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吉本興業で芸人をしています、さんきゅう倉田です。
大学を卒業して東京国税局に入り、辞めて、芸人になり、ファイナンシャルプランナーの資格を取ったので、女性からたくさんのお金の相談を受けています。
相談だけでなく、「お金を貸してほしい」という連絡が来ることもあります。売れていない芸人に用立ててほしいなんて、正気の沙汰とは思えません。
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一度、キャバクラで働く女性からそのような連絡が来たことがありました。
お金が必要な理由を聞くと「クレジットカードの支払いができなくて、使用を止められてしまいそうなの」とのこと。
クレジットカードは自分の収入の範囲で使用してほしいと思いました。便利ですが、使い方を間違えば、身を滅ぼしてしまう可能性のある危険なアイテムです。一度装備すれば、外すことは容易ではありません。噂によると、教会に行って「のろいをとく」を選ぶと外すことができるとか。
ぼくは「まずお友達から借りたらいかがでしょうか?赤の他人に頼る前に、あなたの大切な人、そして、あなたのことを大切に思っている人に相談してはいかがでしょう。本当に困っているのなら、きっと貸してくれますよ」とメールで返信しました。
すると彼女は、
「友達にはもう頼んだけど、みんな貸してくれなかったの。だから、貸してほしいの」
と、愉快な事を言うのでした。
友達に貸してもらえないような人を信用するわけがありません。「ごめんね」とだけ言って、関係を絶ちました。
知人の京子さん(仮名)は、付き合っていた男性に少しずつお金を貸していました。はっきりと、「3万円貸して」と言われることもあれば、「今日は俺が奢るよ」と言われて食事をし、いざ会計になったら「ごめん、手持ちがなかった。出しておいてもらえる?」と言われて立て替えたこともあります。
そのような度の合わない眼鏡のようなぼんやりとした貸し借りだったため、督促することもなくずるずると貸し続けていました。いつかは結婚するかもしれないし、返ってこなくてもいいかな、京子さんにそういう気持ちがなかったといえば、嘘になるそうです。
別れはNHKの集金のように突然やってきます。相手の一方的な都合だったこともあって、せめてお金だけは返してほしいと考え請求しました。しかし、払ってくれない。1か月も経つと、連絡も取れなくなってしまいました。
こうなると、可愛さ余って憎さ百倍です。羽田の第1ターミナルと第2ターミナルを間違えてお土産が買えなかったことや、「ウエハース」を「ウエスハー」と間違えて覚えていたことも腹が立ってきました。
本人にはもう連絡が取れません。実家の連絡先もわからないし、友達に紹介してくれたこともないし、共通の知人もいませんでした。
京子さんは一計を案じました。会社名と業務内容を知っていたので、職場に連絡をすることにしたのです。相手がどんな人間であろうと、なんの関係もない職場の人達を巻き込むような行為は憚られますし、常に、自分の両親と良心に誇れる行動をしたい。
でも、お金は返してほしい。よくよく考えての行動です。
この京子さんの勇気ある行動で、久しぶりに彼と電話で話すことができました。決して諦めない意志を伝え、「返す」と言質を取ります。それだけではありません。
直近の返済可能額を確認し、返済計画をその場で立てました。給与振込口座の通帳も撮影してもらい、預金額も確認しました。
お金を返さなければ、何度でも職場に連絡されてしまう。そう思ったのでしょう。預金通帳を見せることを渋り、曖昧に「返す、返す」と言っていた彼も、すぐに電話を切らない京子さんの様子に観念したようでした。
恋人同士であっても、連絡が途絶えると、お金の回収は難しくなります。どんなに愛していても、貸したお金なのか贈与したお金なのかはっきりとさせておく必要があります。そして、貸したのであれば、いざというときのことを考えておきましょう。でも、愛しているときに別れたときのことを考えるなんて、難しいですよね。
「負けたらどうしますか?」と聞かれたときに、「闘う前から負けること考える馬鹿いるかよ!」と叫んでビンタした猪木さんを思い出します。でも、自分の資産を守るため、将来悲しまないために、準備しておきましょう。
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