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【医師監修】葉酸を食べ物から摂る時の注意点、葉酸サプリを選ぶポイント

目次

妊娠を計画中の女性や妊婦さんに欠かせない栄養素「葉酸」はサプリメントからの摂取も推奨されていますが、基本となるのはやはり食事からの摂取。葉酸を食事から摂取する際の注意点や上手な摂取方法などをまとめました。

この記事の監修ドクター 窪 麻由美先生 Fika Ladies‘ Clinic フィーカレディースクリニック(東京都中央区日本橋)副院長。順天堂大学医学部附属浦安病院非常勤助教。東京女子医科大学卒業後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、順天堂大学医学部附属静岡病院などを経て、2009年に順天堂大学大学院医学研究科を卒業、博士号を取得。医学博士、日本産科婦人科学会専門医、日本抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツ医、女性のヘルスケアアドバイザー

葉酸とは?摂取する/しないことによる影響は?

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葉酸とはそもそも、どんな栄養素で、体の中でどんな働きをするのでしょう。また葉酸が不足すると体にはどんな影響があるのでしょうか。

葉酸とは?

葉酸はビタミンB群の一種です。ビタミンB群には「水溶性(水に溶けやすい)ビタミン」という特徴があります。

「葉酸」という名前はほうれん草の抽出物から発見されたことからついたといわれ、体内で赤血球をつくったり、細胞をつくるのに必要なDNA(デオキシリボ核酸)の合成に関わったりする働きを持つ栄養素です。

赤ちゃんへの影響は?

妊娠を計画している女性や妊娠初期の妊婦さんはとくに、葉酸を積極的に摂取したほうがよいとされています。それは葉酸に、胎児の「神経管閉鎖障害」の発症を抑える働きがあるからです。

「神経管閉鎖障害」とは、胎児の時に「神経管」という器官がうまくつながらないことで起こる先天性、つまり生まれつきの障害です。「神経管」は、のちのち体を動かしたり内臓をコントロールしたりするのに重要な役割を果たす体の器官となります。

本来、神経管に包まれて守られるはずの神経が露出した状態になる「二分脊椎」や、脳の大部分が欠損してしまう「無脳症」などは神経管閉鎖障害の一種です。葉酸を十分に摂取しておくことで、こうした先天性異常のリスクを減らせることが多くの研究結果から分かっています。

なお胎児の神経管は、女性がまだ妊娠に気づかない、とても早い段階でつくられます。そのため葉酸の摂取はまだ妊娠前の、妊娠を計画している段階から始める必要があります。

葉酸を摂取するメリット

葉酸を摂取する最大のメリットは、さきほど紹介した胎児の神経管閉鎖障害リスクの低減ですが、これ以外にもいくつかあります。主なものとしては、貧血や口内炎の予防、動脈硬化のリスクを抑える、病気への抵抗力を高めることなどが挙げられます。

葉酸を摂取することでこうしたメリットを得られるのですが、葉酸には体内にためておけないという特徴があります。そのため、毎日摂取する必要があることを覚えておきましょう。

葉酸が不足するとどうなるの?

妊娠初期の神経管ができる時期に葉酸を十分に摂取できず不足してしまうと、胎児の神経管閉鎖障害のリスクが高まります。

また、血液中に「巨赤芽球」という未熟な赤血球ができ、それによって貧血をおこしたり、場合によっては神経や腸に障害が生じたりすることがあります。 ほかに、葉酸には、血管内で活性酸素を発生させる「ホモシステイン」というアミノ酸の一種を減らす働きもあることがわかっています。葉酸が不足するとホモシステインが減らず、活性酸素も増加して、その結果、動脈硬化を発症しやすくなる可能性も考えられます。

葉酸不足は食事からの摂取量が足らない時や、腸からの吸収がうまくいかなかった時などに起こりやすいといわれています。葉酸を上手に摂取する方法を知って、葉酸不足に陥らないよう注意しておきましょう。

葉酸を上手に摂取する方法

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ここからは葉酸の具体的な摂取方法を解説します。一日に必要な葉酸の摂取量や葉酸を多く含む食べ物などを知って、上手に摂取していきましょう。

葉酸は一日にどれくらい摂ればよい?

