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【医師監修】妊娠の安定期に入るのはいつから?過ごし方と注意点

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目次

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妊娠中期に入るとつわりが治まることが多く、お腹の赤ちゃんもこれ以降ぐんぐん大きくなっていきます。俗に「安定期」と呼ばれますが、妊婦さんにはうれしい時期ですね。でも、油断は禁物。充実したマタニティライフを送るためにこの時期に注意すべきこと、つわりが落ち着いてくる時期だからこそしておきたいことなどをご紹介します。

この記事の監修ドクター 産婦人科専門医宮国泰香 先生 山梨医科大学医学部卒業。順天堂大学産婦人科に入局、順天堂大学大学院卒業。 Imperial college London, King’s college Londonに客員研究員として留学。現在は公益財団法人東京都保健医療公社東部地域病院婦人科勤務。産婦人科専門医。日本産婦人科医会幹事。順天堂大学産婦人科非常勤助教。

妊娠安定期とは?一般的な時期と母体の特徴

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「安定期」とは、一般的に妊娠中期に入る16週目(妊娠5ヶ月)以降のことを指します。 妊娠初期の不安定な体調やつわりの症状が落ち着いてくる時期のことを表した言葉で、医学用語ではありません。

安定期の母体の特徴

お腹のふくらみも目立つようになり 、体全体がふっくら丸みを帯びて妊婦さんらしい体型になってきます。

妊娠12週ころまでに比べて 流産の可能性が低くなり、つわりも治まって比較的過ごしやすくなる時期です。 ただし、安定期といっても、切迫流産や切迫早産などのリスクがまったくなくなったわけではないので、体調には引き続き気をつけて過ごすことが大切です。

安定期はどう過ごす?この時期にやっておきたいこと

比較的体を動かしやすい時期であるため、出産に向けて準備しておきたいこと、この時期に体験しておきたいことを紹介します。

出産や産後の準備

実家へ戻って里帰り出産をする予定の妊婦さんは、分娩を受け入れてもらえる医療機関があるかどうか確認しておきましょう。現在の主治医に紹介状を書いてもらい、里帰り出産をする医療機関でも事前に健診を受けるよううながされることもあります。いつ転院すればよいのかも確かめておきましょう。

また、このころには大きくなったお腹やヒップに合うマタニティ下着やウエアが必要になってきます。体を締め付けない、ゆったりとしたものを選ぶようにしましょう。お産で入院する際に必要なものを入れたカバンの準備などもこの時期から始めておくと良いでしょう。

赤ちゃん用品は、必要なウエアやグッズから順に揃え始めると良いでしょう。譲ってもらえそうなものなどをリストアップし、計画的に用意するようにしましょう。

働いている妊婦さんなら、このころ、産休(産前産後休業)について職場に確認を。産休は出産前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)、出産後8週間が法律で定められており、誰でも取得する権利があります。

保険やお金関係の手続きを確認

出産時には、出産にかかる費用に充てられるよう「出産育児一時金」が1児につき42万円(産科医療補償制度加算対象出産でない場合は40万4千円)が加入している健康保険から支給されます。また、働いている妊婦さんであれば、産前・産後休業の期間中、健康保険から1日につき、賃金の3分の2相当額が支給される「出産手当金」が支払われます。 それぞれ必要な手続きがあるので、書類や手続きの時期について、会社や加入している健康保険に確認をしておきましょう。

なお、切迫流産・早産の治療費やその他の妊娠中の病気などの治療は、健康保険が適用されるので一部負担で済みますが、2~3か月の入院が必要となった場合、治療費、差額ベッド代などで数十万円くらいかかることもあります。このようにひと月の治療費が一定額を超えた場合には、健康保険の「高額療養費制度」が利用でき、限度額を超えた金額があとで払い戻しされます。自己負担の限度額は年齢や所得により異なりますので、これも事前に調べておけると安心です。

また、帝王切開などの場合は、民間の医療保険から手術給付金を受け取れることもあるので、すでに加入している保険の給付条件や必要な手続きについても確認しておきましょう。

