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40代の婚活のリアルを綴って、まもなく丸4年。OTONA SALONE編集長・アサミ(48歳)は、婚活パーティ、婚活アプリ、紹介婚活、個室婚活などでさまざまな男性と出会ってきた。
現在婚活中のお相手は、50歳の眼科医・レンズさん。ゴルフの練習デートに続いてフレンチのお店でランチデートとなったのだが……。この物語は40代独女の「実名 顔出し」で書いている、リアル婚活ドキュメントである。
50歳の眼科医・レンズさんは、一般的にみたらめんどくさい男性だろう。仕事のことや会社のこと、運転免許の有無、ドレスコードなどかなり細かくチェックしてきた。
でも、個人的にはさほど不快ではなかった。というよりも、自分の考えや相手に求めることをストレートに伝える姿勢には好感を持った。と同時に、私はもっとストレートに、自分のことを相手に言わないといけないのだと感じた。
私が過去の恋愛でうまくいかなかったのは、ストレートに伝えていない、言葉を飲み込んでいたからかもしれないと気づいたからだ。
付き合ってから「なんか違った」とか言われてフラれるんだったら、付き合う前に終わりにしたい!
そう思って「なんか違った」と言われないよう、普段は口にしないコンプレックスについて話してみることにした。
実は、幼少の頃から女の子に生まれたことがイヤだったこと。男の子になりたかったこと。
料理や裁縫に興味がない女の子になると決めたこと。
家庭科の授業はわざとフザけて怒られていたこと。
でも、ここ数年は簡単なものだったら自炊していたこと。
レンズ「婚活を始められてからは料理してたんじゃないですか。なんでまた、プロフィールにあえて料理が苦手だなんて書いていたんですか?」
アサミ「大嫌いだったんですよ。『男心を掴むには、まず胃袋を掴む』っていう考え方が」
『女心を掴むには、まず胃袋を掴む』という、逆の言葉は聞かない。なんで男心だけに限定するのだろう? 料理好き、料理上手=女子力高いみたいな捉え方もイヤだった。
レンズ「昔からある言葉ですが、確かに考えたらおかしいですね」
お、同意してくれた。よし、もうちょっとこの話題を続けていこう。
アサミ「食べることは、男性も女性も関係なく共通のことじゃないですか。だったら、料理を作るのだって男女共通のことだと思うんです。女性だけが男の胃袋を掴めと言われるんじゃなく、男性も女の胃袋を掴めと言われるなら理解できるんですけど」
2回目の婚活デートでこんな会話をしている人なんているのだろうか? ロマンティックさの欠片もない会話(苦笑)。でも、私は楽しい。
レンズ「おっしゃる通りですね。特に現代のように、共働きの夫婦が増えている社会では」
アサミ「食べるって毎日の当たり前のことじゃないですか。そのための料理ができるって、女子力が高いのではなく、人間力が高いっていうことじゃないでしょうか」
どんどん主張モードというか、プレゼンモードなトークになっていることは、なんとなく気づいているが止まらない。
レンズ「料理ができるのは人間力が高い、確かに。生きるための力があるということですからねえ」
アサミ「サバイバル力があるとも言えるんじゃないかと」
レンズ「でも、そう思っていらっしゃるなら、あえて料理が苦手と婚活アプリのプロフィールに書かなくてもいいのではないですか?」
アサミ「うーん……。なんていうか、ダメなところを知ったうえでマッチングしてほしいと思って」
付き合ってから「なんか違った」ではなく、付き合う前にダメなところを早めに直視していただきたい。
レンズ「なるほど。でも多くの人は、婚活アプリでそこまで細かく見てないですよ」
アサミ「まぁ、そうですよね」
レンズ「でも、お互いのダメなところを知るとか、嫌いなものについて話すことって、実は好きなことを知るより大事なことだと思います」
好きなことより嫌いなことを知る……なるほど。
レンズ「僕はこの話を聞けてよかった。アサミさんは男子厨房にいらずみたいな考え方が嫌いで、男女が対等であることをのぞんでいるんですね」
アサミ「はい。ジェンダー平等な社会が大切です。そのためには一人一人の考え方が変わらないとと思って」
レンズ「SDGsの目標のひとつですからね」
アサミ「料理は女子力じゃなくて人間力だと、やっと最近自分の中でも納得できて、だからたまには料理するのだとやっと言えるようになりました」
クククッと軽く笑う彼。
レンズ「面白いですね、アサミさんって。いままで婚活でお会いした女性と、こんな会話をしたことはなかったです」
アサミ「そんな……ありがとうございます。私もデートでこんな会話したことないです」
レンズ「婚活を通じて何人かとお会いしましたが、対等な男女関係を築くのって、本当に難しいと感じていました」
アサミ「どういう点が対等じゃないと思いました?」
レンズ「前にもお話したかもしれませんが、結婚したら今の仕事は辞めたいという方が多くて。インフルエンサーの仕事をしながら僕の仕事を手伝うとかいうんですよ」
アサミ「以前もおっしゃってましたね」
レンズ「結局、経済的に僕に頼るってことじゃないですか」
アサミ「実際のところはわかりませんけど……」
レンズ「僕はいま眼科医として仕事をしているけれども、いつ、何があるかはわからない。どっちかに依存する関係性は、万が一のときのリスクヘッジができないと思いませんか?」
確かに……。家庭でも仕事でも、何かひとつのことに依存してしまうと、万が一のときのダメージが大きい。
アサミ「そうですね。どちらかに依存するのはよくないと思います」
レンズ「よかった。アサミさんは僕の対等な関係性というのを理解してくれそうです」
食後のコーヒーを飲んでいるうちに、レンズさんが店員のかたを呼び寄せた。
レンズ「これでチェックを」
そう言って、カードを渡した。店員さんが去ったあと、彼に尋ねた。
アサミ「おいくらでしたか? お支払いします」
レンズ「いいんです、今日は僕が」
アサミ「いえ、でも」
レンズ「いいんです。カッコ悪いからお財布は仕舞ってください」
アサミ「ありがとうございます。美味しいランチをごちそうさまでした」
ランチのあとは軽く街を散歩した。そしてレンズさんとの2回目デートは終わった。
レンズ「またお会いしましょう。お誘いします」
という言葉を最後に……。
『恋ができない40代が運命の人をみつける17の方法 LOVE RULES 』
【次回は7/22(水)17時の更新。お楽しみに!】
【前回はコチラ】
【40代編集長の婚活記#205】恋に不器用な女が「告白したこと」
【「婚活記」の過去記事一覧はコチラ】
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