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岡山の店内破損事件にみる、子供を注意しない親に対するネットの意見

目次

子供は騒ぐものと世間はわかっていても、公共の場でやんちゃしすぎた子供に対して親がしつけないのは問題。一部のママの話のせいで、きちんとしたママたちまで一緒にされてしまうのは悲しいですよね。岡山の店内破損の件について、今まであったネット炎上もあわせて掲載しました。

記事の著者

ネットニュース編集者中川淳一郎 1973年生まれ。東京都立川市出身。一橋大学商学部卒業後、博報堂CC局で企業のPR業務を担当。2001年に退社し、しばらく無職となったあとフリーライターになり、その後『テレビブロス』のフリー編集者に。企業のPR活動、ライター、雑誌編集などを経て『NEWSポストセブン』など様々なネットニュースサイトの編集者となる。主な著書に、『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『ネットのバカ』(新潮新書)、『夢、死ね!』(星海社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)、『電通と博報堂は何をやっているのか』(星海社新書)など。

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岡山県総社市の喫茶店が、開店から17時まで、幼児連れの客の来店を当面断る方針をツイッターで報告した。これに対して批判的な意見もあるものの非常な丁寧な物言いで事情を説明しているため、子育て中の人からも含め、理解を示す声も多い。同店が問題視しているのは、店内の設備を破損したり乱雑に扱った場合に親がその旨を報告しないで帰ってしまうことである。

障子に指で開けたと思われる多数の穴が開き、パンチをしたような跡も残っている。店は弁償を求めているわけではないのだが、せめてこうした行為をしたことを保護者が報告してほしかったと嘆いている。

今回、ネットでは子供を責める声というよりもむしろ子供のやんちゃっぷりをたしなめない親を非難する声が多い。その時の定型句は「子供が騒いでいるのに親はスマホで無関心な状態は腹立たしい」といったものである。

子供が店内で騒いだり走ったりすることは仕方がないため、親がキチンと注意すべき、という点については多くの人が同意している。女性セブンが男女の読者422名に「マナー違反をする他人の子供を叱るべきかどうか」という質問をしたところ、86.5%が「賛成」と答えた。これは「叱るべき」と考える人が圧倒的多数という結果である。そして「実際に叱ったり注意したりしたことはありますか?」と言う質問に「ある」と答えた人は72.3%と多数派だった。

しかし、中には親から逆切れされたりするリスクもあるし、もしこの質問が「マナー違反をする子供の親に注意できますか?」だったら数字は低くなったかもしれない。さらに、客商売をしていると、客に対して「やめさせてください」という要求はしづらいもの。かくして子供のマナー違反は野放しになり、冒頭の喫茶店のような状況になってしまう。

ネットにおいて子供のマナーについては論争の対象となりがちだ。いくつかのイシューを挙げると以下のものがある。

・電車や飛行機の中で泣きわめく ・店の中を走り回る ・レジでの精算前の商品を食べてしまう

3つ目の場合は「これから精算ちゃんとするからいいでしょ?」と親から言われたといった報告もあり、基本的には「子供は悪くない。ただし、親が躾けないのが悪い」といった論調になる。そして、常にネット上では「子供のマナーの悪さを叱らないバカ親」というテーマに発展し、きちんと躾をする親までもが肩身の狭い思いをしてしまう。

◆日本初の大規模炎上は子供のマナーをめぐるものだった

実は、日本のネット炎上史の初期においてもっとも高い存在感を誇る「JOY祭り」は、店内での子供のマナーに端を発するものだ。JOYを名乗る女性のネット上の日記に書き込まれた内容が炎上の火元となった。

JOY一家とJOYの弟一家が居酒屋へ行ったところ、娘が店内を走り回った。席に戻ってきた娘はJOYに「親の躾がなっていないと言われた」といった話をした。娘に誰がそんなことを言ったかを問いただしたところ、一人の男性従業員を指さす。JOYは「お前、うちの子たちが走り回ってるのを見て親のしつけがどうとか言ったんだって?」と言うも従業員は否定。だが、娘はやはりその従業員が言ったと述べ、JOYは胸ぐらを掴んで「やっぱりテメーが言ったんじゃねーか!!」とすごむ。そこに弟と夫が出てきて店員を殴ったと報告。JOYのキメゼリフは「店のためだよ」である。

さらには夫が〈店長にも「お前んところは従業員にこういうことを平気で言うような教育をしているのか!と怒鳴りまくり。かなり大暴れしてしまいました〉(原文ママ)といった状態になった。

この「暴力自慢」「躾をしないことを正当化する」という点が当時のネット民の心を逆なでし、JOYのネット掲示板が炎上するほか、実名晒しやJOYと娘が登場した雑誌の写真も公開されるなどし、「史上初の大規模炎上」とも言われるようになった。

2014年~2015年頃にかけ、「電車や人ごみの中のベビーカーが邪魔だ」といった批判が相次いでいたがここ最近は「母親は大変だから使用に目くじら立てないでおこうよ」といったトーンになっている。だが、今年の初詣の時期、東京・板橋区の寺がベビーカー利用の自粛を訴えたことから騒動が勃発。寺の対応に対し批判もあったが、寺の言い分を聞くとそれも仕方ない、といった論調に。ベビーカーを帯同していると優先的に入れるようにしていたところ、もはやベビーカーに乗る年齢でもない子供を乗せて一家全体で専用レーンを利用し、優先してもらう、という人々も出てしまうのだ。1時間待ちといった一般の列の人間からすれば「なんだ、あいつらは!」という声が出たのだという。結局、一部の非常識者のせいで、まともな人々が割を食う形となってしまっているのである。

これはビーチでの「中国人は椅子の使用料10倍」、カフェでの「勉強禁止」、ファストフード店での「〇〇大学の学生利用禁止」などにも見られる状況である。今回の喫茶店の騒動については多くの子育て中の人にとっては心が痛む話になったことだろう。少数派の非常識な親と同列に見られたくない!と反論もしたくなったことだろう。

こうしたネットの議論や炎上はある程度の合理的な理由は存在しつつも、その一方、まったくワケが分からないのが辻希美・杉浦太陽夫妻の子供にまつわる炎上騒動である。一家が新幹線に乗っている時の様子をブログで報告したのだが、これが炎上したのだ。その最大の理由が「子供もグリーン車に乗っている」という点である。要するに「ぜいたくだ!」と言いたかったわけだ。それに加え、3歳の息子が股を広げて座っている姿がだらしないと批判された。脚を下ろして座るには息子は小さ過ぎ、背もたれを使おうとすると必然的にこうした大股開きの胡坐のような恰好になるのは仕方ないわけだが、一枚の写真の破壊力はすさまじかった。

大人たちが寄ってたかって辻の子供を叩いたのだった。これを見ると親の躾云々を言ってる人こそ、ネット上でのマナーをこれまで学ばなかったのかよ、とも思ってしまう。

(中川淳一郎)


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マイナビウーマン子育て

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