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【医師監修】赤ちゃんの目やにや涙が多いときに考えられる疾患は?

目次

赤ちゃんの目元に目やにがいっぱいついていたら、何かの病気があるのではないか、と不安になるものです。今回は、そもそも目やにとは何なのか、赤ちゃんに目やにがついている時に考えられる疾患、目やにが出た時の受診の目安などを解説します。

この記事の監修ドクター 梁尚弘先生 りょうキッズクリニック(埼玉県所沢市)院長。平成10年順天堂大学卒業後、日本大学小児科研修医、沼津市立病院小児科、横須賀市立市民病院小児科、日本大学小児科助教、瀬戸病院小児科医長を経て現在に至る。小児科専門医。

赤ちゃんの目やにや涙が多い理由

最初に「目やにとは何か」という話から始めます。

目やにとは

目やに、医学用語で「眼脂(がんし)」といい、目の表面(角膜や結膜)に分泌されている粘り気のある液体に、ほこりや涙の老廃物が混ざってできたものです。

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目やには、眼球の表面を覆っている涙と一緒に、まばたきをするたびに目尻から目頭のほうに移動し、最終的には目頭にある「涙点」から鼻の方へと流れていきます 。そのため目やには特に目頭に溜まりやすい傾向があります。睡眠中はまばたきをしないために、起床時には目頭だけでなく、目尻や上下のまぶたの縁にも目やにが溜まっていることがあります。

目やには、何のトラブルもない健康な時にも出ますが、細菌やウイルス、アレルギー物質など異物が入り込んだ時にも出ます。

赤ちゃんは目やにが多い?

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では、「赤ちゃんの目やに」について考えてみましょう。

先にも説明したように、瞬きをしない就寝中は目やにが溜まりやすい状態です。赤ちゃんは大人よりも寝ている時間が長いので、それだけ目やにが目の表面に溜まりやすいということです。また、生まれたばかりの頃は、自分で目をこすったりできないことも関係しています。

目やにで治療が必要なのはどんな時?

赤ちゃんの目やには通常時でもよく見られます。その多くは健康な状態で自然と出るもので、病的なものではありません。しかし、すべてがそうだとも言い切れません。

量が多くて簡単に拭きとれないときは医師に診てもらう

目やにの量が多くて拭いても簡単に取り除けないほどの大量の場合、病的な原因の可能性があります。きれいに拭いてあげても短時間でまた溜まってしまったりする場合も同様です。 このように大量の目やに、あるいは膿性の目やに (色が緑色などに変化した目やに)などは、目に感染症が起こりかけている可能性があります。 いつもと違う目やにが出たら、眼科を受診しましょう。

目やに以外の目の症状がある時も要注意

目やに以外に、充血や流涙(涙が目からあふれている状態)などの症状を伴う場合も、病的な原因が考えられます。 このような場合も眼科を受診してください。

目やにが出る病気の種類

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では、赤ちゃんの目に病的な目やにを起こし、治療が必要な病気について解説します。

結膜炎

結膜とは、眼球とまぶたの裏側を結んでいる粘膜のことで、白目の表面などを覆っています。結膜があるおかけで、外部から眼球の裏側にゴミなどが入り込むことが防がれています。逆にいうと結膜には、細菌やウイルスなどが溜まりやすいということです。 また、同様の理由でアレルギー反応の原因物質(アレルゲン)も結膜に溜まりやすく、アレルギー症状も起きやすくなります 。 ただしアレルギーによる結膜炎は幼児期に増え始めるので、赤ちゃんのうちはあまり起こりません 。

結膜炎の症状と治療法

結膜に炎症が起きると、粘り気のある涙が多量に分泌されるため、目やにが増えます。時には目を開けられないほどになります。 また、涙の量が増えることもあります。 治療は、細菌性の場合、抗生物質の点眼薬を数日使います。ウイルス性の場合、ウイルスそのものを減らす薬はないので、症状に合わせた治療を行います。家族内での感染拡大防止、つまり赤ちゃんの家族に感染が広がらないようにするため、赤ちゃんをケアした後は手をしっかり洗ったり、 タオルを共用しないなど、注意してください。

産科を退院した頃に起きる赤ちゃんの結膜炎

注意したい赤ちゃんの結膜炎の1つに、産道感染による急性結膜炎が挙げられます。クラミジアや淋菌などの感染によって起こります。 生後数日から1週間ほどで発症し、初めは目やにが気になる程度ですがその量が次第に増え、結膜が充血したりまぶたが腫れてきたりします。放置すると角膜潰瘍になり失明する危険もあります。 発症の時期がちょうど産科を退院した直後の時期と重なるので、注意が必要です。

