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【医師監修】統合失調症の原因とは? 症状と診断基準

目次

脳の働きをうまくまとめられなくなり、日常生活に支障をきたすこともある統合失調症。その発症率は100人に1人ともいわれており、決してまれではありません。そんた統合失調症の原因や診断基準をチェックしていきましょう。

この記事の監修ドクター

森若奈 先生 精神保健指定医、日本精神神経学会専門医、日本医師会認定産業医。精神単科病院、総合病院、クリニック、産業医等様々な場での経験を活かし、現在は予防医学や早期介入にも力を入れている。 女医+(じょいぷらす)所属。

統合失調症とは?

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統合失調症の症状

脳にはさまざまな領域と働きがあります。統合失調症とは病名が示す通り「脳の働きの統合(まとまり)」がうまくいかなる状態となる病気です。そんな統合失調症の症状は、大きくふたつに分類することができます。以下、統合失調症の症状を確認していきましょう。

■陽性症状 「幻覚」「妄想」など、統合失調症の症状として目立つものを陽性症状と言います。基本的には「あるはずのないものが現れる症状」ということができます。これらは他の精神疾患でも見られますが、統合失調症の場合「幻聴」が最も多く現れるといわれています。

■陰性症状 思考力、感情、意欲などが乏しくなっていく症状を指します。陽性症状とは異なり病気とは分かりにくく、周囲から誤解を受けやすい症状と言えるでしょう。

統合失調症の特徴

統合失調症には様々な症状がありますが、その中でもやはり妄想・幻覚などの「陽性症状」は特徴的であると言えます。統合失調症の患者にとっては、妄想・幻覚が現実の出来事として意識・体験されている点も大きな特徴と言えるでしょう。

ちなみに妄想とは、間違った情報を頑なに信じる症状です。例えば、陰謀に巻き込まれている、あるいは(事実ではないのに)隣人や家族から嫌がらせを受けているなどと思い込む「被害妄想」。さらには、自分とは関係ない人の動作や出来事が自分と強く関係しているように考えてしまう「関係妄想」などが見られます。

また、幻覚とは「無いはずのもの・いないはずの誰かが見える」「聞こえないはずの声が聞こえる」などの症状です。例えば他人には聞こえない「声」が患者の悪口・噂を言っているように聞こえる、というような症状が見られます。また人によっては、匂い(幻嗅)、味(幻味)、触覚(体感幻覚)などが起きるケースもあります。

統合失調症になる原因は?

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神経伝達物質の低下

統合失調症になる原因は完全には解明されていません。しかし、さまざま要因が指摘されており、また仮説も提唱されています。統合失調症になる原因のひとつと考えられているのが、神経伝達物質の機能異常です。以下のような仮説があります。

■グルタミン酸仮説 脳内のグルタミン酸に異常が起きることで統合失調症が引き起こされるという仮説です。グルタミン酸仮説ではグルタミン酸の機能低下が影響する、と考えられています。

■ドーパミン仮説 前頭葉のドーパミン神経機能に異常が起きることで統合失調症が引き起こされるという仮説です。ドーパミン仮説ではドーパミン神経の過活動が影響している、と考えられています。

何らかの原因で神経伝達物質の機能異常が起きると、文字通り神経間のやりとりが正常に行われなくなります。これは脳における「働きや構造の微妙な異常」と言うことができるでしょう。また、統合失調症と「脳そのものの先天的特徴・萎縮・体積減少」などとの関係も指摘されています。

親からの遺伝が関係

統合失調症は病気そのものが遺伝するわけではありませんが、遺伝がある程度関係していると考えられています。例えば、統合失調症のママから生まれた子どもの場合、発症率は1割程度と言われています。また、一卵性双生児が両方とも統合失調症を発症するケースはおよそ半数とされています。

ストレスが関係

ストレスも統合失調症になる原因と考えられています。結婚、進学、就職、死別といった人生の大きな節目に、強いストレスや緊張がかかることで、統合失調症発症(あるいは悪化)につながるケースがあるのではないか、と言われています。ただし、同じ境遇・同等のストレスを受けても、すべての人が統合失調症を発症するわけではありません。その理由は、ストレスの感じやすさなどに個人差があるからです。

