては、NICU(新生児の集中治療室)で専門的な治療やケアを行い、成長を手助けする必要があります。

子宮内胎児発育不全 (FGR)

何らかの理由で胎児のうち1人、あるいは両方の胎児の発育が遅れたり、発育できなかったりして、標準よりも小さく未熟な状態です。

胎盤や臍帯(へその緒)の状態が悪いことが原因の一つですが、「子宮の中」という限られた環境なので十分な治療ができないことも少なくありません。

また、複数の要因がかかわっていたり、原因がよくわからないこともあります。

妊娠高血圧症候群

血圧が高く、尿にたんぱくが出ている状態で、双子妊娠では1児を妊娠した時の約3倍発症しやすいとされています。

重症化すると、子癇発作によるけいれんや常位胎盤早期剥離などを起こし、母児ともに危険な状態になることがあります。

弛緩出血

双子の分娩時や分娩後に大出血をすることがあります。妊娠期間中に子宮が2人の赤ちゃんを支えて伸びきってしまい、産後元に戻すための収縮力が弱くなっていることが主な原因とされています。

出血量によっては、輸血が必要です。

1 絨毛膜双胎特有のリスク

■双胎間輸血症候群(TTTS)

双胎間輸血症候群は、1絨毛膜2羊膜双胎(MD双胎)の5~15%に合併すると言われています[*3] 。

1絨毛膜性双胎は2人が一つの胎盤を共有し、血管がつながっているため、一方の赤ちゃん(供血児)からもう一方の赤ちゃん(受血児)に血液が移動し、バランスを崩してしまうのです。

供血児は血液が足りなくなって循環不全になり、尿を作ることができず羊水過少になります。一方、受血児は血液が多くなりすぎて尿の量が増え、羊水過多になります。

そのため、超音波(エコー)検査で羊水の状態を確認し、発見されることが少なくありません。

進行すれば供血児は発育不全や低酸素状態に陥り、受血児も心不全や胎児水腫を起こし、2人とも二人とも死亡や後遺症のリスクが高まります。また受血児の 羊水過多が進めば流産や早産の原因になります。

この状態と診断されたら、重症度などの状況によって、赤ちゃんたちの血管のつながっている箇所をレーザーで固める手術や羊水除去などの治療、または経過観察が行われます。

■無心体双胎(TRAP)

どちらか一方の胎児の心臓が形成されない状態を「無心体」といい、極めてまれに発生します。無心体は心臓がないので、生存していません。

もう一方の胎児は自分自身と「無心体」 の両方に血液を送っているため、心臓に負担がかかり、心不全や羊水過多などの症状が現れることがあります。

治療では、無心体への血流を遮断する手術が行われます。

■一児死亡

何らかの原因でどちらか一方の胎児が子宮の中で亡くなる(胎児死亡)と、その子に向かって急激に血液が移動するため、もう一方の生存している胎児は重い貧血になることがあります。

その結果、生き残っていた方の胎児も死亡したり、後遺症が残ったりすることがあります。妊娠初期に起こると、亡くなったほうの胎児は消えてしまうことが多いとされています。

1絨毛膜1羊膜双胎特有のリスク

1絨毛膜双胎の中でも2人を隔てる羊膜がない場合には、2人は妊娠期間を同じ部屋で過ごすため、臍帯(へその緒)が互いの首などに絡みつく「臍帯相互巻絡(さいたいそうごけんらく)」が起こりやすく、胎児の突然死のリスクが高くなります。

双子妊娠のうち1絨毛膜1羊膜の双子になるのは1%未満ですが、前述の1絨毛膜のリスクだけでなく、1羊膜のリスクも加わるので、双子の3タイプの中で最もリスクが高く、慎重に管理する必要があります。

双子妊娠の特徴(3)妊娠期間中の過ごし方

妊婦検診は通常の倍!?

双子の妊娠ではここまでに紹介したように、1児を妊娠した時よりも合併症の頻度が上昇し、膜のタイプによってはさらにリスクが高くなります。早い段階で異常に気づき、適切な対応をするために妊婦健診はきわめて重要です。

厚生労働省が示す、1児妊娠を対象とした標準的な妊婦健診の回数は14回。妊娠初期から23週までは4週ごと、24から35週は2週ごと、36週以降は週1回としています。

双子妊娠では1児を妊娠した時よりも頻回の妊婦健診を受けることが一般的ですが、日本ではその回数に明確な取り決めはありません。米国産科婦人科学会(ACOG)では二絨毛膜双胎では妊娠20週以降は4~6週ごとに胎児の発育を確認することを推奨しており、よりリスクが高い一絨毛膜双胎では、少なくとも妊娠16週以降は2週間ごとに超音波検査を行うのが望ましいとしています。

日本は医療機関によって差はあるものの、31週目までは2週間ごと、それ以降は週に一度というように、より頻回に双子の妊婦検診を行う医療機関が多いようです。 ハイリスクな1絨毛膜双胎 など双子のタイプや胎児の状態によっては、さらにこまめな受診が必要な場合もあります。