全身性の感染症

全身性の感染症の症状として結膜炎が起きることもあります。例えば麻疹(はしか)や、乳幼児期には咽頭結膜熱(プール熱)も考えられます。

麻疹

麻疹は麻疹ウイルスによる感染症で、感染経路は空気感染、飛沫感染、接触感染と幅広く、感染力が極めて強いことが特徴です。予防接種の徹底により、日本を含めた先進国ではまれな疾患となりつつありますが、それでも時折感染が見られます。

感染後は10~12日の潜伏期を経て発症し、発熱や倦怠感、上気道炎症状(せきや鼻水、喉の痛み)、そして、結膜炎症状(結膜充血、目やになど)が現れます。ウイルス自体を減らす薬はなく、症状にあわせて対症的に治療します。

咽頭結膜熱(プール熱)

咽頭結膜熱は、アデノウイルスの感染で起こります。感染経路は飛沫感染、接触感染で、夏場にプールの水を介して子どもたちに流行することがよくあるので「プール熱」とも呼ばれています 。夏以外にも小規模な流行が起こることがあります。

ウイルスに感染してから発病まで5~7日の潜伏期間があります。発熱に始まり、喉の痛み、結膜炎などが3~5日間ほど続きます。ウイルス自体を減らす薬はなく、症状にあわせて対症的に治療します。

なお、これら全身性の感染症の場合、発熱などが主症状になり、目やに自体が大きな問題になることは少ないようです。

逆さまつげ

逆さまつげも、赤ちゃんの目やにの原因の1つとなりえます。

子供はまぶたが厚いために、まつげが内側を向いて眼球の表面に触れることがあります。ただ、子どものまつげは毛質が柔らかいため、眼球にまつげが触れてもあまり気にせず、目やにや涙の量が増えたりまぶしがったりすることで保護者が気づきます。

通常は成長とともにまぶたが薄くなることに伴い、自然に治ってきます。それまでは目やにが多いときだけ点眼薬をつけるなどして経過を追います。

3歳ぐらいになっても治らなければ、まつげの毛質が硬くなってきて眼球表面を傷つけやすくなるため、手術で治します。

鼻涙管狭窄・閉塞、涙嚢炎

涙は目頭にある涙点で吸収されて鼻の奥へと流れていきます。この涙の通り道のことを「鼻涙管」といいますが、赤ちゃんは鼻涙管が狭窄していたり(狭くなっていたり)、閉塞している(詰まっている)ことがよくあります。そのために涙が溜まりやすく、目やにの原因となります。また、涙点から鼻涙管の途中にある涙嚢という部分に炎症が起き、そのために目やにがより増えます。

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多くの場合、数ヶ月で自然に鼻涙管が開通して治ります。目頭のあたりをマッサージしてあげると、早く治ることがあります。治らないときは、鼻涙管に細い器具を入れて鼻涙管を拡張するなどの治療を行います。

その他

出産の際にまぶたや結膜、角膜(黒目・茶目の部分を覆っている透明な粘膜)に外傷ができてしまうことがあります。生まれてから間もなく現れる目やにの原因の1つです。角膜にできた外傷を放置すると、視力にも影響してきます。

治療の緊急度が高い「危険な目やに」とは

これら、病的な目やにの原因のうち、特に緊急を要するのは、淋菌による結膜炎と封入体(クラミジアなど)による結膜炎です。現在は赤ちゃんが生まれた時に予防点眼が行われるので減ってはいますが、逆にその点眼のために、発病する場合は発症時期が遅くなり、産科を退院した後になってから症状が現れ、治療が遅れてしまうことがあります。

産科退院後に赤ちゃんの目やにが気になりだしたら、すぐに眼科を受診してください。

赤ちゃんの目やにのお手入れ

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ここまで解説したような病気の可能性がない赤ちゃんの目やには、ご家庭でお手入れしてあげましょう。

清潔なガーゼをぬるま湯で湿らせて、拭いてあげてください。指にガーゼを巻き付けると拭いやすいです。また、左右の目をガーゼの同じ部分で拭うのではなく、別のガーゼや同じガーゼでも別の面を使用しましょう。

まとめ

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赤ちゃんはもともと目やにが多くみられるもの。ほとんどの場合は生理的なもので問題はありませんが、中には治療が必要になるケースもあります。目やにの原因が治療を要するものかそうでないのかを知るためにも、「目やにの量や色がいつもとちがう」「目やに以外にも症状がある」など気になることがあれば、早めに眼科を受診して医師に相談しましょう。

(文:久保秀実/監修:梁尚弘先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます


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この記事の著者

マイナビウーマン子育て

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