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【医師監修】妊活中にできることとは? 妊娠の可能性を高める4つの方法

目次

妊活中、「自分ができること・取り組めることをもっとしておけばよかった」と後悔する人は少なくありません。「子供が欲しい」と思った時、妊娠の可能性を少しでも高めるためにどんなことができるのかを、いま一度確認しておきましょう。

あらためておさらい、妊娠のメカニズム

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まずは妊娠の成り立ちや、それを妨げる要因などをあらためて確認します。

妊娠するまでの流れ

まずは妊娠のメカニズムをおさらいしておきましょう。妊娠は以下のような流れを経て成立します。

1.卵巣から卵子が排卵されます 2.卵子と、男性から射精された精子が卵管内で融合し、受精卵となります 3.受精卵は「卵割」と呼ばれる分裂を繰り返しながら、子宮に向かって卵管を移動していきます 4.子宮に到達した受精卵は子宮内膜に着床し、これをもって妊娠の成立となります。 着床した受精卵はその後、胎児や胎盤などの付属物へと発育していきます

これが排卵~妊娠が成立するまでの大まかな流れです。

妊娠を妨げる主な要因

先ほどの流れのうち、どこかに異常があれば妊娠は成立しません。妊娠を妨げる主な要因をまとめました。

排卵因子

妊娠の流れのうち、排卵に問題があるケースです。排卵障害を引き起こす要因はさまざまですが高プロラクチン血症、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)といった病気が関係するほか、ストレス、過度な体重の減少などが影響することもあります。

排卵の乱れは生理不順を引き起こすことが多いため、生理周期が乱れている人は注意が必要かもしれません。

卵管因子

卵管が狭まったり(狭窄)ふさがったり(閉塞)して、卵子や受精卵の移動が妨げられるケースです。卵管狭窄・閉塞の原因で多いのは性器クラミジアの感染です。女性はクラミジアにかかっても無症状のことが多く、気付かないうちに症状が進行してしまうことが多々あります。

また虫垂炎(盲腸)など骨盤内の手術や子宮内膜症によっても、卵管周囲の癒着が起こる可能性があります。

子宮因子

主に子宮筋腫や子宮内ポリープにより、着床が妨げられるケースです。この場合、精子が卵管に移動するのを妨げていることもあります。健康診断で貧血を指摘されたり、生理の経血量が多かったりする場合は、これに当てはまるかもしれません。

ほかに、生まれつき子宮が変形している(子宮奇形)と、繰り返す流産の原因となる場合があります。

頸管因子

子宮体部と腟とをつなぐ子宮頸部に炎症が生じる(頸管炎)などして、頸管粘液が不足し、精子の移動が妨げられて妊娠しにくくなるケースです。頸管炎のほか、子宮頸部の手術や子宮の奇形でも起こります。

頸管粘液は排卵期に増える透明なおりもので、排卵期には精子が子宮内に侵入するのを助ける役目を果たしています。しかし先に挙げた頸管炎などによって頸管粘液が減少すると、妊娠に悪影響を与えてしまうことがあります。

免疫因子

何らかの免疫異常が生じることで精子を異物とみなし、抗体が攻撃してしまうケースです。本来ならば通過できる精子が子宮頸管や卵管内で抗体により攻撃され、受精が妨げられて妊娠しにくくなってしまいます。そのような免疫異常があるかどうかは、血液検査で調べることができます。

男性因子

不妊の原因が男性側にある場合も珍しくありません。精子をつくる力が足りない(造精機能障害)、精子の運動能力が低い(精子成熟障害)、精子の輸送が妨げられる(精路通過障害)、精巣上体・前立腺・精嚢といった臓器に問題がある(副性器機能障害)、勃起や射精がしづらい(性機能障害)といった男性側の原因も妊娠の妨げになることがあります。

原因不明

何によって妊娠が妨げられているのか、検査をしたからといってすべてわかるわけではありません。中には原因が特定できないケースもあり、不妊を訴える夫婦の10~15%がこれに当たるといわれています[*1]。

このほかにも妊娠を妨げる要因は多岐にわたり、複数が絡み合って起こることも多々あります。妊活や不妊治療がなかなか一筋縄ではいかないのは、そうした複雑な状況が影響しているといえます。

妊娠の可能性を高める4つの方法

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妊活中は少しでも妊娠の可能性を高めたいもの。そのために自分でもできることをご紹介します。

1.排卵日をできるだけ把握する

排卵日の把握は妊活において基本中の基本ともいえること。しかしながら自分の排卵日を正確に把握している人は、決して多くないでしょう。妊娠の可能性を高めるためにも、排卵日がいつごろなのか、できるだけ正確に知りたいところです。

基礎体温の記録はもちろん、場合によっては排卵検査薬も使用して、排卵日の把握に努めましょう。

2.正しいやり方でタイミング法を試す

正確な排卵日がわかっても、妊娠しやすいタイミングを逃しては妊娠の可能性を高めることが難しくなってしまいます。卵子の寿命は排卵されてから約24時間(受精発育能力を有しているのは約6~12時間)、精子が女性の体内で生きられるのは約72時間といわれています[*2]。

