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【医師監修】薬は絶対NG?妊娠中の服薬の基本

目次

妊娠中と気づかず薬を飲んでしまったり、妊娠していることを伝えて処方してもらったものの、それを飲んでよいかどうかがやっぱり気になったり……不安がつきものの妊娠中の薬の服用について、基本的な考え方をまとめました。

この記事の監修ドクター 産婦人科医太田寛先生 アルテミスウィメンズホスピタル産婦人科(東京都東久留米市)勤務。京都大学電気工学科卒業、日本航空羽田整備工場勤務。東京医科歯科大学卒業後、茅ヶ崎徳洲会総合病院、日本赤十字社医療センター、北里大学医学部公衆衛生学助教、瀬戸病院を経て現在に至る。日本産科婦人科学会専門医、日本医師会認定産業医、医学博士、インフェクションコントロールドクターICD)、女性のヘルスケアアドバイザー、航空級無線通信士

妊娠中は薬をがまんするべき?

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妊娠中、薬は胎盤を通じて赤ちゃんに移行する

まずは妊娠中に薬を使用した場合、その成分がどのように赤ちゃんに届くのかについて知っておきましょう。妊娠中に薬を飲んだり、塗り薬や貼り薬を使ったりすると、以下のように薬が体内に取り込まれます。

<1>薬の成分の一部が血液中に溶け込んで全身を巡ります(口から飲んだ薬は、胃を通過して多くは小腸で吸収されます。その後、肝臓などを経て血液中に溶け込みます。塗り薬や貼り薬は皮膚から吸収され、血液に移行します。点滴や注射の場合はそのまま血液に溶け込みます)

<2><1>で血液に溶け込んだ成分の一部が、胎盤を通じて赤ちゃんへも届きます

<1><2>の際、血液に溶け込む割合や胎盤を通過する割合は、薬物によって異なります。また、胎盤を通して胎児にまで届いた場合、どのような影響を与えるかも薬物によってさまざまで、よくわかっていないこともあります。

「妊婦さんと薬」の基本的な考え方:自己判断はNG。必ず医師などに相談して

「妊婦さんはまったく薬を飲めない」と思いがちですが、必要があれば、妊娠中であってもほとんどの薬は使うことができます。それは、薬によって胎児に起こると考えられる副作用のリスクより、薬で治療したほうが、妊婦さん・胎児の両方にメリットがあると考えられる場合です。

こうした場合、医師は、「その薬は胎盤をどのくらい通過するか」「点滴、経口、眼や皮膚などの局所からなど、どのように投与するのがベストか」「その薬は胎児にどの程度、先天異常などの害を及ぼすと考えられるか」「妊娠週数によって胎児に及ぼす影響の違いはあるか」といった事柄を慎重に検討し、判断しています。

ですから、妊娠中の薬の使用については、「妊婦さんが自己判断で薬を飲んだり、飲むのをやめたりするのはNG」。これが基本的な考え方です。妊娠前から持病があって、妊娠中も薬を処方されている場合は、自己判断で勝手に使用を中止してはいけません。また、妊娠中に辛い症状があって薬を使用したいと感じたら、「そもそも薬を飲む必要があるのか」「どの薬が適切か」などについて、必ず医師や薬剤師に事前に相談するようにしましょう。

妊娠経過と薬の影響

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妊娠初期はとくに要注意

妊娠中の服薬は、妊娠期間全般を通じて注意が必要ですが、中でも、もっとも注意が必要なのが妊娠初期、とくに妊娠4~7週までの間です[*1, 2]。この時期の赤ちゃんは脳や神経、心臓、消化器、手足など、体の大切な器官が作られる「器官形成期」で、薬による影響をもっとも受けやすいのです。

ただ、妊娠4~7週というと妊娠2ヶ月であり、まだ妊娠に気づかない人もいます。もしも妊娠を知らずに薬を飲んでしまったとしても、ほとんどの薬は問題ありません。慌てずに、医師や薬剤師に相談しましょう。

実際のところ、妊娠中に服用すると危険な薬はそれほど多くありません。また、妊娠4~7週ごろ、薬を飲んでいたことに後で気づいたとしても、今現在、妊娠経過が順調であれば、赤ちゃんへの影響はなかったと考えて大丈夫と言われています。落ち着いて対処しましょう。

妊婦さんが相談できる薬の専門窓口

妊娠中の服薬については、妊婦さん自身が相談できる専門の窓口もあります。 「妊娠と薬」に関する専門の相談窓口は、国立成育医療センターや虎の門病院、そして全国の拠点病院に設置されており、妊婦さんだけでなく、これから妊娠を考えている人も相談が可能です。

こうした相談窓口では海外の病院と連携するなどして情報やデータを補いながら、妊婦さんや赤ちゃんへの医薬品の影響に関する情報提供を行っています。

基本的に事前予約制で、相談するには相談者自身が申し込む必要があります。妊娠中や妊活中に、薬に関する専門的な相談がある場合は下記リンク先の情報を確認し、必要に応じて予約をしてみるのもよいでしょう。

持病がある場合の、妊娠中の服薬

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持病を持つ妊婦さんの場合、妊娠する前から妊娠の意向があることを主治医に相談し、妊娠に備えることが大切です。さきに紹介した胎児が薬の影響をもっとも受けやすい妊娠4~7週は、それと知らずに過ぎてしまうことも多いものです。妊娠を考え始めた時点で主治医に相談しておくことで、妊娠に備えてあらかじめ胎児に影響の少ない薬に変更したり、薬の必要がない状態になってから妊娠するといった対策をとることができます。

そして、妊娠がわかったら、持病の主治医にできるだけ早く相談しましょう。自己判断で常用していた薬の服用をやめたり、量を変えたり、といったことは絶対にしてはいけません。

薬を使用するかどうかは、【「妊婦さんと薬」の基本的な考え方】の項で解説したとおり、専門知識を持った医師や薬剤師が妊娠の継続と胎児への影響を考慮し、そのメリットとリスクのバランスをみて決めています。たとえ赤ちゃんにとって確実に安全とは言い切れない薬であっても、それを使用して妊婦さんの病気を治療したほうが、赤ちゃんの健康に有益と判断されれば、使用されることもあります。

なお、持病のある人が妊娠した場合は、持病の主治医と産婦人科医とが連携して、病気の治療と妊娠中の体調管理を行っていく必要があります。そのためにも妊娠の時期や今後の治療方針、妊娠時や産後の服薬について、主治医と事前に話し合っておくことは大切です。

まとめ

赤ちゃんへの影響を心配して妊娠中の服薬を避ける人もいますが、実際には妊娠中でも使える薬は意外に多いものです。妊娠中に薬を使用するかしないかは、さまざまな状況を考慮して判断されることであり、妊婦さんの状況によってそれぞれ異なります。妊娠中の薬の使用については、自己判断は決してせず、医師や薬剤師などの専門家にかならず事前に相談するようにしましょう。

(文:山本尚恵/監修:太田寛先生)

※画像はイメージです


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マイナビウーマン子育て

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