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【岩井志麻子】なぜ人は、不倫や秘密の恋を「におわせ」てしまうのか?

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目次

960年の歌合わせで詠まれた平兼盛の「忍ぶれど 色に出でにけりわが恋は 物や思ふと人の問ふまで」と、壬生忠見の「恋すてふ 我が名はまだき立ちにけり 人知れずこそ思ひそめしか」

微妙にニュアンスは違っても、どちらも「誰にも知られないよう恋していたのに、なぜかみんなにバレちゃってた」という意味の歌である。

 

「におわせの歴史」は長い

歌の出来は甲乙つけ難し、ではあったが、村上天皇が「忍ぶれど」の方を口ずさまれたので兼盛くんの勝ち、となってしまった。この逸話も、私が知っているくらい有名だ。
これって、どっちもいわゆる「におわせ」の歌よね。「どうしてバレたのかな」なんてとぼけてるけど、傍からはバレバレのミエミエだったに違いない。

本人達がはっきり明言はしなくても、そう疑われても仕方ないように振る舞い、いかにも意味ありげなことをにおわせていたのだ。千年以上前から、におわせはあった。
なんたって、彼らはお貴族様だからよ。恋愛は生き甲斐でゲームで原動力で、創作の源、そして社交界における会話や、歌を詠むためのネタだったんだから。

 

庶民は仕事も家事も忙しいんで、異性とはパッと出会ってパッとやるしかないけど、お貴族様はなんたって暇を持て余していらっしゃる。
におわせ、ほのめかしをせず、あのお姫さんが好き、あの御方とやりました、みたいに即座にいっちゃうと、周りも困るわ。

噂話が楽しめないじゃないよ。あれとあれがデキてる、ってなヒソヒソもできないし、本人だって趣ある歌が詠めなくなる。

 

なぜ、道ならぬ恋を「におわせ」るのか?

昨今、SNSの発達によって芸能人のみならず一般人でも、道ならぬ恋や隠しておかなきゃならない交際をほのめかし、におわせ、たちまち見つかって高貴な御方に誉められるのではなく、バッシングを受け嫌われる事態が相次いでいる。

なんたって、当事者も傍観者もみんな揃って暇なお貴族様になってしまったから。

噂話を生き甲斐にし、スマホで常に歌会みたいなこともやれて、「あの人とあの人はデキてる」といち早くにおわせに気づいて読み解けば、偉い御方に誉めてもらえなくてもあちこちの評議員や選者達、ライバルにまで高評価をもらえる。

特に芸能人なんか、恋して歌を作るのが仕事なんだから、におわせるに決まってるわ。


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この記事のライター

OTONA SALONE|オトナサローネ

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