歯科治療

妊娠中は、虫歯や歯周病になりやすいと言われています。原因は女性ホルモンの変化で口の中に特定の細菌が増えやすくなっていたり、つわりで歯磨きがしづらくなったり、間食が増えたりするためなどとされます。妊婦さんの歯周病は早産や低体重児出産にも関係すると言われており、妊娠前に歯科治療を済ませておくのがベストですが、歯や口の中に不調を感じたら、体調が落ち着いたころ、産婦人科の医師に相談したうえで歯科へかかることをおすすめします。

母親・両親学級などのプログラム体験

母親・両親学級とは、これから妊娠・出産・育児に取り組むママやパパに、赤ちゃんに関する基本的な知識を教えてくれるところです。同じ時期に出産を予定する妊婦さんや夫婦が集まり、助産師さんからアドバイスをもらったり、沐浴の方法など実技指導を受けたりします。 主催は、病院(または助産院)、自治体、民間(企業や財団法人)などで、かかりつけの産婦人科、母子手帳をもらった役所などから紹介されます。参加すると、分娩時の呼吸法などの体験レッスンを受けながら妊娠中の悩みや疑問の相談にのってもらったり、ママ友作りをすることもできます。体調の落ち着いている時に、ぜひパパも誘って参加してみましょう。

適度な運動

適度な運動は、適正体重の維持や便秘、腰痛などのマイナートラブルを軽減する効果があるとされています。 ただし、切迫早産や妊娠高血圧症候群、出血などがあるときは運動をしないこと、体調の変化や異変を感じたときは休むことが必要です。

イベントの計画

妊娠を機に結婚されるいわゆる「授かり婚」も最近は多くなっています。妊娠中に結婚式を挙げる場合、安定期のころに行う人が多いようですが、計画中の妊婦さんはくれぐれも無理はしないようにしましょう。 なお、長時間の移動や旅行は避け、どうしてもその必要がある場合は、常に母子手帳 を携帯して行動するようにしましょう。

安定期でも油断はしない!この時期に注意しておきたいこと

安定期といっても無理をした行動は禁物です。この時期に注意したいことを念頭において行動するようにしましょう

運動する際の注意

妊婦さんの適度な運動は、健康の維持、増進になりますが、場合によっては運動後、子宮収縮や出血につながり、治療が必要になる場合もあります。 お腹の張りや出血以外にも、運動中や運動後にたちくらみ、頭痛、胸痛、膝下の痛みなど、何かいつもと違う症状を感じた場合には、受診するようにしましょう。

仰向けになって気分が悪くなるなどの症状が出た場合は、体の左を下にして横たわるようにしましょう。妊娠が進行して増大した子宮は、仰向けになると下大静脈を圧迫し仰臥位低血圧症候群になる場合があります。 この状態になると心臓から出される血液の量が減少して低血圧となり、気分が悪くなったり、嘔吐、頻脈、冷汗、顔面蒼白などの症状が出ます。

安定期だからといって安心しすぎない、流産、早産のこと

流産が起こりやすいとされているのは妊娠12週より早い時期(早期流産)で、妊娠16週以降の流産は比較的少ないとされています。 ただし、早期流産の原因の大半が染色体の異常など胎児側の問題であるのに対し、妊娠12週以降に起こる流産(後期流産)や22週以降の早産の原因では、感染症、頸管無力症などに加え、喫煙、肥満などが危険因子に挙げられています。体調が良いからといって無理はせず、また、安定期だからと安心しすぎないで何か不調を感じたら早めに医師に相談することが大切です。

様々なマイナートラブルと対処法

このころ、お腹の赤ちゃんの状態は安定しますが、妊婦さんのお腹が大きくなるのに伴って、以下のようなマイナートラブルを起こしやすくなります。 マイナートラブルとは、妊娠中に起こりやすい不快な症状を言います。必ずしも治療を必要とはしませんが、症状に個人差があるため辛い場合は我慢せずに受診しましょう。

