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【助産師監修】ニップルシールド(乳頭保護器)って何? 授乳の乳首痛で使えるの?

目次

「ニップルシールド(乳頭保護器)」は、母乳育児がうまくいかないときのお助けアイテムのひとつ。市販されていて誰でも購入できますが、使用にはいくつか注意点があります。特に痛みがあるときの使用については、よく確認した方がよさそうです。ニップルシールドの利点とリスク、使うときの注意点を紹介します。

「ニップルシールド(乳頭保護器)」ってどんなもの?

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まずは「ニップルシールド(乳頭保護器)」がどんなものなのか、確認しておきましょう。

どんなときに使うの?

「ニップルシールド」は、授乳の際に乳首に装着して使うもので、「赤ちゃんが乳首にうまく吸い着けない」場合や、「吸い着きが続かない」ときに使用します。

ママが「扁平乳頭」や「陥没乳頭」で乳輪部がむくみ、赤ちゃんがうまく吸い着けないようなときにも使用が検討されます。早産で産まれた赤ちゃんに補助的に使うこともあります。

ニップルシールド(乳頭保護器)のメリット

ニップルシールドを使うと、適切な吸着が続かない赤ちゃんや授乳中にすぐに眠ってしまう赤ちゃんに母乳をより多く飲ませることができることもあります。

自己判断での使用はおすすめできない

ただし、ニップルシールドを「自己判断で」使うことはおすすめできません。ニップルシールドには以下のようなリスクもあるからです。

ニップルシールドのリスク[*1]

1.赤ちゃんが乳頭混乱(※1)を起こす可能性がある。

2.乳房や乳頭の刺激が減って、母乳の産生とオキシトシン反射(※2)を低下させる。

3.サイズが合っていないと乳首を痛めることがある。

4.赤ちゃんの体重増加不良、脱水のリスクが増える。

5.適切にお手入れをしないと、細菌やカンジダの温床となる。

6.赤ちゃんが直接吸うことができなくなる。

7.ママも依存するようになり、後々外すことが難しくなって悩みやストレスにつながる。

※1「乳頭混乱」:赤ちゃんが哺乳瓶(人工乳首)を好み、おっぱいでの授乳を嫌がること。早ければ生後1週間以内から、生後3~4ヶ月で起こることもある[*2]

くわしくは下記の記事も参照してください。

※2「オキシトシン反射」:赤ちゃんが乳首に吸い着く刺激などによって、ママの脳からオキシトシンというホルモンが分泌される。このオキシトシンが乳腺の筋肉を収縮させ、おっぱいが出るようになること

専門家に相談したうえで一時的に使うもの

つまり、ニップルシールドの使用が、「赤ちゃんが乳頭混乱を起こす」「母乳の量が減る」などの問題を起こし、かえって事態を悪化させる可能性もあるということです。ですから、実は、自己判断で安易に使用するのは避けたいアイテムなのです。

おっぱいの悩みがある場合は、まず助産師など、母乳育児支援の専門家に相談し、ニップルシールド以外にも解決法がないか確かめてもらうことをおすすめします。ニップルシールドは、赤ちゃんが「ほかの方法でどうしてもおっぱいをうまく飲めないような場合」に「一時的に」使うアイテムなのだということを覚えておきましょう。

「乳首に痛みがあるとき」に使ってもいいの?

「乳首に痛みがあるのでニップルシールドを使ってみたい」という人もいるでしょう。確かに市販のニップルシールドには、「痛みや傷があるとき使用できる」と書かれていることがあります。

基本的にはおすすめできない。まずは専門家に相談を

とはいえ、「乳首に痛みがある」ことを理由にニップルシールドを自己判断で使うのはおすすめできません。この場合も、安易に使用することでかえって事態を悪化させる可能性があるからです。

サイズが合っていないと傷がひどくなることも

ニップルシールドには利点がある反面、いくつかのリスクもあると紹介しました。リスクのなかには「サイズが合っていないと乳首を痛めることがある」というものもあります。

ニップルシールドは乳首を覆ってくれるので傷の保護にいかにも良さそうに見えますが、合わないものを使用してかえって乳首を痛めてしまっては元も子もありません。

まずは「授乳姿勢を見直す」ことが大切

授乳で乳首が痛む場合は、実は「授乳姿勢」が影響して起こっていることが多いといわれています。授乳姿勢が悪いために赤ちゃんが乳首にうまく吸い着けず、乳首が傷つくことがあるのです。乳首に痛みを感じたらまずは授乳姿勢を見直し、赤ちゃんが乳首に吸い着きやすい角度で抱っこができているか確認してみましょう。