一般的な成人女性の葉酸の推奨摂取量は、1日あたり240μg(0.24mg)とされています[*1]。妊娠を計画している女性や妊娠中、授乳中の女性は、それよりもさらに多く摂取することが推奨されており、その追加量は時期によって多少異なります。

葉酸が最も多く必要とされるのは妊娠計画中(妊娠の1ヶ月以上前)~妊娠3ヶ月までの女性で、この時期は「食事から240μg+サプリメントなどから400μg=計640μg(0.64mg)」を摂取したほうがよいといわれています[*1, 2]。

ただし、同じ妊婦さんでも妊娠中期以降(妊娠4ヶ月の3週目から。妊娠14週~)になると、食事から480μg(0.48mg)、授乳中の女性は食事から340μg(0.34mg)の葉酸を摂取することが、それぞれ推奨されています[*2]。妊娠週数によって推奨摂取量が異なる理由はこの後、説明します。

ちなみに実際の葉酸の平均摂取量は、一日あたり281μg(0.281mg)(女性全年齢の平均)[*3]。年齢別に見ると、妊娠機会の多い20代は236μg(0.236mg)、30代は249μg(0.249mg)と、全年齢の平均値よりもやや少なくなっています[*3]。

葉酸の摂取量は食生活に左右されるので個人差が大きいものですが、妊娠計画中や妊娠中の女性は食べ物に加え、サプリメントや栄養補助食品などから追加で摂取して、推奨量に近づけられるとよいですね。

葉酸を多く摂取するとよい時期は?

先ほどお伝えしたように、最も多く葉酸を摂取したほうがよいのは、妊娠の1ヶ月以上前~妊娠3ヶ月までの女性です。この時期の女性は、妊娠していない女性の2.5倍以上の葉酸を摂取したほうがよいということになります[*1]。なぜ妊娠前~妊娠3ヶ月までの時期が、最も多く葉酸の摂取を必要とするのでしょうか。それには「赤ちゃんへの影響は?」の項でお話しした、胎児の神経管閉鎖障害への影響が関係しています。

赤ちゃんの先天異常の多くは、妊娠直後から10週(妊娠3ヶ月の後半)までの期間に起こるといわれており、とくに神経管閉鎖障害に関係する中枢神経系は妊娠7週未満(つまり妊娠2ヶ月まで)に起こることが知られています[*4]。

一般的に妊娠に気付くのは、生理の遅れがわかる妊娠4~5週ごろですが、このころから葉酸を摂取しても間に合わない可能性があるため、多くの研究から少なくとも妊娠の1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月まではとくに十分な量の葉酸を摂取することが勧められているのです。

コンドームなどの不確実な避妊法のみで、ピルなどによる積極的な避妊を行っていない女性は、いつ妊娠しても後悔しないよう、常に葉酸を摂っておいたほうが良いかもしれません。

また妊娠前からの摂取ができていなかった場合でも、妊娠に気付いたらできるだけ早いタイミングで葉酸の積極的な摂取を行うことをおすすめします。妊娠がわかった後の摂取でも、神経管閉鎖障害の発症リスク抑制効果がみられたとする報告があります。妊娠前~妊娠初期は特に意識して葉酸を摂ることを心掛けましょう。

葉酸が多く含まれる食べ物は?

妊娠中の栄養素の摂取は、できるだけ食べ物から摂り入れていくことが基本とされています。葉酸もその基本にのっとって、可能な範囲で食べ物から摂取できるよう心がけましょう。

葉酸を多く含む食品

葉酸は、名前の由来である緑黄色野菜のほか、レバー(肝臓)やうなぎ(※)、ウニなどの動物性食品にも多く含まれます。葉酸を多く含む食品と100gあたりの葉酸の含有量(μg/100g)は以下の通りです[*5]。

・鶏、豚、牛(肝臓・生)=810~1,300 ・うなぎ(肝・生)=380 ・イクラ=100 ・ホタテガイ(生)=87 ・生ウニ=360 ・枝豆(ゆでたもの)=260 ・あさつき(ゆでたもの)=200 ・アスパラガス(ゆでたもの)=180

枝豆やあさつき、アスパラガスなどの野菜類はゆでたもので計算されていますが、葉酸は水に溶けやすい水溶性ビタミンであることに加え、「熱に弱い」という性質があります。調理の際、加熱し過ぎると、葉酸が分解されて失われたり、ゆで汁の中に溶け出したりする量が増え、上記の値よりも含有量が少なくなる可能性があります。こうしたロスを防ぐために、蒸しもの、炒めもの、汁ものなど、葉酸を逃さない調理法を工夫したり、加熱しすぎないように注意しましょう。

※食品に含まれる葉酸は半分しか体に吸収されない

食品に含まれる葉酸には、「体に吸収されにくい」という特徴があることにも注意が必要です。

含有量のおよそ半分しか体に吸収されないので、たとえば、枝豆(ゆでたもの)100gには260μgの葉酸が含まれるものの、体に吸収されるのは最大で130μgほどです。

