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「平成ジャンプ」。昭和に生まれて平成の世を独身で過ごし、令和を迎えた人をそういうらしい。引き続き婚活を続けている40代・OTONA SALONE編集長アサミ。もちろん平成ジャンプの一員になった。
この2年半、婚活パーティや婚活アプリ、個室婚活などで新たな出会いを重ね、やっと出会った好きになれる人。ジェントルさん、49歳・アーティスト。6回目デートの約束をするけれど、キャンセルに……? これは40代独女の「実名 顔出し」で書いている、リアル婚活ドキュメントである。
14時だった6回目デートの待ち合わせ。
けれど当日の13時になって「すみません、どうしても今日が納期の仕事が終わらなくて」と連絡がきた。
あれから約2時間。連絡は来ない。誘いをOKしてくれたけど、ホントはあまり会う気がなかったのかなとネガティブ妄想をする40代独女。彼からの連絡を待ちながら、一人、不安になっていた。
「その後、どうですか?」と自分から連絡できずに、ついつい待ってしまう。これが恋愛に慣れていない40代独女のあるあるだ。
16時近くなったころ、またメッセージが届いた。
ジェントル「アクシデントがあってあと2時間くらいかかってしまいそうです。美術館は間に合わないですよね、本当にごめんなさい」
アサミ「お疲れ様です! 全然、お気になさらないでください。いいものを作るためにはそういうこと、たくさんありますから」
予想以上に時間がかかってしまうことは、私たちの編集の仕事でもよくあること。それにもっと時間かかかるんじゃないの? 今日の6回目デートはキャンセル、かもしれない。
自分から誘ったデートがキャンセルかぁ。
美術館に行ってディナーをしてお土産渡して、それで……自分なりにプランを考えていたから、ちょっと残念な気持ちだった。ま、私の勝手な決意なんだけど。
ポジティブな思考にならない。これも恋愛下手な40代独女のあるあるだ。
なんだかな。デートに誘うのもそれなりに勇気だしたつもりだったし、人生初の告白をしようっていうのもそれなりに考えたことだし。これまでの数日間の気持ちが拍子抜け。仕方ない、今日は家でゆっくりしよう。
あきらめかけたときだった。
ジェントル「本当にごめんなさい。もし夕方からでもよろしければ18時には終われます。もし、それでよろしければ…」
うれしい! 今日は会えないと思っていたから!
アサミ「お仕事終わりでお疲れでなければ、18時以降でも私は大丈夫です」
いいんですか⁉ 会えないかもと思ってたから…18時からでも会えるならうれしい!
会えるとわかった瞬間、急に元気になる単細胞。これも、恋愛下手な40代独女のあるあるかもしれない。
ジェントル「ご理解いただき、ありがとうございます。待ち合わせの場所、どうしましょうか」
アサミ「いまオフィスでお仕事でしたら、そのお近くに行きましょうか」
私はすぐ移動できるから、そのほうが早く会えるし!
ジェントル「オフィスとは別の、僕のアトリエで仕事してます」
アトリエ! うわー、やっぱりアーティスト。そういう場所があるんだ。
アサミ「場所はどちらなんですか?」
ジェントル「紀尾井町にあるんですけど、アトリエの周りは何もないから、赤坂見附まで来てもらってもいいですか?」
アサミ「大丈夫です。私はいつでも移動できますから」
6回目デートは、18時に赤坂見附駅近くで待ち合わせとなった。
ジェントル「本当に今日はお待たせしちゃってごめんなさい」
両手を合わせ、申し訳なさそうに謝ってくる。
アサミ「いいえ、全然! ホント、私たち編集の仕事でも待ち合わせを遅らせてもらうことがよくありましたから」
20代の頃の話だが、仕事がどうしても終わらなくてデートをキャンセルしたことがある。その後「僕のことはそんなに好きじゃないでしょ」とフラれたが(苦笑)。
ジェントル「時間をちゃんと管理できないのはいけないんですけどね」
アサミ「お仕事お疲れ様でした。もう大丈夫なのですか?」
ジェントル「はい。無事に全部終わりました。お腹すいたでしょ? 何か食べに行きましょう」
こじんまりとした、エスニック料理のお店に入った。テーブル席はほとんど埋まっていたので、カウンター席に並んで座る。
いままで男性と2人というシチュエーションで、隣に座ったことはあまりなかった気がする。だから隣に座るだけでドキドキしてしまう。これも恋愛下手な40代独女にありがちなこと?
