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中古マンションを売る・買う、築年数でどう変わる?

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当記事はSUUMOジャーナルの提供記事です

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中古マンションを売る・買う、築年数でどう変わる?

東日本不動産流通機構(東日本レインズ)が2019年の「築年数から見た首都圏の不動産流通市場」の結果を公表した。これによると、築20年以内の中古マンションの人気が高いということだ。詳しく見ていこう。【今週の住活トピック】
「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2019年」を公表/(公財)東日本不動産流通機構(東日本レインズ)流通市場に出回る中古マンションは、年々年を取る?

結果を見る前に、「指定流通機構/レインズとは何か?」について説明しよう。

指定流通機構は、国土交通大臣指定の組織。各地域の主な不動産会社が会員となり、それぞれの指定流通機構のネットワークシステムに、不動産の情報を登録することで情報を共有している。そのネットワークがREINS(レインズ)と呼ばれている。

東日本レインズは、東日本地域を管轄している。公表されたのは、首都圏の新規登録物件(レインズに新たに情報を登録したデータ)と成約物件(レインズに成約の報告があったデータ)について、2019年一年間の情報を築年数の観点から分析したもの。

まず、平均築年数を見よう。
中古マンションの新規登録物件で25.84年(前年24.58年)、成約物件で21.64年(前年21.00年)となり、年々長くなる傾向にある。首都圏は過去に何度か「新築マンションブーム」が起こり、大量に新築が供給された経緯がある。それらが、中古の流通市場に出回るが、1年経てば築年数も1年増えるので、平均築年数が増加するのは想定されることだ。

ただし、新規登録物件の平均築年数の上昇率に比べると、成約物件の上昇率のほうが鈍い傾向が見られる。

具体的な築年帯別の分布は、図1のようになる。築31年以上の中古マンションは、新規に登録される物件のシェアでは39.8%にまで達するが、成約物件で見ると26.6%にとどまっている。

中古マンション築年帯別構成比率(%)(出典:東日本レインズ「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2019年)」)

中古マンション築年帯別構成比率(%)(出典:東日本レインズ「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2019年)」)

築年帯別で流通市場での成約しやすさは異なる

次に、築年帯別に新規登録件数に対する成約件数の割合=「対新規登録成約率」を調べた図2を見よう。明らかに、築20年以内と築21年以上で成約状況に違いが見られる。築20年以内のほうが流通市場に出て成約する可能性が高いということだ。

中古マンションの対新規登録成約率(成約件数/新規登録件数)(出典:東日本レインズ「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2019年)」)

中古マンションの対新規登録成約率(成約件数/新規登録件数)(出典:東日本レインズ「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2019年)」)

その理由は明確ではないが、2000年に住宅品質確保促進法(品確法)が施行され、統一した客観的な性能を評価して表示する「住宅性能表示制度」ができたことなどにより、この年以降に販売される新築マンションの性能が底上げされたといわれている。築20年以内の中古マンションが一定以上の性能が確保されていることも、理由のひとつにあるだろう。

また、1999年~2005年の間は首都圏で年間8万戸以上が供給される、大量供給の時代だった。中古として流通する戸数が多いことに加え、「都心回帰現象」が起こり、立地の利便性の高いマンションが多いことも理由に挙げられるだろう。

2019年の調査結果の特徴として、「築6~10年」の対新規登録成約率が突出して高くなっていことが挙げられる。これは、新築時の供給戸数が、首都圏で4万~5万戸に減少し、「ミニバブル」といわれるほど価格高騰期に向かったころに供給されたものだ。

新規登録物件の築年数帯別の構成比率を見ると、2019年と10年前の2009年を比較すると、新規登録物件の「築0~5年」は14.1%→7.3%に、「築6~10年」は17.3%→8.3%と構成比率が圧縮している。比較的築年の短いものが、以前より流通市場に占めるシェアが減っていることで、買い手にとって探しづらいという希少性も成約しやすい背景にあるのだろう。

流通シェアは少ないが手が届く価格帯の「築6~10年」は成約しやすい?

では、「築0~5年」と「築6~10年」の違いはどこあるのだろう?

図3の築年帯別の平均価格を見ると、「築0~5年」の平均価格は、新規登録物件で6179万円、成約物件で5619万円と若い世帯にはまだ手が届きにくい価格にある。「築6~10年以内」になると、いずれの平均価格も4800万円台まで下がる。平米当たりの平均単価を見ても、「築0~5年」から「築6~10年以内」で一段と下がっていることが分かる。

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中古マンションの築年帯別平均価格と平均平米単価 (出典:東日本レインズ「首都圏不動産流通市場の動向(2019年)」)

中古マンションの築年帯別平均価格と平均平米単価 (出典:東日本レインズ「首都圏不動産流通市場の動向(2019年)」)

「築6~10年」の中古マンションは、流通市場に出回るシェアが低いものの、手が届く価格でも探せるということから、2019年のデータでは最も成約しやすい結果になったと考えられる。

一方、築26年以上になると、成約物件の平均価格は1000万円台まで下がり、それ以降は下がらないという状況になっている。

さて、調査結果から中古マンションの築年帯別の市場動向を見てきたが、首都圏全体の市場の平均像と考えてほしい。

中古マンションの実際の売買では、物件のある地域の状況によって事情は異なる。その地域の需要の大小や流通の状況、新築マンションの供給動向などによって、築年数が古くても希望額で売れる場合もあれば、安値でないと買い手がつかない場合もある。全体傾向を理解したうえで、その地域の市場特性を適正に判断することが大切だ。

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