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【医師監修】40代女性の自然妊娠確率と妊娠を望む場合に心がけたいこと

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目次

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女性の社会進出と晩婚化が進むにつれ、35歳以上のいわゆる「高齢出産」(高年出産)の割合も上昇してきました。しかし年齢を重ねてからの妊娠・出産がさまざまな困難とリスクを伴うことはご存知の方も多いと思います。今回、40代の女性に焦点を当て、自然妊娠の確率、妊娠・出産のリスク、妊娠を目指すうえでのポイントをまとめました。

この記事の監修ドクター 浅川恭行先生 平成5年 東邦大学医学部卒業、同東邦大学大学院医学研究課入学、横須賀聖ヨゼフ病院を経て平成21年より東邦大学医療センター大橋病院 産婦人科講師。平成23年より医療法人 晧慈会 浅川産婦人科 理事。平成28年より同産婦人科、理事長、院長。医学博士、日本産科婦人科学会専門医、日本内視鏡外科学会技術認定医、日本産婦人科医会幹事、日本産科婦人科内視鏡学会理事、日本女性医学会 評議員

年齢が妊娠に及ぼす影響

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自然妊娠とは?

自然妊娠とは、医学的に定義されているわけではありませんが、一般に、排卵誘発や人工授精などといった生殖補助医療を利用することなく、自然に妊娠することを意味します。

一般的に、女性の年齢が高くなると、妊孕力(にんようりょく。妊娠する力)は低下します。では、なぜ加齢に伴って妊娠する力が低くなるのでしょうか。その理由を探ってみましょう。

加齢とともに妊娠しにくくなる原因

女性の年齢が上がると妊娠しにくくなる主な原因は、加齢とともに卵子の数が減少することに加え、質の低下、つまり卵子自体の老化が起こるからと考えられています。卵子の老化が及ぼす影響はさまざまですが、大きく以下の3つにわけられます。

(1)自然妊娠でも生殖補助医療を利用しても妊娠・出産する割合が低下する (2)流産のリスクが高くなる (3)染色体異常の確率が高くなる

卵子の元になる卵巣中の卵母細胞は、実は女の子が胎児としてお母さんのお腹の中にいるときすでに作られており、そのときが最も多くて約700万個ありますが、そこからどんどん減っていきます。出生時の約200万個から思春期にはおよそ30万個に減り、その後歳を重ねるごとに減少して、37歳ごろを過ぎると急速に減少し約1,000個以下になると閉経します(図1)。

図1女性の年齢と卵子の数の変化

卵子は、卵母細胞がホルモンの影響で発育・成熟してできる卵胞から排卵されますが、ほぼ毎月ある生理周期では複数の卵母細胞が成熟するものの、実際、排卵に至るのはたった1個です。なお、卵母細胞から成熟する卵胞の数は高齢になるほど少なくなります。

卵巣で待機しているとき、卵母細胞は休眠状態にありますが、女性の年齢が上がるに伴って、老化していきます。卵母細胞は減数分裂と呼ばれる2回の分裂を経て卵子になりますが、卵母細胞が老化すると減数分裂がうまくできなくなるために、染色体異常をもつ卵子がつくられることがあります。

このように、「加齢→卵母細胞(卵子)の老化→染色体の異常→受精しない、受精しても妊娠に至らない、流産してしまう」という関係がわかっています。

何歳まで自然妊娠できる?

では、自然に妊娠できるのは何歳ごろまでなのでしょうか。女性がもっとも妊娠しやすいのは20歳前後とされていますが、30歳を超えると徐々に妊孕力は下がり始め、35歳くらいから明らかに低下、40歳を過ぎると急速に低下します[*1]。そして、45歳を過ぎると、生殖補助医療を受けても妊娠することはきわめて少ないとされています。

女性は完全に生理がとまると、それ以降は妊娠できなくなります。何歳まで自然妊娠できるかは、理屈のうえではその人が閉経する時期に左右されるということになりますが、実際には閉経の約10年も前から、妊娠する可能性は非常に低くなると言われています。なお、日本人の平均閉経年齢は約50歳ですが、個人差が大きく、早い人では40歳台前半、遅い人では50歳台後半に閉経を迎えると言われています[*2]。

