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出産後に痔が治らない。痔になる原因と治療方法

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目次

出産の痛みを乗り越えたと思いきや、今度はお尻に痛みが!という経験はありませんか?出産を機に痔になってしまうママは結構います。お尻ということもあって、恥ずかしくて、誰にも話せずに我慢しているママもいるかもしれません。今回は、痔の種類と原因、痔の対処法や病院へ行く目安をご紹介します。

この記事の監修ドクター

女性医療クリニック・LUNAグループ大林美貴先生 日本産科婦人科学会専門医。2005年徳島大学医学部卒業。同年4月より徳島赤十字病院勤務を経て、2007年から2013年まで湘南鎌倉総合病院にて勤務。2009年より、 女性医療クリニック・LUNAグループ勤務。2016年5月女性医療クリニックLUNA心斎橋に移動、勤務開始。 http://www.luna-clinic.jp/

出産後は痔になる人が多い?!

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これまで痔に全くなったことがない女性でも、妊娠と出産を通して痔になることが多く、ママにとってはとても身近な病気です。

痔の種類

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皮膚と直腸のつなぎ目の役割をしている肛門はとてもデリケートなパーツ。痔は、その肛門周辺が圧迫され、血液の流れが滞ってしまうことによって引き起こされる血管のトラブルです。 主な痔の種類は、いぼ痔、切れ痔、痔ろうの3つです。その他にも、およそ20種類の痔があります。

いぼ痔(痔核)

出産後になりやすいのが、いぼ痔です。いぼ痔は、うっ血などが原因で、その名の通り、いぼ状になった血管のかたまりが肛門の中でできた状態です。いぼ痔には、肛門にあるギザギザした歯状線より外側にできる「外痔核」と内側にできる「内痔核」の二つがあります。

「外痔核」は、排便の際にいきんだり、腰を冷やしたり、重いものを持ち上げようとしたり、長時間座りっぱなしだったりする時などに起こりやすく、妊娠中や出産時にいきんだ際に最もなりやすいとされています。外痔核は腫れて、激しい痛みを伴うことが多いです。

「内痔核」は、痛みを感じる神経がほとんどない場所にできるため、ほとんど痛みを感じることがなく、出血や肛門からいぼ痔が出てきたことで気が付くことが多いようです。外痔核と内痔核どちらの場合も、よほど酷くない限り手術を行うことはほとんどありません。

切れ痔(裂肛)

切れ痔は、硬くなってしまった便を排出したり、慢性的な下痢によって、肛門の周囲にある粘膜を傷つけたり、炎症を起こしたことで、肛門の皮膚が裂けたり切れたりしたものです。排便の際に強い痛みと、出血を伴ったり、排便後も痛みが続いてしまうこともあります。切れ痔が何度も起こり、進行すると、切れ痔によって出来た裂け目が深くなって炎症が起き、ポリープや潰瘍ができたり、肛門が狭くなってしまう“肛門狭窄”になってしまうことも。

痔ろう(痔瘻)

痔ろうは、下痢、ストレスなどによる免疫力の低下によって引き起こされるものが多く、大腸菌などの細菌が肛門にあるギザギザした歯状線に感染、そして炎症し、肛門の周りに膿が溜まります。その膿が何度も溜まると、膿を外へ出そうと皮膚にトンネルのような穴が開いてしまった状態になります。その結果、肛門の周囲が腫れ、痛むだけではなく、発熱を伴うこともあります。

痔になる原因

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便秘

痔になってしまう最大の原因といえば「便秘」です。特に妊娠と産後に関しては、ホルモンバランスの変化などにより便秘になりやすいといわれています。便は排泄されない時間が長くなると、水分が抜けて硬くなります。そして、この硬い状態のままで便が肛門を通過してしまうと、肛門に負担が掛かり、その結果肛門周辺が裂けたり、切れたりと傷付いてしまいます。 また、便秘になると排便の際にいきむので、お腹に過度な力が加わり、肛門に負担が掛かってしまい、痔になりやすくなります。