妊娠の可能性を高めるには、卵子よりも寿命の長い精子が先に卵管に到着し、排出される卵子を待ち受ける方法がよいとされており、そのためベストタイミングは排卵⽇の2日前から排卵日まで。このタイミングでセックスできるようトライしてみましょう。

3.妊娠しやすい身体作りを心がける

「妊娠を妨げるおもな原因」でも紹介したようにストレス、過度な体重減少などは排卵に影響を与え、妊娠の可能性を左右します。それらの要因や生活習慣などがどれくらい妊娠に影響を与えるかについて、以下のような海外の調査結果もあります[*3]。

●BMIが35以上(※)の肥満:妊娠までの期間が通常の2倍 ●BMIが19以下の痩せ型:妊娠までの期間が通常の4倍 ●喫煙:不妊の相対リスクが60%増加 ●コーヒーの大量摂取(1日5杯以上)は妊娠しやすさの低下と関連する (※)BMIは肥満度を示す体格指数。日本肥満学会による正常体重の基準はBMI18.5~25未満

生活習慣の乱れや喫煙などは極力避け、妊娠しやすい身体作りを目指しましょう。

4.夫婦で検査を受ける

不妊になる原因は、女性にある場合、男性にある場合、両方にある場合、不明な場合があります。その割合を男女別に示したデータをWHOが過去に発表しており、それによると原因が「女性のみ」が41%、「男性のみ」が24%、「夫婦両方」が24%、「原因不明」が11%となっています[*4]。つまり女性だけ、男性だけのように、どちらか一方だけが頑張っても妊娠に近づくことは難しい場合があるのです。

「できにくいな」と感じたら、夫婦ができれば同じタイミングで検査を受け、原因を探りながら少しでも可能性を高めていきましょう。

いつから始める?不妊治療へのステップアップ

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妊活中の人にとっては、妊娠の可能性を高める方法に加えて「いつから本格的な不妊治療にステップアップするか」というのも、気になるポイントといえるかもしれません。

不妊の一般的な定義は、妊娠を希望した夫婦が定期的に性生活を持っているにもかかわらず、12ヶ月(1年)以上妊娠しない場合[*5]とされています。そのため、基本的には妊活を始めてから1年が経過した時点が、本格的な不妊治療をスタートさせるタイミングのひとつといえます。

ただし、あまりのんびりしていると、年を重ねることになり、さらに妊娠しづらくなっていきます。米国の生殖医学会は2013年に、「女性の年齢が35歳以上の場合は、不妊の期間が6ヶ月経過したら検査を開始してもよい」と提唱しています[*5]。

日本でも結婚年齢は高くなっていて、2018年時点の平均初婚年齢は夫:31.1歳、妻:29.4歳と、ほぼ30歳を超えています[*6]。「結婚後、数年してから子供を……」と考えている場合も、妊活を始めてから6ヶ月をひと区切りとして、それ以降はまず産婦人科を受診してみると良いかもしれません。ちなみに、35歳以上になると体外受精によっても妊娠しない人が増えます[*7]。

まとめ

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世の中にはたくさんの「妊娠できる方法」があふれていますが、医学的にその効果が立証されているのは、いずれも「基本」とされる方法です。妊活の正しい知識をしっかりと理解し、妊娠に近づけるよう少しずつ努力を重ねていきましょう。

この記事の監修ドクター 産婦人科専門医齊藤英和先生 梅ヶ丘産婦人科勤務、国立成育医療研究センター臨床研究員、神戸元町夢クリニック顧問、浅田レディースクリニック顧問、昭和大学医学部客員教授、近畿大学先端技術総合研究所客員教授、1 more baby 応援団理事、ウイメンズヘルスリテラシー協会理事。山形大学医学部卒業後、同大学、国立成育医療研究センターを経て現職。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖専門医、医学博士

(文:山本尚恵/監修:齊藤英和先生)

※画像はイメージです

参考文献 [*1]メディックメディア「病気がみえるvol.9婦人科・乳腺外科第4版」P.246 [*2]一般社団法人日本生殖医学会|一般のみなさまへ – 不妊症Q&A:Q1. 妊娠はどのように成立するのですか? http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa01.html [*3]Optimizing Natural Fertility. Fertil Steril 2008; 90:S1-6. https://www.fertstert.org/article/S0015-0282(16)62849-2/fulltext [*4]Comhaire FH. Definition of Infertility, Subfertility, and Fecundability: Methods to Calculate the Success Rate of Treatment In: Comhaire FH, editor. , ed. Male Infertility: Clinical Investigation, Cause Evaluation, and Treatment. London: Chapman & Hall Medical; 1996:123‐131. [*5]日本生殖医学会:不妊症Q&Aよくあるご質問Q2.不妊症とはどういうものですか? http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa02.html [*6]平成30年(2018)人口動態統計月報年計(概数)の概況P.3 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai18/dl/gaikyou30.pdf [*7]日本生殖医学会:不妊症Q&Aよくあるご質問Q6.どのくらい妊娠しないと不妊症の検査を受けたらいいですか?また、どこに行けば不妊症の説明が受けられますか? http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa06.html

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます


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この記事の著者

マイナビウーマン子育て

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