男性の場合はどうでしょうか。男性も年齢が高まるにつれて精巣機能は低下し、精液量、正常な形の精子や精子の運動能が減少します。また、加齢によって精子のDNA異常も増加すると考えられています。その結果、例えば、35歳以上の男性では、25歳未満の男性に比べ、1年以内に妊娠に至る確率は半分と報告されています。

なお、特殊な事例になりますが、ベドウィン(アラブ系遊牧民)の女性では45歳以降に出産した女性が0.38%(133/34,519人)おり、最後の出産時の平均年齢は46歳(範囲45〜52歳)であったという報告があります。これらの女性では遺伝的に卵巣・卵子の加齢が遅くなる素因があるのではないかと考えられています[*3]。

高齢出産が増えている理由

加齢とともに自然妊娠しにくくなるにもかかわらず、ライフスタイルや社会環境の変化により晩婚化と晩産化が進行し、高齢出産は増加傾向にあります。女性の平均初婚年齢は1995年において26.5歳でしたが、2015年は29.4歳と2.9歳上昇しています[*4]。

また、出生時の母親の平均年齢を出生順位別にみると、1995年は第1子、第2子、第3子の出生時にそれぞれ28.5歳、29.8歳、32.0歳、一方、2015年にはそれぞれ30.7歳、32.5歳、33.5歳と1.5〜2.7歳上昇しています[*4]。

晩婚化の要因としては、非正規就労者の増加、親との同居の増加、家庭における男女の役割について男性では伝統的な価値観、女性では非伝統的な価値観を持っているという考え方の相違などが影響しているのではと言われています[*5]。

自然妊娠する確率を年代別にみると

自然な受胎を試みていて、女性が40歳までのカップル782組を対象に年齢と妊娠率の関係を調べた欧州7施設の研究によると、19〜26歳の女性が自然妊娠する確率は27〜29歳の女性よりも高く、30〜34歳の女性と27〜29歳の女性ではほぼ同じであったが、35〜40歳の女性では他の年代よりもかなり低下するという結果が報告されています[*6]。

また、この調査では、例えば、週2回の性交をするカップルの場合、12回の生理周期を経て自然妊娠する確率は、19〜26歳では92%、27〜34歳では86〜87%、35〜39歳では82%で、性交の回数が週1回に減ると、それぞれ85%、76〜78%、71%に低下したと報告しています[*6]。

40代の自然妊娠率とリスク

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40代の自然妊娠率は10%未満!?

20代または30代前半の健康なカップルの場合、女性が自然に妊娠する可能性は、それぞれの生理周期あたり25〜30%と言われています。37歳以降になるとこの割合は急速に低下し、40歳までに10%未満に低下します。男性の場合も年齢とともに低下しますが、何歳で何%ぐらいという予測は困難です[*7]。

40代で不妊治療をした場合の妊娠率は?

40歳を超えると自然妊娠の可能性が20〜30代前半よりもかなり低下することはわかりました。では生殖補助医療を受けた場合の妊娠率はどれくらいでしょうか。

日本産科婦人科学会が毎年全国で集計している生殖補助医療の成績(2016年)によると、20代後半〜30代前半で生殖補助医療を受けた女性の妊娠率はおよそ40〜45%であるのに対し、40歳で26%、その後45歳までに6.4%へと急激に低下します。46歳以降の妊娠率はわずか5%未満です[*8] 。このように、40歳を超えると、自然妊娠だけでなく、生殖補助医療を利用しても妊娠することがかなり難しい状態となります。

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図2生殖補助医療を受けた場合の妊娠率・生産率・流産率の年齢による変化(ET:胚移植)[*8] 公益社団法人日本産科婦人科学会, ARTデータブック2016年版より

40代の妊娠・出産のリスク

ここまでで、加齢によって妊娠に至る確率が低くなるということを紹介しましたが、妊孕力は個人差が大きいため、40代で妊娠する人ももちろんいます。では、妊娠したあとで加齢により受ける影響にはどのようなものがあるのでしょうか。