動悸、息切れ

妊娠すると胎盤を通して赤ちゃんへ十分な血液を送る必要があるため、妊娠していない時と比べて心拍数が増え、心臓に負担がかかるようになり動悸を感じやすくなります。

また、大きくなった子宮が横隔膜を押し上げるため、肺が圧迫され息切れが生じやすくなります。

対処法

妊娠中に起こる動悸、息切れは珍しい症状ではありません。普段からゆっくり行動するように心がけ、外出で歩く機会の多い場合などには、こまめに休憩をとりましょう。動悸、息切れを感じた場合には、ゆっくり体を休ませ様子をみましょう。落ち着くようであれば、問題ないことが多いです 。 休んでも良くならなかったり、悪化するようであれば、医師に相談するようにしましょう。

貧血

赤ちゃんへ血液を送るため、血液全体量は増えます。しかし、血液成分の中でも赤血球の数は、血液全体量に比べるとそこまでは増えず、血漿(液体成分)が多くなります。このため、妊婦さんは赤血球の不足によって貧血をおこしやすくなります。貧血でも妊婦さんは無症状であることが多いと言われていますが、動悸、めまい、頭痛、たちくらみなどを引き起こすこともあります。

対処法

レバー、ほうれん草など鉄分の多い食事を摂ることが大切ですが、鉄分のみを多く摂るのではなくバランス良い栄養摂取をするようにしましょう。レバーの摂りすぎはビタミンAの過剰摂取になります※。食品に含まれる鉄のなかでも、動物性食品に含まれるヘム鉄は植物性食品に含まれる非ヘム鉄に比べ吸収されやすいといわれています。非ヘム鉄は、ビタミンCと一緒に摂取することで吸収率が高まります。 症状がひどい場合は妊婦健診時などに相談してみましょう。

※妊娠初期にビタミンAを摂りすぎると、胎児奇形が増加する可能性があるといわれているため、注意が必要です。

腰痛

お腹が大きくなるにつれて、バランスをとるためにお腹を突き出し反り返ったような姿勢になり、その状態を支えるため腰に負担がかかるようになります。また、体が出産の準備をし始め、骨盤の関節が緩み不安定になってきます。このような体の変化のために腰痛が起きやすくなります。

対処法

腰への負担を減らすことが対策になります。体重増加を正常範囲に抑える、長時間の立ちっぱなしを避ける、腰が沈まないような固めのマットレスを使用するなどで腰への負担を減らすことができます。

便秘

妊娠中は、腸の運動が低下し便秘になりやすくなります。また、子宮が大きくなってくると、腸を圧迫することで便が排出されにくくなることでも便秘しやすくなります。

対処法

水分はこまめに摂取する、食物繊維を多く摂る、朝食後など毎日決まった時間帯に排便の習慣をつけるようにしましょう。

皮膚のかゆみ

妊娠中、手足や体に蕁麻疹のような小さな赤いポツポツが出来て、かゆみを生じる妊娠性痒疹があります。はっきりした原因は解明されていませんが、家族にアトピーの方がいる場合に多く発症するという報告があります。1回目より2回目以降の妊娠で起こることの方が多いとされています。

対処法

妊婦健診の際に相談したり、母子手帳を持って皮膚科を受診するようにしましょう。 ひどくなると眠れないほどのかゆみになる場合もあります。 治療では、塗り薬や内服薬が処方されます。 薬以外の対処法として、皮膚への刺激の少ない素材を着用することもおすすめです。

体重の急激な増加には特に注意を

つわりが治まる安定期は、食欲が増進します。お腹の赤ちゃんに必要な栄養を摂ることは大切ですが、急激な体重増加は、妊婦さんだけでなく、赤ちゃんへも影響を及ぼす場合があり、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、分娩遷延、帝王切開、死産、巨大児などのリスクが高まります。 (分娩遷延:陣痛が来てから赤ちゃんを産むまでに通常より時間がかかること) そのため、妊娠中の体重管理をコントロールすることは重要です。

まとめ

つわりが治まり体調が良くなる安定期は、できることが増えるので、無理しない程度にできることをしながら楽しいマタニティライフを過ごしましょう。安定期といっても危険がないわけではないので、体調に注意し、赤ちゃんのことを考えながら、安全で楽しい妊娠生活を送るよう心がけましょう。

(文:島田直子/毎日新聞出版MMJ編集部、監修:宮国泰香 先生)

※画像はイメージです


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情報提供元:マイナビウーマン子育て



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