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【医師監修】妊娠中も上の子の授乳は続けられる?

目次

妊娠に気づいたとき、今まで通りの生活を続けていいのか、悩ましく思うことがいくつかあるかもしれません。上のお子さんの授乳もそのひとつでしょうか。授乳中に妊娠した場合、そのまま母乳をあげ続けていいのか、お腹の赤ちゃんに影響はないのか、専門医に聞いてみました。

この記事の執筆・監修ドクター 松峯美貴先生 医学博士、東峯婦人クリニック副院長、産前産後ケアセンター東峯サライ副所長(ともに東京都江東区)妊娠・出産など女性ならではのライフイベントを素敵にこなしながら、社会の一員として悠々と活躍する女性のお手伝いをします!どんな悩みも気軽に聞ける、身近な外来をめざしています。 http://www.toho-clinic.or.jp/

授乳によって考えられる妊娠への影響

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まず、授乳することで女性の体に起こる生理的な変化について理解しておきましょう。

授乳によって起こるホルモンの変化

赤ちゃんが乳首を吸って乳頭に刺激を受けると、体内ではオキシトシンというホルモンの分泌が高まります。

このオキシトシンはプロラクチンと並び母乳に関連しているホルモンです。

オキシトシンが増えると?

乳頭刺激によって分泌量が増えるオキシトシンには子宮を収縮させる作用があります。そのため、授乳するとお腹が張るように感じるかもしれません。

出産後、授乳をするとお腹に痛み(後陣痛<こうじんつう>)を感じたことと思いますが、それは赤ちゃんの吸啜(きゅうてつ)の刺激によってオキシトシンの分泌が多くなり、子宮が収縮したためです。

こうした作用によって、分娩誘発や陣痛促進を目的とした子宮収縮薬としてオキシトシン点滴が使われることもあります。また「乳頭刺激」は、オキシトシン分泌が高まることで陣痛を始めさせる作用があることは、世界的に信頼されている研究結果で明らかになっています[*1]。

そうしたことから授乳によって流産・早産につながるリスクを懸念する声もあるのですが、しかし「だからといって無理に断乳をすすめる理由はない」(松峯先生)と言います。

「『妊娠と授乳』に関しては、医療者の中でも意見が分かれるところです。 信頼できる研究で、授乳によって子宮の収縮があったとしても、それは流産や早産とは相関しないという結果もあるので、私は妊娠したからといって必ず授乳をやめなければいけないというものではないと考えています。 ただし、流産・早産の既往や何らかの原因で流産・早産の兆候がある場合は、主治医とよく相談のうえ、授乳を控えるという選択をする場合もあります。 そこで、妊娠経過が順調なら、授乳を続けるかどうかは『お母さんの体調』と『上のお子さんの様子』で臨機応変に考えるのがよいでしょう」(松峯先生)

授乳を続ける?断乳・卒乳する?

妊娠の経過に問題がない場合、授乳を継続するか終了するかを決めるには、お母さんと子供の状況が大変重要となります。状況、とは具体的にどのようなことでしょうか。

お母さんの体調は?

子供たちにとっても大切なお母さんの体調が「授乳」によって変わるかどうか、気をつけてみましょう。

妊娠初期でつわりの症状が強い場合は、授乳が大きな負担になることもあるでしょう。お腹の張りや痛み(子宮の収縮痛)を感じるようなら、授乳の時間や回数を減らしてミルク(人工乳)と併用するか、断乳・卒乳という選択を考えてみるタイミングかもしれません。

上のお子さんの年齢は?

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上のお子さんが1歳を過ぎ、食事から十分に栄養がとれているならば、卒乳を視野に入れてもいいタイミングかもしれません。個人差はありますが、1歳を過ぎる頃に離乳食が3回食になると、卒乳しても栄養はしっかりとれるでしょう。

ただし、低月齢で母乳以外の水分補給・栄養補給方法がない場合は、すぐに断乳できないこともあります。哺乳瓶やストロー、コップなどに慣れ、母乳以外からも水分・栄養がとれるようになってから断乳を考えることになります。

母子にストレスの少ない“卒乳”のコツ

いずれにせよ、出産後の授乳は誕生した赤ちゃんを優先することになります。つまり数ヶ月後には上の子は卒乳への1歩を踏み出すタイミングが来る、ともいえるでしょう。

上の子にとっては、赤ちゃんの誕生によって急におっぱいからの卒業を促されてはストレスになってしまう可能性もありますし、お母さんもやるせない気持ちになるのはストレスかもしれません。

そこで双方にストレスになりにくいのが、妊娠中の “だんだん卒乳” です。

お母さんから上の子に、授乳とは別の形で愛情表現やスキンシップを増やしながら、授乳の時間・回数を徐々に減らしていく方法です。上のお子さんの気持ちや行動に注意を向けて、無理のないように気をつけてください。

「WHO(世界保健機関)は、子供の免疫機能が整う2歳ぐらいまでは免疫成分を含む母乳を続けたほうがよいという理由で、2歳までは欲しがるだけ母乳をあげることを推奨しています。とはいえこの見解は世界中の発展途上国の状況も踏まえてのものなので、衛生状況や栄養のよい日本ではもう少し幅をもって考えることができるでしょう。 つまり卒乳を焦ることもないし、タイミングが合ってできればそれもよし。失敗しても、またチャレンジすればいいので、上のお子さんもママもストレスにならないように取り組んでみてください」(松峯先生)

迷ったら主治医にアドバイスをもらおう

授乳を続けるかどうか、判断に迷ったときは主治医に相談して、助言をもらいましょう。一人で考えていると決めかねてしまうことも、人に話すことで考えが整理でき、専門家からアドバイスをもらうと決め手となる判断材料が増えるでしょう。

また、医師に授乳中かどうか尋ねられたら、正直に答えましょう。「妊娠しているのに授乳していると伝えて、何か言われたらどうしよう」と思ってしまう人もいるようですが、医師は妊婦さんと赤ちゃんの安全に配慮してトータル的に判断します。上の子への授乳状況や自分の体の様子も併せて、率直に伝えましょう。

まとめ

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妊娠中の授乳について不安な場合は主治医と相談し、臨機応変に授乳の継続または上の子の断乳・卒乳を検討するのが賢明なようです。 ほかにも上の子の育児と、妊娠・出産に関連して悩みや不安があるときは、妊婦検診などの機会に主治医や助産師にぜひ相談し、不安やストレスは早期に軽減して妊娠期間をお過ごしください。

(文・構成:下平貴子/日本医療企画、監修:松峯美貴先生)

※画像はイメージです


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この記事の著者

マイナビウーマン子育て

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