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【医師監修】妊娠中のこんな頭痛には要注意! 薬は飲める? 妊婦の頭痛対策

目次

妊娠中はマイナートラブル(妊娠に伴って起こる不快症状)が付き物ですが、そのひとつに「頭痛」があります。そんな多くの妊婦さんを悩ます頭痛ですが、ひと口に“頭が痛い”といっても原因やタイプがいくつかあり、妊娠中の対処にはすこし気をつける必要があります。どのような症状からその原因やタイプを考え、ケアをするとよいかまとめます。

この記事の監修ドクター 松峯美貴先生 医学博士、東峯婦人クリニック副院長、産前産後ケアセンター東峯サライ副所長(ともに東京都江東区)妊娠・出産など女性ならではのライフイベントを素敵にこなしながら、社会の一員として悠々と活躍する女性のお手伝いをします!どんな悩みも気軽に聞ける、身近な外来をめざしています。 http://www.toho-clinic.or.jp/

ホルモン分泌の変化で起こる頭痛

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妊娠中には頭痛を訴える人が少なくありません。まず、どのようなタイプがあるのか、知っておきましょう。

ホルモン分泌の変化で頭痛

妊婦さんに最も多くみられる頭痛は、「血管拡張性の頭痛」です。妊娠によって変化したホルモン分泌の影響で起こります。

そのメカニズムは次のようになっています。

①妊娠によってプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増える ↓ ②プロゲステロンが自律神経に作用し、末梢の血管を拡張させる ↓ ③脳の中の血管が拡張して、周囲の神経を刺激し、その刺激で発生する炎症物質がさらに血管を拡張して頭痛を起こす

※このメカニズムの③については後に紹介する「片頭痛」と同じですが、すこやかな妊娠を維持するために大切なプロゲステロンの分泌によって起こる症状なので、ここでは分けて考えます。

「つわり」の時期にみられる代表的症状のひとつ

つわりは、妊娠初期に起こる吐き気や嘔吐など消化器系の不快症状を指しますが、この時期は頭痛や激しい倦怠感を感じる人も多いです。

プロゲステロンの分泌は、妊娠成立とともに増え始めるので、妊娠初期は妊娠とともに大きく変化するホルモンバランスによって頭痛も起きやすくなります。このタイプでは、妊娠中期以前に訴える人が多いのですが、後期になるとおさまります。

ただし、妊娠前から月経前症候群(PMS)の症状として頭痛があった人、いろいろなタイプの頭痛もちの人、別のタイプの頭痛も合併している人などは、症状が続いてしまう場合もあります。

増えている⁉緊張型頭痛

最近、妊娠中に限らず女性にも増えているのが眼精疲労や肩こりから起こる「緊張型頭痛」です。筋肉の緊張が原因なので「筋緊張性頭痛」という場合もあります。

主な原因は、妊娠による体形の変化から姿勢が悪くなることや、スマートフォンやパソコンの長時間使用などで同じ姿勢をとり続けること、さまざまなストレスなどです。

このタイプの頭痛は、これらの原因を取り除くセルフケアによって軽減できることも多いです。

性成熟期女性に多い「片頭痛」

頭痛のタイプのひとつで、女性に多くみられるのが「片頭痛」です。「片頭痛」を訴える人は、性別、年代別で比べると若い人から中年の女性に多いことが分かっていて[*1]、つまり妊娠・出産の可能性や予定がある性成熟期の女性に多いということができます。

片頭痛の原因は、寝不足や寝すぎ、疲労、雑踏や光、音の強い刺激、ストレスなどさまざまで、それが自律神経に作用し、先に紹介したメカニズム③(脳の中の血管が拡張して、周囲の神経を刺激し、刺激で発生する炎症物質がさらに血管を拡張して頭痛を起こす)につながります。

妊娠以前から「頭痛もち」を自覚していて、頭痛に敏感な人も多いでしょう。頭痛治療の研究では、妊娠すると「片頭痛」の発作は軽減するという見解もあるのですが、松峯先生は「クリニックで患者さんの訴えを聞くと、必ずしもそうではない」と話します。

痛みの感受性には個人差もあり、妊娠によって起こる頭痛が出るなどすれば、「頭が痛い」という症状は同じなので、「片頭痛の発作が増えた」と感じる人もいるでしょう。

ただし、痛みが出たとき、妊娠前に飲んでいた市販薬を飲むなど、以前と同じ対処をするのはやめましょう。妊娠中の薬の飲み方など頭痛への対処法は、後に詳しくご紹介します。

注意しなければいけない頭痛とは?

妊娠中の頭痛には、背後に重い病気がある可能性もゼロではありません。次のような頭痛には注意が必要です!