統合失調症の診断

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診断基準による判定

統合失調症の診断は「米国精神医学会」や「WHO」の診断基準に基づいてされることが一般的です。今回は、米国精神医学会の「DSM-IV-TR」(精神疾患の分類と診断の手引き)から統合失調症の診断基準を紹介します。

(A)特徴的症状として「妄想」「幻覚」「まとまりのない会話」「まとまりを著しく欠いた行動(あるいは緊張病性の行動)」「陰性症状」の中でふたつ以上が現れる。(*それぞれ少なくとも1ヶ月の期間、症状が存在する。ただし、治療が成功した場合はより短期) (B)社会あるいは職業的機能の低下 (C)少なくとも半年以上の障害の持続 (D)統合失調感情障害と気分障害が除外されていること (E)一般身体疾患や薬物などの物質が原因ではない (F)自閉症・他の広汎性発達障害の既往歴がある場合は、1ヶ月以上幻覚や妄想が顕著である場合に追加診断(ただし、治療が成功した場合はより短期)

家族や周囲からの情報

統合失調症患者の家族や周囲の人は、以前とは様子が違う、行動や会話がおかしい…といった変化に、いち早く気づくことができる存在と言えるでしょう。統合失調症を発症している人の中には、自分が統合失調症であるとの自覚症状がないケースや、周りの人の訂正を聞き入れないケースがあります。そのような意味でも、外部の視点から患者を見ている家族や周囲からの情報は統合失調症の大きな判断基準となるのです。以下、家族や周囲が気づきやすいサインについてご紹介します。

■妄想や幻覚の症状 ・命令するような声が聞こえると訴える ・悪口、監視、盗聴などを訴える(しかし実際には何も起きていない) ・いじめや悪口などの被害を訴える(しかし実際には何も起きていない) ・ひとりごとや、ニヤニヤとした笑いが増える ・常に緊張し、不安な様子

■気持ち・意欲の変化 ・興味や意欲を失っているように見える ・こもりがちになり、他人を避けているように見える ・趣味などに打ち込まなくなった ・ただ、ごろごろしている時間が増えた ・入浴しない ・おしゃれ(外見)に気を配らない

■言動のサイン ・言っていることが支離滅裂 ・まとまりや要点のない話が多い ・相手の伝えたいことがわからない(相手が何を言っているのか理解できない) ・仕事や家事等の作業で間違いが多くなった

■感情の変化 ・相手の表情や感情がうまく汲み取れなくなる ・感情が平板になる

医師の診察

統合失調症の診察は、多方面から行われます。心の疾患は、エックス線検査やCTスキャン検査などで見つけることができません。そのため、すでにご紹介した診断基準・家族や周囲からの情報ほか、患者さん本人の訴えや、生活環境、性格、既往歴・服薬歴、病気の家族歴などを参考にしつつ、診断を下していくことになります。

また、統合失調症の患者さんに対面したとき、何か言葉で表現するには難しい独特な感情・感覚を受けることがあります。このような感情・感覚を、オランダの精神科医リュケムは「プレコックス感」と名付けました。医師が診察する場合には、患者さんの表情や態度とともに、プレコックス感のようなものが感じられるかについても、ひとつの判断材料になるでしょう。

まとめ

統合失調症は、以前は「精神分裂病」という病名で呼ばれており、「二度と普通の社会生活が送れない」「話しかけても通じなくなる」「突然、訳の分からない言動をみせる」などのイメージもあったと考えられます。しかし、統合失調症になったからといって、脳の働きの統合・心の働きが必ずしも完全に破壊されるわけではありません。比較的軽症のケースもあり、回復し普通に社会生活を営む方も数多く存在します。新しい治療法や薬も出てきていますので、仮に統合失調症と診断されても悲観しすぎる必要はありません。主治医とコンタクトを取りながら改善を目指していきましょう。


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この記事の著者

マイナビウーマン子育て

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