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【医師監修】産後の生理不順は問題? 妊娠? ストレス? いつもどる?

目次

産後の生理(月経)不順には「生理が来ない」「一旦再開した生理がまた止まった」「生理が不定期」などさまざまなケースがあり、それぞれ問題ではないか心配になることがあるかもしれません。産後に起こりやすい生理不順や治療が必要なケースについてまとめます。

この記事の執筆・監修ドクター 松峯美貴先生 医学博士、東峯婦人クリニック副院長、産前産後ケアセンター東峯サライ副所長(ともに東京都江東区)妊娠・出産など女性ならではのライフイベントを素敵にこなしながら、社会の一員として悠々と活躍する女性のお手伝いをします!どんな悩みも気軽に聞ける、身近な外来をめざしています。 http://www.toho-clinic.or.jp/

産後の生理不順の原因は?

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一般的に、妊娠中は止まっていた生理が再開するタイミングはどうなっているのでしょうか。生理不順が起きた場合、原因は何でしょう?まず、産後の体の回復と生理再開のメカニズムを知っておきましょう。

出産したら生理はすぐに再開する?

出産後の女性の体が妊娠以前の状態にもどるには時間がかかります。

個人差はあるものの、「子宮復古(しきゅうふっこ)」という子宮の回復などが進む出産後6~8週間までは「産褥期(さんじょくき)」と呼ばれます[*1]。このころを過ぎると、子宮の大きさはおおよそ妊娠前程度にまでもどりますが、 妊娠・出産にかかわって変化したさまざまな臓器とその機能などがすべて非妊娠時の状態にもどるにはもう少し時間が必要です。たとえば体重は分娩で大きく減少した後、さらに数ヶ月かけて非妊娠時の状態にもどっていくのが一般的です。

生理の再開にも時間がかかり、一般的に授乳をしていない人は2〜3ヶ月、授乳している人では3〜4ヶ月はかかるとされ[*2]、さらにこの期間は個人差が大きく、生理の再開・安定まで1年前後かかる場合もまれではありません。

生理が再開するためには、妊娠中、胎盤から大量に分泌される卵胞ホルモン(エストロゲン)や黄体ホルモン(プロゲステロン)により抑えられていた 「卵胞刺激ホルモン(FSH)」や「黄体形成ホルモン(LH)」の分泌が復活し、卵巣機能が回復することが不可欠です。ただし、産後6週間ほどでこれらのホルモン分泌が非妊娠時同様に回復してきても[*3]、 卵胞の発育や黄体化といった卵巣機能が完全に回復するまでに時間がかかることがあるのです。

産褥性無月経とは

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授乳している人の場合、再開により時間がかかるのはおっぱい(乳汁)の出を促すホルモンのひとつ、プロラクチンに排卵を抑える作用があるためです。

プロラクチンは赤ちゃんがおっぱいを吸うこと(「吸啜刺激<きゅうてつしげき>という)によって分泌量が高まります。すると卵胞刺激ホルモンや黄体形成ホルモンの分泌が低下、卵巣機能のはたらきが抑えられ、無月経期間が継続するという連鎖が起こると医学的には考えられています。

このような無月経状態は「産褥性無月経」といい、産褥期から授乳期にごく自然に起こるもので問題はないとされています。 卵巣機能のはたらきがもどり、排卵周期が安定すれば、生理は再開・安定します。産後2週間または1ヶ月に受けることができ、産後女性の体の状態を診てくれる産婦健診に公費補助を出している自治体もあるので、積極的に活用し、自身の状態を確認しましょう。また、これ以降であっても産後外来を設けている医療機関もあるので、不安な場合は相談してみると良いでしょう 。

生理が来ない…妊娠の可能性は?

無月経の原因が妊娠ということもあります。生理が再開していない時期の妊娠とは?そのメカニズムを理解しておきましょう。

セックスを再開していれば妊娠することもある

産後に生理が再開するとき、卵巣機能のはたらきがまだ万全ではないため初回の生理は無排卵性のことが多くなります。しかし、排卵周期の回復は個人差が大きいため、人によっては排卵が始まっていることもあり、セックスを再開すれば妊娠することもあります。

こうした場合はまれですが、生理が再開しないまま、妊娠によって再び生理が止まり、無月経が続くことになります。 産後も妊娠を望まない場合は、コンドームなどで避妊はしっかりと行う必要があります。

産後の生理不順、受診した方がいいケースは?

生理不順の中には、医療的ケアが必要な場合もあります。受診の目安などをご紹介しましょう。

病気が原因の場合も

生理の再開が遅延する原因として、子宮の傷跡(なんらかの感染や手術によるもの)やポリープ、子宮筋腫や甲状腺機能低下症などの病気のほか、産後うつ病やその他の持病の治療のために飲んでいる抗うつ薬等の特定の薬剤が影響している場合もあります。

産後1年以上、不規則だったら受診しましょう

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産後1年を過ぎても 生理の再開・安定がない場合、一度、産婦人科を受診してみましょう。また、産後に一度再開したもののまた止まってしまったり、経血の量が多すぎたり、生理期間が長すぎる場合なども受診するようにしましょう。 医療機関では血液中のホルモン量を調べ、原因を特定し、それぞれの病気にあった治療をしていきます。

心と体、生活の見直しも!

育児が始まって、以前と生活のペースが変わったり、睡眠不足など心身のストレスが増えることが生理の再開を遅らせることもあります。冒頭で、生理の再開にはFSHやLHといったホルモンの回復が欠かせないことは説明しました。これらのホルモンの分泌をコントロールしている脳の視床下部は、ストレスの影響を受けやすいのです。

「お産の後は精神的にも肉体的にも大きく疲労している場合があると考えて、折にふれ『無理していないか?』自分に問いかけ、心身をいたわってください。 産褥期はとくに休養が必要で、その後も、生理の安定も含めて以前の体調に戻るまでは注意が必要な時期です。自分なりに生活リズムを整え、大切に過ごしてください」(松峯先生)

まとめ

妊娠・出産は喜びの大きなライフイベントですが、女性の心身に大きな負荷をかけ、その回復には思いのほか時間がかかるものです。 産後の生理の再開時期や状態は個人差が大きいこととはいえ、不安に感じることや不快な症状があって心配なときは医療機関を受診し、体の回復状況などを確かめたうえで、適切なケアを受けましょう。

(文・構成:下平貴子/日本医療企画、監修:松峯美貴先生) ※画像はイメージです


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マイナビウーマン子育て

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