念のため知っておきたい頭痛を伴う病気

妊娠中の頭痛の中にはまれに「妊娠高血圧症候群」のひとつの兆候であったり、「脳卒中」の前兆としての症状であることもあります。

妊娠高血圧症候群

頭痛とともに、血圧が上がっている場合はすぐに産婦人科を受診しましょう。

妊娠高血圧症候群には、妊娠中に血圧が上がる「妊娠高血圧症」や、高血圧とタンパク尿、または腎臓などの機能障害や赤ちゃんの発育不良などが起こる「妊娠高血圧腎症」があります。

どちらの病気も、重症になると母子ともに大変危険な状態になってしまうこともありますが、明確な原因や予防法は特定されていません。

とはいえ、妊婦さんに対して行われる健診では、血圧や血液、尿の検査などを必ず行い、医師は妊娠高血圧症候群など、妊娠中に起こすと危険な症状や病気のチェックをしています。ですから定期健診を受け、主治医と十分なコミュニケーションがとれていたら、むやみに心配する必要はありません。

ただし、病院で血圧を測ると高い数値が出てしまう「白衣高血圧症」は妊婦さんに限らず多くの人にみられることなので、普段から家庭でも血圧を測り、健診時に主治医に伝えるとより正確な値でチェックできます。なお、妊娠高血圧症候群の高血圧のボーダーラインは収縮期血圧が140mmHg以上、あるいは拡張期血圧が90mmHg以上です。

子癇(しかん)

妊娠高血圧症候群の人が発症しやすい脳血管障害のひとつに「子癇」(けいれん発作)があり、血圧の上昇など妊娠高血圧症候群の症状があらわれる、もしくは悪化して、頭痛や頭重、不穏(落ち着きを失い、興奮状態になる)などの症状を起こした後、全身のけいれんや、意識を失って倒れるといった状態になります。

症状があったら、すぐに119番へ連絡をしましょう。

脳卒中

まず、頭痛の程度が「突然起こり、人生で経験したことのないほどの激しい痛み」の場合はくも膜下出血の可能性がありますので躊躇せず、早急に119番へ連絡をします。

脳卒中は、脳の血管に血栓(血の塊)が詰まって起こる脳梗塞と、脳の血管から出血する脳出血の両方を指します。これらも早期診断・治療が必要な病気なので、頭痛以外にも意識障害や、表のような症状があったら、早急に119番へ連絡をしましょう。

また、表のような症状が一時的に起き、症状が改善した場合でも、医療機関を受診しましょう。一時的な血管の閉塞の場合、血流が再開すると症状が改善するのですが、その後、短期間のうちに脳梗塞になる可能性が高い場合があるからです。

判断に迷ったら?

「家庭で測った血圧が、数回測り直しても高い」「主治医に処方してもらった頭痛薬を飲んでも、頭痛がおさまらない」「吐き気や嘔吐もあり、つわりと見分けがつかない」などで判断に迷ったら、かかりつけの産婦人科に電話を入れ、主治医に症状を伝えたうえで、どのような対応をすべきか指示を受けましょう。妊娠経過などから判断して、アドバイスをもらうことができます。

頭痛のとき、妊娠中でも薬は飲める?

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妊娠してから頭痛が起きたら

頭痛薬は多くの種類があり、ドラッグストアなどで手軽に買えるものですが、全ての薬が妊娠中に安心して使用できるわけではありません。主治医に症状を伝え、処方してもらって薬を飲みましょう。症状が頭痛だけ(高血圧などではない)なら、内科で妊娠している旨を告げ、診てもらうのもよいでしょう。

もともと頭痛もちの人の場合

主治医に「妊娠前から“頭痛もち”だった」ということに併せて、妊娠前に使用して「効いた薬」「効かなかった薬」についても伝えてください。そのうえで、改めて妊娠中でも使用できる頭痛薬を処方してもらいましょう(妊活中から、あらかじめ切り替えておくのもよい)。

また、妊娠に気づかない時期は、一般的な頭痛薬を飲んでしまったことに後で気づくこともあるかもしれません。用法・用量を守って服用していて、妊娠経過に特別な問題もなく、妊娠に気づいた後は適切な薬に切り替えれば、心配することはないでしょう。

筋緊張型頭痛のケアに湿布薬は?

湿布薬には、赤ちゃんの発育に影響を及ぼす可能性のある非ステロイド性抗炎症成分などが含まれているものがありますので、産婦人科から処方されたものを使うか、市販品を買う場合は、薬剤師に相談するなどして、安全なものを選んでください。

暮らしの中でできる頭痛ケア

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症状をやわらげるセルフケア

頭痛が起きたら、痛む部分を保冷剤などで冷やし、刺激になる光や音を避け、静かな空間で休みます。こめかみを押さえて血流をやわらげると、痛みが鎮まることもあります。緊張型頭痛の場合は、こりをほぐしたり、温めることが症状緩和につながる場合もあります。

予防としてできること

ストレスケア

ストレスはあらゆるタイプの頭痛の原因、悪化させる要因になります。そして頭痛そのものもストレスですから、意識的にケアしましょう。

症状がおさまってからでよいので、頭痛が起きたときのことを振り返り、「頭痛ダイアリー」をつけると、自分にとって何が頭痛をまねくきっかけになるか知ることができます[*2]。

原因として思い当たることや、症状の持続時間やケア法などをメモしておくと、原因となることを避け、症状が出ても軽く受ける工夫ができるでしょう。

ストレッチ

とくに筋肉の緊張によって起こる頭痛で有効ですが、心身の緊張をほぐしてリラックスすることは、ストレス対策にもなります。気持ち良く、のびのびしましょう!

まとめ

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とてもつらい症状のひとつ、頭痛。症状が起きたら無理をせずに休み、すこしでも早くおさまるよう、ぜひ暮らしの中のストレスを減らす工夫をして、大事に過ごしてください。また、感じたことのないような激しい頭痛が突然起こった場合などは、早急に受診をしてください。

(文・構成:下平貴子/日本医療企画、監修:松峯美貴先生)

※画像はイメージです


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マイナビウーマン子育て

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