なお、日本産科婦人科学会では35歳以上で初めて出産する人を「高年初産婦」と定義しています。2人目以上の子供を出産する経産婦については、いつからを高年齢とするかは特に決められていませんが、経産婦を含め、おおむね35歳以上の妊娠ではさまざまなリスクが高いため、要注意妊婦とされています。

年齢を重ねると、すでに紹介したとおり、卵子の異常(染色体などの異常)の確率が高まりますが、ほかにもさまざまな合併症の頻度が高くなります。

妊娠高血圧症候群は母親が40歳以上で約8%の発生頻度とされ、35歳未満の妊婦のほぼ2倍です[*9]。また、妊娠糖尿病は35歳以上では20~24歳の8倍、30~34歳の2倍と年齢が上がるにつれ発症頻度が高くなることが分かっています[*10]。ほかにも、流産、早産、胎児発育不全、前置胎盤、常位胎盤早期剥離などのリスクが高くなると言われています[*11]。分娩時には陣痛が弱い、分娩が遅れる、胎児の機能に異常がみられるリスクが高く、帝王切開率も高いことが知られています。

高齢分娩で注目されるのは妊婦死亡率の高さです。2013年の世界の疫学データによると、出産10万人あたりの妊婦死亡率は20〜34歳がおよそ200であるのに対し、35〜34歳ではおよそ350に上昇、40〜45歳ではおよそ600と3倍、45〜49歳では1400と7倍に上昇します[*12]。

生まれてくる子どもに関しては、海外の研究から、母体の加齢に伴って染色体異常が増加することが明らかになっており、例えば、39歳以上の妊婦では何らかの染色体異常をもつ子どもが生まれる確率は100人に1人であると報告されています[*12]。

このように30代後半、とくに40歳以上での妊娠となると、さまざまな面で、20代での妊娠に比べ、リスクが高いことがおわかりいただけると思います。

40代で妊娠を目指す女性が心がけたいこと

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さまざまな困難があるとされる40代での妊娠・出産ですが、ハードルを乗り越えて実際に赤ちゃんを迎え入れることに成功している人もいます。ここでは妊娠を目指す女性のなかでも、特に40代女性が日常生活の中で心に留めておきたいことを紹介します。

妊娠前のメディカルチェックを

カナダ産婦人科学会のガイドラインでは、40歳を超えた女性に対して、高齢妊娠のリスクについてのカウンセリングを受け、適切な健康状態と体重の指導、そして高血圧、糖尿病などといった病気に注意する必要があるとしています[*13]。

米国産婦人科学会(ACOG)生殖医療に関する委員会がまとめた妊娠前カウンセリングについてのガイドライン[*14]では、女性の年齢を問わず、妊娠を試みる前に医療機関を受診することを勧めています。なぜなら、糖尿病、高血圧、精神疾患、甲状腺疾患のような慢性疾患の多くが妊娠後の経過や生まれてくる子どもの健康に影響を及ぼすため、妊娠前に適切な診断・治療を行う必要があるからです。

なお、カウンセリングの際は、普段服用している処方薬やその他の使っている薬剤について確認するだけでなく、常用している栄養補助食品やハーブ製品のなかに生殖や妊娠に影響を与えるかもしれないものがないかどうかもチェックしてもらいましょう。

また、各種感染症に対する免疫を持っているかどうかを調べ、必要な場合は妊娠前にパートナーも含めワクチン接種を受けておくようにしましょう。

葉酸摂取を意識して食事を摂る

神経管閉鎖障害のリスクを下げるために、妊娠の1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月までの間はとくに葉酸を多く含む、栄養バランスの取れた食事を摂取することが推奨されています。葉酸だけでなく、カルシウム、鉄といったミネラルや、ビタミンA、B12、B、D、などを過不足なく摂取するように心がけましょう。

適正な体重は妊娠前から

体重に関しては、BMI(体格指数。BMI=体重kg÷身長m÷身長m)が高くても低くても不妊や妊娠合併症のリスクと関連しているため、正常範囲にすることが勧められています[*14]。

