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はげしく迷走中の40代婚活。OTONA SALONE編集長・アサミ(47歳)は、婚活歴は3年半以上。この間、婚活パーティや婚活アプリをはじめ、個室婚活、知人の紹介、バーなどで、100人以上の男性と出会い、10数人の男性と婚活をしてきた。
オープンに婚活を続けていたけれど、最近、そのことにも迷いが生じてきて……。この物語は40代独女の「実名 顔出し」で書いている、リアル婚活ドキュメントである。
一緒に日本橋での会食を終えたあとのこと。会食のお相手を見送り、彼と私は家の方向が違うのでそれぞれの家路につくと思っていた。
同期「このあと時間ある? もう一軒行かない?」
めずらしく声をかけてきた。彼とサシ飲みに行くなんて、何年ぶりかな? 何人かで行ったりすることはあったけれど。
アサミ「いいけど、どこ行く? このあたり全然わかんないわ」
同期「大丈夫、店は決めてあるから」
行きつけの店でもあるのかしら? まぁいいか、とのんきに歩き始めた。
たどり着いたのは、日本橋にあるオーセンティックなバーだった。紳士なマスターが出迎えてくれた。
マスター「いらっしゃいませ。お久しぶりですね」
この店に連れてきてくれた同期の彼は、バーのマスターと顔なじみらしい。ふーん、こういうバーに来たりするんだ。同期の知らない一面が垣間見て少し驚く。
同期「もう来てる?」
マスター「いえ、まだいらっしゃってません」
同期「あ、そう。個室いい?」
マスター「はい。空いていますので、どうぞ」
案内されたバーの個室は、5~6人は入れそうな広さだった。
さっき、ちょっと気になったことがあった。同期がマスターに尋ねていたこと。「もう来てる?」って言ったよね。それに2人なのに個室? 別に内緒話をするわけでもないし、カウンターでいいのに。
アサミ「さっき『もう来てる?』って言ってたけど、誰か来るの?」
同期「実はさ、オレの知り合いで前からアサミと会いたいって言ってる人がいてさ」
アサミ「あら、そうなの」
同期「めんどくさいから、ずっとごまかしてきてたんだけどさ、何度もLINEが来て断れなくて」
紹介するのがめんどくさい(苦笑)。たぶん、私がめんどくさい性格だからかしら。長い付き合いの同期なだけに、私の性格をよく理解している。
しかし、水くさいなぁ。「もう一軒行かない?」って言うからサシ飲みかと思ったわ。
アサミ「そういう事なら、事前に『紹介したい人がいる』って言ってくれればよかったのに。今日なんて会食のあとだし、もうだいぶボロボロよ(苦笑)」
同期「言ったら来ないかと思って」
アサミ「そんなことないよ。むしろ、紹介してもらえるなんてありがたいわ」
同期「先に言っておくけど、たぶんアサミのタイプじゃないと思うよ」
アサミ「会う前からそんな(笑)。私もタイプっていうのがそんなに明確じゃないし」
同期「イヤだったらホントに断っていいからね」
私に気をつかって言ってくれてるのかな。なにげに同期の彼はとてもやさしい人だから。
考えたら、会社の同期メンバーが婚活相手の男性を紹介しれくれるって初めてだわ。同期メンバーは私をのぞいて男女8人。みんな私の婚活を応援してくれているけど、紹介って話まではなかったな。
まぁ、私が「紹介して」と頼んだこともないしね(笑)。
いままで紹介で会ったのは、ベンゴシさん、ゲームさん、そしてジムさんか。
ジムさんの場合は紹介の目的が違ったから別として、ベンゴシさんとゲームさんは、お付き合いする相手にはお互いにならなかったけれど、友人としては成立する人だった。
実は「紹介」というパターンの出会いは、なにげに私には合っているんじゃないかと思い始めている。共通の知人がいる安心感があるというか……。それに、40、50代で結婚した女性に「知人の紹介で出会った」パターンは少なくない。アサミ調べ的に、紹介の出会いは当たりの確率が高い気がする。
今夜の出会いも、長い目でみて、いいご縁なのかもしれないと思った。それは、お付き合いする男性とかそういう意味じゃなくてもね。
あ、でもどういう人なのか、1ミリも聞いてなかった。何も聞かずにそんな判断するなんて、気が早すぎるな、私。
アサミ「ところで、何してるかた?」
同期「歯科医院の先生」
アサミ「あら、あなたとどういうおつながり?」
同期「ゴルフつながりなのよ。なんだかんだで10年以上の知り合いだけどさ、年に1~2回ゴルフコンペで一緒になる程度よ」
アサミ「その先生が、何でまた私と会いたいって話になったの? あなたが私の婚活のことを話したわけでもないでしょう?」
社交的だけど、おせっかいをしたり、余計なことを言ったりするタイプではない同期。どうしてそういう話になったんだ?
同期「たまたまアサミの本を読んだらしい。それでアサミのプロフィールとかを検索したら主婦の友社だってわかって。それでオレに連絡来たのよ。『同じ会社にアサミさんっていますよね』って」
アサミ「あー、なるほど」
やっぱりこれだけ実名+顔出しで婚活をオープンにしていると、そういうパターンもあるのね。知人が紹介を頼まれるパターン。最近ちょっと、婚活を公言することに迷いがあったけど、やっぱり良いこともあるな。
同期「紹介できませんとも言えなくてさ」
アサミ「全然そんな、大丈夫だから。で、何歳くらいの人?」
同期「確か、同い年だったと思う」
アサミ「バツイチ? バツニ?」
同期「いや、結婚歴ないね。ずっと独身」
未婚・独身の47歳か。ジムさんも未婚・独身の50歳だったな。意外といるんだ、同世代の男性でも。少し前は、バツイチ男性に会うことが多かったから。
アサミ「じゃ、私とご一緒ね」
親近感はあるかもしれない。同期という共通の知り合いもいるから、安心感もある。ちょっとだけ期待をいだかないでもない。
同期「そろそろ来ると思うんだけど。あ、もうすぐ着くってLINE来た」
急にドキドキしてきた。
47歳、未婚・独身の歯科医院の先生……ハイシャさんってことにしよう。どんな人なのかな。
バーの個室のドアが開いた。そして入ってきたのは、男性……と女性? あれ、2人?
同期「ちょっと、遅いよ」
ハイシャ「すみません。ちょっと前の会合が押しちゃって」
同期「30分以上、遅れてるよ」
申し訳なさそうにしながら、私の向かいに座ったハイシャさん。
ハイシャ「はじめまして、ハイシャです」
アサミ「はじめまして、アサミと申します」
ハイシャ「いやぁ、写真の通りですね。うれいしです」
アサミ「こちらこそ」
47歳、未婚・独身のハイシャさん。細くて小柄な男性だった。
しかし!
それより気になったのは、一緒に個室へ入ってきた女性だ。ハイシャさんと私と同期がひとしきり挨拶をしている間、ずっとドアの前に立ってこちらを見ていた。
そして、何も言わないまま出ていきドアを閉めた彼女。それっきり、戻ってこなかった。
あの女性は何者? なんでハイシャさんと一緒に来たのに、部屋を出ていったの──?
【続きは2020年2月19日(水)17時公開。お楽しみに!】
【前回はコチラ】
【40代編集長の婚活記#183】40代独女、3年半の婚活をふりかえってみた
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