くわしくは下記の記事も参照してください。

専門家にいろいろな対応方法を教えてもらおう

なお、乳首に傷ができてしまったら悪化させないよう保湿が大切なので、赤ちゃんがなめても大丈夫なものを乳首に塗ります。その際、もっともよいのは「母乳」と言われています。実は、母乳には殺菌や皮膚を保護する作用があるとされているのです。その他、ラノリン油や馬油など(ランシノー、ピュアレーンなど)もよく使われます。

また、乳首の痛みが強いときは、一時的に直接母乳をあげることを休んで、搾乳をしたりミルクをあげたりすることもひとつの選択です。その際、赤ちゃんの乳頭混乱を防ぐために、搾乳した母乳を哺乳瓶ではなく「コップで与える(カップフィーディング)」という方法もあります。実は、いくつかのポイントを守ってあげれば、赤ちゃんは新生児からコップで飲むこともできます。慣れておくと、災害時などに紙コップでミルクをあげることもできるので、知っておくと防災にも役立つ方法です[*2]。

ただし、カップフィーディングにはいくつか注意すべき点があり、自力でいきなり試してみるのはハードルが高いでしょう。また、授乳姿勢に問題があっても自分で気づくのはなかなか難しいものです。自分に合ったニップルシールドのサイズがわからないこともよくあるでしょう。

そんなときは、やはり専門家に相談して、その人に合った対応方法について、やり方からくわしく教えてもらうのが一番です。乳首に痛みがある場合も、なるべく早めに母乳相談外来などで、母乳育児の専門家に相談することをおすすめします。

ニップルシールド(乳頭保護器)の選び方と使うときの注意点

ここでは、実際にニップルシールドを使う場合の選び方や注意点を紹介します。

ニップルシールドの選び方の基本

ニップルシールドは、購入にあたっても専門家に相談するようにしましょう。基本的には次のような基準で選ぶと良いとされています。

・素材は薄いシリコン製

・乳頭にフィットする(サイズが合っている)

・赤ちゃんの口の大きさに合っている

厚いゴム製やラテックス製、哺乳瓶に使う乳首は使わないようにしてください[*3]。

どこで手に入る?

ニップルシールドは、インターネット通販やベビー用品の取り扱いがある店舗で購入することができます。

ニップルシールドを使うときの注意点

ニップルシールドはずっと使い続けるものではなく、赤ちゃんが乳首から直接飲めるようになることを目指して使用するものです。短期間で外せることもあれば、数週間かかることもありますが、赤ちゃんの様子を見ながら、少しずつニップルシールドなしの授乳にも慣れさせていきます。

ニップルシールドを使用しているときは、下記の点を確認します。

・赤ちゃんが母乳をしっかり飲めている

・哺乳量が増えている

・赤ちゃんの体重が順調に増えている

これらが確認できたら、1日数回、ニップルシールドを外して授乳します。

なお、ニップルシールドを使い始める場合、もともと母乳の分泌量が十分あることが望ましいです。生後早くから使うと母乳の量が増えないというデメリットが起こりやすいので、母乳の量が増えてきてから使うようにします。ニップルシールドを使用している間は搾乳をしたりマッサージをしたりして、母乳の量を減らさないように注意する必要もあります。

また、ニップルシールドは赤ちゃんの口に入るものなので、各製品の説明書に従って適切に手入れをし、清潔に使うようにしましょう。

いずれにしても専門家に相談しながら使用し、必要がなくなるまでアドバイスを受けるようにしましょう。

まとめ

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ニップルシールド(乳頭保護器)は、人によっては授乳の際にとても頼りになる存在です。ただ、いくつか問題を引き起こすリスクがあるのでその点をよく理解した上で、専門家の指導のもとに、いつか卒業することを目標に使用しましょう。乳首の痛みや傷で悩んでいるママは、まずは赤ちゃんの抱き方や赤ちゃんが乳首をどのようにくわえているかを確認して正しい方法に見直しを。中々解決しないときは母乳相談外来などで専門家に相談するようにしてくださいね。

この記事を解説してくれた先生 坂田 陽子先生 看護師、助産師、国際認定ラクテーションコンサルタント。 葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院のNICU・産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。その後、都内の産婦人科病院で師長を経験。現在は東京で「すみれ出張助産院」を開業している。

HP:https://sumire-josanin.com/

(文:佐藤華奈子/監修:坂田陽子先生)

※画像はイメージです

参考文献 [*1]公益社団法人 日本助産師会「赤ちゃんとお母さんにやさしい 母乳育児支援」 http://www.midwife.or.jp/b_attendant/breastfeeding.pdf [*2]公益社団法人日本栄養士会 「赤ちゃん防災プロジェクト 災害時における乳幼児の栄養支援の手引き」 https://www.dietitian.or.jp/news/upload/images/aec041f33071d6c0a7b768074ebeb34cf966e0cc.pdf [*3]水野克己ほか:母乳育児支援講座 改訂2版, 南山堂, 2017.

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます


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この記事の著者

マイナビウーマン子育て

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