一般的な成人女性の1日あたりの推奨摂取量240μgの葉酸を枝豆だけで摂ろうとしたら、200g近くの枝豆を食べる必要があるということです。

※ビタミンAの摂りすぎには注意して

また、注意点はもうひとつあります。葉酸の摂取が大切な妊娠計画中や初期にビタミンAを摂りすぎると、赤ちゃんに神経管閉鎖障害とはまた別の先天異常(水頭症や口蓋裂など)を引き起こす可能性があります。

さきほど紹介したようにレバーやうなぎの肝は葉酸の豊富な食品ですが、ビタミンAも豊富に含んでいます。そのため、妊娠中または妊娠を希望する女性はビタミンAを含むサプリメントやレバー、レバー製品の摂りすぎに注意が必要といわれています。

ビタミンAの成人女性の1日の摂取推奨量は650~700μgRAE、妊娠後期にはこれに一日80μgRAE追加することが推奨されていますが、1日の上限量は非妊娠時は2,700μgRAE、妊産婦では3,000μgRAEとされています[*1]。

例えば、鶏レバー100gには14,000μgRAE[*6]のビタミンAが含まれるので、少し食べただけであっという間に上限量以上のビタミンAを摂取することになります。葉酸の摂取も大切ですが、それに気を取られてビタミンAの過剰摂取に陥らないよう、気を付けましょう。

葉酸サプリを選ぶポイント

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妊娠期に必要な量の葉酸を摂取するには、サプリメントも上手に活用する必要があります。葉酸サプリを選ぶ時のポイントを紹介します。

葉酸はサプリメントからの摂取も勧められている

妊娠中の栄養は基本的に食事から得ることが推奨されていますが、葉酸は食事以外にサプリメントや栄養補助食品などからの摂取も勧められている、珍しい栄養素です。

なぜサプリメントでの摂取が推奨されているのか、その理由は葉酸の利用率、つまり摂取した葉酸をどれくらい有効に利用できるかに関係しています。じつは食品に含まれている葉酸(ポリグルタミン酸型葉酸)とサプリメントなどに含まれる葉酸(モノグルタミン酸型葉酸)では利用率に差があり、サプリメントに含まれるもののほうが利用率が高いのです。

そのため、神経管閉鎖障害の発症リスクを抑えるために十分な葉酸が必要とされる妊娠前~妊娠初期は、食事に加え、効率よく体に葉酸を摂り込むことができるサプリメントを利用することが勧められているのです。

過剰摂取を防ぐためのポイント

ここまでで葉酸の摂取が大切ということを紹介してきましたが、葉酸も過剰摂取するとかえって体に良くありません。体に吸収されやすいサプリメントを選ぶ際は、できるだけ過剰摂取を避けられるものを選ぶと良いでしょう。以下にポイントをまとめます[*2]。

☑ ラムネやグミなどのような食品形状のもののほうが、香りや味などがあるため摂取しすぎを防ぐことができます

☑ モノグルタミン酸型葉酸が添加されたコメやパン、卵、シリアル、菓子、乳製品などを上手に利用すると良い

☑ 葉酸やそれ以外の栄養素の添加量、原材料がはっきりとした製品を選びましょう (ビタミンAなど、ほかの栄養素も含む製品を複数利用する場合は、各栄養素の総量が推奨量より過剰にならないよう注意が必要です)

まとめ

葉酸は妊娠期に大切な栄養素ですが、適切な量を摂取することが大切です。基本的には食事からの摂取を心掛け、サプリメントを利用する場合は、含まれている葉酸の量をチェックし、過剰摂取にならないよう気を付けながら摂取しましょう。

(文:山本尚恵/監修:窪 麻由美先生)

※画像はイメージです

参考文献 [*1]厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2020年版) https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html [*2]国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所妊娠中のサプリメントの利用について (Ver.191126) https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail1550.html [*3]平成30年「国民健康・栄養調査」の結果 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08789.html [*4]厚生労働省「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性 等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」 https://www.mhlw.go.jp/www1/houdou/1212/h1228-1_18.html [*5]「健康食品」の安全性・有効性情報|国立健康・栄養研究所食品保健機能研究部健康食品情報研究室 https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail652.html [*6]文部科学省:食品成分データベース https://fooddb.mext.go.jp/index.pl

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます


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この記事の著者

マイナビウーマン子育て

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