下痢

下痢をした際の水様性の便も、痔の原因になります。水分を多く含んだ便が、勢いよく肛門を通過するため、その摩擦で肛門の粘膜が傷付き、その上に大腸菌などの細菌が入ってしまうことで、炎症を起こし、痔になってしまいます。

妊娠したことによるもの

妊娠すると、胎児の成長と共に子宮が段々と大きくなります。それにより、肛門から心臓に血液を返すのにつながっている直腸の周囲にある血管を圧迫し、血液循環が悪くなり、うっ血してしまいます。それに加え、大きくなった子宮が腸を圧迫したり、赤ちゃんの重みにより肛門に負担がかかり、痔になってしまいます。

出産の時のいきみ

出産時のいきみも痔の原因の一つです。出産の際、ママは赤ちゃんを出そうと、非常に大きな力をかけ、何度もいきむことを繰り返します。出産のいきみ方が分からないと、変な所に力が入ってしまい、また短時間の間に大きな腹圧が掛かることで、肛門に負担が掛かり、うっ血し、痔を誘発してしまいます。

生理前の女性ホルモンの働きによるもの

生理前になると、女性の身体の中では、女性ホルモンである黄体ホルモンの分泌量が増えます。この黄体ホルモンが自律神経を乱れさせ、食物や便を送ろうとする役割を持つ腸の「蠕動(ぜんどう)運動」の働きを弱めてしまうため、生理前になると便秘になってしまう女性も少なくありません。

腹筋が弱いため

女性は元々男性に比べると筋力が弱く、腸を動かす時に必要な腹筋も弱いため、排便の時に必要以上にいきむことが多いと考えられています。排便の度にいきむことを繰り返すため、肛門に過度な力が加わり、痔につながってしまいます。

授乳によるもの

授乳をしているママの体内では、一日におよそ1リットルの水分が失われると言われています。便のおよそ7割は水分でできていて、体内の水分量が減少すると、便も硬くなって便秘になりがちです。便秘になると痔になる可能性も高くなります。

冷えによるもの

肛門はとてもデリケートで敏感なパーツです。身体が冷えてしまうと、肛門の周辺にある血管は収縮し、血液の流れが悪化。うっ血して痔になってしまうこともあります。

飲酒

実は飲酒も痔になる一つの原因です。お酒に含まれるアルコールは、毛細血管を拡張させる働きをします。そのため、飲酒をしている間は身体が温かくなるのですが、時間が経ち、アルコールが分解されると、血管が収縮し身体を冷やしてしまいます。身体が冷えると、肛門周辺では血の流れが悪くなり、痔へとつながってしまいます。

ストレス

人間の身体はストレスにより免疫力が低下します。身体の免疫力が低下すると、肛門の免疫力も低下し、炎症を起こしやすく、痔になりやすくなります。

痔の悪化を防ぐ11つの対策

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もしも痔になってしまったら、痔の症状を悪化させないことが大事です。ここでは、日常生活の中で取り入れたい痔の悪化を防ぐための11の対策をご紹介します。

①腸内環境を整える

痔を悪化させないために一番大切なのが、腸内環境を整えること。肛門にとってダメージの大きい便秘と下痢にならないためにも、腸内環境を整えることは非常に重要です。腸内環境を整えるためには、「善玉菌」が最も効果的で、善玉菌を増やしてくれる食物繊維・オリゴ糖を含む食品や発酵乳製品を積極的に採ったり、腰を回したり、上体を曲げたりねじったりなど、腸に刺激を与え、腸の働きを促してくれるエクササイズをするのもオススメです。

②水を1日に1.5~2リットル飲む

痔の症状がある場合には、スムーズな排便も必要です。便が硬くなってしまうと、排便する際に肛門に大きなダメージを与えてしまいます。1日に1.5リットルから2リットルの水を飲めば、便に充分な水分が含まれ、便秘になる可能性は低くなります。

④便意を感じたらなるべく早くトレイへ行く

便意があるにも関わらず、トイレに行かないでいると排便のタイミングを逃してしまうだけではなく、便意の感覚がリセットされ、排便されずに腸の中で便が留まってしまいます。そうなると便秘の原因となり、痔も悪化してしまいます。便意を感じたら、できるだけ早くトイレに行くようにしましょう。

