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「星のや東京」に聞いた!現代人の感性に響くモダンな和室づくりのポイントとは

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当記事はSUUMOジャーナルの提供記事です

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「星のや東京」に聞いた!現代人の感性に響くモダンな和室づくりのポイントとは

日本ならではの空間「和室」。純和風の家はあまり見かけなくなりましたが、和室は時代を問わず支持されています。畳や障子といった床材や建具を配した部屋はシンプルなだけに、アレンジの幅も多様。今回は、東京・大手町に昨年7月にオープンした都市型旅館「星のや東京」を訪ね、和モダンなお部屋づくりのヒントを探りました。
現代人の感性をくすぐる洗練された和室

リゾートホテル・温泉旅館を手掛ける星野リゾートが、“圧倒的非日常感”を追求した日本発のラグジュアリーホテル「星のや」。京都、竹富島、軽井沢、富士に続いて開業した「星のや東京」は、“塔の日本旅館”をコンセプトに、地上17階建てのビル1棟をまるごと旅館に仕立てています。

【画像1】ビジネスの中心地である大手町のビル群に馴染なじむダークブラックの外観(画像提供/星のや東京)

【画像1】ビジネスの中心地である大手町のビル群になじむダークブラックの外観(画像提供/星のや東京)

【画像2】よく見ると江戸小紋の「麻の葉」のデザインが施されている(画像提供/星のや東京)

【画像2】よく見ると江戸小紋の「麻の葉」のデザインが施されている(画像提供/星のや東京)

【画像3】紙吹雪の柄をイメージした「手すき和紙」のウォールと、木材をかさねて曲線美を演出したエントランスカウンター。落ち着いた色味は「弁柄(べんがら)」と呼ばれる顔料を混ぜ、左官職人が3度塗りして仕上げた。日本の赤をイメージしているという(撮影/片山貴博)

【画像3】紙吹雪の柄をイメージした「手すき和紙」のウォールと、木材をかさねて曲線美を演出したエントランスカウンター。落ち着いた色味は「弁柄(べんがら)」と呼ばれる顔料を混ぜ、左官職人が3度塗りして仕上げた。日本の赤をイメージしているという(撮影/片山貴博)

現代の生活にあわせた快適性を兼ね備える和室を追求している「星のや東京」。「純和風の日本旅館のエッセンス、日本古来の伝統的な建築様式や工芸の味わいを守りながら、現代人の感性に響く造りを意識しています」と話すのは広報担当の岩岡大輔さん。

まず、案内していただいたのは、客室「菊」。定員3名、83m2の広々としたお部屋です。

【画像4】家具も建具もすべて「星のや東京」オリジナルデザインで統一されている(撮影/片山貴博)

【画像4】家具も建具もすべて「星のや東京」オリジナルデザインで統一されている(撮影/片山貴博)

特に印象的なのは壁の色使い。和室と言えば、白い漆喰(しっくい)の壁が定番ですが、印象的なのはブルーとグリーンを2色使いしているところ。ブルーは「群青色」、グリーンは「あさぎ色」と、日本ならではの“曖昧さ”を感じさせる和カラーであり、落ち着きと和みを感じる空間になっています。

「白い壁だと単調になってしまうので、和を感じる色を配しています。塗り壁は左官職人さんによる手仕事なので、照明が当たると日本らしい柔らかいテクスチャーを楽しむことができます」(岩岡さん、以下同)

また、畳は「目積表(めせきおもて)」と呼ばれる織り方のものを使用。一般的な畳の表面が、縦糸と縦糸の間隔が約1.4cmであるのに対して、目積表は0.7cmと細かくなっています。

「目が細かく縁なし仕上げの畳なので、繊細な仕上がりで、一般的な畳とは印象が異なります。い草ならではの肌触りや懐かしさはそのままに、床面をよりモダンな印象に仕上げることができるんです。また、光の反射で表面の色味や質感が変化するのも魅力。単調にならないように『市松敷き』にしています」

【画像5】畳の目が細かく縁もないため、すっきりとモダンな風合いになる。目の向きを変えることで光の反射によって表情が生まれる(撮影/片山貴博)

【画像5】畳の目が細かく縁もないため、すっきりとモダンな風合いになる。目の向きを変えることで光の反射によって表情が生まれる(撮影/片山貴博)

【画像6】障子は一枚飛ばしで開閉できるようになっており、開けると江戸小紋の「麻の葉」をモチーフにした柄がのぞくようなデザインに。日が差すと障子や畳に柄の影が落ち、美しい模様になる(撮影/片山貴博)