ジェントルさんとのデートは1回目のディナー、2回目のランチもカウンター席だった。3回目のランチ、4回目のカフェとディナーはテーブルの角を挟んで隣。
意図的なのか偶然なのかわからないけれど、カウンター席にしてもテーブル席にしても隣に座るパターンが圧倒的。向かい合って座ったほうが少ない。
心理学的に、正面に座るよりも隣に並んで座ったほうが親密になりやすいと言われている。確かにそうかもしれない。
婚活をして2年半、デートでは隣に座った相手のほうが最終的に会話がはずんだ印象はある。ま、初回デートでいきなりカウンター席は、別の意味でハードル高いんけど……。
それにしても、このエスニック料理のカウンターは、いままでよりもずっと席と席とが近い。フツウに座っていても、私の肩が彼の腕に触れる距離感。
忘れないうちに今日の本題を果たしておかないと! ……って、告白じゃなくて口実だけど(笑)。
アサミ「お話した金沢のお土産、お渡ししていいですか?」
ジェントル「わ、うれしい」
アサミ「柚子ポン酢と、食用の金箔です」
ジェントル「ありがとうございます。金箔、オシャレ」
よかった……。お土産、よろこんでくれたみたい。家でお料理するって言っていたから、調味料とかなら使ってもらえると思って選んだ。
アサミ「ポン酢は個人的に美味しかったものなんです。ぜひ鍋のときにと思って。金箔は和え物や煮物のトッピングとか、パスタの仕上げにかけてもいいかなって」
ジェントル「僕、ときどきお弁当を作って行くので、ごはんにかけてもいいかも」
アサミ「すごい、お弁当男子なんですね。私、お弁当を作ったなんて5回くらいしかない(苦笑)」
ジェントル「じゃ、今度お弁当つくってあげましょうか」
お弁当を作ってあげる⁉ え、え、え、いいんですかっ!? うれしすぎる……!
そのあと食事をしながら、さっきまで彼がやっていた仕事のことや、作品づくりのこと、アトリエのことなどを話していた。
イスの距離が近いカウンター席。かなり接近して座っている。いままでで一番近い距離感で座っている二人。でもイヤじゃない。むしろ、その近さがうれしく感じた。
接近している二人、例によってまたネイルをほめてくれたりと、ムードはそれなりに出来つつあったと思う。だけど告白する雰囲気までは至らなかった。この決意したのに一歩踏み出せない感じも、恋愛下手な独女の傾向だろう。
食事を終えて、エスニック料理店を出た。20時半を過ぎたくらいだった。まだそんなに遅い時間ではないから、もう少しお話したいな。どこかお茶でもって言おうかな。そのときだった。
ジェントル「もしよければなんですけど、さっきお話した僕のアトリエ、寄っていきませんか?」
アサミ「え?」
食事のときにアトリエの話を聞いていた。店から歩いて5~6分くらいの場所、と言っていた。
ジェントル「今日、美術館は間に合わなかったけれど、ちょっとだけ僕の作品も置いてあるので、もしよかったら」
アサミ「いいんですか?」
ジェントル「はい。コーヒーだけでも飲んでいってください」
彼のアトリエ! オフィスではないから誰かがいるわけじゃないよね? ってことは2人っきりってこと? やだ、どうしよう。もしかして告白するチャンス⁉ いままで以上に胸が高なるのであった……。
【ジェントルさんのアトリエへ。初めて2人きりになる⁉ 5月15日(水)17時をお楽しみに!】
【前回はコチラ】
#143 40代独女「初めてのアレ」を決意する…⁉【40代編集長の婚活記】
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