肥満(BMI>35)は妊娠までの期間を2倍、低体重(BMI<19)は4倍に延長させることが報告されています。また、妊娠前の肥満(BMI>30)は妊娠糖尿病、妊娠高血圧腎症(妊娠高血圧症候群のなかでも、全身の臓器に異常の出る、より注意が必要な状態)、陣痛誘発、胎児切迫仮死による帝王切開、産後出血、新生児低血糖症などの危険因子です[*15]。

低体重女性の場合、妊娠前にカロリー摂取量と微量栄養素の摂取量を増加させることで、妊娠期間が延長して子どもの出生時体重が増え、死産と新生児死亡の減少が期待されます。一方、過体重や肥満の女性では、カロリー摂取量を減らし、微量栄養素の摂取量を増加させることで、赤ちゃんの出生時体重を適正化でき、死産と新生児死亡の減少につながると考えられています[*16]。

このように、体重は低すぎても高すぎても妊娠・出産と赤ちゃんのためによくありません。適正な体重を早くから心がけましょう。

できるだけ避けたい生活習慣

喫煙 喫煙は妊娠しやすさに悪い影響を与えます。例えば、喫煙している女性では喫煙していない女性よりも1.60倍不妊になりやすいことが報告されています[*17]。喫煙は卵母細胞の減少を早め、流産のリスクを上昇させます。妊娠を目指すならば、すぐに禁煙しましょう!

アルコール アルコールの影響に関しては明確になっていません。1日2杯(1杯はビール355mL、ワイン148mL相当)以上のアルコール摂取は不妊のリスクを1.6倍上昇させたという報告もあれば、反対に、アルコールを飲まない女性よりもワインを飲む女性の方が受胎までの時間が短かかったという報告や、アルコール摂取量と出生率との間に関係は見られなかったとする報告もあります[*17]。あまり神経質になりすぎるのもかえってストレスになるので良くありませんが、できるだけ過度な飲酒は控えたほうがよさそうです。

カフェイン コーヒーの大量摂取(1日6杯以上)は妊娠しやすさの低下と関連しているとされています[*17]。飲んでも1日1〜2杯にとどめておいてほうが良いでしょう。

適度な運動

妊娠を目指す女性にはどのような運動がお勧めなのでしょうか? 米国産婦人科学会(ACOG)ガイドラインでは、定期的な運動は循環器系の健康状態を改善し、肥満と関連する合併症を減少させ、寿命を延長させる効果があり、適度な運動を最低でも1日30分間、週5日(週150分)の運動を行うように勧めています。このレベルの運動量は妊娠前、妊娠中、出産後の女性に勧められるとのことです[*13]。

妊娠前に過体重 (BMI 25〜<30)であると、妊娠中に体重が増えすぎるリスクが3倍に高まりますが、適度な運動を妊娠前に実践しているとリスクが低下するという報告があります[*18]。また、1週間にほぼ毎日30分以上の運動を行っている女性は、妊娠中の体重増加が推奨範囲になりやすいとされています[*18]。妊娠前から運動する習慣を身につけておくことが大切です。

積極的な夫婦生活

性交の頻度が高いほど妊娠する確率は高まるため、積極的な夫婦生活が望ましいものの、計画的な性交を続けていくことが逆に心理的ストレスとなることもあります。夫婦間でよく話し合い、無理のない範囲で協力していくことが大切ですね。

まとめ

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このように、自然妊娠であっても不妊治療を利用した妊娠であっても、加齢に伴って妊娠する確率は低下します。妊娠しても、高齢での妊娠・出産にはさまざまなリスクを伴います。そのため、年齢に応じた妊娠・出産の可能性についてよく理解し、若いうちから妊活も含めたライフプランを考えておくことが大切ですね。30代後半、40代で妊娠を望む場合には、上記のポイントをふまえ、日頃の生活習慣をできるだけ整えることから始めてみてはいかがでしょうか。

(文:小林晋三/毎日新聞出版MMJ編集部/監修:浅川恭行先生)

※画像はイメージです


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情報提供元:マイナビウーマン子育て



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