時期によっては1児妊娠の倍、受診しなければならず、妊婦さんにとっては大変ですが、膜性診断のように時期を逃すと診断が難しくなることもありますし、切迫早産など多くの合併症は早く異常を発見すれば対処可能なケースもあります。必ず医師の指示通り、健診を受けるようにしてください。

妊娠期間中から入院が必要なことも

双子の妊娠でも経過が順調であれば、妊娠期間中や分娩にそなえて早めに入院する必要はありません。

ただし、切迫早産、羊水量の異常や胎児発育不全、妊娠高血圧症候群など、慎重な管理が必要な場合は入院になることもあります。実際、双子妊娠では1児妊娠よりも入院するケースが多くなっています。

とくに早産は多く、切迫早産の兆候が見られれば管理入院になることもあります。早産が起きやすくなる妊娠中期の後半頃(26週前後)から分娩までずっと入院になることも。管理入院になる可能性も考えて、準備を進めておけば安心です。

お腹はどのくらい大きくなる?

双子の場合、妊娠中は1児妊娠よりも1日300Kcal分多めに栄養を摂取する必要があります。そのため、妊婦さんの体重増加量も多くなるのが一般的です。

「ここまでは増えていい」という日本人のデータを用いた推奨値はありませんが、医師と相談しながら適切な体重管理を心がけてください。

またお腹には2人の赤ちゃんがいるので、1児妊娠よりもお腹は大きくなります。1児妊娠では、子宮がどれくらいの大きさかを知るために計測する「子宮底長(恥骨結合の上端から子宮の最上部までを計測)」は妊娠末期におよそ 35cmになりますが、双子妊娠はそれよりもさらに約5cm大きくなります。

母体に大きな負担がかかり、動作も制限されるので、無理をしないようにしましょう。

双子妊娠の特徴(4)出産の時も注意が必要

分娩の時期

双子の妊娠でも順調であれば、経腟分娩でも帝王切開でも妊娠37 週前後を分娩の目標にします。 しかし妊娠後期は母体や胎児のコンディションが1児妊娠の場合よりも悪化しやすいため、予定日よりも早く分娩をすることもあります。

分娩の方法

■ 経腟分娩

最初に産道を通る第一子が頭を下向きにしている「頭位」の場合には、経腟分娩でも帝王切開でも赤ちゃんへの安全性は同じとされています。

産婦人科ガイドライン(2017年版)では「第一子が頭位であれば経腟分娩を選ぶことも可能」とした上で、第二子の位置や医療施設の体制などを総合的に判断して最良の分娩方法を選ぶように推奨しています[*4]。

そのため双子の場合で経腟分娩可能とする基準には、医療機関によって違いがあります。たとえば「第一子が頭位」に加え、妊娠 32週以降の分娩 であることや、それぞれの体重が一定以上に成長していること、母児のコンディションが良好であること、前回帝王切開や子宮手術の既往がないことなどを条件とするところが多いようです。

ただし、医療機関によっては、双子の場合はリスクに備えるため初めから帝王切開と決まっているところも多いので、分娩方法が不明な場合は確認してみましょう。

なお、経腟分娩の途中に赤ちゃんの状態が悪くなったときや、進行が悪いときには帝王切開に切り替えます。第一子を分娩したのちに第二子のみ帝王切開となることもあります。

■帝王切開

経腟分娩の基準に当てはまらない場合などには、帝王切開になります。経腟分娩の基準に当てはまっても、帝王切開を希望することも可能です。帝王切開はリスクに対応しやすいメリットがあります。

帝王切開にも出血や、血栓症、次回妊娠時への影響などのリスクがあるので、医師からしっかり説明を受け、わからないことを解消して分娩に臨みましょう。

双子妊娠の特徴(5)双子の妊婦さんがしておきたい準備

双子の育児は大変!周りの方に手助けを頼んで

双子の妊娠では妊娠中や分娩ばかりに目が向きがちですが、出産後のことも考えて準備を進める必要があります。

産後は、体調が本調子でない状態で赤ちゃんのお世話をしながらの家事や育児は1人の赤ちゃんでも大変なのに、双子ではさらに負担が大きくなります。上に兄弟がいる場合はなおのこと。ついつい無理をして、さらに体調を崩してしまうこともあります。

ママだけではお世話が難しくなったときのために、産後に手助けしてくれる人を手配しておけば安心です。

自治体のサポート制度を上手に利用

「肉親や知り合いなど身近で頼める人がいない」という場合は、自治体経由でヘルパーさんを利用する方法もあります。自治体ごとに育児をサポートするさまざまな制度が用意されていて、民間よりも安く利用できることが多いようです。

妊娠中から市町村の担当窓口に問い合わせるなど準備し、困ったときはすぐに利用できるように手配しておきましょう。

まとめ

喜び2倍の双子妊娠ですが、通常の妊娠とは異なる注意が必要なこともあります。できる範囲で出産や産後に向けた準備にも取り掛かっておくことが大切です。体と心の安定はもちろんのこと、周囲のサポート体制もしっかり整えておきましょう。

(文:熊谷わこ/監修:宋美玄先生)

※画像はイメージです


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情報提供元:マイナビウーマン子育て



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