【画像6】障子は一枚飛ばしで開閉できるようになっており、開けると江戸小紋の「麻の葉」をモチーフにした柄がのぞくようなデザインに。日が差すと障子や畳に柄の影が落ち、美しい模様になる(撮影/片山貴博)

建具はエントランスで使用していたものと同じ、栗の木と竹を組み合わせたデザイン。

「栗の木は日本ならではの建材で、かつては日本の一般家屋でも使われていたようです。全部を栗にするのではなく、竹の本麻編みと組み合わせています。竹の皮面を出すことが一般的ですが、『星のや東京』では薄く裂いた中面を表に出しています。そうすることでモダンな印象の色合いになります」

【画像7】栗の木の木目模様が波紋のようで何とも美しい。籠編みにしている竹も色味が統一されており、滑らかな質感から品格を感じさせる(撮影/片山貴博)

【画像7】栗の木の木目模様が波紋のようで何とも美しい。籠編みにしている竹も色味が統一されており、滑らかな質感から品格を感じさせる(撮影/片山貴博)

和文化を再解釈したインテリアを効果的に取り入れる

和室のコーディネートで参考になるのが、竹の足を使った小さなテーブルと足を伸ばせるソファ。

「館内の家具は、全ての『星のや』のオーダーメイド家具を手掛ける埼玉の『ヒノキ工芸』に依頼しました。京都の職人さんがつくる竹を割いて四角い形状にした茶室の天井にも使われる竿縁を足にしており、スタイリッシュなデザインに仕上げています。また、足を伸ばせるソファは、畳仕様で高さを低くしています」

【画像8】畳の上でゴロンと横になる感覚でくつろげるソファ。“ソファ然”としていないため、畳部屋とも調和している(撮影/片山貴博)

【画像8】畳の上でゴロンと横になる感覚でくつろげるソファ。“ソファ然”としていないため、畳部屋とも調和している(撮影/片山貴博)

また、クッションカバーも独特なデザイン。

「クッションカバーは海外のデザイナーが、日本の伝統柄をイメージしてデザインされたファブリックを採用しました。日本にインスピレーションを受けた外国の方のフィルターを通すことで、和の要素を残しつつも、インテリアに少しモダンな印象を添えることができると考えています」

【画像9】メタリックな色合いのクッションカバーは、質素な和の要素にラグジュアリーさをプラスしたようなデザイン(撮影/片山貴博)

【画像9】メタリックな色合いのクッションカバーは、質素な和の要素にラグジュアリーさをプラスしたようなデザイン(撮影/片山貴博)

続いて案内された2名定員の客室「桜」でも、気になるインテリアを発見。

【画像10】梅紫色の和カラーのウォールが温かみを醸し出すダブルの客室「桜」(撮影/片山貴博)

【画像10】梅紫色の和カラーのウォールが温かみを醸し出すダブルの客室「桜」(撮影/片山貴博)

こちらもヒノキ工芸が制作したオリジナルの椅子。座椅子とは異なる座り心地の良さが特徴です。

「『畳ソファ』と呼んでいます。正座した人と同じ目線になるため座椅子と似ていますが、現代人にとって座椅子は長く座ると、どうしてもしんどくなってしまいます。こちらの畳ソファは、青森ヒバを1本1本曲げて背面と腕置きに配しているので、身体を預けるとしなってフィットします」

【画像11】デザインが凝っているだけではなく、腰を楽に支えるクッションと、背中と腕に沿う青森ヒバがとても機能的(撮影/片山貴博)

【画像11】デザインが凝っているだけではなく、腰を楽に支えるクッションと、背中と腕に沿う青森ヒバがとても機能的(撮影/片山貴博)

「桜」の障子には組子の両面に障子紙を張る「太鼓張り」を採用。障子は差し込んだ光が拡散されて部屋が明るくなります。

【画像12】太鼓張りの障子はふわっとした光の広がりが魅力。全客室にロールスクリーンがあり、遮光性も確保している(撮影/片山貴博)

【画像12】太鼓張りの障子はふわっとした光の広がりが魅力。全客室にロールスクリーンがあり、遮光性も確保している(撮影/片山貴博)

美しい和のしつらえを残しつつも、現代人の感性になじむようデザインされた「星のや東京」の客室づくり。すべてオーダーメイドなので、そっくりそのまま真似するのは難しいかもしれませんが、和室の壁の色合いや家具、畳や障子などをコーディネートする際には、ぜひ参考にしてみてくださいね。

●取材協力
・星のや東京 住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

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SUUMO

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