⑤排便の際にはいきまない

いきむ時の腹圧も肛門にとってはとても負担が大きいもの。排便をしようと、何度もいきむことを繰り返していると、過度な腹圧が肛門にかかり、肛門のうっ血が起こってしまいます。排便の際には、3分以上はいきまず、姿勢は前屈みになり、かかとを少しだけ上げながら、肛門ではなく脇腹に力を入れて、腹圧を抑えるようにしましょう。

⑥トイレットペーパーで強くこすらない

排便後、トイレットペーパーで肛門を拭きすぎると、摩擦により肛門に負担が掛かります。また、肛門の周囲にトイレットペーパーがこびりついて残ってしまうと、炎症を起こし、痔を悪化してしまうことにもつながりかねません。排便の後は、できるだけウォシュレットで肛門を洗浄し、トイレットペーパーで抑えるように拭きとりましょう。

⑦同じ姿勢をキープしない

座ったり、立ったりと同じ姿勢を取り続けていると肛門に負担が掛かり、うっ血してしまいます。座りっぱなしの場合は、1~2時間毎に席を立ったり、立ちっぱなしの場合は、軽いストレッチなどをして足腰の血行を良くしましょう。

⑧香辛料を控える

香辛料を過剰に摂取してしまうと、肛門への血流が増え、肛門の炎症が起こりやすくなります。特に唐辛子は、胃や腸などで吸収されず、そのまま便となるので、排便の際に肛門を刺激したり、炎症を起こしたりします。香辛料は過剰摂取しないように心掛けましょう。

⑨お酒を飲み過ぎない

アルコールも香辛料と同様に胃腸を刺激します。ビールや日本酒などのアルコールを過剰摂取してしまうと、胃腸が刺激され、肛門のうっ血や下痢の原因になります。アルコールはほどほどに摂取するようにしましょう。

⑩タバコを控える

タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素には、血管を収縮させる働きがあります。血管が収縮すると血液の循環が悪くなり、うっ血して痔につながります。タバコは控えるようにしましょう。

⑪身体を冷やさない

身体を冷やすことも、肛門の血液循環を悪くして、痔を悪化しかねません。湯船に浸かって身体を温めると、痔の痛みを和らぎます。肩まで浸かることのない半身浴なら、身体の芯から温まり、痔には効果的です。しかし、化膿を伴うあな痔(痔瘻)の場合は、化膿を悪化させてしまうので注意が必要です。

こんなときは病院で治療を

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痔は生活習慣によって引き起こされることが多く、もし痔の症状が出た場合には、まず生活習慣を改善することが大切です。生活習慣を改善し、薬物療法を2~3ヵ月続けていても、痔の症状が治らないという場合は、病院できちんとした治療や手術が必要となってきます。

排便時に出血が多い場合は、痔ではなく、大腸がんやポリープが原因ということもあります。また、排便する際に違和感があるのは、その大半はいぼ痔によるものです。いぼ痔をそのままにしていると、いぼ痔が肛門から外へ飛び出し、戻らなくなってしまいます。痔ろう(痔瘻)は、ベースにある病巣を取り除かないと、肛門がんのリスクが高まってしまうので、手術が必要となります。

まとめ

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産後、多くのママたちが「痔」になりやすい環境にいます。痔の自覚症状があったとしても、お尻を診せなければならないと思うと、恥ずかしいし、日々赤ちゃんのお世話と家事に追われてなかなか病院へ行けないというママも多いはず。しかし、痔の症状があると排便の時だけではなく、座ったり立ち上がったりなど、日常生活でも支障をきたしてしまいます。 また、痔とは思っていたけれど、違う病気が隠れていたりする可能性もあります。あまりにも痛みが強かったり、市販薬などを使用していても症状が改善されない場合は、肛門科に行って、専門医にきちんと診てもらうようにしましょう。


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情報提供元:マイナビウーマン子育て

更新日:2017年1月16日

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